スポンサーサイト
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
僕は湖面にうつった月に手を伸ばす・2部 1
2008年09月18日 (木) | 編集 |
「うえ・・・っ。」

ルルーシュを監視している機情メンバーのうちの何名かがモニターを見て小さくえずく。

その様子をビレッタはため息と共に見つめていた。



「ロロの奴・・・。」

ちょっとやりすぎなんじゃないか?


監視先を見れば、ロロがルルーシュの服のすそを逃すまいというようにつかんでいる。

ロロはリビングの正面の大画面モニターパネルを熱心に見ていて、逆にルルーシュは反対方向を向いて口元を押さえている。

「兄さん、ここからがいいところなのにどうして見ないの?」

機嫌良さそうに言うロロの言葉をマイクが拾い上げていた。


うつっているのは気持ちの悪いオカルト映画。
殺人鬼がひたすら人を殺していく映画。それも恐ろしく残忍な方法で。

「・・・っ。もうやめろ!!」

ルルーシュはロロの手を振り払うと立ち上がってパネルのスイッチをぱちんと消した。

「ちょっと兄さん、何するんだよ!!」

「俺にはこの映画のどこが楽しいかサッパリわからん!!第一お前の教育に悪い!!こんなのはお前には似合わない。以後オカルト映画は禁止だ!!!」

叫ぶとすたすた自室に帰ってしまった。

怒らしちゃったかなあ・・・。
まさか元ゼロだった兄さんがこの程度のオカルト映画ごときで血相変えるとは思わなかったからちょっとビックリした。

僕もだてに6歳の頃から暗殺者をやっているわけじゃないからあんな作り事の映画ぐらいでどうこう思うことはない。
むしろ幼い頃は殺人に対する抵抗を無くすため、毎日のように見さされて、そのうち全く動じることもなくなってしまった。

今日は気持ち悪い映画を使って機情をかく乱しようと思ったのに。
兄さんの方をかく乱してしまった。

映画は途中だったけど、兄さんがいなくなったのにこれ以上見てもしょうがないな。
だって監視の目はもうこのリビングではなく兄さんの部屋に移ってしまったろうから。


先日泣く泣く兄さんの写真にナイフをつきたて、機情メンバーの目の前でびりびりにやぶってやった。
ビレッタ先生が言うには作戦は大成功だったようだが、油断は出来ない。

監視者たちの目に僕は『愛するものでも笑って殺せる異常者』とうつってなければならない。

あいつらに化け物とののしられてもいい。悪魔といわれてもいい。
僕は兄さんのそばにいたい。

暗殺者失格の烙印を押されて内部告発されたら僕は機情の任務をとかれてしまう。
それだけは避けなければ。

僕のことはいい。任務が失敗した責を問われ処刑されたってそれ自体は諦められる。
諦められないのは兄さんのこと。

僕の任が解かれたら今度は違う奴が来て兄さんの隣で弟づらをするだろう。
そいつが兄さんの暖かいまなざしを受け、心づくしの料理を食べ、温かい腕に抱きしめられる。
考えただけで血が逆流する。

それに兄さんの記憶が戻ったなら、そいつが兄さんを殺すことになる。
用済みになった兄さんなんか、誰も気にかけやしない。
どんなむごい方法で殺したってどこからも文句など出ない。

そんなことはさせない。
本当は逃がしてあげたいけれど、それが不可能なら僕が殺してあげたい。
僕のギアスは体感時間を止める。

僕なら出来る。殺されたことも気づかないぐらい、恐怖を感じることもないぐらい優しく殺してあげられる。
その綺麗な顔にだって絶対傷はつけない。
体から血が滴り落ち、体温を失うまで僕が抱きしめていてあげる。
兄さんを殺すのは僕だ。

もちろん兄さん一人を逝かせたりはしない。
兄さんはあれで寂しがりだものね。僕も一緒に死んであげる。

兄さんがいなくなれば、どのみち僕の世界は崩壊する。
死は怖くない。
彼の妹が絶対に追って来れない場所で僕たちの血は混じりあい、本当の兄弟となるのだ。
スポンサーサイト
2008年09月18日 (木) | 編集 |
めったなことでは怒らない兄さんを怒らせてしまった。

いや、めったにどころか、兄さんが怒ったところをはじめて見た。

たかがオカルト映画。
そんなに怒らなくてもと思ったけど、僕の手を振り払って自室に帰ってしまった兄さんはそれっきりもう姿を現さなかった。


別に後悔しているわけじゃない。僕が兄さんのそばにいたいのなら、機情への情報操作はどうしても必要。
当たり前のような兄弟関係は、監視の目がある限り許されない。
欺かなければ。
そうしなければ僕は、ただ一人の大切な大切な・・・
命より大切な兄さんを失ってしまう。
だから兄さんを怒らせることになっても仕方ない。
分かっているのに!



