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無人島パラダイス その1
2008年08月28日 (木) | 編集 |









注意書き:かなり明るい話になるので駄目なかたはやめておいて下さいね

ルルーシュの記憶が戻る前のお話です。

下のほうに下げておきます。






















夏だ。
それだけの理由で、ミレイ会長から命令がくだり、無人島サバイバルキャンプが行われることになった。
期間は3日。

ついた初日は普通に海水浴をしたり、スイカ割りをしたり、夜は花火をしたりして楽しんだ。

「今回は普通だったね。良かったね兄さん♪」

そういうと兄さんは眉をひそめた。

「普通?コレは会長の企画なんだぞ。そんな訳あるか。きっとこれから肝試しお化けコスプレ大会とか無人島一周耐久レースとか、サルの着ぐるみを着て木登り大会とかさせられるに決まってるじゃないか。」

「ひっどいルルーシュ。そんな事しないわよ。だけど面白い企画を用意してるから明日からやろうね♪うふ

会長がこういう笑い方をする時はろくなことがない。
僕もだんだん分かってきた。

「今回はねえ、家族ごっこしようと思って。」

「家族ごっこ?」

「そうよ、ロロ、あんたこないだ生徒会室のパソコンTVで大家族の番組をうらやましそうに見てたでしょ?そこでミレイさん、ピーンときちゃったの!皆で家族ごっこしたら楽しいんじゃないかって♪」

「へぇ・・・。じゃあ、会長、僕のためにわざわざ・・・。ありがとうございます。
今回は楽しそうだね、兄さん♪」

正直今までの生徒会行事は引くものばかりでかなり苦痛だった。
でも今回は女装したり、着ぐるみ来たりしなくて良さそうだし、何だか楽しそうだ。

「楽しそう・・・?何言ってるんだ、会長の企画だぞ。ただ楽しい分けないじゃないか。」

う・・・そう言われればそうだけど・・・・・・。

「それで?俺は何の役をやらされるんですか? 会長。」

「良くぞ聞いてくれました!!ルルーシュは非力だから外でナイフとか使って食料集めとか無理でしょ?だからお母さん役をやってもらうわ♪
料理も洗濯も上手いから適任でしょ?

ちゃんとスカートと割烹着も用意しておいたから楽しみにしていてね♪」

え・・・えぇえ?兄さんがお母さん役?はまってると言えばそうだけど、兄さんは「予想通りだ。」とつぶやいてむっつりしている。

「それで?ロロには、弟には何をさせようって言うんですか?」

「やぁね~、そんなに睨まないでよ。ロロには一番いい役あげるつもりなんだからぁん☆」

一番いい役・・・。すごく嫌な響きだ。

「ロロはね、ルルーシュが大好きでいっつも一緒にいたいんでしょ?
だからサバイバルチームからははずしてルルーシュとずっといられるおいしい役をあげるわよぉ♪」

「え、本当に!!」

兄さんとずっと一緒にと言う言葉に思わず顔が緩む。

ナイフとかを使うのは得意だけど、人に見られると困るし、兄さんと一緒らしいし、良かった。

「可愛いロロには赤ちゃん役をやらしてあ・げ・る♪」

「あ・・・・・・赤ちゃん!?」

「そうよ~。ルルーシュ母さんに抱っこしてもらってご飯をあ~んって食べさせてもらえる役よ。最高でしょ

兄さんに抱っこしてもらってあ~ん・・・。あ・・・いいかも・・・じゃなくて、

「そんな恥ずかしい事出来ません!!!僕十六歳ですよ!人前でそんな恥ずかしい事・・・!!」

顔を真っ赤にして目じりに涙をためて抗議すると

「そっか~。ごめん、ごめん、泣かすつもりはなかったのよ。喜ぶかな~って思って。
しょうがないなぁ。じゃあ、シャーリーこの役・・・」


「僕やります!!やらせてください!!」

「そっか、そっか、いい心がけねロロ♪ミレイさんの真心が通じて嬉しいわ♪♪」

喜ぶ会長の後ろで「え~っ、私もルルの赤ちゃんやりたいのにっ!!」と不満の声が聞こえてくる。

「駄目ですよシャーリーさん、会長のご指名だし、僕、凄く恥ずかしいけど兄さんのために頑張ります。」

会長がうんうんとうなずいてくれたので結局赤ちゃん役は僕になった。
みんなの前であんな事しなきゃならないなんて顔から火が出そうだけど、兄さんがシャーリーさんを抱っこしてあ~ん、なんてイヤ過ぎる。
それぐらいなら僕が・・・。

そうはいっても次の日からの恥ずかしいポジションに僕はその日中々寝られなかった。




                                                その2に続く


今回載せた「その1」は19話ショック前に8割書いたまま放置していました。

実は個人的にものすごくお世話になっためかりんさんへの御礼になればと思って読んでみたい話のリクエストをしていただいたのですが、その後19話が放映されてどん底に沈みこんでしまいました。

UTは楽しい話を書くのが大好きで、19話以前はまだナナリーも生きていると信じていたのでとっても楽しくこの話を考えていたのですが、さすがにショックが巨大すぎて仕上げる気にもUPする気にもなれませんでした。ナナリーや咲世子もとうとう公式死亡になってしまったし。(すみません

でもロロとルルの思いに気持ちをはせながらいろいろ書きなぐっているうちにかなり落ち着いてきました。
きっとロロは1年間楽しく過ごしたよね!!
暗殺者として人と交わらずに生きていた頃よりもずっと濃い幸せな時間を過ごしたよね。

環境が変わって大変な思いもしただろうけれど、命を懸けてもいいと思える人に出会って、幸せと言う心を持って逝ったんだよね。

今もきっと見守っているよね!!

本当はロロが成長していく姿が見たかったです。
1年であれほど変わったロロだから、あともう一年、更にもう1年あればもっともっと変われたのに。
楽しい事がいっぱいあったのに。
兄さん、記憶を取り戻したら駄目だよ。
家畜の人生じゃなかったよ。偽者だったかもしれないけれど、マリアンヌ様が死んでから初めて心の安息を保っていられた幸せな時間だったんじゃないかな?



