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弟の苦労(12話より)
2008年06月30日 (月) | 編集 |
「くうう・・・!」
ああ、イライラする!!咲世子の全てにイライラする!!!!

僕は機情の本部でモニターを睨みつけた。
そこに映っているのは兄さんに変装した咲世子。






「彼女は信頼できる人物だ。ゼロとしての俺、ルルーシュとしての俺、どちらにも長年誠実に仕えてくれた。
それに咲世子は料理上手だからお前の食事も安心して任せられる。」

そう言ってにっこりと笑った兄の言葉と優しさを信用して協力してきたが、もう限界だ。

「あんなの兄さんじゃない!!」

言って机に八つ当たりするが、このイライラはそう簡単に収まりそうに無い。

昨日は咲世子にとうとう言ってやった。

「あなたの兄さん像は間違っている!」と。

しかし咲世子はほんの少し不思議そうな顔をして

「そうでしょうか?ではロロ様のルルーシュ様像をよろしかったらお聞かせ願えませんでしょうか?」

と聞き返してきた。


よ~く聞け、咲世子め。

「兄さんはこの世の誰より優しくて、賢くて、すばらしくて、それでいて細かい気遣いが出来て・・・」

「じゃあ、別に私の認識とそうずれてはいないと思いますよ?ご安心なさってください。では、私はキャロル嬢とデートがありますのでこれで・・・。」

言って一礼するとさっさと出て行ってしまう。

ちょっと待て、僕の話はまだ終わっていない!!!!
肝心な所だけスルーして出て行くな!!!
兄さんはな、この世の誰より優しくて、賢くて、すばらしくて、それでいて細かい気遣いが出来る人なんだ。
僕にだけは
ハンカチを差し出してくれるのも僕にだけ(のはず)だし、デート・・・いや、個人的に二人でお出かけするのも生徒会の用事でなければ90パーセント僕で、あとの10パーセントがリヴァルさんと行く賭けチェスだ。

それなのに兄さんの顔で女と言う女に良い顔をし、無駄にデートの約束を受け入れる。
なんてとんでもない女だ。
ありえないだろう、アレは。
暗殺三昧の生活を送ってきた僕だけど、小夜子よりは常識と良識がある自信がある。

失敗した・・・。
そもそも1日目から失敗した。

僕は兄さんが信頼を置き、見た目普通で優しげで、真面目そうな彼女の外見にころりと騙された。
そして彼女に影武者としての全てを任せ、モニターでチェックすることも無く、簡単な報告や打ち合わせだけしかしなかった。

別に中身が別の人の兄さんを見てても面白くも何ともないし、ついつい考えてしまうのは本物の兄さんの事ばかり。


兄さんと初めて離れ離れになった不安と寂しさで僕は小夜子の事はそれほど気にかけず、ため息をついては中華連邦のニュースを見たり、兄さんが使っていたハッキングシステムを使ってブリタニアの動向を探ったりしていた。彼女にころりと騙されたまま。


僕が暗殺者だった頃、僕の外見にころりと騙される奴全てを馬鹿だと思ったのに、こんどは自分が騙された。いや、正確に言うと騙すという言葉は不適格だ。

恐ろしいことに彼女は天然でアレをやっている。
だから注意しても彼女はさっぱり理解してくれない。

「はい。承知いたしました。」「申し訳ありません。」と言った直後からもう違う女性を口説いている。

僕はモニターを睨みつけ、

「違うと言ってるだろうがコンチクショー!!!!!」

と思わず下品な言葉使いで絶叫してしまった。

横ではどこか他人事なビレッタ先生が声を殺し、肩を震わせて笑っている。






気がついたときにはもう修正不可能だった。

電話で兄さんに相談したかったけれど、その頃兄さんは生死にかかわる大ピンチでそれどころではなかった。
僕も兄さんが心配で、咲世子の動向など頭から吹っ飛んでしまった。
兄さんが生きてかえって来てくれる事が、そのときの僕の全てだったから。

僕が悶々と兄さんの心配をしてモニターに釘づけになってる間にも小夜子は無駄に愛想を振りまき兄さんは誘えば必ずデートしてくれる頭の軽い人となっていた。

人間関係を円滑に・・・・・・。これは普段から僕自身も兄さんに言われていた言葉。
多分、兄さんも軽い気持ちで言ったのだと思う。

だけど、これはいくらなんでもまずいだろう。


もうすぐ兄さんが帰ってくる。本物の兄さんが。
僕の事を信頼して学園の事を任せてくれたのに、こんな事になってしまってどうしよう。
帰ってくるまでに何とかしないと・・・。
咲世子一人の手綱も握れない無能な弟だと思われてしまう。

