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下僕兄さんと僕
2008年07月25日 (金) | 編集 |
注意書き・本編とはおもいっきり離れたパラレルになりますのでそれでもOKなかただけどうぞ☆連載物になります。

☆下僕兄さんと僕  その1 このページの目次リンクの下から始まります。


下僕兄さんと僕  その2  


下僕兄さんと僕  その3  

下僕兄さんと僕 その4 

下僕兄さんと僕 その5 

下僕兄さんと僕 その6 

下僕兄さんと僕 その7 

下僕兄さんと僕 その8 8月8日UP
 今回は暗めのお話です。

下僕兄さんと僕 その9  8月9日UP
 最終回です。読んで下さった方、ありがとうございました♪



うちの作品ではどういう形であれ、ロロがラストで幸せになることだけは決定しているのでご安心下さい♪




下僕兄さんと僕

夢を見るぐらいの自由は残されていると思うので夢を見ることにした。

そう、見るならありえないぐらい幸せな夢がいい。

幸せを感じたことのない僕の描く夢だから、限りなく嘘っぽいだろうけど、別に誰の迷惑になるわけでもないからかまわない。

まずは家族。
家族と言うのは、全ての集団の根源となるもので、家族に愛されたものは幸せをつかめるらしい。

しかし僕には家族が一人もいない。
だからまずは家族が欲しい。

家族はぬくもりというものと、無償の愛をくれるらしい。
大家族なんて楽しそうだけど、今まで一人の家族もいなかった僕にはイメージさえ出来ないのでそんなに多くなくてもいい。

妹や弟もいいが、出来たら僕を可愛がってくれる人がいい。
だって、妹や弟がいても可愛がり方なんて分からない。
うざったくなったら夢の中の妹や弟を殺してしまいそうだ。
それはちょっと幸せな夢にそぐわない。



お父さん、お母さん、いるといいな。

お父さんは軍人で出張が多いけど優しい人。お母さんは、料理が上手でいつも僕を抱きしめてくれる人。そんな設定はどうかな?

お仕事っていっても、暗殺隊とか、情報部とか、軍人とか、あと、僕が暗殺してきた人たちとかしか知らないから、ま、職業は出張がちな軍人でいいや。


お母さんは・・・それこそ、全くイメージがわかない。
優しくて暖かいのがお母さんらしいけど、優しくされた事はないし、暖かかった記憶も無い。

・・・だめだ、夢とは言え、全くイメージできない。何か悲しくなってきた。
お母さんは僕を愛しつつ、テロに巻き込まれて死んだ事にしよう。
うん、僕にしては中々いいんじゃないかな?

お母さんがいないなら、優しい姉だけが家族と言うのはどうだろう。
姉弟二人っきり・・・。
なんかいい響きかも。

僕は外見で人を判断したりしないけど、何も残ってない僕が僕のために見る夢なんだから、やはり、とびっきり美人の姉がいい。

そう、例えば、伝説に語られる閃光のマリアンヌ様のような強くて優しい姉がいることにしよう。

・・・いやまて、僕は姉どころか女性全般をよく知らない。
優しい姉がいたとして、姉はどういう風に僕に優しくしてくれるのだろう?

しかたない。
あまり嬉しくないが、優しい兄がいることにしよう。
僕も男だから、兄なら行動パターンは何となく分かる。

年も・・・そう、あまり離れると行動パターンが分からなくなるから、2歳上ぐらいが限界か。

可愛がられるのにあまりにもむさいおっさんみたいな兄だと殺意を覚えそうだから、出来るだけ美形の兄がいいだろう。
そして、家事能力抜群だと更にいい。
毎日美味しいものを作ってくれて、優しい言葉をくれるんだ。(具体的には思いつかないけど。)



ああ、なんて都合のいい夢なんだろう。
現実の僕とは大違いだ。

現実の僕は、ギアスを使った暗殺をやりすぎて肢体麻痺になってしまった。
毎日ベットに寝たきりで、動くときは車椅子が必要だ。

最初は手足がしびれるぐらいだったけれど、ギアスを使って何度も空白の5秒を作るうち、脳や神経細胞を少しづつ痛めていったらしい。
だけど僕の居場所は響団にしかなく、依頼を断るという事は居場所を失うという事と同義だ。

多分あと一回依頼が来たら、僕は命を失うか、植物人間になって実験用に回されるだろう。

だから、せめてもの抵抗に、幸せな夢でも見てやろうと思ったのだ。


それなのに、幸せの何たるかを知らない僕は満足に夢さえ描けない。

ああ、神様!全く信じてない神様!!

