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弟の苦労(12話より)
2008年06月30日 (月) | 編集 |
「くうう・・・!」
ああ、イライラする!!咲世子の全てにイライラする!!!!

僕は機情の本部でモニターを睨みつけた。
そこに映っているのは兄さんに変装した咲世子。






「彼女は信頼できる人物だ。ゼロとしての俺、ルルーシュとしての俺、どちらにも長年誠実に仕えてくれた。
それに咲世子は料理上手だからお前の食事も安心して任せられる。」

そう言ってにっこりと笑った兄の言葉と優しさを信用して協力してきたが、もう限界だ。

「あんなの兄さんじゃない!!」

言って机に八つ当たりするが、このイライラはそう簡単に収まりそうに無い。

昨日は咲世子にとうとう言ってやった。

「あなたの兄さん像は間違っている!」と。

しかし咲世子はほんの少し不思議そうな顔をして

「そうでしょうか?ではロロ様のルルーシュ様像をよろしかったらお聞かせ願えませんでしょうか?」

と聞き返してきた。


よ~く聞け、咲世子め。

「兄さんはこの世の誰より優しくて、賢くて、すばらしくて、それでいて細かい気遣いが出来て・・・」

「じゃあ、別に私の認識とそうずれてはいないと思いますよ?ご安心なさってください。では、私はキャロル嬢とデートがありますのでこれで・・・。」

言って一礼するとさっさと出て行ってしまう。

ちょっと待て、僕の話はまだ終わっていない!!!!
肝心な所だけスルーして出て行くな!!!
兄さんはな、この世の誰より優しくて、賢くて、すばらしくて、それでいて細かい気遣いが出来る人なんだ。
僕にだけは
ハンカチを差し出してくれるのも僕にだけ(のはず)だし、デート・・・いや、個人的に二人でお出かけするのも生徒会の用事でなければ90パーセント僕で、あとの10パーセントがリヴァルさんと行く賭けチェスだ。

それなのに兄さんの顔で女と言う女に良い顔をし、無駄にデートの約束を受け入れる。
なんてとんでもない女だ。
ありえないだろう、アレは。
暗殺三昧の生活を送ってきた僕だけど、小夜子よりは常識と良識がある自信がある。

失敗した・・・。
そもそも1日目から失敗した。

僕は兄さんが信頼を置き、見た目普通で優しげで、真面目そうな彼女の外見にころりと騙された。
そして彼女に影武者としての全てを任せ、モニターでチェックすることも無く、簡単な報告や打ち合わせだけしかしなかった。

別に中身が別の人の兄さんを見てても面白くも何ともないし、ついつい考えてしまうのは本物の兄さんの事ばかり。


兄さんと初めて離れ離れになった不安と寂しさで僕は小夜子の事はそれほど気にかけず、ため息をついては中華連邦のニュースを見たり、兄さんが使っていたハッキングシステムを使ってブリタニアの動向を探ったりしていた。彼女にころりと騙されたまま。


僕が暗殺者だった頃、僕の外見にころりと騙される奴全てを馬鹿だと思ったのに、こんどは自分が騙された。いや、正確に言うと騙すという言葉は不適格だ。

恐ろしいことに彼女は天然でアレをやっている。
だから注意しても彼女はさっぱり理解してくれない。

「はい。承知いたしました。」「申し訳ありません。」と言った直後からもう違う女性を口説いている。

僕はモニターを睨みつけ、

「違うと言ってるだろうがコンチクショー!!!!!」

と思わず下品な言葉使いで絶叫してしまった。

横ではどこか他人事なビレッタ先生が声を殺し、肩を震わせて笑っている。






気がついたときにはもう修正不可能だった。

電話で兄さんに相談したかったけれど、その頃兄さんは生死にかかわる大ピンチでそれどころではなかった。
僕も兄さんが心配で、咲世子の動向など頭から吹っ飛んでしまった。
兄さんが生きてかえって来てくれる事が、そのときの僕の全てだったから。