それなのに、兄さんが自室に去ってく時の情景が何度も頭に浮かんできて眠ることが出来なかった。



記憶・・・まだ戻ってないよね。
でも戻ったらあんなふうに怒ってここから出て行こうとするのかな?
必死につかむ僕の手をあんなふうに振り払って行くんだね。

もう二度と僕に笑いかけてくれないのかな。
考えただけで泣けてくる。

僕の部屋には監視カメラがないから別に盛大に泣いてもいいんだけど、そうすることも出来なくてベットの中、布団にくるまって声を押し殺して泣いた。



その時だった。

「ロロ・・・。」

さぐるような小さな声が部屋のドアの外から聞こえた。


え?兄さん?

壁にかけた電子時計を見やるともう夜中の2時を過ぎている。
こんな時間にいったいなんだろう。

いぶかりながらドアを開けると兄さんが枕を持って立っていた。

「えっと・・・その・・・、お前が眠れないんじゃないかと思って・・・・。」


一瞬何がなんだか分からず、目をぱちくりさせる。

兄さんは何だか恥ずかしそうに目を泳がせている。



・・・・・・・・・・・・・・・・ようするに、怖いんだね兄さん。夜にあんなDVDを見たから。

思わずぷっと吹き出すとじろりと睨まれた。ごめん、ごめん、普段の兄さんからは想像できない可愛さだったのでこらえることが出来なかった。

この兄さんがゼロだったなんて絶対なんかの間違いだ。

そうだ、間違いって可能性もないわけじゃないよね。

黒の騎士団にいたことは事実なのだろうけれど、うっかり間違えられてつかまったとか、うっかり本物のゼロをかばってとらわれたとか。
この兄さんは普段はしっかり者だけれど時々信じられないぐらい抜けてるときがある。

ああ、そうだったらどんなにいいか!

別に僕は兄さんが稀代の天才でなくてもいい。

ましてやゼロでなんてなくていい。

ただの、普通の兄さんでいい。

そんなことを考えていると。


「・・・だめか?ロロ・・・。」

とすがるように兄さんがつぶやいた。

えっと・・・。僕は兄さんとあんまり仲が良かったらまずいんだよね。
ビレッタ先生が自重しろと言っていた。

だから・・・・・・

「冗談じゃないよ。さっさと部屋に帰ってよ。」

というはずだったのに、そのはずだったのに・・・。

「じ・・・じゃあ、どうぞ。」

と、言ってしまった。僕の馬鹿!せっかく苦労して機情メンバーを欺いてきたというのに。

でも兄さんは、そんな僕にお構い無しにさっさと僕のベットに上がりこみ・・・。
3秒後には安心しきった顔ですやすやと眠ってしまった。

こうなったら仕方ないよね。
そもそも僕のせいじゃないよね?

ひとつため息をついて僕もベットに入り込む。
隣り合わせた兄さんの規則正しい寝息だけが聞こえてくる。


・・・まあ、こんな日があってもきっといいんだ。

どうせ僕のこの部屋にカメラはないし、多分、破滅の日まではまだまだ遠い。
今から気を張り詰めすぎたらもたないかもしれない。

だから、今日のこの日は哀れな僕への神様からのプレゼント。
そう思うことにした。

隣で眠る人の体温が心地よくて僕もまもなく意識を手放した。
2008年09月18日 (木) | 編集 |
今は昼休み。
人気もなく、カメラの死角にもなっているその場所まで来るとビレッタ先生はくるりと僕を振り返り、手で口元を押さえ、ブブッと笑った。

いきなり何!?
その反応。

「悪い、悪い。いやお前があまりにも可愛くて。」

可愛い?何が?
きょとんとしている僕を見てビレッタ先生はとうとうげらげら笑い出す。

「昨日、ぐっすり眠れたか?お前も3秒で眠ってしまったな。」

いたずらっぽく笑って僕を見る。

「!!」

ばれてる?