こうなったら・・・・・・もう手段を選んではいられない。

続きはこちら

はじめて10日もたたないブログに拍手してくださった皆様、とても嬉しかったです。
ありがとうございました。

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弟の苦労・その2
2008年06月30日 (月) | 編集 |
僕はこれまでわりと困った事があったら殺して解決してきた。
ああ、この女を殺したい。
でも、殺したら兄さんに怒られる。
忌々しいが、こいつは兄さんの大事なナナリーをずっと守ってきた人で、兄さんの料理の師匠でもある。



「咲世子。」

僕は睨みつけるようにして話を切り出す。

「はい。何でしょうか?」

まるで何もないような穏やかな声で返される。
これでも僕は暗殺業が長かったから、これだけの殺気をぶつけたら腕のたつ者でも少しは怯むはずなのに、にこりと微笑まれてしまった。

隣ではヴィレッタ先生が、熱いお茶を飲みながら、面白そうに眺めてる。
ほんっと他人事なんだな。

「影武者の件ですが、僕が兄さんの代わりをします。いいですね。マスクをこちらにください。」

有無を言わせぬよう、強い口調で言う。

「はあ、しかし・・・。」

「いいから、早くマスクを!!」

僕と咲世子の背格好はわりと似ている。咲世子の代わりにマスクをつけて、肩パットの少し入った服を着て、上げ底靴を履けば僕だって兄さんになれるはずだ。

兄さんが帰ってくるまで後二日。
僕が兄さんに成り代わり、浅ましく群がってきた女たちを穏便に振りまくる。
女たちのデータや兄さんのクラスメイトのデータは徹夜で覚えた。
それに僕は1年以上も兄さんのもっとも身近にいて兄さんを見続けてきたのだ。
こんな女より絶対上手くやってみせる。

「さあ!」

催促するように手を出すと、

「まあ、そんな・・・。ロロ様ってば・・・。」

と、ぽっと頬を染める。

は?何その反応???

「わたくしがずっとつけていたマスクをそんな、急によこせだなんて・・・。それは私と間接キスしたいという事でいいんですね?」

咲世子はますます顔を赤く染めてさらりと恐ろしい事を言う。

「ちち、違う!!そうじゃなくて・・・。」

「嫌ですわ。今更照れなくても。大丈夫。私、年下って嫌いじゃない方だし・・・。」

言ってさっき僕が差し出した手をぎゅっと握る。

あまりといえばあんまりな展開に、僕はギアスをかけられたかのように真っ白になって固まってしまった。

この女、あれだけの数の女の子を口説きまくった上、僕までその毒牙にかけようって言うのか。

慌てて手を振り払い、ビレッタ先生の後ろに隠れる。
我ながら情けないが、この女は危険だ。超危険人物だ。

ビレッタ先生はやれやれというように僕を見た。

「仕方がないな、全く。おい咲世子。」

「はい。なんでしょう。」

咲世子はヴィレッタ先生ににっこりと微笑う。

「こいつはな、まだお子様で、ルルーシュが恋しいだけなんだよ。まあその辺で勘弁してやれ。」

お子様と言う言葉にちょっとムッとするが、これで助かった。ナイスだヴィレッタ先生!!
ホッとして先生に感謝のまなざしを向けると先生もやわらかく微笑んでくれた。
そして続けた。

「こいつはな、この年でまだ兄貴におはようのキスとお休みのキスをしてもらってる坊やだから寂しくてたまらないんだよ。」

げげっ!こんな場所で何を言うんだヴィレッタ先生!!

まあ、そんな事、実際にしているが、それは兄さんがあんまり当たり前にしてくるから、兄弟ってそんなものなんだと思って習慣になってしまったからしてるだけで、その後監視カメラで見たヴィレッタ先生に「男同士でキショイ」とかボロかすに言われ、自分でもいろいろリサーチしてみてやっぱりうちの家庭が間違っている事に気づき、以来、外では一切言わないようにしていた。


「まあ・・・。そうだったんですか・・・。」

咲世子が哀れみの視線を僕に向ける。

「申し訳ありません。ルルーシュ様にも『ロロはしっかりしてるようで寂しがりやだから気をつけておいて欲しい。』と言われてましたのに。」

知られたくない事まで知られてしまったが、こんどこそ咲世子もわかってくれたようだ。
それに兄さん、咲世子にそんな事言ってくれてたんだ。
とっても迷惑だけど、兄さんの優しい心遣いはすごく嬉しい。
ほっとして胸をなでおろすと、



「わかりましたわ。」

咲世子が何か決意したようなまなざしでキッと表情を引き締めると兄さんマスクをつける。
そして両手を広げ・・・。

「さあ、ロロ、おいで。ちょっと遅くなったがおはようのキスをしてあげるから。」
と、兄さんの声で言う。

ひいっ!
何だこの展開は!!
さっきより酷いっ!!!
何が悲しくてこんな変態女のキスを受けねばならないんだ!!!!!