僕が悶々と兄さんの心配をしてモニターに釘づけになってる間にも小夜子は無駄に愛想を振りまき兄さんは誘えば必ずデートしてくれる頭の軽い人となっていた。

人間関係を円滑に・・・・・・。これは普段から僕自身も兄さんに言われていた言葉。
多分、兄さんも軽い気持ちで言ったのだと思う。

だけど、これはいくらなんでもまずいだろう。


もうすぐ兄さんが帰ってくる。本物の兄さんが。
僕の事を信頼して学園の事を任せてくれたのに、こんな事になってしまってどうしよう。
帰ってくるまでに何とかしないと・・・。
咲世子一人の手綱も握れない無能な弟だと思われてしまう。

こうなったら・・・・・・もう手段を選んではいられない。

続きはこちら

はじめて10日もたたないブログに拍手してくださった皆様、とても嬉しかったです。
ありがとうございました。

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弟の苦労・その2
2008年06月30日 (月) | 編集 |
僕はこれまでわりと困った事があったら殺して解決してきた。
ああ、この女を殺したい。
でも、殺したら兄さんに怒られる。
忌々しいが、こいつは兄さんの大事なナナリーをずっと守ってきた人で、兄さんの料理の師匠でもある。



「咲世子。」

僕は睨みつけるようにして話を切り出す。

「はい。何でしょうか?」

まるで何もないような穏やかな声で返される。
これでも僕は暗殺業が長かったから、これだけの殺気をぶつけたら腕のたつ者でも少しは怯むはずなのに、にこりと微笑まれてしまった。

隣ではヴィレッタ先生が、熱いお茶を飲みながら、面白そうに眺めてる。
ほんっと他人事なんだな。

「影武者の件ですが、僕が兄さんの代わりをします。いいですね。マスクをこちらにください。」

有無を言わせぬよう、強い口調で言う。

「はあ、しかし・・・。」

「いいから、早くマスクを!!」

僕と咲世子の背格好はわりと似ている。咲世子の代わりにマスクをつけて、肩パットの少し入った服を着て、上げ底靴を履けば僕だって兄さんになれるはずだ。

兄さんが帰ってくるまで後二日。
僕が兄さんに成り代わり、浅ましく群がってきた女たちを穏便に振りまくる。
女たちのデータや兄さんのクラスメイトのデータは徹夜で覚えた。
それに僕は1年以上も兄さんのもっとも身近にいて兄さんを見続けてきたのだ。
こんな女より絶対上手くやってみせる。

「さあ!」

催促するように手を出すと、

「まあ、そんな・・・。ロロ様ってば・・・。」

と、ぽっと頬を染める。

は?何その反応???

「わたくしがずっとつけていたマスクをそんな、急によこせだなんて・・・。それは私と間接キスしたいという事でいいんですね?」

咲世子はますます顔を赤く染めてさらりと恐ろしい事を言う。

「ちち、違う!!そうじゃなくて・・・。」

「嫌ですわ。今更照れなくても。大丈夫。私、年下って嫌いじゃない方だし・・・。」

言ってさっき僕が差し出した手をぎゅっと握る。

あまりといえばあんまりな展開に、僕はギアスをかけられたかのように真っ白になって固まってしまった。

この女、あれだけの数の女の子を口説きまくった上、僕までその毒牙にかけようって言うのか。

慌てて手を振り払い、ビレッタ先生の後ろに隠れる。
我ながら情けないが、この女は危険だ。超危険人物だ。

ビレッタ先生はやれやれというように僕を見た。

「仕方がないな、全く。おい咲世子。」

「はい。なんでしょう。」

咲世子はヴィレッタ先生ににっこりと微笑う。

「こいつはな、まだお子様で、ルルーシュが恋しいだけなんだよ。まあその辺で勘弁してやれ。」

お子様と言う言葉にちょっとムッとするが、これで助かった。ナイスだヴィレッタ先生!!
ホッとして先生に感謝のまなざしを向けると先生もやわらかく微笑んでくれた。
そして続けた。

「こいつはな、この年でまだ兄貴におはようのキスとお休みのキスをしてもらってる坊やだから寂しくてたまらないんだよ。」

げげっ!こんな場所で何を言うんだヴィレッタ先生!!