話は変わりますが、ニコ動見に行ったら皇帝とルルのDSドンじゃら対決凄かったです。
皇帝が勝ったら・・・・・・・・・・・というギアスをルルにかけるのですが、え!?・・・・・・・・だったの!!という展開でした。
もちろんパラレルなんだと思うけれど、もし本編にからんでたら・・・と思うと違う意味で恐怖しました

ここに載せておきますので気になる人は最後まで見てください。すごいおちです。(買った人は見ないほうが良いかも?)



読んでくださった皆様ありがとうございました!!!
拍手コメントありがとうございます!!!今日もロロの話が出来て幸せです!!!

返信はこちらから














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無人島パラダイス その2
2008年08月28日 (木) | 編集 |
朝の薄明かりがさした頃、やっと眠りに落ちたばかりだと言うのに、兄さんに起こされた。

「あれ?どうしたの、兄さん。」

「しっ!逃亡するぞロロ。」

「逃亡?なんで?もしかしてお母さん役いやなの?」

「あたりまえだ。でもそれだけじゃない。お前のためだ、ロロ。」

「僕の事なら・・・。確かに恥ずかしいけど、僕、頑張るよ。今回は女装とかしなくていいし、そう考えれば今までよりましだもの。」


「ロロ・・・。お前間違っているぞ。あの会長がお前の衣装を用意しないわけないだろう。
来い!」

でっかいバックの中には色々な衣装。
その中に赤ちゃん用のピンクのふわふわひらひら服(サイズだけは僕が着れるほど大きい)が入っていた。

「こ・・・コレ・・・まさか僕が・・・・・・。」

僕はピンクのふわふわひらひら赤ちゃん服を着せられて横たわっている自分を想像してぞっとした。

「決まってるじゃないか。お前の衣装だ。」


「それだけじゃない、コレを見ろ。」

兄さんが取り出したものを見て僕はクラリとめまいがした。

赤ちゃん用のよだれかけ・・・・・・ガラガラ・・・・・・おしゃぶり・・・・・オムツまである。


僕は自分がふわふわひらひらのピンクの赤ちゃん服によだれかけをつけられ、横たわっておしゃぶりを咥えながらガラガラを振り、みんなの前でオムツを取り替えられる図を想像した。


い・・・・・・いやだあ!!!
地獄絵図だあああああああああ!!!!!


「に・・・兄さん・・・。」

ぼろぼろと涙を流して兄さんを見上げると。

「大丈夫。お前をそんな恥ずかしい目にあわせたりはしない。」

そい言って抱きしめてくれた。
やっぱり僕の兄さんは優しいなあ。くすん。

「まずは逃亡準備だが・・・寝袋と私物、あとはチャッカマンとバケツを一つ持っていこう。」

「え?それだけ?食料とかは?」

「持って行きたいのは山々だが、食料は女子テントの中だ。
それにこっそり食料を持ち出せたとしてもそれをやると迎えの舟がつく頃にココに戻っても会長たちに置いてけぼりにされる恐れがある。
俺たちはあくまでも被害者の範囲内で行動を起こさねばならない。」

ふ~~ん、なるほど。やっぱり兄さんは頭が良いなあ♪

「さ、書け。」

「え?」

僕は差し出されたメモをまじまじと見る。

「やっぱり家族ごっこは出来ません。探さないで下さい。・・・と書け。」

言われるままに書くと、兄さんはどこからか出してきたスポイドでメモ書きの上に慎重に水滴をたらしていく。

「・・・何してるの?」

さっぱり意味がわからず覗き込むと

「涙の跡をつけてるんだ。」と真面目な声を返された。

「会長は俺が涙したところで大笑いするだけだが幸い可愛いお前の涙には弱い。」

え・・・そうだっけ。僕の涙に弱いのは兄さんだけでしょ。

でもまあ、いいや。兄さんがそれで満足なら僕はあえて何も言うまい。
兄は僕の涙のにじんだメモ書きを偽造するとテントの目立つ場所に貼り付けた。

「さ、リヴァルが目を覚まさないうちに行くぞ。」

僕は兄さんに促されるままテントを後にした。




                                その3に続く



ああ、また日曜日が近づいてきました
ロロのピンチを心配しなくていいぶん、昔より楽だし、兄さん逆襲のターンが始まりそうなので今までよりは心配しなくて良さそうです。
むしろ今回はスザクが心配だったりする。

単純なUTはスザクがルルナナを思って皇帝に剣を振るってくれた事すごく嬉しく感じました。
ルルが心の奥底でロロを弟だと、必要だと思っていたのと同じように、スザクもルルを心の奥底では友達だと思ってくれていたのかな?ユフィのために許しちゃいけないと思っていたのかな?
でも、皇帝を裏切ってシュナイゼルにつくのなら、ルルについたほうが・・・・・・。

カレンも心配。是非ルルの味方になってやって欲しい。
かぐやも。シンクーも。

カレンはロロのこと、「バベルタワーの時の・・・。」と言っていたので何か気づいたみたいだけど、ルルにロロのことを訪ねるシーンがあるといいな・・・。

そんでもって、ルルが「あいつは俺の大事な弟だ。」って言ってくれたら最高なんだけど。

二コ動の皇帝ドンじゃらに続いて面白かった(というか興味深かった)のがコレ。

学園前をうろうろするジェレミアにロロが・・・・・・・・と声をかけます。

ロロ・・・どこまで偉そうなんだ・・・・・・。見た時は口ポカーンでした・・・。(でもそんな彼がスキ♪♪)

でも、ゲーム持っている人は見ないで下さいね。楽しみが減ると思います

ちなみにロロ・どんじゃら編です。




土日は主人がびっちり居て家族で遊んできますので(いえ、いて普通なのですが)夜中に起きられたら更新するし、ちからつきてたら更新は無いです。
続きは下書きまで書いてるんですが
書ければ今日中に書いて隙を見て明日更新します。


ではまた・・・。


遊びに来てくださった皆様ありがとうございます!!とっても嬉しいです!!
拍手コメントお返事はこちらから








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無人島パラダイス その3
2008年08月28日 (木) | 編集 |
リヴァルさんは疲れたのかぐっすり眠っていて、僕たちの逃亡に気づいた様子は無かった。
さっさとこの恐ろしい場所から離れてしまおう。