いや、僕のへやには監視カメラなどないはず。

「すまん、すまん、最近のお前、素の部分がすごく不安定だったからな。心配でついお前の部屋にも隠しカメラを仕掛けてしまった。」

「ちょ・・・それって越権行為ですよ!!」

「まあそういうな。もう大丈夫そうだから機材は全部外しておいたよ。安心するがいい。それに見ていたのはもちろん私だけだ。」

たとえそうだとしてもプライバシーを勝手に人に見られるってなんて居心地が悪いんだろう。
兄さんごめん。これと同じことしてて、本当にごめん。
僕は心の中で兄さんに謝った。

「さて、用件の方だが、先日出した規定を一部変更しようと思ってな。」

「変更?」

何?あの規定。これ以上厳しくなるの???


ちなみに規定というのは兄さんに対する態度の規定。

「お前の兄に対する態度は世間の尺度から言うと間違っている。ちなみに兄貴の方もまちがっている。これを参考にしろ。」

そう言って、兄弟も家族も知らない僕にビレッタ先生は箇条書きにまとめられた禁止事項をよこした。


1、兄弟はいい年して手なんかつながない。相合傘も致しかたないとき以外は禁止。小指を絡めての約束げんまんも禁止。 

2、おはようのキスも、お休みのキスもあの年ではしないので禁止。

3、髪の毛ぐらい自分で乾かせ。

4、食べ物を分け合うのはOKだが、「あ~ん。」は禁止。
  はっきり言って異常だ。

5、夜中までチェスをするのはかまわないが寝るときは自室で寝ろ。
  ついでに、先につぶれてしまったルルーシュの手を握って眠るなど言語道断。
  見張りについてた機情メンバー全員おもいっきり引いてたぞ。

6、抱きしめられそうになったらさっさと逃げろ。
  ひしっと抱きつき返すな。

7、眠れないからと言って子守唄なんてねだるな。
  そういう時は一人で羊の数を数えるのが世間の常識だ。

8、見詰め合うときは最低でも30センチはあけろ。
  顔が近すぎだ。

9、ケーキを作っているルルーシュに味見させてもらうのはいいが、指でたねを食べさせてもらうな。
  行儀が悪いことはしたくないと言ってちゃんと自分でスプーンで食え。

10、冗談でも兄貴のひざの上に抱かれたりするな。
   ルルーシュの妹は足が不自由だったからそういうことも許されたが、弟で五体満足なお前がやると、とてつもなく不気味だ。


以上、10項目。必ず守るべし!!!

と、紙には書いてあった。


ううっ。もうこういうことが当たり前になっていた僕には厳しい条件だったけれどしょうがない。
これも兄さんのため。
ひいては僕のため。
それにしても厳しい・・・。

それなのにまだ条件が増えるのか。


ため息をつく僕にビレッタ先生がにっと笑う。

「条件、緩めてやるよ。」

「え・・・ええ!?いいんですか?」

「昨日もそうだが、上手く演技できるようになったし、お前、賢くなったよ。少しぐらい緩めたってどうということはあるまい。
それにまあ、毎晩毎晩布団かぶって泣かれたんじゃ、私もつらいしな。」

「ちょ・・・。盗聴器もつけてたんですか。趣味が悪すぎます。」

「まあそういうな。心配なんだ私は。お前のことが。お前の暗殺者としての能力はここにいる誰よりも高い。でも、その心は誰よりももろい。

でもまあ、お前も迫真の演技が出来るようになったし、私もお前に協力してやる。
私からの命令という形で機情本部でお前を怒鳴りつけてやる。

『対象者は妹の代わりにお前を求めている。うっとおしくとも、もっと甘えて見せろ。』

とな。」

「・・・そうですね。それならちょっとぐらい兄さんに甘えても不自然じゃあなくなりますね。
でも、芝居は続けるんでしょ?
本気で甘えるのはカメラや盗聴器のないところにしたほうがいいですよね。」

「そう、賢いじゃないかロロ。やっとお前も腹芸が出来るようになったな。甘えてもいいけれど、奴らに隙は見せるな。うまく立ち回れ。真実と虚構を上手く使い分けろ。見破られたらお前の負けだ。」

「大丈夫です。僕は上手くやりますよ。よっぽどのイレギュラーでもない限りね。
まだまだ普通の人間とは感覚が違う所があるかもしれないけれど、僕はもう人形じゃない。
上手くやって見せます。」

ビレッタ先生は僕の言葉にうなずくと、優しく微笑んだ。
それからちょっと言いにくげにはにかんだ。

「その・・・甘えるのは全然かまわないけれど、危ない道に走るなよ?」

「は?」

危ない道って何の道?
・・・というか、僕は物心付いたときから暗殺者として危ない道を突き進んできたし、今は機情メンバーを騙してあざむき続けている。

ああ、暗殺人形に戻るなって事?