まあ、そんな事、実際にしているが、それは兄さんがあんまり当たり前にしてくるから、兄弟ってそんなものなんだと思って習慣になってしまったからしてるだけで、その後監視カメラで見たヴィレッタ先生に「男同士でキショイ」とかボロかすに言われ、自分でもいろいろリサーチしてみてやっぱりうちの家庭が間違っている事に気づき、以来、外では一切言わないようにしていた。


「まあ・・・。そうだったんですか・・・。」

咲世子が哀れみの視線を僕に向ける。

「申し訳ありません。ルルーシュ様にも『ロロはしっかりしてるようで寂しがりやだから気をつけておいて欲しい。』と言われてましたのに。」

知られたくない事まで知られてしまったが、こんどこそ咲世子もわかってくれたようだ。
それに兄さん、咲世子にそんな事言ってくれてたんだ。
とっても迷惑だけど、兄さんの優しい心遣いはすごく嬉しい。
ほっとして胸をなでおろすと、



「わかりましたわ。」

咲世子が何か決意したようなまなざしでキッと表情を引き締めると兄さんマスクをつける。
そして両手を広げ・・・。

「さあ、ロロ、おいで。ちょっと遅くなったがおはようのキスをしてあげるから。」
と、兄さんの声で言う。

ひいっ!
何だこの展開は!!
さっきより酷いっ!!!
何が悲しくてこんな変態女のキスを受けねばならないんだ!!!!!

助けを求め、再びビレッタ先生を見ると、この世のものとも思えぬ邪悪な笑みで僕を見ていた。

さ、さては僕が銃で脅して裏切らせた事をまだ根に持っているな。
確かに機情で唯一僕を心配してくれたりかばってくれたりした先生を脅すようなまねをした僕も悪いけど、仕方がなかったんだよ。

それに、最悪先生を処分と言う案もあったにはあったんだ。でもそんな事にはしたくなかったし、先生にはイレブンの秘めた恋人がいるって兄さんから聞いていたから、黒の騎士団に付いた方が先生にとってもいいんじゃないかな~なんて思ったんだ。

だから、だから・・・。

「よし、存分にやれ。」

ヴィレッタ先生はニヤリと笑うと僕をいきなり羽交い絞めにした。

「では、失礼して・・・。」

ぎゃああ!!!

キスされる寸前に僕はギアスを使って何とか逃げ出した。
逃げ出して部屋に帰り、毛布を持ち出すとその日は屋上の温室の隅っこで毛布にくるまって眠った。
だって部屋で眠ったりしたら、合鍵を持っている咲世子がやってくる。

「ああ、兄さん。早く帰ってきて。出来るだけ早く。」

せめて夢の中でぐらい優しい兄に会いたかったが、出てきたのは咲世子が化けた偽兄だった。
「う~ん・・・咲世子が、咲世子が来る・・・・・・・・。」
僕は朝までうなされた。







弟の苦労・その3
2008年06月30日 (月) | 編集 |
兄さんの蜃気楼がモニターに映る。
やっと本物の兄さんに会える!!

浮上してきた蜃気楼のハッチが開く間ももどかしく、

「にいさん。お帰りなさい!」

と、声をかける。

姿を現した兄さんも優しく微笑んで

「ただいま。ロロ。」

と言ってくれる。

ああ、幸せだ。
ここのところ、悪夢のような生活を送っていたから、余計にそう思う。
兄さんさえ帰ってくれば何とかなるはずだ。
咲世子を制御できなかったという失態は免れないだろうが、兄さんなら分かってくれるはずだ。
それに、これでやっと温室の隅っことか、ロッカーの中とかで咲世子から隠れて寝なくてもすむ。
暖かいベットで寝れるんだ。

僕は起きてる間ならラウンズにだって負けはしない自信がある。もちろん咲世子にだって。
でも、寝込みを襲われたら流石に逃げようが無い。
咲世子はくのいちだけあって気配を消すのが上手だし、そもそも殺気なども持ち合わせていない。
無防備に眠ったらコレ幸いとキスされてしまう。

ヴィレッタ先生は

「キスの10回や20回、別に減るもんじゃあないからいいじゃないか。
それにメイドに朝夜キスしてもらうなんて、男冥利につきるとおもうが。いい機会だからほっぺじゃ無くて口にしてもらえ。兄貴を卒業してメイドに乗り換えろ。」

と、大笑いしていたが、クソ、覚えていろよ。後で100回殺してやる!!!