ミネラルウォーターを僕も兄さんも持っていたので今日一日分の水なら節約しながらまかなえそうだ。
でも、問題はその後。
どこに逃亡すればいいのだろう。

「こっちだロロ。この島の地図はすべて頭に入っている。まず水場を探そう。」

「ええっ?昨日ちらっと見せてもらっただけなのに?」

「小さい無人島だからな。10秒も見ればだいたい把握できる。雨だったらお手上げだがいい天気だから時計と太陽の位置で方角も割り出せる。」

す、すごい!! やっぱり僕の兄さんは賢いなあ

僕も軍の訓練で食料なしで山に放り出されたことがあるけれど、方位磁石と地図ぐらいは持たせてくれた。
それも無しでどうするんだろうと思っていたけれど、これなら大丈夫そうだ。
食糧確保なら僕がするし。


木々の間を縫って水場に進む途中、上手い具合に野うさぎが横切った。
よし、今日の朝ごはんはあいつだ!!


ギアスを使えば簡単に捕らえることが出来るが、勘のいい兄さんの前でギアスを使って捕らえれば怪しまれてしまう。

そこで、まずギアスを使ってウサギの足を傷つけ、素早くは動けないようにしてから再び同じ位置に放し、追いかけて捕らえた。

「兄さん、美味しそうなウサギを捕まえたよ♪今日のご飯はウサギの丸焼きだねっ♪♪」

浮き浮きして兄さんに差し出すとひったくるように取られた。

「お、お前・・・俺はお前をそんな子に育てた覚えはないっ!!!」


兄さんは野うさぎをひしっと抱きしめると僕を睨みつけた。


え? えぇえ?


「怪我をしているじゃないか、可哀相に。」

兄さんは僕を睨みつけたくせにウサギには慈愛のまなざしを落としてその背を撫でた。

な・・・何か無性に腹が立つ。
僕はウサギ・・・いや、今日のご飯ごときに負けたのか。

ちっ。足を傷つけるなんて甘いことせずに上から石でも落として殺しておけばよかった。
そうすれば兄さんだって諦めて食材に使ったろうに。

というか、兄さん本当にあのゼロなの?
そんなに甘くてもゼロって務まるの???

優しいのは兄さんの長所だけれど、嫌だよそんな八方美人な兄さんなんて。
兄さんは僕にだけ優しくなっくっちゃイヤだ。ヤだ。ヤだ。ヤだ。絶対嫌だっ!!!!!!!

でもウサギと正面から張り合うのもアレなので、

「じゃあ、逃がしてあげようね。」って引きつりながら言うと兄さんは「それでこそ俺の弟だ!!」と言って僕を抱きしめ頭を撫でてくれた。

ザマアミロ。うさぎめ。
僕のほうが兄さんに大切にされているんだ。羨ましいか。

僕は心の中でうさぎにあっかんべーをして、そっとウサギを受け取ると木の茂みに逃がしてやった。

その様子を兄さんが温かく見守っている。

「もう人間に捕まったりするんじゃないぞ。元気でな。」

なんてメルヘンな言葉までかけている。

とっとと行っちまえ、ウサギよ。そしてもう二度と兄さんの前に現れるな。
もし現れることがあったら、その日がお前の命日だ。


じっとウサギを見送っていると

「ごめん、ロロ。せっかくウサギをつかまえてくれたのに・・・。何かお前って可愛くてウサギっぽいだろ?あのウサギを見てるとロロみたいに見えてきて、食べるのは何だか可哀相でさ。」

と謝ってくれた。え?僕に似てたから食べなかったの?
やっぱり兄さんは僕が一番大切なんだね。良かった。


「ううん。僕こそごめんね。あんな超可愛いウサギを食べようなんて、僕こそどうかしてたんだよ。」

ウサギよ。どうやら僕の誤解だったようだ。
今度現れたら食べずに可愛がってやろう。


                                                その4へ続く





こんばんわ(?)
無事起きられて今は朝の4時半です。

UTの子供はまだ小さいので添い寝しないと寝ません。(たまに疲れてその辺でつぶれている事はありますが。)

なのでPM9~10になると旦那に「本日の営業は終了いたしました♪」と言って就寝してしまいます。
・・・・・・そして朝はや~く起きるのがパターンですが、起きられない時もあります
明日はどうかな?

起きられたらまた続きをUPしますね♪


読んでくださるかたありがとうございます!!!
おかげさまで楽しくかかせていただいています♪♪

今回は以前からコメントを下さっていた方に加え、新しい方2人にもコメントを頂けて嬉しかったです♪今のタイミングでは不謹慎かな?と小心者のUTは思っていたもので
他にももしこっそり遊びに来ていてUTとロロ話してやろうかな?
という方がいらっしゃったら是非姿を現してくださいね!お待ちしております。






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無人島パラダイス その4
2008年08月28日 (木) | 編集 |
そうこうしているうちに水場に着いた。

滝から豊富な水が流れ落ち、川魚が泳いでいる。よしコレを食おう。
水深は1.5メートルぐらいかな?かろうじて足はつきそうだ。

僕も兄さんも泳げるし、今日の朝食は川魚だねっ!
なんて美味しそうに泳いでいるんだろう♪

でもさっきの件もあるので一応兄さんに確認しておくか。

「まさか兄さん、川魚を食べるのは可哀相なんて言わないよね?」

そう言うと、

「当たり前だ。いわしの手開きからかつおの一本造りまで俺は出来るぞ。料理は任せろ!」

そう力強い返事が返ってきた。

「しかし・・・つり道具も無いのにどうやって捕らえるかが問題だな。」



それなら大丈夫。こっそりギアスを使えば魚ぐらい難なく捕まえられる。
脳の構造が違うせいか、人間にかけるみたいにはいかないが、動きをごくゆっくりにする事は出来る。
ただ、そのまま兄さんに伝えるわけにもいかないのでにっこり笑って