助けを求め、再びビレッタ先生を見ると、この世のものとも思えぬ邪悪な笑みで僕を見ていた。

さ、さては僕が銃で脅して裏切らせた事をまだ根に持っているな。
確かに機情で唯一僕を心配してくれたりかばってくれたりした先生を脅すようなまねをした僕も悪いけど、仕方がなかったんだよ。

それに、最悪先生を処分と言う案もあったにはあったんだ。でもそんな事にはしたくなかったし、先生にはイレブンの秘めた恋人がいるって兄さんから聞いていたから、黒の騎士団に付いた方が先生にとってもいいんじゃないかな~なんて思ったんだ。

だから、だから・・・。

「よし、存分にやれ。」

ヴィレッタ先生はニヤリと笑うと僕をいきなり羽交い絞めにした。

「では、失礼して・・・。」

ぎゃああ!!!

キスされる寸前に僕はギアスを使って何とか逃げ出した。
逃げ出して部屋に帰り、毛布を持ち出すとその日は屋上の温室の隅っこで毛布にくるまって眠った。
だって部屋で眠ったりしたら、合鍵を持っている咲世子がやってくる。

「ああ、兄さん。早く帰ってきて。出来るだけ早く。」

せめて夢の中でぐらい優しい兄に会いたかったが、出てきたのは咲世子が化けた偽兄だった。
「う~ん・・・咲世子が、咲世子が来る・・・・・・・・。」
僕は朝までうなされた。







弟の苦労・その3
2008年06月30日 (月) | 編集 |
兄さんの蜃気楼がモニターに映る。
やっと本物の兄さんに会える!!

浮上してきた蜃気楼のハッチが開く間ももどかしく、

「にいさん。お帰りなさい!」

と、声をかける。

姿を現した兄さんも優しく微笑んで

「ただいま。ロロ。」

と言ってくれる。

ああ、幸せだ。
ここのところ、悪夢のような生活を送っていたから、余計にそう思う。
兄さんさえ帰ってくれば何とかなるはずだ。
咲世子を制御できなかったという失態は免れないだろうが、兄さんなら分かってくれるはずだ。
それに、これでやっと温室の隅っことか、ロッカーの中とかで咲世子から隠れて寝なくてもすむ。
暖かいベットで寝れるんだ。

僕は起きてる間ならラウンズにだって負けはしない自信がある。もちろん咲世子にだって。
でも、寝込みを襲われたら流石に逃げようが無い。
咲世子はくのいちだけあって気配を消すのが上手だし、そもそも殺気なども持ち合わせていない。
無防備に眠ったらコレ幸いとキスされてしまう。

ヴィレッタ先生は

「キスの10回や20回、別に減るもんじゃあないからいいじゃないか。
それにメイドに朝夜キスしてもらうなんて、男冥利につきるとおもうが。いい機会だからほっぺじゃ無くて口にしてもらえ。兄貴を卒業してメイドに乗り換えろ。」

と、大笑いしていたが、クソ、覚えていろよ。後で100回殺してやる!!!

僕にとって兄さんは世界一大切な人だから絶対卒業なんかしないし、変態メイドの毒牙にかかるなんてもっといやだ。
だいたいファーストキスもまだなのに、やったら絶対減る!間違いなく減る!!!

いや、せっかく兄さんが帰ってきてくれたんだ。
嫌なことは忘れよう。今だけでも。

「兄さん、こっちにはしばらくいられるんでしょう?」

思わず声が弾む。こうやって兄さんと歩くのも久しぶり。嬉しいなあ。
でも、兄さんにはまだまだ片付けないといけない問題が山積みでその顔は浮かない。

「僕もヴィンセントで戦ってもいいんだけど・・・?」

そう聞いてみるけれど、即座に却下された。
僕はナイトメアの操縦は結構上手い部類に入るから、それなりの働きは出来ると思う。
でも兄さんは、最初に言った「そういうことはもうやめろ。」という言葉を絶対に崩す事はなかった。
僕の心配をしてくれるのは嬉しいけれど、僕はナナリーとは違う。
僕には戦うための力がある。

おとなしく守られて、安全な所から心配だけしているのは歯がゆくてたまらない。
僕はむしろ兄さんの近くにいて盾にも槍にもなって兄さんを守りたい。
だって僕は知っている。本当の兄さんは優しすぎるぐらい優しい人なのに、ずいぶんいろいろな事を我慢して歯を食いしばって戦っている。
兄さんは自分のためには戦わない。いつも誰かのために戦っている。
それには僕も含まれるらしい。
だから、僕は兄さんを守りたい。
そんな事を考えているうちに司令室に着いた。