僕にとって兄さんは世界一大切な人だから絶対卒業なんかしないし、変態メイドの毒牙にかかるなんてもっといやだ。
だいたいファーストキスもまだなのに、やったら絶対減る!間違いなく減る!!!

いや、せっかく兄さんが帰ってきてくれたんだ。
嫌なことは忘れよう。今だけでも。

「兄さん、こっちにはしばらくいられるんでしょう?」

思わず声が弾む。こうやって兄さんと歩くのも久しぶり。嬉しいなあ。
でも、兄さんにはまだまだ片付けないといけない問題が山積みでその顔は浮かない。

「僕もヴィンセントで戦ってもいいんだけど・・・?」

そう聞いてみるけれど、即座に却下された。
僕はナイトメアの操縦は結構上手い部類に入るから、それなりの働きは出来ると思う。
でも兄さんは、最初に言った「そういうことはもうやめろ。」という言葉を絶対に崩す事はなかった。
僕の心配をしてくれるのは嬉しいけれど、僕はナナリーとは違う。
僕には戦うための力がある。

おとなしく守られて、安全な所から心配だけしているのは歯がゆくてたまらない。
僕はむしろ兄さんの近くにいて盾にも槍にもなって兄さんを守りたい。
だって僕は知っている。本当の兄さんは優しすぎるぐらい優しい人なのに、ずいぶんいろいろな事を我慢して歯を食いしばって戦っている。
兄さんは自分のためには戦わない。いつも誰かのために戦っている。
それには僕も含まれるらしい。
だから、僕は兄さんを守りたい。
そんな事を考えているうちに司令室に着いた。

あの惨状を見て、兄さんはどう思うだろう。そう思うと僕はちょっと目を伏せた。

「く・・・なんだコレは!!」

思ったとおり、兄さんが驚いている。ごめん兄さん、咲世子を制御できなくて。


「俺が、シャーリーと・・・。」

「はい、キスさせていただきました。」

「ぅえぇぇぇえ!?」

悲鳴を上げたのは兄さんではなくて僕だった。

き、聞いてない、知らない、そんな事!!!
緊急の報告は無いと言っていたじゃないか!!
これは咲世子にとって緊急に入らないのか!?
僕だったら第一級の緊急事項にあげるぞ!?

「咲世子!前にも言ったでしょ!影武者なのに、いい顔しすぎだって!!!」

いくらなんでもキスはやりすぎだ。
僕に迫っていたくせに、女ともキスするのか!?
いよいよ本格的に変態だ。

まあ、変態であろうと本人が本人の顔でキスするなら兄さんの迷惑にはならないからどうでもいいけど、兄さんの顔でっていうのが許せない。

声が裏返るほど叫んだが、彼女は、は?というような顔をしている。
そこに兄さんまでが助け舟を出す。

「いやまて、それ以外は良くやってくれている。」

「兄さん・・・咲世子が昔から仕えていたからって・・・・・・。」

こんな変態女の肩を持つなんて酷いよ。

咲世子は平然と自分のペースで話しを続けていく。

「正確にはアッシュフォード家にやとわれて・・・。」

「知っています!!!」

ああ、イライラする。僕が言いたいのはそういうことじゃない!
でも咲世子めは平然と僕との話を打ち切り兄さんに微笑みかける。

「ルルーシュ様、明日のスケジュールですが・・・。」

「明日?」

兄さんが怪訝そうに訪ねる。
そう、兄さんはこのところ中華連邦でずっと戦っていたし、エースパイロットが捕らえられた事をとても気にしていたからあまり眠れていないんじゃないかと思う。
明日ぐらいはゆっくりするつもりだったに違いない。

だから、本当は僕が1日家事をして(兄さんほど上手じゃないけれど)部屋でぼーっとさせてあげようと思ってたんだ。
なのに・・・それなのにクソ咲世子の奴めが・・・

「咲世子が安受けあいして、他の人と約束しちゃったんだよ。」

兄さんは僕と過ごすはずだったのに!!おのれ!女とキスする変態の分際で僕と兄さんの幸せな時間を取り上げるとは!