「魚とりなんて楽しそうだよ♪取れないかもしれないけど、遊びだと思ってやってみよう♪♪」と言ってみた。

兄さんがうなずいたので僕らは水着に着替えて河に飛び込んだ。

朝とはいえ、夏なので気温も高く、水の中は気持ちよかった。
水面がきらめいてとても美しいのも心躍らせる。

でも、一番嬉しいのはこうやって兄さんと一緒に過ごせることだ。

普段は監視カメラを気にしなければならないけれど、今回は僕が監視を続ける事で旅行の許可が下りた。
つまり、監視は無いも同然と言うことだ。

ああ、嬉しいなあ♪

おまけに邪魔な他の生徒会メンバーもいず、兄さんと二人っきりでのびのびと過ごせるなんて夢みたい。

でもまあ、とにかく朝ごはんを捕まえなくっちゃ。
兄さんにひもじい思いをさせるわけにはいかないし。

僕は兄さんが魚を無駄に追い回しているのを目の端で確認するとさりげなく距離を置いてギアスを使った。

捕った魚は岸に投げ、潜っては捕り、また捕っては岸に投げた。

十匹も捕れば朝ごはんとしては十分だろう。

「兄さん、魚捕れたよっ♪♪」と言って笑顔で振り返ると兄さんが居ない。

ウソ!!

兄さん溺れてるよ!!!

背中の一部を見せながらぷかぷかと流れていく。

うわあん、兄さん。死なないで!!!!

追いかけて必死で泳ぎ何とか兄さんを捕まえ岸に引き上げるがピクリともしない。
しかも息もしていない。

どどどどうしよう!!!!

任務では常に冷静な僕だが、とても冷静になんてなってられない。
自慢じゃないが人助けなんかしたこと無い。
(死にかけた人に止めをさしたことならいくらでもあるけど。)

どうしたらいいんだろう。そ、そうだ、こういうときは人工呼吸するんだっけ?

他の奴なら超あっさり見捨てるが、兄さんを助けるためならしょうがない。
さよなら、僕のファーストキス!!(泣)

夢中で口を近づけ、あと1センチというところでハッと思い出す。

おとぎ話じゃないんだから、唇を合わせただけで兄さんは目覚めはしない。
確か気道を確保して・・・それから・・・それから・・・ああ!!思い出せない!!!


暗殺専門の僕だけど、チームを組む時もあるので一応救急救命の講習は受けている。
でも、面倒だし、人工呼吸してやってまで誰かを助けるなんて自分的にありえないと思っていたのでいい加減にしか覚えてなかった。

しかも、救急救命の講習会に使われた何かやたらリアルな等身大のおっさん人形の顔が最悪だった。
それだけで僕はやる気をなくした。

「もうちょっとましな人形は無かったんですか?」

担当者にそう聞くと、

「いや、8年ぐらい前に一度、美少女タイプの人形とか、美女タイプの人形とかが出たことがあったみたいなんだけど、ほら、女性兵士にすっごく不評でさ。

セクハラだとか騒がれてあっという間に製造中止になっちゃったんだよなあ。あっはっは。」


あっはっはじゃないよ。

僕は情けない気分で実習用のおっさん人形を見た。
息を吹き込むとちゃんと肺に入る精巧なものらしいけど、魚のようなぎょっろっとした目が何だか気持ち悪いし、海苔のような眉毛がやる気をますます減退させる。

美少女人形カムバッーク!!!

心の中でそう叫ぶが、これも任務の一環といえばそうだし、ちゃんと修了書を発行してもらわないとV.Vに怒られるので渋々嫌々やった。

そうするとピーと耳障りな音が響き、

「対象は救命が失敗してお亡くなりになりました。」

と、合成音が流れた。

何て嫌な人形だ。結局3度ほどやって何とか成功したけれど、今思い出しても大変不愉快な経験だった。


いや、今はそんな事を思い出している場合ではない。
救命の方法を思い出すんだ。

気道を確保した後、どのくらいのペースで息を吹き込むんだっけ?
確か1分間に・・・・ああ、だめだ、思い出せない。

思い出そうとすればするほど浮かぶのはおっさん人形の海苔眉と「対象は救命が失敗してお亡くなりになりました。」という不吉なアナウンスばかり。

確か呼吸が止まって5分以上たつと蘇生率が極端に落ちたような・・・。
ああ、兄さんが死んじゃう!!!!

は!そうだ!!


僕はぐったりとした兄さんの腹を抱え上げるとその背中をバシバシと容赦なく叩いた。
ごめん、兄さん。でも兄さんを失うのは嫌なんだ!!

ごぼっと音がして、兄さんの口から水が吐き出され兄さんは息を吹き返した。

良かった・・・。

ぷち家出3時間で水死なんて冗談じゃないよ。
か弱いにも程があるよ、兄さん。

今後も一人で無人島に流されたりしないでね。一人だったらあっという間に死んじゃうよっ!!
必ず僕を連れて行くんだよ、いいね!!!

心でそう叫び、兄さんを抱きしめる。
冷えた体が少しずつぬくもりを取り戻し、その瞳がぼんやりと開く。

「気がついた?兄さん!!しっかりして!!」

兄さんの体を揺するとやっと兄さんの瞳の焦点が合う。

「・・・すまないロロ。もう少しで魚が捕れそうだったんだ。でも逃げられてしまった・・・。」

「いいんだよ、そんな事。僕は兄さんさえ無事ならご飯なんていらないんだから。」

涙ながらにぎゅっと兄さんを抱きしめると、兄さんも抱きしめ返してくれた。

普通に考えたら僕のほうがずっと兄さんより強いのに、どうして僕は兄さんに抱きしめられるとこんなにも安心してしまうのだろう。


                           


                                          その5につづく


ある程度の下書きはあるので修正しながらまたコソコソ書いてます
今日は本当なら家族で温水プールに行くはずだったのですが幸い(?)・・・・・・・というありがちな事情でで私は行けなくなりました。そしてこれ幸いと旦那に子供を押し付けて行かせてしまいました。
すまん、旦那よ。
私もプールは好きだけど、今日はさすがに無理だ。


救急救命の講習、実は本当に受けたことがあります。ちゃんと修了書も持ってますよ~♪
でも、持ってるだけで、私が覚えてるのはうちのちょっと抜けてるロロと同じレベルです

救命人形は本当におっさん人形で、ルルーシュやロロみたいなのだったら喜んで人工呼吸しますが何だかためらわれるような顔でした。
救命に失敗してもアナウンスは流れませんが指導員に怒られます。(というか、笑われる)

1チーム10人ほどで一体のおっさん人形を囲んで人工呼吸するのですが、

「お先にどうぞ。」「いえいえどうぞそちらから。」と大変和やかな中にも不穏な空気を漂わせたまましょっぱなの一人目を決めた覚えがあります。
こんなところでその経験が役に立とうとは思いませんでした


今日も何とか起きられて居間はAM3時ぐらい。
明日は21話の感想がはいります。
ロロの回想出ないかな~。ロロの守った兄さんよ、頑張れ!!