あの惨状を見て、兄さんはどう思うだろう。そう思うと僕はちょっと目を伏せた。

「く・・・なんだコレは!!」

思ったとおり、兄さんが驚いている。ごめん兄さん、咲世子を制御できなくて。


「俺が、シャーリーと・・・。」

「はい、キスさせていただきました。」

「ぅえぇぇぇえ!?」

悲鳴を上げたのは兄さんではなくて僕だった。

き、聞いてない、知らない、そんな事!!!
緊急の報告は無いと言っていたじゃないか!!
これは咲世子にとって緊急に入らないのか!?
僕だったら第一級の緊急事項にあげるぞ!?

「咲世子!前にも言ったでしょ!影武者なのに、いい顔しすぎだって!!!」

いくらなんでもキスはやりすぎだ。
僕に迫っていたくせに、女ともキスするのか!?
いよいよ本格的に変態だ。

まあ、変態であろうと本人が本人の顔でキスするなら兄さんの迷惑にはならないからどうでもいいけど、兄さんの顔でっていうのが許せない。

声が裏返るほど叫んだが、彼女は、は?というような顔をしている。
そこに兄さんまでが助け舟を出す。

「いやまて、それ以外は良くやってくれている。」

「兄さん・・・咲世子が昔から仕えていたからって・・・・・・。」

こんな変態女の肩を持つなんて酷いよ。

咲世子は平然と自分のペースで話しを続けていく。

「正確にはアッシュフォード家にやとわれて・・・。」

「知っています!!!」

ああ、イライラする。僕が言いたいのはそういうことじゃない!
でも咲世子めは平然と僕との話を打ち切り兄さんに微笑みかける。

「ルルーシュ様、明日のスケジュールですが・・・。」

「明日?」

兄さんが怪訝そうに訪ねる。
そう、兄さんはこのところ中華連邦でずっと戦っていたし、エースパイロットが捕らえられた事をとても気にしていたからあまり眠れていないんじゃないかと思う。
明日ぐらいはゆっくりするつもりだったに違いない。

だから、本当は僕が1日家事をして(兄さんほど上手じゃないけれど)部屋でぼーっとさせてあげようと思ってたんだ。
なのに・・・それなのにクソ咲世子の奴めが・・・

「咲世子が安受けあいして、他の人と約束しちゃったんだよ。」

兄さんは僕と過ごすはずだったのに!!おのれ!女とキスする変態の分際で僕と兄さんの幸せな時間を取り上げるとは!

「仕方ないな。」

兄さんがつぶやく。仕方ないのか。まあ、分かってた事だ。へんな所で律儀な兄さんは約束した事は必ず守る。
本当に約束したのは咲世子だけれど、任せた限りは潔く責任をとる態度はかっこいい。
だけど僕の腹のうちは煮えくり返っていた。
気分を落ち着けようと兄さんからもらったロケットをじ~っと見るが、無駄だった。

「それでもくのいちですか!?」

小さく嫌味を言ってみるが、咲世子は全く動じない。

「正確にはSPです。」

だから・・・そういうことが言いたいんじゃなくて・・・だめだ、もう疲れて気力が・・・・・・。

「さ・・・咲世子!!このスケジュールは!!!」

兄さんが驚愕の叫びを上げる。


「睡眠を3時間として、
 108名の女性と約束をさせていただきました。
 キャンセル待ちが14件、
 デートは6カ月待ちの状態で」


平静を装っていた兄さんも流石にこれには声も出なかった。




もういっそ、12話終わる所まで捏造を続けようか悩み中です。
続けてもいいよ、という優しい方は拍手してくださると嬉しいです♪

でも書きかけの僕は湖水に・・・の方も書きたい気も・・・。



続きはこちら←結局書かせていただきました。拍手してくださった方、拍手コメントしてくださった方ありがとうございます♪
弟の苦労・その4
2008年06月30日 (月) | 編集 |
「それでは本日のスケジュールを確認します。」

クソ咲世子がここだけは優秀な秘書っぷりを発揮してよどみなくスケジュールを読み上げる。

「休日ですので24時間全て組み込みました。朝7時から手作りのお弁当をご馳走になって、9時から美術館。10時30分からショッピング。12時に水族館。そのまま蜃気楼で移動開始。海面浮上は400km離れた地点としていただけますか?なお、着替えなどはコックピット内に用意してあります。中華連邦に到着後、15時から上海にて通商条約の締結。現地滞在可能時間は47分です。帰国後21時から映画のレイトショー。24時2分にライブハウス前で待ち合わせ。その後…」

咲世子、お前は鬼か・・・。

昨日中華連邦から帰国したばかりなんだぞ兄さんは。
朝の7時からデートって何なんだよ。

しかも、着替えは蜃気楼内って、どんだけ過密スケジュールなんだよ。

それより何より中華連邦までまたしても日帰りさせて、帰ったら夜中までデートさせるって・・・・・。
僕は唖然としてもう口もきけなかった。
兄さんは顔を青ざめさせてスケジュールを睨んでいる。
ええい、クソ咲世子め。忌々しい!