「仕方ないな。」

兄さんがつぶやく。仕方ないのか。まあ、分かってた事だ。へんな所で律儀な兄さんは約束した事は必ず守る。
本当に約束したのは咲世子だけれど、任せた限りは潔く責任をとる態度はかっこいい。
だけど僕の腹のうちは煮えくり返っていた。
気分を落ち着けようと兄さんからもらったロケットをじ~っと見るが、無駄だった。

「それでもくのいちですか!?」

小さく嫌味を言ってみるが、咲世子は全く動じない。

「正確にはSPです。」

だから・・・そういうことが言いたいんじゃなくて・・・だめだ、もう疲れて気力が・・・・・・。

「さ・・・咲世子!!このスケジュールは!!!」

兄さんが驚愕の叫びを上げる。


「睡眠を3時間として、
 108名の女性と約束をさせていただきました。
 キャンセル待ちが14件、
 デートは6カ月待ちの状態で」


平静を装っていた兄さんも流石にこれには声も出なかった。




もういっそ、12話終わる所まで捏造を続けようか悩み中です。
続けてもいいよ、という優しい方は拍手してくださると嬉しいです♪

でも書きかけの僕は湖水に・・・の方も書きたい気も・・・。



続きはこちら←結局書かせていただきました。拍手してくださった方、拍手コメントしてくださった方ありがとうございます♪
弟の苦労・その4
2008年06月30日 (月) | 編集 |
「それでは本日のスケジュールを確認します。」

クソ咲世子がここだけは優秀な秘書っぷりを発揮してよどみなくスケジュールを読み上げる。

「休日ですので24時間全て組み込みました。朝7時から手作りのお弁当をご馳走になって、9時から美術館。10時30分からショッピング。12時に水族館。そのまま蜃気楼で移動開始。海面浮上は400km離れた地点としていただけますか?なお、着替えなどはコックピット内に用意してあります。中華連邦に到着後、15時から上海にて通商条約の締結。現地滞在可能時間は47分です。帰国後21時から映画のレイトショー。24時2分にライブハウス前で待ち合わせ。その後…」

咲世子、お前は鬼か・・・。

昨日中華連邦から帰国したばかりなんだぞ兄さんは。
朝の7時からデートって何なんだよ。

しかも、着替えは蜃気楼内って、どんだけ過密スケジュールなんだよ。

それより何より中華連邦までまたしても日帰りさせて、帰ったら夜中までデートさせるって・・・・・。
僕は唖然としてもう口もきけなかった。
兄さんは顔を青ざめさせてスケジュールを睨んでいる。
ええい、クソ咲世子め。忌々しい!



でも、結局僕は兄さんの言われるまま朝6時に起こし、朝のしたくも手伝った。
昨日、深夜まで黒の騎士団のエースパイロットを取り戻すための算段をしていたせいか、兄さんにはうっすらとくまができている。

「兄さん、本当にこのスケジュールで大丈夫?」

何なら僕が女の子の半分ぐらいを暗殺してきてあげるよと言いたかったが、絶対反対される上、怒られるのは僕になりそうなのでぐっと我慢した。

「まあ、任せておけロロ。」

言って兄さんは力なく笑う。

「本当はこんな事やってる場合ではないが、約束してしまった以上はしょうがない。王みずから動かないと部下は付いてこないからな。」

なんか、カッコいいような事言ってるけど、意味がよくわからないよ、兄さん。

「まあ、俺の唯一の弱点といえる女心の理解という難解なジャンルに挑んでせいぜいデータを集めてくるさ。」

そういいながら、髪をかき上げる。
元がいいから何でもさまになる兄さんだけど、ちょっとイラッとくる。

兄さん。困った振りしてるけど、実は結構楽しみなんでしょ。
咲世子がデートの約束をしてきた女たちは一人残らずかわいい子ばかりだった。
さすが女とキスする変態女。
かわいい子にばかり愛想を振りまいたな。