読んで下さって皆様ありがとうございます!!
こんなアホ話に付き合ってくださって、本当に感謝!!です!!!

拍手コメントありがとうございます!!
返信はこちらから↓

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無人島パラダイス・その5
2008年08月24日 (日) | 編集 |
朝ごはんは順調に食べられた。
道具も調味料も、皿さえないけれど、枝を串代わりに使って焚き火にかざして焼いた魚はとても美味しかった。


何より監視カメラも無い場所で兄さんと二人っきりで笑いながら食べる幸福感は、他では味わうことなど出来ない。
もう、学園には戻らなくてもいいよっっ!!!。
ここで兄さんと二人っきりでずっと遭難しておきたい。

どんな不自由があってもかまわない。
いつかくる兄さんが兄さんでなくなる日におびえず、優しいこの人とずっとこうやって暮らしたい。


もっとも、実際にそれをやったら捜索隊が組まれ、あっという間に連れ戻されるんだろうけど。




「・・・どうした?ロロ?キツイのか? うちに帰りたくなったか?」

「え?ううん、全然。だって兄さんと一緒だから。兄さんといっしょなら僕はどこでもいいんだ。ずっと僕と一緒にいてね。」

「もちろんだ、ロロ。もう世界の中で俺とお前、たった二人の家族になってしまった。
俺とお前はずっと一緒だ。ずっと、ずっと。」

優しく髪を撫でてくれるこの人の本当の家族になりたい。
誰にも心許す事無く生きてきた僕が唯一甘えられ、心を開放できるこの場所を失うなんて耐えられない。
本当は監視者なんて嫌だ。
兄さんに嘘をつき続けるなんて、嫌だ。
でも、嘘をつき続けなければ僕はこの人を失ってしまうのだ。

兄さんは僕とずっと一緒にいてくれると言う。
何度聞いても、しつこいほど聞いても、当たり前のように笑って「ロロと一緒にいるよ。」と言ってくれる。

その言葉は真実でありながら、嘘でしかない。

もし、記憶を取り戻してしまったらこの人は僕の兄さんではなくなる。
その時から兄さんの顔をしているだけの、僕の敵になるだろう。


その事を考えるだけで胸が痛い。
僕は兄さんの弟だよ。たとえゼロとなったとしても、一緒に暮らして、何をするのも一緒で、一番そばに居させてくれた兄さんのたった一人の弟だよ。僕を嫌わないで。あの少女を妹と呼ばないで。

もちろん、そんな事を考えるのは筋違いだと知っている。
僕は偽者。嘘の弟。本当の本当の身内はナナリーだけだ。
記憶が戻ったとたん、兄さんは僕になど目もくれず、ナナリーにだけ優しいまなざしを向けるのだろう。

それを思うとますます僕の胸が痛んだ。 ギアスを使う時とは比べ物にならないぐらい鈍く、鋭くじくじくとうずく。

ナナリー。
今や兄さんの記憶の片隅にも残ってないはずの少女に恐怖する。
愛らしい姿をしたあの少女がいつかこの場所を取り戻しに来る恐ろしい化け物のように思えてならない。

でもそう思っていることを決して兄さんに悟られてはならない。
弟でい続けるために。






「ロロ、食べ終わったら移動するぞ。」

「え?どこに?」

「この林を突っ切れば海に出る。そっちまで行こう。ペットボトルには水を入れておけよ。もうここの水場は使えないから。」

「どうして?ここなら水も食料も困らないのに。」

「ここは会長たちのキャンプ地から比較的近い上に地図上確認できるただ一箇所の水場だ。
朝起きて俺たちがいないとなると、真っ先に探すのがここだろう。

もっとも会長の性格なら、ビックリしてすぐ探すようなことは無い。向こうも朝食をとり、俺たちがいないと遊びにならないと気づいてからの行動になるはずだ。」


なるほど、いちいちもっともだ。さすが僕の兄さん!!
会長の行動を読みきっている。

僕らはペットボトルに水を満たすと移動を開始した。


2時間ぐらい歩くと海風が強く吹いてきた。
目的地はもう近い。

「おかしいな・・・。」

兄さんが不審げにつぶやく。

「え!?道に迷ったの?」

「まさか。よく周りを見てみろ。おかしいと思わないか?」

言われて周りを見渡すが、特におかしい所は無い。
海が近いせいか岩肌が目立つようになってきたが、木々が生い茂り、かもめの群れが旋回している。

「岩をよく見ろ。色は似せているが、人造の岩だ。この辺りの地質ではありえない岩がごろごろ置かれている。何かのカモフラージュらしいな。面白い。退屈しのぎに謎を解いてやる。」

兄さんの紫の瞳が妖しく光る。

ヤバイ!!こういう時の兄さんはいくら僕が止めたって聞かないんだ。
・・・そして大体ろくな事にならない。

さっさと見捨ててかかわらねばいいのだろうが、それも出来ない。心配で。
超頭が良いのに変なところで抜けてる兄さんはさっきの水死ギリギリ事件のように信じられないところでピンチな目に合う。
はいはい、僕もつきあうよ。
大事な兄さんに何かあったら大変だものね。


兄さんは丹念にその辺を調べていたが、ふいに僕を呼んだ。

「見ろこれを。」

一見普通の岩にしか見えないそれを押すと何と地下への扉が現れた。

扉にもロックが厳重そうにかかっていたけれど、兄さんはどこをどうやったのかあっという間に開けてしまった。すごい!!!