もしいたら僕はこんな目にあっていないと思うから、いないに決まってるけれど、もしいるなら僕が死ぬまでのわずかな間に楽しい夢を見せて下さい。
死を待つだけのこんな体、もういりませんから、命と引き換えに幸せな夢を見せてください。
そうしたら何の幸せもつかめなかった僕だけど、諦めて大人しく成仏します。

でも、駄目だったら、手始めにこの研究所を祟ります。
地震を起こし、水害を起こし、世の中を呪いつくします。
でも、それも何だか面倒な気がするのでどうか神様、幸せな夢を僕に見せてください。


そう思って僕は目を閉じ、眠りに落ちた。






夢は結局見なかった。

そのかわり、最後の依頼が来てしまった。
やっぱり神様なんかいないんだ。悪魔ならいるみたいだけど。

それにしても、ベットで寝たきりの僕に依頼なんて物好きな。
まあ、上半身は何とか動くから、ナイフは無理としても銃なら使えるか。

そんな事を思いつつ話を聞く事にした。


「え!?潜入捜査ですか?僕は家族を知りませんし、第一この体でどうやって潜入捜査をしたらいいのでしょう。」

僕は途方にくれた。

この依頼は厄介払いをしたい上の者がわざと僕にこんな任務を当てたのだろうかとさえ思った。

しかし、話は妙な方向に進んだ。

「車椅子でしか動けないお前だからこそいいのだ。対象には車椅子で生活していた妹がいる。お前は記憶操作によって偽者の弟に仕立ててあるから、そのように動きつつ、対象の生活を監視し、報告するだけでよい。」

「はあ・・・それでいいのでしたら・・・。」

命令は絶対。
何だか狐につままれたような気がするが、昨日夢を見なかった代わりに神様が僕に兄をくれたらしい。
それも、名高いマリアンヌ様の息子の兄が。

まて、こんな都合のいい話ってあるだろうか?
コレこそが僕の描いていた夢の話だ。

ああ、僕は今まさに夢を見ているに違いない。

任務で偽者(しかも元テロリスト)の家族が出来るというあたり、僕の設定する夢らしくて微妙だが、神様っているんだな。
いや待て、しまった!!


僕は死ぬほど後悔した。

こんな事なら妥協せずにやっぱり美人のマリアンヌ様似の姉にしておけばよかった。
僕の想像力が欠如していたため、泣く泣く諦めた美人の姉。
しかし、どうせコレは僕の夢なのだから、アレコレ思い悩まず超美人の姉にしておけばよかったのだ。

がっくりと肩を落としてももはや手遅れで、同僚になる機情のメンバーによって僕は何とか学園に運ばれ、何とかと言う名前の偽兄の眠るベットの脇に運ばれた。


続く・・・









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下僕兄さんと僕  その2
2008年07月25日 (金) | 編集 |
学園の名前とか、偽兄の名前とか正直どうでも良かった。
僕は美人の姉という設定にしなかった事を激しく後悔していてそれどころではなかった。

どうせ僕の見ているただの夢なのだから、まあ、兄など適当でいいだろう。


そう思ってクラブハウスの一角にある部屋のベットに眠る兄を見た。



・・・ちょっとした衝撃だった。
兄と言うからには男なのだろうが、どんな美女もかなわないぐらいの美形の兄がそこにいた。

以前写真でちらっと見た事のある、マリアンヌ様そっくりの高貴でくっきりとした顔立ち。
マリアンヌ様と同じ、つややかな美しい黒髪。


ああ!やっぱり姉にしておけばよかった!!

でも、こういう夢を望んでしまったのだから仕方ない。
僕は心の中で

「今からでも姉になれ~、美人の姉になれ~。」

と呪文を唱えてみたがまったく効き目ナシだった。
僕の見てる夢なのだから、これ位の些細な変更は今からだって許されてもいいと思うのだけど。


それにしても美人の兄だ。
見とれてしまうほどの美人だ。

穴が開くほど見つめたせいか、長いまつげが揺れ動き、紫水晶の瞳が開かれた。


こ・・・これは!!
眠っていても美人だけれど、目を開いたら更に美人だ。
本当にマリアンヌ様そっくり。


ああ、僕の馬鹿。
ここまで無駄に美形でなくて少々劣化版でいいからやっぱり姉にしておけば良かった。
でもまあ、不細工な兄より美形の兄の方がむさくるしくないだけでも救われる。

声はどうなんだろう。
偽兄は紫の不思議な色合いの瞳で僕をじっと見つめるばかりで一言も喋らない。

ああ、そうか。
こういう時兄として弟にかけるべき言葉を僕が知らないから偽兄は何も喋らないんだ。

う~ん。
僕は元々兄さんとずっと暮らしていた事になっているから、とりあえず僕に向ける言葉は

「ロロ、おはよう。」

でいいんじゃないだろうか?