「大丈夫ですよ。僕は兄さんに『心』というものをもらって生まれなおしたんです。
だから、僕は大丈夫です。」

にっこり笑うとビレッタ先生は一瞬戸惑い、ああ、そうだなと目を細めた。

「・・・・・・そうか・・・。そうだな。]

お前にやった10の禁止項目。考えてみれば私が6,7歳ぐらいまで母さんと当たり前にやってたことだったな。そうたしか、弟とも。

[お前は本当の意味では生まれてまだ間もない。与えられる無条件の愛に手を伸ばして当然だ。
いっぱい可愛がってもらえ、ロロ。」

そういうとロロは本当に嬉しそうに微笑んだ。

そうとも。
たとえその幸せが期限付きのものだったとしても。
お前はせっかく人間として生まれたのだから。

幸せを求める心をとがめることは、神にだって出来ないのだから。





2008年09月18日 (木) | 編集 |
僕が兄さんと暮らすようになって5ヶ月たった。

今日も兄さんの記憶は戻りそうにない。
機情メンバーは長引く任務に苛立っているようだが、僕は最高に気分が良かった。

最初の頃はいつC.Cが現れるか、兄さんが記憶を取り戻すかとはらはらしたが、そんな様子もなく毎日が平和に過ぎていく。

ああ今日も平和だな~。
それにいい洗濯日和だ。

僕は洗濯物のしわをパンパンと伸ばしながら空を仰いだ。

僕はここに来るまで家事というものをした事がなかった。
ここに来てからも家事全般は兄さんがやってくれてたのであえてやってはいなかった。

ところが先日のこと、カメラの死角に入ったとたん、

「おいこら愚弟!」

と声をかけられた。
こんな喋り方をするのはただ一人。ビレッタ先生だ。

「?・・・なんで僕が愚弟なんです?」

「お前、兄にばかり家事をさせて、恥ずかしいとは思わんのか?」

大体お前は・・・と説教が続く。

時々思う。
この人は本当に兄さんの監視者なんだろうか?
どっちかと言うと僕の監視者と言う気がしてならない。

悪意がないことは分かっているので別に正面から文句を言おうとまでは思わないけれど、この人も兄さんの次ぐらいに不思議な人だ。

「昨日は誕生日プレゼントもらえてよかったな♪
お前もルルーシュの誕生日にはなんかやれよ?もらったら相手にも返すのが常識だ。」

とか、

「お前、宿題教えてもらいすぎだ。辞書をきちんと引いて頭使って考えろ。それでなくとも馬鹿なのにますます馬鹿になるぞ。」

とか、

「ルルーシュがいない隙に床に寝そべってテレビ見ながらケーキを手づかみで食べてたろ。行儀が悪いにも程がある。」

とか、手厳しくあれこれ言ってくる。どれも任務には全くかかわらない事柄なのに。



そして最近のビレッタ先生のお気に入りのフレーズが「愚弟。」

最近は僕のことを「ロロ」と呼ばず、「おいこら、愚弟。」と呼びかけてくる。


「は~。先生。僕、先生に何かしましたか?たまには『愚弟』じゃなくて『ロロ』と呼んでくださいよ。」

ため息をつく僕にビレッタ先生は嬉しそうに言う。

「お前には世間の常識がかけているからな。私はそれを教えてやっているんだ。」

嘘だ。任務が長引いて暇だから、絶対僕で遊んでるんだ。

「常識なら僕だって知っています。もう5ヶ月も普通の人と変わらない生活を送っているんですからね。
兄さんとは問題なく過ごしているし、他人とだって任務の妨げにならないようほどほどに上手く付き合っています。成績だってほとんどAだし、兄さんは僕のこと『賢い』っていつもほめて・・・。」

「それがいかんと言うのだ!!ばか者!!!」

ビレッタ先生は腰に手をあて、胸をそらして僕を怒鳴りつける。

「お前の兄貴はお前に甘すぎる!!とんでもなく甘すぎる!
言っておくが世間一般の兄は、ああではない。弟なんて使いっぱしりぐらいにしか思ってない。」

「ビレッタ先生もそうなんですか?」
いやみのつもりで聞いてもこの人は全くこたえない。

「もちろんだ。弟はかわいい。でも、弟とは利用するものだ。アレをもってこい、コレをもってこいと散々使い倒し、ちょっと宿題を教えてやったらそれをいつまでも恩に着せたり、逆らったら『お漏らししたお前の世話をしてやったのは誰だったかな?』とささやいて黙らせる。これが弟に対する普通の態度だ。」