そして兄さん。そういうのに興味がない振りしてすかしてたけど、後姿が嬉しそうだよ?
わかってるの?
このままじゃ、兄さんが死ぬほど憎んでいる皇帝と同じ人種になってしまうよ?
やっぱり血は争えないよね。
まさか世界征服した後税金で妾妃を100人以上囲うつもり?
駄目だよ税金の無駄使いは。

そして何より、僕を置いていくのが一番駄目だよ。大事な弟だって言ってくれたじゃないか。
寂しいのを我慢して、変態咲世子に追い掛け回されながらも頑張って働いた僕への仕打ちがコレ!?
僕の兄さんなのに、僕を置いていくなんてひどいよ。
もう助けてあげないんだからね。

まあ、いい。
どうせ兄さんはすぐ後悔する。
108股なんて普通に考えて出来るはずがない。
コレのどこが円滑な人間関係なのか咲世子に問い詰めたい気分だ。





時はどんどん流れ、日も暮れたというのに兄さんはまだ帰らない。

朝ごはんも昼ごはんも夜ご飯も一緒に食べれなかった。
せっかく兄さんが帰ってきたのに、このむなしさはなんだろう。

歯を磨いてお風呂に入って、パジャマに着替えて待っていてもやっぱり兄さんは帰ってこない。
レイトショーのチケット、机に置きっぱなしだよ?
取りに帰ってこなくていいの?

イライラとして一人待っていると窓から兄さんの悲鳴のような声と女子生徒の黄色い声が聞こえてくる。

「あっ、逃げた!!」
女生徒の一人が叫ぶ。

どうやら兄さんは今女生徒の集団から逃走中みたいだ。
窓から覗くのも何だか馬鹿らしくて、僕は座ったまま顔をしかめる。

「人聞きが悪いこと言わないでくれ。俺はレイトショーに、チケットを部屋に置き忘れて。約束を破ると次のデートが、うわあぁぁぁ!」

今度こそ本当に悲鳴が聞こえるが、僕を置いてけぼりにしたんだから助けてなんてあげないよ。何が女心のリサーチだ。最初っから間違ってる兄さんに、そんなの無理に決まってる。
せいぜい無様に逃げ回って女の恐ろしさを骨の髄まで味わいうがいい。

・・・と、思うんだけど、やっぱりしんぱいだなあ・・・。
一応、リゲインをダース買いして冷蔵庫に入れといたけど、兄さんでなくても死にそうな忙しさだ。



「咲世子のヤツ。体力のない兄さんにこんなハードスケジュールを。それもデートばっかり。これじゃあ人格破綻者だよ」

言ってちょっと苦笑する。
そういえば僕も少し前まで任務上、仲間とされる人たちにそう言われてたっけ?
まあ、僕の場合『デートばっかり』のところに『殺しばっかり』と入るのだけど。

あ、ドシャ・・って倒れる音が聞こえた。
流石に気になって窓辺まで行くと兄さんは仁王立ちになったシャーリーさんの前でしりもちをついていた。
かわいそうな兄さん。
すぐ助けに・・・・・・・、いや、待てよ?

ふふふ・・・。これはいい展開だ。
僕を置いていった天罰だよ、兄さん。
たくさんの女の子とデートできるってうきうきして出かけていったけど、世の中そう甘くはない。
たっぷり後悔して、もう二度と女の子とデートしたいなんて思わないほど、・・・そう、浮かれた気分が吹っ飛ぶまでいびられるがいい。

そして、見事更正して僕の所に帰ってきてね♪
安心して。女の子たちに見捨てられても僕だけはいつも兄さんのそばにいるから♪♪



更に続けていいですか・・・・・・?
拍手してくださった方がたくさんいらっしゃったので12話終了まで書こうと思います。
でも、意外にも量が多く、1回分では終わりませんでした。