喋る内容はどうでもいいから、この綺麗な人の声を聞いてみたい。
ちょっと可愛い声だったら嬉しいな♪


などと勝手に思っていたら偽兄は恐ろしく低いボイスで

『ロロ、おはよう。』

と言いやがった。

僕はものすごくがっかりした。


いや、がっかりする事なんて無いはず。
この人はいくら綺麗でも兄なのだから、可愛い声だったらむしろ変だ。
オカマの兄の元では世間様に後ろ指を指される事はあってもとうてい幸せになどなれまい。

きっと僕の潜在意識が危険を察知して、男として普通の声(というかむしろ低め)の設定にになったのだろう。
なんて常識のある僕なんだろう。さすが僕だ。
自分で自分を褒めてやりたい。(どうせだれも褒めてくれないし)



・・・・・・と、むなしく自分を褒めまくっていたら、兄の手が伸びてきて、頭をなでられた。
そして、

「ロロ、助かるよ。起こしてくれて。俺とした事が寝坊してしまったようだ。本当にありがとう。」

そう言って起き上がると僕を引き寄せ額にキスしてきた。



流石にちょっとビックリして身をすくめるが、なるほどと思い直す。

僕はずっと誰かに褒めてほしかった。
誰かの役に立って褒められたかった。

僕のいつもの役割は命を終わらす事。それが僕の仕事。

食事をするように当たり前にこなすのが当然で、誰も褒めてなどくれない。

食事をしたから・・・歯を磨いたから・・・そんな当たり前のことで褒めてくれる人がいるだろうか?
いるわけないだろう。
でも僕は褒めてほしかった。

その願望がこういう形で夢に現れたようだ。

朝起こしたぐらいでこんなに褒めてもらえるなんて、さすが僕の夢。限りなく非現実的だ。
でもいいんだ。
とことん僕に都合のいい夢を見ると決めたんだから。

「兄さん、お願いがあるんだけど・・・。」

「ん?」

「その・・・・・・あの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・僕をもっと褒めてくれないかな・・・?」

夢とは言え照れくさくてなかなか言い出しにくかったが、照れてる間に僕の本体の命が終わってしまうと大変なのでここは思い切って言うべきだろう。


兄さんはちょっと驚いた顔をしたけれど、優しく微笑んだ。

「お前は優しくて、可愛くて、真面目で、勉強も頑張るし、足が不自由なのに泣き言も言わずいつもニコニコしていて俺の誇りで俺の宝だよ。」


・・・と、偽者の兄は、歯の浮きそうな僕のキャラに全くそぐわない事をとうとうと語った。

本当の僕は優しいというよりむしろ残忍といわれてきたし、自分で言うのもなんだが可愛げもない。
真面目なわけでもないが処分されるのがいやで真面目な振りはしてきた。
成績は優秀な類に入るが勉強は実は嫌いだ。

足が不自由になった事で世の中を恨み、呪いその挙句、自分に都合のいい夢を見て命を終わらせようと思った。
だいたい、僕の人生において「いつもニコニコ。」なんてありえない。


ありえないのに、・・・自分の夢の中のセリフなのに、涙がパタパタと落ちた。
考えたこともなかったけれど、僕は本当はこういう人になりたかったんだ。
今頃気づくなんて。

いや、夢の中とはいえ、今気づけて良かったんだ。
まだ間に合う。
僕は自分に正直になろう。

そう思って顔だけは無駄に美しい偽の兄に手を伸ばした。


NO・3へ続きます♪




いよいよ今日はR2の日・・・。
何でアニメを見るのにここまでドキドキせねばならないのだと毎回思いつつ見てしまいます。
今回もロロ、生き延びてよ~!!
そして、暗い展開が続いたのだから、そろそろ明るいのをお願いします!!!

あと、子供に?戻ってしまったCCをロロが暗殺しませんように!!!(さすがにそれは無いと思うけど)
明日は録画で見る事になりそうだけど、ドキドキです
・・・監督さん、もう少し、心臓に優しいアニメにしてください・・・。

ところで、ささやかな疑問なのですが、皇帝はルルのギアスを受けて一度は自殺しましたが、コード持ちならギアスにはかからないはず?
コード持ちになって一度人間として死なないと発動しないって事でしょうか?
それとも死んで見せたのはルルの反応を見るための演技?

それとも、まさにあの瞬間、V.Vが死んでしまった?