う・・・めまいがしてきた。
僕もたいがいゆがんでいるとは思うけれど、この人はそれ以上だ。

僕は兄弟ほど美しい関係は無いと思っているのに夢を壊すのはやめて欲しい。


「お前は幻想を見ているんだよ・・・。」
ビレッタ先生がつぶやく。

「ルルーシュは、あれは兄貴と言うよりママだ。私が姉貴となって本当の兄弟の厳しさを教えてやる!」

叫ぶビレッタ先生に本気で頭痛がする。
僕は優しい兄だけで十分なんだけど。

ああ、僕の任務がこの人の弟になることでなくて良かった。
もしそうだったら、さんざん使い倒された挙句、愚弟、愚弟とののしられる毎日となったろう。

それでもまあ、相手がこの人であればそんなに嫌な気はしないのかもしれない。

「こんな優しくないクソ姉貴いりません。」

と言ってあっかんべをしてやると、何故かビレッタ先生はふわりと笑った。
僕はそれを綺麗だと思った。
僕は湖面にうつった月に手を伸ばす その5
2008年09月18日 (木) | 編集 |
注:約3ヶ月間放置していた連載の続きですのでもう誰も覚えてないと思いますが、ヴィレッタが戦線を離脱したので続きを載せてみようと思います。

ちなみにこの連載が途切れた直接の原因はヴィレッタが裏切ったためで、なんとなくUPしづらくなっため放置してました。
お話自体は書いてあったのですが、なにぶん、むか~~~~~~し書いたものなので少し手直しして載せています。
色々タイミング的にUP出来なかった話があと4話分あるので昔過ぎてアレなんですが載せさせて下さいね♪←読んでくれる人がいるのか考えるとちょっと恐ろしいですが

・・・書きたい話はだいたい書いてしまったので、何かロロの話を書きたい気持ちはあるのですが思い浮かばなくって。
とりあえず初心に帰ってしばらくこの続きを書いてみます。
ルルロロ二人っきりの監視無しの話もまた書いてみたいのだけど、旅行以外で監視無し・・・というのはなかなか難しくて←おもいついたら書いてみたいです♪
ではどうぞ☆

参考までにこれまでの掲載分のリンクを張っておきます。

僕は湖面にうつった月に手を伸ばす 1部"
僕は湖面にうつった月に手を伸ばす 2部












「くぉら、愚弟!!」

監視カメラの届かない場所までくると僕はいきなりビレッタ先生に頭をたたかれた。


もちろん、僕にはギアスの力があるのでよけようと思えば簡単によけられるのだが、日頃世話になっているこの人に僕はどうも弱い。
いや、どちらかというとよけたら後で100倍返しのような気がするので怖いというべきか。

「・・・取り合えず、何に怒っているのかぐらい聞かせてもらえませんか?いきなり殴るなんてひどいですよ。」

恨めしそうに見上げる僕にフンッといった表情で見下ろしてくるビレッタ先生。
この人の言うことやることはいつも唐突で僕にはサッパリ分からない。
でも、これほど怒るということはきっと僕は何かやらかしたのだろう。
唐突な人ではあるが、意味もなく怒る人でもない。

「お前・・・それ、本気で言っているのか?」

言われて考えをめぐらす。
昨日の昼休みに先生に会ったときは別に怒っちゃいなかった。
だから、何かしでかしたとするとその後。

う~ん、取り合えず授業もサボってないし、兄さんに添い寝を頼んだりもしていない。
ちゃんと言われたとおり、一人さびしく羊の数を1008まで数えて眠ったはずだ。

朝ごはんのしたくもビレッタ先生に「こら愚弟!!兄にばかり頼らず少しは手伝え!」と前にしかられてからはちゃんと手伝っている。

う~ん、いくら考えても思い浮かばない。
するとじれた先生が目つきを更に厳しくし、

「お前、告白してきた女の子からもらったプレゼント、目の前でゴミ箱に捨てたろう!!この、女の敵が!!!いっぺん死んで来い!!!!」


・・・と、怒鳴った。


「は・・・?何かいけなかったですか?」

僕がそういうと、先生は吊り上がった目をさらに吊り上げた。
いったい何がまずかったというのだろう。
さっぱり分からない。
普通、捨てるだろう。


「だって知らない人から物をもらうって気持ち悪いじゃないですか。表面に致死量の毒が塗ってあるかもしれないし、内部に小型のプラスチック爆弾が組み込まれているかもしれません。万一それらがなかったとしても、僕は部屋にはあまり余計なものを置きたくないタイプなんです。掃除が面倒だから。」