岩肌をくりぬいた道を降りていくと、そこは格納庫になっていた。
これはもしかして・・・。

「見ろ、ロロ。ブリタニアの隠し補給倉庫だ。存在は聞いた事があるが、まさかこんな所にあるなんてな。」

隠し補給倉庫はテロ等に利用されないよう普段は厳重に秘匿されている。
そのため物資は豊富だが人はいない。あくまで非常時のためにのみ存在するのだ。

「ナイトメアがある・・・。」

兄さんが指差す方向を見ると5台のナイトメアがあった。

「兄さん、駄目だよ、帰ろうよ。こんな所に入り込んだことがばれたらただじゃすまないよ。」

「まあ待て。学園にある旧式のガニメデではなく、一度こういうのに乗ってみたかったんだ。キーを捜して起動させてみよう。」

ちょ・・・兄さん。
何を言い出すの。



やっぱりろくな事にならなかった・・・そう思ってがっくりしているうちに兄さんはこれまたあっさりとキーの置き場を探し出した。
そして、かかっていたロックを当たり前のように外してそのうちの一つを手に取る。


「あの黒いナイトメアを動かしてみよう。」

視線の先を見るとブルー系のナイトメアに混じって一台だけ黒くカラーリングされたナイトメアがあった。

「兄さんは黒好きだもんね。」

止めても無駄そうなのでため息混じりに言うと、

「ああ。でもそれだけじゃない。このナイトメアにしか出来ない事があるんだ。」

そう言うとニヤリと笑う。

あ、何かヤな予感。

「今日の昼食はコレで作る。」

「えぇええ!? ナイトメアで!!どうやって?

というか、駄目だよ兄さん!!そんなもの持ち出したら危ないよ!!!」


「ふん。何が危ないものか。操縦はマニュアルを見たが簡単だった。何よりこんなチャンスはめったに無い。
さっきは魚が取れなくてすまなかったが、今度は美味しい昼食をたらふく食わせてやる!!
楽しみにしておけ!!!!」


た・・・・・楽しみになんか出来ないよ・・・・・・・。

どっちかって言うと迷惑極まりないよ。

何を考えてるんだ、兄さん。


「ま、まさかナイトメアの砲撃で調理しようって言うんじゃ・・・。」

青ざめる僕に兄さんは冷たい視線を送った。

「何をバカな事を言ってるんだ。流石に砲撃したらエネルギーの残量で侵入者に使われた事がばれてしまう。あとで厄介ごとに巻き込まれるのは俺だってごめんだ。
それに恐竜の食事を作るわけじゃないだろう?砲撃なんてするわけ無いさ。
純粋に調理に借りるだけだ。もちろんばれないようにな。」


調理に借りる・・・。
そう言えば去年の学園祭で兄さんを売って出世したKY上司・クルルギ卿がガニメデを操って巨大ピザを焼いていたはずだ。 (失敗したらしいけど)
そのマネをしたいの?(失敗したらしいのに)

   
それとも会長の悪影響?
調子に乗りすぎるとろくなこと無いよ、兄さん。



そう思いつつも結局兄さんを止める事は出来ず、一人乗りのナイトメアに僕まで乗ってそのまま海を目指した。
うっ・・・せまい・・・・。
ナイトメアの手のひらに旅行バックと共に乗せてもらっても良かったのだが、兄さんの操縦が心配で一緒に乗り込んでしまった。
記録によると、ゼロはナイトメアの操縦がへたくそで乗った機体はことごとく潰しているそうだ。

ナイトメアの操縦は頭の良さより反射神経と戦闘センスがものをいうので、多分兄さんには向かない。
おまけに今はゼロとしての記憶も無いから、記録に載ってるよりもっとへたくそに違いない。

手のひらに乗せられてる状態でこけられたら、いくら僕でもあの世行きだ。
だから断固として断って無理やり一緒に乗りこんだ。

そして思った。

ああ、僕が代わりたい。何てへたくそなんだ。
見ちゃいられない。
切り替えが遅いし、バランスのとり方が微妙にずれてる。
ちゃんとマニュアル通りに出来てるにもかかわらず、不思議なほどに危なっかしい。

以前、複座式のナイトメアに新人のエリート騎士と共に乗り込んだときもこんなのだったのを思い出す。頭のいい人って、こういうタイプが多いのかな?


ちなみにそのエリート騎士はあまりにもイライラする操縦を続けるものだからついついスタンガンで気絶させてしまい、後でV.Vに怒られた。
なんでもそいつは僕にビビッて田舎に帰ってしまったようだ。
根性なしめ。その程度で田舎に帰るなんて。僕なんて毎日命の危機なのに。

だいたいへたくその分際で生意気に操縦桿なんて握ってるの自体が気に食わなかった。
お前なんか、いっそキーボード式のナイトメアにでも乗ってれば良いんだよと怒られた腹いせに心の中で毒づいた。
まあ、キーボード式のナイトメアなんて非効率なもの開発されるわけ無いし、あってもあのエリート糞騎士ごときに制御できる代物じゃあないと思うけど。。。

ああ駄目だ。素敵でカッコイイ兄さんを見てあんな糞騎士を思い出すなんて。僕は弟失格だ。


ため息をつきつつ兄さんを見る。
ああ・・・素敵でカッコイイ!!!・・・・・・・でも、やっぱりへたくそだ。
本当にへたくそだが、大切な大切な兄さんに「へたくそだから代われ。」と言うわけにもいかないし、スタンガンで気絶させるわけにもいかない。

第一、ガニメデで演習したことのある兄さんはいいとして、普通の高校生である僕がナイトメアの操縦が出来るというのはどう考えても不自然なので代わる事もできない。
コレはコレで大変ストレスがたまる。

いざとなったら兄さんにギアスをかけて横から手を出せるようじっと見守る事にしよう。



隠し倉庫の扉は閉じておいたのでまあ暫くはバレはしないだろう。

会長たちが水場にたどりついたとしても木々が邪魔をしてここにいる僕らを見つけることは出来ない。
音もこれだけ距離があればまず大丈夫。



兄さんの操縦に冷や冷やしながらもやっと海が見えてきた。すぐそばにはかもめの繁殖地がある。
さっきの隠し補給倉庫の上空を飛んでいたカモメたちはここから来ていたのか。