ロロがシャーリーを一撃で殺さなかったことも謎だけど、皇帝がどうやってV.Vのコードを奪ったかも気になります。直接殺したわけではなさそうだし。
V.Vもコード持ちの地獄を理解していたようだから、シャルルに渡そうとしたとは思えない。
誰か『こうじゃないかな~?』という考えを持ってらっしゃる方、良かったら教えてください


下僕兄さんと僕・その3
2008年07月25日 (金) | 編集 |
自分に正直になる。
実は出来そうで中々出来ない事だ。
だが僕にはためらっている時間など無い。

どこまで出来るかわからないが、やってみたかったことはすべてやってから死にたい。

昔から家族がいたらやってみたかったことがある。
家族と言うのはとても暖かいらしいのだ。
だからハグしてみたい。

家族・・・特に母親は暖かいらしいと漏れ聞いて、すごくハグしてみたかった時期がある。
たしか、8歳ぐらいの時だったろうか。

そして、ある日母親ぐらいの年齢の暗殺対象者をハグしてみようと試みたのだ。

もちろん、生きてる人間は怖いので、撃ち殺してからハグする事に決めたのだが、いざハグしようとするとどうしても体が動かない。
撃ち殺してしまってから1時間もそばに立って迷い続け、やっと決心がついてその死体を抱きしめてみたものの、時すでに遅かったようで、ちっとも暖かくはなかった。

しかも、僕の帰りがあまりに遅いので様子を見に来たチームの人間がやってきて、僕を見て悲鳴を上げた。
血まみれになって死体に抱きついていた僕はすっかり死体愛好者と勘違いされ、以来しばらく半径5メートル以内には誰も近づかなくなってしまった。
僕はただ、お母さんのぬくもりが欲しかっただけなのに。
あまりといえばあんまりな評価だ。

ギアスの力は人を孤独にするというが、とんでもない孤独もあったものだ。

それ以来すっかりあきらめた憧れのハグ。
僕に出来るだろうか?

とりあえず、手を伸ばす。

・・・・・・・・・・・・・・届かない。車椅子が邪魔で。

兄は首をかしげ、僕の手を両手で包み込んだ。

違う!!
違うんだよ!!!
僕はハグしたいんだ。察しの悪い人だな。
いくら美形でも頭の弱い人はいただけない。

僕の兄ならそう、学園一の天才とか・・・そういうのがいいんだけどな、カッコよくて。
今から願っても無効かも知れないけど、願うだけ願っておこう。
どうせ夢なんだから、願うぐらいはいいだろう。

でも、願いはかなわなかったみたいで、兄は僕の手をとったままにっこりと僕を見つめるばかりだ。

イライラしてきた僕は兄の手を振り払うと、改めて手招きをした。

兄は何が何だかわからないという顔をしながらも僕の方に身を寄せてきた。
よし、届く!!!

今だ、とばかりに腕を回し、思いっきり抱きしめてみる。


う~ん・・・・・・・・。

微妙・・・・・・・・・・?



確かに噂通り暖かい。

しかし。

・・・・・・・・暖かいというより暑い。
夏なんだからと言われればそれまでだが、とても暑苦しい。
顔だけ見れば超美形で涼しげなんだけど、生きてる人間なんだから仕方ないんだろう。

いっそ殺してしばらく血ヌキして温度計で計ってから抱きつけば良かったのか?
あんなに憧れだったのに、一気に感動が冷めた。
もう十分なので腕を緩めると、今度は兄さんの腕が僕を捉えた。

暑いって。
もう十分なんだって。
せめてエアコンの温度をあと三度下げてからにして欲しいのに兄さんは腕を放してはくれない。
これが美人でグラマーな姉さんであれば、暑苦しくても我慢するが、兄では我慢できない。
それなのに兄は暑苦しくぎゅうぎゅうと抱きしめてくる。

「放して・・・兄さん!!!」

しつこい兄を突き飛ばし、冷た~い目で見たが、兄はへこたれず、

「照れ屋だな、ロロは♪そんなところも可愛いが♪♪」

・・・などと音符マークを飛ばして言う。
男が可愛くてどうする。僕が一番気にしている事を言うとは失礼な兄だ。
いや、僕の潜在意識下では可愛い子供でいたいという気があるのか???
だから、こういう夢になるのか???

自分の夢なのによくわからない。

さて、憧れのハグは思ったものとは違ったが、後でエアコンをガンガンにかけてまたやり直すことにして、次の願いをかなえなきゃ。

次の願いは・・・。



その4に続く




今度はフェリーに乗って帰って来ました♪
またお盆ごろに姿を消しますが、見捨てず遊びに来てくださると嬉しいです♪♪

明日は17話・・・だんだんXデーが近づいてきて恐怖です。
それでも見てしまうのは何故なんでしょうね。
マゾだから?
あれ、そんなはず無いんだけど・・・?