拍手、コメントしてくださった方ありがとうございます。
反応があると、ああ、書いていいんだな♪少なくとも迷惑じゃないんだな♪と思えてどんどん書きたくなります。
ロッカーで眠るシーンを気に入ってくださった方がいらっしゃったので上手く話しに絡めばもう一回ぐらいそのシーンを書くかも。(出来るだけかわいく)

続きを楽しみにしているとコメントくださった方、嬉しいです。
ロロ好きが暴走した自己満足の馬鹿話ですが、楽しみにしてくださる方がいると思うとますます書きたくなります♪

ロロ好きさんたちとの交流が出来て本当に嬉しいです。
今回も読んでくださった方、コメント下さった方、拍手してくださった方、どうもありがとうございました

アニメに沿って書いているので明日も更新できるかも・・・・・・しれません。
弟の苦労その5
2008年06月30日 (月) | 編集 |
「このままでは、世界を壊し、世界を創造することなど不可能だ。」

兄さんが苦々しげに言う。

「キューピットの日、今日のイベントで女たちとの関係を一気に清算する。」

いいぞ兄さん!!流石に懲りたんだね。昨日涙を呑んで見捨てたかいがあったよ♪

「そして、兄さんは晴れて自由の身となる。」

嬉しさを隠して真面目に言うと兄さんはうなずいてくれた。
やった!今日から家族水入らずでゆっくり食事したり、おしゃべりしたり出来る!
嬉しいなあ。
思わず頬が緩むのを感じるが、その間にも作戦は進められていく。


「幸いこのイベントは教師も参加できる。」

兄さんが言うとヴィレッタ先生がえ?と振り向いた。

「ヴィレッタに俺の帽子を奪ってもらう。」

「そ、それはおかしな誤解を招くだろ?この件は咲世子が責任を取るべきかと・・・。」

と、先生がかなり嫌そうにつぶやいた。

「申し訳ありません。私は途中から影武者としてルルーシュ様と交代を。」

咲世子が悪びれもせずに言うと先生は、えっ!?それはないだろ、という表情を浮かべる。
が、もちろん天然咲世子は微笑んだままだ。
ザマーミロ。
先生も他人事みたいな顔をせず、咲世子の恐ろしさを知るがいい。

でもまあ、拒否したい気持ちは分かる。女教師と男子生徒。確かに危ない。
それは一般知識の乏しい僕にでも分かる。

しかも以前やったお祭りの時の『とんでもない水着でウェイトレスをやったエロ教師』という噂がやっと消えようとしているのに、このタイミングではかなり痛そうだ。
でも使えるコマが少ないんだから仕方がない。
さっさと諦めてやるがいい。
咲世子には影武者の務めがあるし、そうでなくてもあんな危ない女を兄さんにこれ以上近づけたくない。この役は先生しかいないだろう。
僕が、うんうん、とうなずいていたら、ヴィレッタ先生が真面目な顔をして言った。


「咲世子が駄目なら、ロロが女装して帽子を奪えばいいじゃないか。結構似合いだぞ?」

「なるほどそれも選択肢のひと・・・・・・・つ・・・な、わけないじゃないですか!!」

キショイこと言うな!!

何で僕が女装なんか!!
しかも女装した実の弟が兄の帽子を奪うなんて、危ないどころの話じゃない!!
女たちは撃退できるだろうが、明日から二人して日なたを歩けない身になってしまう。
僕は兄さんが大好きで大好きで大好きだけど、それは輝くように美しくて、月の光のように清らかな兄弟愛としての感情だ。
学園のみんなに、僕が咲世子を見るような目でみられ、卒業まで後ろ指刺されるような生活はしたくない。

僕と兄さんはあくまでもほほえましい超仲良し兄弟として堂々と動物園に行ったり、水族館に行ったり、一緒にお弁当を食べたり、映画を見に行ったり、ショッピングに行ったり、綺麗な夜景を見に行ったりするんだ。
僕は咲世子みたいな変態じゃないから、任務といえど、周りから変な目で見られるのは兄さんと僕との美しい関係を汚されたようで屈辱だ。