兄さんはナイトメアを操ってそのまま繁殖地である岩場に足を踏み入れる。
おお!危なっかしい割には転倒もせず意外と器用に操縦しているじゃないか!見直したよ兄さん!!!
やっぱり僕の兄さんは凄いなあ♪♪


ナイトメアにビックリしたカモメたちが次々飛び去ると兄さんはハッチを開けて僕と共に降り立った。

「よし、今のうちに卵を集めるぞ!!」

「うん!」


・・・・・・なるほど。こういう使い方があったか。

歩行だけなら距離も短い事だし、エネルギーの残量は目で見てはっきりわかるほどには減らない。
僕らは急いで卵を集めた。

小さい卵だから、一人30個はいけそうだ。
かもめの卵なんて食べたこと無いけれど、なんか美味しそうな気がする。
というか、兄さんととる食事だから、美味しいに決まっている。

あれ?でも兄さんはナイトメアで調理するって言ってなかったっけ?
こんなちっちゃい卵をどうやってナイトメアで調理するのだろう。

疑問に思いながらも両手いっぱいに卵を抱えて戻ってくると兄さんも両手いっぱいに卵を持って嬉しそうに立っていた。

「さ、次は砂浜に行くぞ。」

わけがわからなかったけれど、とりあえず兄さんの言うとおりにしておこう。
僕らは再びナイトメアに乗ると砂浜を目指した。



砂浜に着くと兄さんはナイトメアを体育座りのような形で座らせ、旅行バックをもつその巨大な手を砂浜の上で開かせる形で下ろした。


それから僕らはナイトメアから飛び降りて荷物を木陰に移し、遠浅の海を眺めた。

「ロロ、穴を掘るぞ。」

「え?」

唐突な言葉に驚くが、兄さんに従って波のとどかないあたりの砂浜に直径80センチ深さ3センチぐらいの底が平らな穴を作った。

そこに海水で綺麗に洗ったレジャーシートを引き、手ごろな石を置いて飛ばないようにする。
そして更にゴミ袋用として持ってきた小さなビニールに海水をいれ、水深1・5センチ程度に満たす。

「これでいい。」

兄さんが満足そうにうなずいた。

???

これで何が出来るのだろう?

聞いてみても教えてくれない。見た感じは小人が入るプールのようだ。
捕った魚を入れておくのかな???
それにしては水深が浅いような・・・。


「さ、次は貝を掘るぞ。」

「う、うん。」

なんだ、貝を入れておくためだったのか。たくさん捕れるといいな♪
僕らは日焼け止めを塗りなおし、真昼の強すぎる日光をさえぎるために水着の上から薄いパーカーを来て浅瀬に入った。


砂浜は柔らかく、素手でも簡単にほれる。
潮干狩りなんてやったことないけれど、兄さんとなら楽しいなぁ♪♪
魚と違ってギアスを使う必要も無いから体の負担もないし、気温が高いので足元の海水が本当に気持ちいい。

でも、こんなにキレイな海なのに、意外と貝って見つからないものだ。
一生懸命手探りで探してみるが、掘っても掘っても砂ばかりだ。

そう思って振り返ると兄さんはさっきのごみ用の小さなビニール袋にいっぱい貝をとっていた。

「え!?兄さん凄い!!僕なんてちっとも取れないのに!!!」

ビックリして叫ぶと兄さんはきょとんとして言った。

「あれ?お前も貝を採るの得意だったろう?ほら、小さい頃母さんがよく連れて行ってくれたじゃないか。たくさんとらなきゃ夕飯は無いって脅されて必死でとったよなぁ。」

うっ・・・!!
そういう事になっているのか。
でも、その記憶にある兄さんと一緒に貝をとった子供は僕じゃない。ナナリーだ。

兄さんの口からそういう言葉が出ると、本当に、本当に悲しくなる。
僕は所詮偽者なのだと思い知る。

「そっか・・・。お前まだ小さかったし、母さんが死んだショックで記憶がところどころ飛んでるんだったよな。ごめん!」

悲しそうな僕を見て勘違いした兄が謝ってくれる言葉さえ今の僕には鋭く突き刺さる。
ごめんね、兄さん。本当は兄さんに心配してもらったり謝ってもらう資格は僕には無いんだ。