とりあえずメガネスーツロロがどのような活躍をするのか楽しみにしておきます・・・。


↓拍手・コメントのお返事です♪♪ありがとうございます!!皆様のお陰で何とか平静を保っていられます!!!
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下僕兄さんと僕 その4
2008年07月25日 (金) | 編集 |
次の願いを言おうとしてお腹がすいてることに気がついた。

「兄さん、お腹すいた。朝ごはん食べたい。」

そう言うと、兄さんは手早く着替え、車椅子を押してダイニングルームに連れて行ってくれた。


美味しそうなパンと果物とヨーグルトがすぐに用意され、兄さんが優雅な手つきで香りのいい紅茶を入れてくれる。

響団では固形栄養食とミネラルウォーターが朝ごはんと決まっているのですごく豪華に感じる。
姉でも母でもなく、家族は兄と設定してしまったので正直食事には期待できないと思っていたけれどすっごく美味しい!!!!

ハグはイマイチ感動が無かったけれど、この朝食は感動ものだ!!!!
あっというまにガツガツと食べつくし、あっけにとられて食事に手をつけていない兄さんの食事をじ~~っと見る。

「あの・・・俺のも食べるか?」

僕はコクコクいそいでうなずき、手を精一杯伸ばして兄さんのパンを奪うと兄さんの気が変わらないうちに・・・というか、夢が覚めないうちに急いで食べた。

やった!!完食だ!!!
夢って食べようとしたとたん覚めるものらしいが、流石僕が命をかけて見ている夢。
こうなったら昼食も夕食も食べまくってやる!!!(兄の分まで)

向かいの席では兄さんがヨーグルトだけをもそもそ食べているが、まあ、僕の夢の中の人なんだからそれだけで我慢してもらおう。

は~お腹いっぱい♪
幸せだな~



よし、じゃあ、早速次のお願いだ。


「兄さん、お風呂いれて♪」

「え?朝からか?」


僕は足が不自由になってからろくに風呂にも入れなくなった。

ギアスユーザーが体に故障を起こしたときの世話はギアスユーザーがやるというわけのわからない決まりがあるため、僕の体を洗ってくれるのはいつも小さい子供ばかりだった。
当然力も弱く、十分洗えない上に、10歳以下の子に当たるととホースでお湯をかけられて終わりだ。
そのあと腕の力だけで何とか着替えるのだが、なかなか難しくて1時間ぐらいかかる。

けっこう必死なので、着替え終わる頃にはまた汗をかいていて気持ち悪い。

家族がいればこういうとき優しく介護してくれるらしい。

『楽々家族介護』

と、町のでっかい看板ににっこり笑った家族と車椅子のおばあちゃんのイラストが描いてあった。
すごくうらやましくてならなかった。

暗殺対象をつけてる最中だったのでチームの人間にはギアスをかけ、看板の真下の介護ショップに車椅子を回して飛び込んでありったけのパンフレットをこっそり持ち帰った。
これが夢を見る前の最後の任務。

よし、大丈夫!!
パンフレットを何度も熟読し、知識はばっちりだから、夢の中でも快適な介護が受けられる♪
髪も洗ってもらうんだ♪♪


兄さんがお風呂の準備をしている間に自分で服を脱いでおこうと思ったが、もたもたしているとさっと兄さんが手伝ってくれた。
コレは楽だ~♪
ちょっと手を貸してもらうだけでこんなに簡単に脱げるなんて。

今まで介助してくれるのは小さな子供ばかりだったからこうはいかない。
そして、やっぱり姉でなくて兄で良かった。
見かけは細いが僕を抱き上げるくらいは何とかなるようだ。

・・・と、思っていたら、僕を抱き上げたままよろけた。
この兄は思ったより力が無いようだ。
僕でさえ、14歳の頃には殺害した対象を目立たない場所に隠すため、一人を背中に担ぎ、一人を引きずっていたというのに非力にも程がある。
ギリギリまで兄にすべきか姉にすべきか迷っていたせいでこんなに力が無いんだろうか?


弟一人抱えたぐらいでよろけた非力な兄は不思議そうに僕を見て、

「・・・ロロ・・・・・・ちょっと太ったんじゃないか・・・?ずいぶん重くなったような気がするが・・・。」

と言った。


失礼な。自分の非力さを棚に上げてなんてこと言いやがる。
だいたい、太れるほどの食生活はおくってこなかった。
それとも、さっき食べた朝食のせいって言いたいの?
残念だけど、アレぐらいで太れるわけないよ。


だけど、この兄はなんでそんな事を言うんだろう?
夢の中の人なのに、まさか自分の本当の妹と無意識に比べて言ってるわけじゃないよね?