でも、結局僕は兄さんの言われるまま朝6時に起こし、朝のしたくも手伝った。
昨日、深夜まで黒の騎士団のエースパイロットを取り戻すための算段をしていたせいか、兄さんにはうっすらとくまができている。

「兄さん、本当にこのスケジュールで大丈夫?」

何なら僕が女の子の半分ぐらいを暗殺してきてあげるよと言いたかったが、絶対反対される上、怒られるのは僕になりそうなのでぐっと我慢した。

「まあ、任せておけロロ。」

言って兄さんは力なく笑う。

「本当はこんな事やってる場合ではないが、約束してしまった以上はしょうがない。王みずから動かないと部下は付いてこないからな。」

なんか、カッコいいような事言ってるけど、意味がよくわからないよ、兄さん。

「まあ、俺の唯一の弱点といえる女心の理解という難解なジャンルに挑んでせいぜいデータを集めてくるさ。」

そういいながら、髪をかき上げる。
元がいいから何でもさまになる兄さんだけど、ちょっとイラッとくる。

兄さん。困った振りしてるけど、実は結構楽しみなんでしょ。
咲世子がデートの約束をしてきた女たちは一人残らずかわいい子ばかりだった。
さすが女とキスする変態女。
かわいい子にばかり愛想を振りまいたな。

そして兄さん。そういうのに興味がない振りしてすかしてたけど、後姿が嬉しそうだよ?
わかってるの?
このままじゃ、兄さんが死ぬほど憎んでいる皇帝と同じ人種になってしまうよ?
やっぱり血は争えないよね。
まさか世界征服した後税金で妾妃を100人以上囲うつもり?
駄目だよ税金の無駄使いは。

そして何より、僕を置いていくのが一番駄目だよ。大事な弟だって言ってくれたじゃないか。
寂しいのを我慢して、変態咲世子に追い掛け回されながらも頑張って働いた僕への仕打ちがコレ!?
僕の兄さんなのに、僕を置いていくなんてひどいよ。
もう助けてあげないんだからね。

まあ、いい。
どうせ兄さんはすぐ後悔する。
108股なんて普通に考えて出来るはずがない。
コレのどこが円滑な人間関係なのか咲世子に問い詰めたい気分だ。





時はどんどん流れ、日も暮れたというのに兄さんはまだ帰らない。

朝ごはんも昼ごはんも夜ご飯も一緒に食べれなかった。
せっかく兄さんが帰ってきたのに、このむなしさはなんだろう。

歯を磨いてお風呂に入って、パジャマに着替えて待っていてもやっぱり兄さんは帰ってこない。
レイトショーのチケット、机に置きっぱなしだよ?
取りに帰ってこなくていいの?

イライラとして一人待っていると窓から兄さんの悲鳴のような声と女子生徒の黄色い声が聞こえてくる。

「あっ、逃げた!!」
女生徒の一人が叫ぶ。

どうやら兄さんは今女生徒の集団から逃走中みたいだ。
窓から覗くのも何だか馬鹿らしくて、僕は座ったまま顔をしかめる。

「人聞きが悪いこと言わないでくれ。俺はレイトショーに、チケットを部屋に置き忘れて。約束を破ると次のデートが、うわあぁぁぁ!」

今度こそ本当に悲鳴が聞こえるが、僕を置いてけぼりにしたんだから助けてなんてあげないよ。何が女心のリサーチだ。最初っから間違ってる兄さんに、そんなの無理に決まってる。
せいぜい無様に逃げ回って女の恐ろしさを骨の髄まで味わいうがいい。

・・・と、思うんだけど、やっぱりしんぱいだなあ・・・。
一応、リゲインをダース買いして冷蔵庫に入れといたけど、兄さんでなくても死にそうな忙しさだ。



「咲世子のヤツ。体力のない兄さんにこんなハードスケジュールを。それもデートばっかり。これじゃあ人格破綻者だよ」

言ってちょっと苦笑する。
そういえば僕も少し前まで任務上、仲間とされる人たちにそう言われてたっけ?
まあ、僕の場合『デートばっかり』のところに『殺しばっかり』と入るのだけど。

あ、ドシャ・・って倒れる音が聞こえた。
流石に気になって窓辺まで行くと兄さんは仁王立ちになったシャーリーさんの前でしりもちをついていた。
かわいそうな兄さん。
すぐ助けに・・・・・・・、いや、待てよ?