「ロロ・・・。」

無言になってしまった僕の肩を優しく抱き寄せてくれる優しい兄さん。
そのまま僕をぎゅっと抱きしめて「ロロごめん。」と繰り返す。

この人を騙していかねばいけない嘘だらけの僕。 偽者の僕。謝らなければいけないのは僕の方。
ごめんね兄さん。ごめんね。 騙してごめんね。

それでもこの手を伸ばさずにいられない。
兄さんの背中に回した手に力をこめて、しがみつく。

怖くて・・・。この人を失うのが怖くて、怖くて。震えるほどに怖い。



「ロロ・・・。俺たち二人で家族ごっこしようか・・・・・・。」

そんな僕に気づいた兄さんがふわりと笑う。

「え・・・・・・?家族ごっこ?僕と兄さんは家族なのに?」

この人はいつも唐突だ。



「俺は7歳。ロロは5歳。その頃よく一緒に潮干狩りに行った。忘れてしまった記憶、俺と一緒にもう一度やり直そう。」

「そんな事・・・・・・。うん。でもやりたい。教えて。僕が兄さんとどんな風に過ごしたのか。」

これはきっと他愛ない遊び。
でも、ナナリーとの記憶を僕に塗り替えられるような気がして嬉しかった。


「よし。じゃあ、まず貝の採り方からだな。よく聞け5歳ロロ。」

兄さんは僕を抱きしめていた腕を緩めると人差し指を立てて先生のように言った。

僕は小さい子のようにコクコクうなずく。


「まずやみくもに探しても貝は見つからない。
貝は呼吸するからな、まずは目でしっかりと見てぶつぶつとした空気穴が砂にたくさん空いている所を探すんだ。」

言われたとおり波越しに透けて見える細かい砂を見て歩く。その後を兄さんもついてきてくれる。

あった!砂の中に小さいつぶつぶの穴がたくさん開いている。

「えっと・・・。ここかな、兄さん?」

「そう、ちゃんと見つけたじゃないか。えらいぞロロ。じゃあ、掘ってみろ。」

「うん!」

砂をそっと掘ると小さな硬い手ごたえがあり、それは捜し求めた貝だった。

「やった!!見つけたよ兄さん!!!」

「良かったな。貝は一箇所に固まる習性がある。その辺りをもっと探してごらん。」

「うん!・・・わぁ!!一つ、二つ、まだまだあるよ!!兄さんの言うとおりだ!!!」




ずっと冷めた心で生きてきた僕。
自分の命を切り売りして響団に居場所を求めるしかなかった僕。

それなのに、こんな事が凄く嬉しい。
すごく、すごく、すごく嬉しい。それはきっとこの人と一緒だから。

今僕は5歳で7歳の兄さんと一緒にいるんだ。
教団も任務も関係ない。優しい世界でこの人とただ二人。

楽しい。嬉しい。涙が出そうなほど。
幸せと言う心を教えてくれたこの人のことが好きでたまらない。
きっと僕はこの人のためなら何でも出来る。命すら捧げることが出来るだろう。

でもどうか・・・どうか記憶が戻りませんように。
ずっと僕の、僕だけの優しい兄さんのままでいてくれますように。
一日でも長くこの人と一緒にいられますように・・・・・・・。



一緒に仲良く貝捕りをした後は、服に着替えて調理にかかる事になった。

黒いナイトメアに僕と兄さんの水着が干してあり、パタパタとはためくのが何とも言いようのない違和感をかもし出すが、兄さんがそうしろと言うのだから仕方ない。

「ところで調理ってどうするの?火は起こさないの?貝は?」


「貝は明日の朝食に使う。一晩砂抜きしないと食べられたもんじゃない。これは重要事項だから覚えておけよ。あ、でもロロは5歳だから無理か。」

「ううん。賢い5歳だからもう覚えたよ♪」

そう言うと兄さんはふきだした。何かおかしかったかな?僕。



「今日の昼食は目玉焼きだけだ。でも、他では食べられない最高の目玉焼きを食べさせてやる。」

兄さんは、貝捕りの前に作った小人のプールのような海水を貯めていたレジャーシートの所に行った。
でもこの暑さで海水はすっかり乾いて無くなって、白い粒が残るのみだ。

「あ!そうか!!兄さんこうやって塩を作っていたんだね?」

「正解だ、ロロはえらいな。本当はソイソースが欲しい所だが、天然塩というのもなかなかいけるぞ。」

「うんうん。楽しみ!!!・・・・・・だけど目玉焼きはどうするの?僕、たきぎを集めてこようか?」

「いや、いい。火は使わない。火を炊くのはもっと夜になってからだ。卵を持ってついてこい。」


言われるままに大量の卵を持ってついていくと、そこはさっきのナイトメアの前だった。

ナイトメアで調理する。兄さんは確かそういっていた。


「ふっ・・・。思ったとおりだ。計算は完璧だ!ふはははは!ついにこのときがやってきたのだ!!!」

は?一体何事?

首をかしげていると、兄さんは砂浜に開いたままの形で置かれていたナイトメアの手のひらに卵をポトンと割り落とした。

その瞬間、じゅ・・という音がして、黄身だけ半熟の小さな目玉焼きが出来上がった。

「え・・・・・・。黒のナイトメアが良いって言ってたのはもしかして・・・。」

「その通り。黒は最も日光を吸収する色!!この炎天下にさらして置けば、温度が上がり続け、小さなかもめの卵ぐらい簡単に焼ける。
ふふ・・・。やれる!やれるじゃないか、あーはっはっは!!」

・・・兄さんが壊れた・・・・・・。どうしよう。溺れた時の後遺症かな?

でもどうしようもなさそうなので、僕も兄さんにしたがって小さな卵をナイトメアの手のひらにポトン、ポトンと落としていった。そのたびに小さくじゅ・・・という音がして目玉焼きが出来上がる。

あれ、どうしよう。楽しいかも。結局僕も笑い転げながら30個の卵を目玉焼きにして天然塩で食べた。(ちなみにナイトメアの手のひらはあらかじめ兄さんが 拭いていたみたい。)
普段手の込んだ料理ばかり作る兄さんがこんなワイルドな料理をするなんてビックリだけど、なんか兄さんの新しい一面をかいまみたようで、それもとても嬉しい。

兄さんと食べる目玉焼きはすごくすごくおいしくて、楽しくて、きっと僕はこの日を一生忘れないだろう。



            その6へ続く




今日は旦那が出張なので伸び伸び書けるぞー!!と思っていたら、娘が突然起きてきてビックリしました

対旦那ようにはいつもダミー画面の中に小さく窓を開いて何かあればワンクリックで全て消せるようにしているけど、画面もギアス関係のものをいっぱい開いていたので慌てました~

寝かしつけてまた作業再開しましたけど、ちょっとドキドキです!!
小4のくせに分厚いハリーポッターや中高向けの文庫本も軽く読む長女は私がなんかしてると興味しんしんでよってくるので油断なりません


車の上で目玉焼き、皆様はあこがれた事ありませんか?
私はあります。なので、黒いナイトメアを見るたびあれで目玉焼きを焼いてみたいなぁと妄想しておりました。
SSの中で夢がかなって幸せです♪♪(←アホですみません。)

ちなみに本当にそんなことが出来るのか調べてみましたが、出来るようです。
ただ、ちょっと暑い日ぐらいでは出来ないようです。
九州、沖縄などでは成功しているよですが、関西程度の暑さでは難しいようです。
なので、この無人島はわりと南の島だと思っておいて下さいね

気がつけばなが~~い文になってしまいました。
読みにくくなければいいけど・・・。

半分に切って載せようかと思ったけれど、まとめた方が良さそうなのでこのまま載せちゃいました。
下書きを使い切ったので、明日更新できるかは微妙ですが、書けたら書きたいです。

木曜日夜からまた主人の実家に帰らねばならないので金曜から日曜日まで、更新はありません。
もしかしたら何となくわかるかもしれませんが、主人の実家の方はちょっと今大変です。ちゃんと手伝わなくっちゃ。
ばててたら月曜日も更新して無いと思います


遊びに来てくださった方、ありがとうございます!!
拍手コメント・管理人宛コメント下さった方、お返事はこちらです♪








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