この夢は時々妙にリアルで、本当に夢なのか現実なのか分からなくなる時がある。

でもまあ、9割は僕の望んだとおりに進んでいるから、やっぱり夢なんだろう。

物心ついてから今まで、現実の世界では思うようにならないことばかりだった。
ほとんどの人が持っている暖かい家族とか、友達とか、信頼する仲間とか・・・そういう人が僕には一人もいない。
つらい事も、痛い事も一人で我慢しなければいけない。
小さいときはそれが悲しくて・・・大きくなってからは、自分が傷つかないようにそういう思いは無理やり心の奥に封印した。

たった一人でもいい。僕の事を想って欲しい。心配して欲しい。
出来たら・・・愛して欲しい。愛ってよくわからないけど。


「ごめん・・・ロロ・・・俺が悪かった。」

僕を抱き上げる兄がいきなり謝ってくる。

「その・・・成長期だもんな。太ったんじゃなくて背が伸びたから重くなったんだよな?
小食だったのにいきなり凄く食べるようになってビックリしたけど、成長期の男子は一回にどんぶり飯2杯ぐらいは軽く食べるもんだっていうし・・・あの、本当にごめん。」

眉根を寄せていた僕を見て、兄は怒っていると思ったようだ。

こんな事ぐらいで簡単に謝るのかこの人は。
僕の周りの人は自分が悪くても絶対に謝ったりしない。


「別に怒ってないよ。」

そう言うと兄さんは安心したように笑って僕を風呂場に運んでくれた。

風呂場には思った通り、足が不自由な人の介助用の椅子と手すりがあった。
パンフレットでばっちり学習しただけあって、夢なのに詳細まで再現されている。
・・・というか、夢だからこそ再現されたのだろう。きっと。


そして兄はまさしくパンフレットに書かれていた通りの手順で体を綺麗に洗ってくれた。
手馴れていて、凄く安心感がある。
何かこの人は元テロリストという微妙な設定になっていたが、どう考えても元介護士か看護士が相応しい。

このときばかりは本当に兄にしておいてよかったと思った。
異性の姉では夢とは言えやっぱり抵抗があるが、兄なら別に平気だし。それでいてすごく優しく気遣って洗ってくれる。
特に髪を洗ってくれるその指が気持ちいい。
こうやってくつろいで洗ってもらっていると、王様にでもなった気分だ。

使い捨てのコマだった僕が王様と言うのも何だかへんな感じだが、最高な夢だなコレは。
というか、夢でしかありえない。
僕は今までの育ちから、警戒心がすごく強いほうだ。
夢でなければこんな風に無防備にくつろいだり出来なかっただろう。

だけど惜しいな。
僕は何でこの人を偽者の兄と設定してしまったんだろう。
本物の兄で良かったはずなのに。
顔立ちや髪の色は違うけど、瞳の色は全く同じ。
それなのに実は他人。
これは僕のすさみきった心を映しているのだろうか。

夢とは言え、この世で二人っきりの家族だから、血のつながった本当の兄が良かった。
そして、夢に登場しないとは言え、この人に本当の妹がいるという設定は僕のどこから出てきたのだろう。
妹なんかいらない。

妹なんか登場したら、僕に向けられる愛情が半分になってしまう。(食料の分け前も)
兄さんの家族は僕だけでいい。
そうだ、何かのひょうしに妹が登場したらこっそり暗殺してしまえばいい。
兄さんは僕だけを見て、僕の言う事だけを聞いて、僕の世話だけをすればいいんだから。



その5に続く



今日、切符の手配をしていたら、ロロのXデーである1●話をリアルタイムで見られないことが分かりました
でも「コードギアス見たいから旅行行かない」と言うわけにも行かないので行ってきます・・・。

見られないの自体は見たくない気もするのでちっともかまわないんですが、リアルタイムで皆様と悲しみを分かち合えないのがちょっとつらいです。
時差がありますが、優しい方、やけくそトークにつきやってくださいませ!!!