ビレッタ先生は「はー。」と盛大なため息をついた。

「あのな、ここは普通の学園なんだぞ。毒殺だの爆弾だのありえんだろうが。」

「そうでしょうか?僕、普通の学校に通ったことないし。普通って言われてもよくわかりません。
だけど、僕、なぜか嫌われるタイプみたいで致死量じゃないけどチームの人間から毒を入れられたり、部屋を爆破されたりした事は何度かありましたよ?」

「はー。そうだったなお前は。」
ビレッタは今更ながら境遇に恵まれないまま大きくなってしまったこの少年の哀しさを想う。

「まあ、そういうやからは取り合えず全部殺すことにしてますが。」

いや、前言撤回。この少年の周りにいた人間の境遇こそ哀れというべきか。


「でもね、一応言っときますが、別に好きで殺しているわけじゃないんですよ?」

ほう、そうか。少しは良心があったか。

「だって殺しちゃうといちいち始末書を書かなきゃいけないし。面倒じゃないですか。」

やっぱりそっちの方か。
そういう事をさらりと言ってしまうこの少年は、人としての感覚がまだ乏しい。


「だから、不審な物は受け取らないことにしているんです。」


「じゃあ、せめて影に隠れて捨てろ。アレじゃかわいそうだ。泣きながら走っていったじゃないか。」

「だって、そこにゴミ箱があったからつい。
でもわかりました。
それが世間の常識であるなら次回からはそうしますね。兄さんのみたいに。」

そう、実は僕は兄さん宛のプレゼントや手紙なども捨てている。


大事な兄が毒殺されたり爆殺されたりしたら大変だものね。
でも、みつかったら怒られそうなので、こちらはこっそりと処分している。

「兄貴のまで処分しているのか・・・。」

ヴィレッタ先生がまたため息をつく。

「ええ、だって危険だし、兄さんは僕がいれば幸せなんだから彼女なんて要らないでしょ?」



「いや・・・普通、弟より彼女がいいだろう・・・。」


「えええ!嘘でしょ? それって普通なんですか!?」

「普通だ。」

「だって兄さんは僕と過ごす時間が一番楽しいって言ってくれるし。」

「それは幻聴だ。」

「僕の事が一番好きだって言ってくれるし。」

「きっと100人ぐらいにそう言っている。」

「でも僕がいなくなったら生きていけないとまで言ってくれるし!!!」

「うちの3軒となりの未亡人も旦那が死ぬまでは同じような事を言っていたが、今じゃ旅行にカラオケにサークル活動・・・と、人生をエンジョイしきってるぞ。人ってそんなものだ。」


ひいいいい!!
なんてことを、この人は!!!

よくも僕の美しい夢を台無しにしてくれたな。
これを言った奴が他の奴だったら瞬殺だ。



                                     その6に続く



なんか懐かしすぎてなんとも・・・
でも、R2の4話ぐらいまで続ける予定だったのでひっそり続きを書いているかもしれません。(最終回ショックに耐えられたら










浅田 りん様!拍手お礼文出来るようになりました!!!(多分
ありがとうございます!!(でもアイコンはリタイヤしました)

web拍手を送る




押してくださると19話派生の短めのSSが出ます。←入れ替えのためこれとは違う話が出ます。すみません。
これも前に書いていたのですが、すでに19話派生のSSを4話分も書いていたので『しつこい?』と思ってUPを遠慮していました(ちょっと中途半端な短さだし)

もうR2も間もなく終わりなのでお礼文としてUPさせていただきますね。
前に設置した方で300以上拍手を頂いていたのでちょっとあれはあれで未練がありますが、ロロが機械オンチの私にくれた勉強の機会だと思って換えてみました♪


浅田 リン様、めかりん様、ひづき様、コメントありがとうございました!!
コメント欄からお返事しますね♪♪

ところで浅田リン様!元々の拍手はどうやって取り外したら良いんでしょうか?
それともこれはこのまま放置しておいても問題ないんでしょうか?
お暇な時にでもおしえてくださ~い



むか~~~~~しのお話の続きですが、読んで下さった方、ありがとうございます!!
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。