おのれヴィレッタ先生め!自分が逃れるためなら手段を選ばないつもりだな。
こうなったら何が何でもあなたにやってもらいますからね!
そして、美形の男子生徒に手を出したエロ教師として再び笑いものになるがいい。
咲世子の件の恨みも、僕は忘れてないからね。


「絶対ヴィレッタ先生が適任です。おかしな女に捕まらないためにも必要です。」

キッと先生に目を向けて言い逃れできないよう兄さんの援護をする。

それに実際へんな女に捕まったら大変だ。
たとえば毎日毎日兄さんのことを考えて、詩を書いちゃったり早起きしちゃったりマフラー編んじゃったり滝に飛び込んで兄さんの名前叫んじゃったりするような、危険な女に兄さんが捕まったら僕はまたないがしろにされるのに違いない。
それなのに。


「・・・だったら、シャーリーでいいだろう。アレは相当お前にほれている。お前を守るために私を撃った事もある。」

せっぱつまったヴィレッタ先生はよりによって僕が一番邪魔だと思っているシャーリーさんの名前を出してくる。
兄さんを守るためにヴィレッタ先生を撃っただって!?
僕ならともかく、シャーリーさんは殺し屋でもない一般庶民のはずなのに、ナイトメアにも乗る軍人の先生を撃つなんて。

めちゃくちゃ危険な女じゃないか。信じられない!!

シャーリーさんが兄さんとくっついたら『兄さん、兄さん』とまとわり付く弟の僕なんて、彼女にとってはお邪魔虫か、ゴキブリぐらいにしか思えないだろう。
僕のギアスは物理現象には効かない。
遠距離から狙い撃ちされたら防ぎようがないじゃないか。
くっ・・・、咲世子ばかりかこの女まで・・・・。

僕が勝手な妄想を膨らませていると、不意に兄さんが苦しげに言った。

「だから・・・・・・、もう、巻き込みたくないんだ。」と。


その言葉に僕もはっとなる。


・・・うん。ごめんね兄さん。兄さんもシャーリーさんの事、凄く大事に思ってるんだよね。
勝手な事思ってごめんなさい。
兄さんが大切なあまり、シャーリーさんを逆恨みしかけたけれど、彼女はいつも兄さんの事を大切にしてくれる。
命をかけても兄さんを守るような、そんな強さを持っている人だ。

僕を戦いから遠ざけておきたいように、シャーリーさんの事も巻き込みたくないんだね。
わかったよ兄さん。




「・・・と、いうわけで帽子を奪うのはヴィレッタ先生で決定ですね♪」

にっこりと先生を見ると『貴様、根にもっているだろう、この裏切り者が。』と言うような目で睨まれたけれど、気がつかない振りをしておいた。





読みに来て下さった方、ありがとうございます♪♪
どうも毎日来てくださる方もいるようで、とっても嬉しいです。もちろんはじめて来て下さった方もかたも嬉しいです。どうかゆっくりしていってくださいね。

私は同人的な活動をひさ~~~し振りにしましたので、回りにロロについて語り合える人がおりません。でも、ロロの可愛さにやられ、このような二次小説を密かに書いたり、他のロロ好きさんのブログや小説、イラストサイトを回って楽しませていただいています。
それぞれ個性が出ていて素敵なサイトが多いですね♪
私の知らないロロサイトもまだまだあると思いますので、コレはすごい!!と言うところがあれば教えてくださると嬉しいです。
また、ロロサイトに限ってですが、このサイトで自己宣伝もOKです♪



拍手をいただきましたので、公約通り12話が終わる所までストーリーに沿って捏造していきますが、今回も終わりませんでした
続きの下書きもしていますが、おそらく後2回分かかるでしょう。
ちなみに昨日、下書き中のものを保存する際、間違って30分ぐらいネットに上げてしまいました。
それを見て混乱した方がいらっしゃったらこの場でお詫びしておきます。

次回は拍手コメントを下さったiさん(仮名)のためにロッカーで眠る事になったロロの詳細を織り込みつつストーリーを進めていきます。
早ければ明日も更新できると思います。
では、ロロ好きの皆様、ふつつかなUTですが、これからもよろしくお願いいたします。
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