旅行期間は8月11日~18日です。この間の更新はありません。
ロロのXデーまでにたくさん書とかないと
ショックで書けなくなるか、やけくそで書きまくるか私にも予測不能です。

コメントお返事↓








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下僕兄さんと僕 その5
2008年07月25日 (金) | 編集 |
風呂にも入れてもらってサッパリしたら、すごく外に行ってみたくなった。
夢が覚めるまでどれぐらいの時間が有るのか知らないが、おそらく今夜眠るぐらいまでではないだろうか。

眠ってしまったらもうきっと目覚めはしないのだ。

外・・・。
もうこれっきりになるのだから、どこか眺めのいい場所に行ってみたい。
そして、この胸に綺麗な景色をしまって逝きたい。

東京租界で一番高い場所といえば租界タワーだろう。

「兄さん!!租界タワーに行こう!!!」

「え!?今更租界タワー・・・・・・?」

兄さんはちょっと嫌そうな顔をしたが、「お前が行きたいなら・・・。」としぶしぶきいてくれた。

本当、いい兄さんを手に入れた。
なんでも言う事を聞いてくれる理想の兄さん。
これがきっと優しいって事だよね?
夢の神様ありがとう!!!

車椅子を押してもらって租界タワーまで来ると、入り口に張り紙があった。

『本日エレベーター故障中』

えええ!!!僕の夢なのにそれは無いよ!!!

「今日は無理だな。また今度にでも・・・。」

「イヤだ!!!僕は今日見たいんだ!!!」

諦める兄に叫ぶようにして言うと、兄は僕をおぶってエスカレーターを上り始めた。
そして展望室まであと5階というところになってエスカレーターが途切れた。

タワーのデザイン上、ココから上は店舗も無くエスカレーターではなく、エレベーターを利用しなくてはならない。
でもエレベーターは故障している。

非力に設定された兄が僕を負ぶって階段を5階分も登れるのだろうか。
いや、登ってもらわねば困る。
僕に明日と言う日は来ないのだから。

兄は僕を背負ってぜーぜー言いながら登ってくれた。
2階分ほどは。

三階に差し掛かった所で、とうとうつぶれて休みたいと言い出した。
なんて軟弱な。
万事休すか・・・。
もう、展望台からの景色を眺める事はできない・・・。
あと、たった三階分なのに・・・。
そう思うと悔しいやら、情けないやらで泣けてきた。

いや、多分こんな事ぐらいで泣き出す僕が一番情けないような気がするが、いままでどんなつらい事があってもずっと我慢してきたのだ。
よし、ここはこの世の泣き収めにいっちょ盛大に泣いておくか!!

わんわんと泣きじゃくる僕を見て兄さんは決意したように立ち上がり、また僕を負ぶって階段を登りだす。
よろよろと無様に上がっていく様が何ともいえないし、ここで兄さんがこけたら僕の夢も終わりそうで怖かったが、今はこの非力な兄にすがるしかない。

はらはらと見守る中、一歩一歩兄さんは歩を進めていった。
汗だくになって口も利けないぐらい疲れ果てて、それでも愚痴一つ言わずに僕を運んでくれた。
これが、優しいって事・・・だよね・・・?

何でも言う事を聞いてくれて・・・。これが・・・。これが優しい家族。
でも、何か違うような気がする。
必死で登る兄さんを見ていると何だか悪いって気がしてきた。
僕はこれでいいんだろうか。
僕の方には優しさは必要ないんだろうか。

「兄さん、少し、休もうか。」

そう言うと兄さんは少し振り返って僕を見た。
それから階段にそっと下ろしてくれて、僕らは並んで座った。

兄さんはぐったりしてひざに顔を埋めている。

「あの・・・ごめんね・・・。疲れたでしょ?」

兄は本当に疲れたのか、顔も上げず、ただ首を振った。

僕に都合が良くて、僕にだけ嬉しいこの夢。そんなもので僕は満足なのだろうか。
コレでは僕が王様で、この人は下僕。
家族なんかじゃない。

「ごめんね・・・ごめんね・・・。」

再び謝ると兄さんはやっと顔を上げた。

「い・・・いん・・・だよ、ロロ。・・・・・お前が、ワガママ・・・言うなんて・・・めったに・・・無い事なのに、俺・・の・・ほうこそ・・・情けなくて・・・ごめんな。」

息を切らしながらも兄は僕を気遣ってくれる。
非力だけど、優しい優しい兄。

うん。いろいろ思うところはあるけれど、やっぱりこの人が家族でよかった。
ただ、僕自身の思考回路がよくわからない。

元テロリストのはずの兄がこんなに優しいなんて反則だ。
どうしてこういう設定になったのだろう。

暫く考え込んで気がついた。

テロリストと言うのは、非情で血も涙も無い悪の心を持った人間の象徴。
すなわち、それは僕自身をあらわしているのかもしれない。

それでいてとことん優しいこの兄の人格。
つまり僕は血も涙も無い人間であったけど、この兄のように優しい心を持ちたいと心の底では望んでいるのだ。
だから、この人をかわいそうに思ったり、抵抗なく謝ってみたりするんだろう。