ふふふ・・・。これはいい展開だ。
僕を置いていった天罰だよ、兄さん。
たくさんの女の子とデートできるってうきうきして出かけていったけど、世の中そう甘くはない。
たっぷり後悔して、もう二度と女の子とデートしたいなんて思わないほど、・・・そう、浮かれた気分が吹っ飛ぶまでいびられるがいい。

そして、見事更正して僕の所に帰ってきてね♪
安心して。女の子たちに見捨てられても僕だけはいつも兄さんのそばにいるから♪♪



更に続けていいですか・・・・・・?
拍手してくださった方がたくさんいらっしゃったので12話終了まで書こうと思います。
でも、意外にも量が多く、1回分では終わりませんでした。

拍手、コメントしてくださった方ありがとうございます。
反応があると、ああ、書いていいんだな♪少なくとも迷惑じゃないんだな♪と思えてどんどん書きたくなります。
ロッカーで眠るシーンを気に入ってくださった方がいらっしゃったので上手く話しに絡めばもう一回ぐらいそのシーンを書くかも。(出来るだけかわいく)

続きを楽しみにしているとコメントくださった方、嬉しいです。
ロロ好きが暴走した自己満足の馬鹿話ですが、楽しみにしてくださる方がいると思うとますます書きたくなります♪

ロロ好きさんたちとの交流が出来て本当に嬉しいです。
今回も読んでくださった方、コメント下さった方、拍手してくださった方、どうもありがとうございました

アニメに沿って書いているので明日も更新できるかも・・・・・・しれません。
弟の苦労その5
2008年06月30日 (月) | 編集 |
「このままでは、世界を壊し、世界を創造することなど不可能だ。」

兄さんが苦々しげに言う。

「キューピットの日、今日のイベントで女たちとの関係を一気に清算する。」

いいぞ兄さん!!流石に懲りたんだね。昨日涙を呑んで見捨てたかいがあったよ♪

「そして、兄さんは晴れて自由の身となる。」

嬉しさを隠して真面目に言うと兄さんはうなずいてくれた。
やった!今日から家族水入らずでゆっくり食事したり、おしゃべりしたり出来る!
嬉しいなあ。
思わず頬が緩むのを感じるが、その間にも作戦は進められていく。


「幸いこのイベントは教師も参加できる。」

兄さんが言うとヴィレッタ先生がえ?と振り向いた。

「ヴィレッタに俺の帽子を奪ってもらう。」

「そ、それはおかしな誤解を招くだろ?この件は咲世子が責任を取るべきかと・・・。」

と、先生がかなり嫌そうにつぶやいた。

「申し訳ありません。私は途中から影武者としてルルーシュ様と交代を。」

咲世子が悪びれもせずに言うと先生は、えっ!?それはないだろ、という表情を浮かべる。
が、もちろん天然咲世子は微笑んだままだ。
ザマーミロ。
先生も他人事みたいな顔をせず、咲世子の恐ろしさを知るがいい。

でもまあ、拒否したい気持ちは分かる。女教師と男子生徒。確かに危ない。
それは一般知識の乏しい僕にでも分かる。

しかも以前やったお祭りの時の『とんでもない水着でウェイトレスをやったエロ教師』という噂がやっと消えようとしているのに、このタイミングではかなり痛そうだ。
でも使えるコマが少ないんだから仕方がない。
さっさと諦めてやるがいい。
咲世子には影武者の務めがあるし、そうでなくてもあんな危ない女を兄さんにこれ以上近づけたくない。この役は先生しかいないだろう。
僕が、うんうん、とうなずいていたら、ヴィレッタ先生が真面目な顔をして言った。


「咲世子が駄目なら、ロロが女装して帽子を奪えばいいじゃないか。結構似合いだぞ?」

「なるほどそれも選択肢のひと・・・・・・・つ・・・な、わけないじゃないですか!!」

キショイこと言うな!!