そしてこの人が非力なのは、僕自身が非力だからだ。
昔はともかく、今は他人の手を借りなければ外出のままならず、風呂にさえ入れない。
ベットから車椅子に移るのでさえ必死でもがくようにして移動する。

自分の体が自由にならない苛立ちをどこにもぶつける事が出来ず、ただ死を待つのみの僕。
なんと無様で非力な事だろう。



「ロロ・・・少し休んだから、行こうか・・・。」

兄さんが、手を差し伸べる。

「もう、いいよ。疲れたでしょ?ごめんね、わがまま言って。」

「全然良くない。俺はな、お前がワガママを言ってくれて嬉しかった。お前は母さんが死んでから、ワガママらしい事は何一つ言わず、我慢ばかりしてきた。
・・・だから、わがまま言ってくれて、正直ホッとしたよ。お前の願いなら、俺は何だってかなえてやりたいんだ。これからも、やってほしいことがあったら、遠慮せずにちゃんと言うんだぞ。」

そう言って非力な兄はにっこりと笑った。

僕も笑ってみようかな。兄さんの笑顔の足元にも及ばないだろうけど、それで少しは兄さんの心が温かくなるかな?


「さあいこう、ロロ!」

兄さんがまた僕を負ぶい階段を歩き出す。
一歩、また一歩。

そうしてとうとう展望室にたどり着いた。

階段を上がってまで展望室に来ようとする人は他になく、そのフロアは僕らの貸しきり状態だった。
全ての面がガラス張りになって見渡せる。

よく晴れた天気も手伝って、それはそれは美しい眺めだった。

「綺麗だね、兄さん!」

「ああ、綺麗だな。」

短いけれど、そんな風に同意してくれる返事がかえってくることが嬉しい。
家族がいるっていいな。
一日限定なのが寂しいけどね。
ずっとずっと、こうしていたいな。
死にたくなんか無いよ。
まだ15歳なのに。
また、ホロリと涙がこぼれた。
ずっと泣きも笑いもしない冷血動物と言われてきたのに、僕はどうしちゃったんだろう。

やりたい事もずいぶんやった。優しい兄と家族ごっこも出来た。
満足しなきゃいけないのに・・・。
死んでいくのがとても悲しい。

死ぬといえば・・・そう、僕にはまだ遣り残した重大な事が残っていた!!!
こんな大事な事を忘れてたなんて!!!


その6に続く・・・。



昨日は花火大会に行ってきました♪
家から刳るまで5分!しかもいなかなので混まない!!
発射台から50メートルぐらいの至近距離から見てきました♪♪

花火を見ていると思い出すのは伝説の7話の花火シーン。
あの後、色々なブログで今期のラストはルルーシュ、ロロ生徒会のメンバー全員で花火を上げる所で終わるんだろうなというラスト予想が出回っていました。

私も、1期が悲惨な終わり方をした上に、今期は日5だからそれで間違いなし!!!!
・・・とずいぶん喜んだものです。
もちろんロロがボロ雑巾にされるという話は遠くに飛んでいました。
何だかんだいって根は優しいルルーシュに1年間可愛がった弟をボロ雑巾に出来るとはとても信じられなかったのです。

ああ、あの頃はギアスを見るのがとても楽しかったな~(遠い目)
ギアス離れしている人もけっこう出ているみたいだし、こっそり?巡回しているサイトの何箇所かはではあまり新作が出なくなってきたように思います。(リンクしてくださっているところはけっこう更新しているところが多いですが)

私自身、昔は面白くてギアスを何回も見直していましたが、今は面白くてというより、展開が速すぎて一回では見落とす事が多いので確認のために見るといった具合です。
アニメは芸術でもあるのでしょうが、娯楽でもあると思うので、心が温かくなったり、見終わって元気が出るような展開であれば個人的には嬉しいです。
そういう意味では12話は最高だったな~♪
もう、あんな楽しいわくわくした気持ちでギアスを見る日は来ないのだろうか?

私は今は漫画もそれほど読まないし、アニメも子供が見ているものの一部をチラ見するぐらいなので、ギアスが終わったら多分、アニメとはすっぱり縁が切れると思います。

その最後のアニメが悲惨だった・・・という思い出は残したくないな
最近愚痴っぽくてすみません。

それと、今回の話を書きかけで間違ってUPしていたようです。
拍手くださった誰かさん。
スミマセンでした!!
あわてて追加を書きました。
もしかしたらまた夜中にこっそり手直ししているかもしれません
ではバイトに行ってきます~
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