何で僕が女装なんか!!
しかも女装した実の弟が兄の帽子を奪うなんて、危ないどころの話じゃない!!
女たちは撃退できるだろうが、明日から二人して日なたを歩けない身になってしまう。
僕は兄さんが大好きで大好きで大好きだけど、それは輝くように美しくて、月の光のように清らかな兄弟愛としての感情だ。
学園のみんなに、僕が咲世子を見るような目でみられ、卒業まで後ろ指刺されるような生活はしたくない。

僕と兄さんはあくまでもほほえましい超仲良し兄弟として堂々と動物園に行ったり、水族館に行ったり、一緒にお弁当を食べたり、映画を見に行ったり、ショッピングに行ったり、綺麗な夜景を見に行ったりするんだ。
僕は咲世子みたいな変態じゃないから、任務といえど、周りから変な目で見られるのは兄さんと僕との美しい関係を汚されたようで屈辱だ。

おのれヴィレッタ先生め!自分が逃れるためなら手段を選ばないつもりだな。
こうなったら何が何でもあなたにやってもらいますからね!
そして、美形の男子生徒に手を出したエロ教師として再び笑いものになるがいい。
咲世子の件の恨みも、僕は忘れてないからね。


「絶対ヴィレッタ先生が適任です。おかしな女に捕まらないためにも必要です。」

キッと先生に目を向けて言い逃れできないよう兄さんの援護をする。

それに実際へんな女に捕まったら大変だ。
たとえば毎日毎日兄さんのことを考えて、詩を書いちゃったり早起きしちゃったりマフラー編んじゃったり滝に飛び込んで兄さんの名前叫んじゃったりするような、危険な女に兄さんが捕まったら僕はまたないがしろにされるのに違いない。
それなのに。


「・・・だったら、シャーリーでいいだろう。アレは相当お前にほれている。お前を守るために私を撃った事もある。」

せっぱつまったヴィレッタ先生はよりによって僕が一番邪魔だと思っているシャーリーさんの名前を出してくる。
兄さんを守るためにヴィレッタ先生を撃っただって!?
僕ならともかく、シャーリーさんは殺し屋でもない一般庶民のはずなのに、ナイトメアにも乗る軍人の先生を撃つなんて。

めちゃくちゃ危険な女じゃないか。信じられない!!

シャーリーさんが兄さんとくっついたら『兄さん、兄さん』とまとわり付く弟の僕なんて、彼女にとってはお邪魔虫か、ゴキブリぐらいにしか思えないだろう。
僕のギアスは物理現象には効かない。
遠距離から狙い撃ちされたら防ぎようがないじゃないか。
くっ・・・、咲世子ばかりかこの女まで・・・・。

僕が勝手な妄想を膨らませていると、不意に兄さんが苦しげに言った。

「だから・・・・・・、もう、巻き込みたくないんだ。」と。


その言葉に僕もはっとなる。


・・・うん。ごめんね兄さん。兄さんもシャーリーさんの事、凄く大事に思ってるんだよね。
勝手な事思ってごめんなさい。
兄さんが大切なあまり、シャーリーさんを逆恨みしかけたけれど、彼女はいつも兄さんの事を大切にしてくれる。
命をかけても兄さんを守るような、そんな強さを持っている人だ。

僕を戦いから遠ざけておきたいように、シャーリーさんの事も巻き込みたくないんだね。
わかったよ兄さん。




「・・・と、いうわけで帽子を奪うのはヴィレッタ先生で決定ですね♪」

にっこりと先生を見ると『貴様、根にもっているだろう、この裏切り者が。』と言うような目で睨まれたけれど、気がつかない振りをしておいた。





読みに来て下さった方、ありがとうございます♪♪
どうも毎日来てくださる方もいるようで、とっても嬉しいです。もちろんはじめて来て下さった方もかたも嬉しいです。どうかゆっくりしていってくださいね。

私は同人的な活動をひさ~~~し振りにしましたので、回りにロロについて語り合える人がおりません。でも、ロロの可愛さにやられ、このような二次小説を密かに書いたり、他のロロ好きさんのブログや小説、イラストサイトを回って楽しませていただいています。
それぞれ個性が出ていて素敵なサイトが多いですね♪
私の知らないロロサイトもまだまだあると思いますので、コレはすごい!!と言うところがあれば教えてくださると嬉しいです。
また、ロロサイトに限ってですが、このサイトで自己宣伝もOKです♪



拍手をいただきましたので、公約通り12話が終わる所までストーリーに沿って捏造していきますが、今回も終わりませんでした
続きの下書きもしていますが、おそらく後2回分かかるでしょう。
ちなみに昨日、下書き中のものを保存する際、間違って30分ぐらいネットに上げてしまいました。
それを見て混乱した方がいらっしゃったらこの場でお詫びしておきます。

次回は拍手コメントを下さったiさん(仮名)のためにロッカーで眠る事になったロロの詳細を織り込みつつストーリーを進めていきます。
早ければ明日も更新できると思います。
では、ロロ好きの皆様、ふつつかなUTですが、これからもよろしくお願いいたします。
弟の苦労・6
2008年06月30日 (月) | 編集 |
作戦は綿密に練られた。
キューピットの日に兄さんを追いかけてくると予想される女の数は
およそ140人。
開始位置から考えてクラスメイトが最初の障害となる。

兄さんは体力ないんだから、最初から咲世子を使えばいいのに

「いや、咲世子に全て任せるのは危険だ。」

と断固拒否した。
ちゃんと分かってるじゃないか兄さん。僕は嬉しいよ。
最初こそ咲世子の肩を持った事もある兄さんだけど、だんだん現実が見えてきたようだ。

それぞれいろんな役目を振り分けられたが、僕は兄さんが逃げ切れなかったときのフォローのために兄さんの教室に隠れて待機するという役目を授かった。

でも、教室に隠れるといってもそんなスペースはあまりない。

「どこに隠れようか?」

と、兄さんに聞くと、「ロッカーの中が一番無難だろう。」と返事が返ってきた。

そのとたん、「ブッ。」と噴出す奴、約1名。ヴィレッタ先生だ。
僕は『言ったらコロス』と涙目で先生を睨みつけ訴える。

実は先日小夜子の魔の手から逃がれるために兄さんのロッカーの中で丸くなって寝た。
だって咲世子は僕たちの部屋の合鍵を持っているし、うかつに寝込むと兄さんの指令を華麗なまでに勘違いした咲世子にお休みのキスとかおはようのキスをされてしまう。

だから逃走1日目は自分の毛布を持って屋上の温室の隅っこで監視カメラにも映らないよう気をつけて眠ったんだ。
優しい、本物の兄さんの夢を見たいと願いながら。
だけど、僕は一晩中うなされた。咲世子の夢でうなされた。
きっと甘ったるい花の香りが良くなかったのだろう。

次の日こそ兄さんの夢を見ようと思って、僕は兄さんの部屋にこっそり入り、兄さんの毛布を失敬して兄さんの教室の兄さんのロッカーで眠ることにした。
これだけ兄さんづくしなら、今夜こそ本物の兄さんの夢を見れるだろう。

人気のない夜の学校は不気味といえば不気味だが、暗殺者として長く闇の世界に身をしずめていた僕にとって、怖いものではない。
好きでというわけではないにしろ、殺しまくってきたわりに、僕はお化けと言うものを見たことがない。
むしろお化けの方がお前をよけて通るだろうと同僚からは言われてきた。

怖いのは変態咲世子だけ。

ロッカーの中は狭くて息苦しくてお世辞にも快適とはいえなかったが、変態咲世子の悪夢から逃れられるのならこの際贅沢は言わない。
兄さんの毛布に包まれながら、いつものように兄さんからもらったストラップの付いた携帯を握り、目を閉じて優しい兄さんの顔を思い浮かべる。

そうしているうちに何だか安らいだ気持ちになり、すっかり寝込んでしまった。
その日は優しい兄さんの夢を見た。
「よく頑張って咲世子から逃げ切ったな。」って褒めてくれて、ぎゅって抱きしめてくれた。
「大好きだよ、俺の大事なロロ・・・。」
耳元でささやかれると、懐かしさで涙が出そうだ。
「僕も大好き、兄さん・・・寂しかった。寂しかったよ・・・。」
夢の中で僕も腕に力を入れて兄さんを抱きしめ返す。
ああ、兄さんのいい香りがする。
うっとりと目を開けると・・・・・・。

そこには驚愕して固まっているヴィレッタ先生の顔があった。

「うわぁぁあ!なんでここにヴィレッタ先生が!?」

「そっちこそ、何でロッカーの中で寝てるんだ!!驚いたのはこっちだ!!!」

ヴィレッタ先生は兄さんの体操着を洗濯しなければいけないことを思い出して、生徒たちが登校する前の早朝に取りに来たらしい。
なんというタイミングの悪さだ。
言い訳しようにも頭が真っ白になって何も言葉が出てこない。

「は、は~ん?」
ヴィレッタ先生がニヤリと嫌な笑みを浮かべる。

「咲世子が『昨夜もロロ様がいなくなった』と騒いでいたが、こんな所にこそこそと隠れていたのか。惰弱者め。」

「あの・・・これは・・・その・・・。」

思わず小さくなってしまうが、そもそも僕が咲世子に追い掛け回される直接のきっかけを作ったのはこの人だ。

「・・・誰のせいだと思っているんです?」

恨めしそうに見上げると、ヴィレッタ先生は手を出して言った。

「口止め料、ワイン30本でどうだ?」

「30本!!!だいたいなんで僕が・・・!!」

「毛布。」

ヴィレッタ先生がびしっと指を刺す。

「オニイチャンの毛布だろうそれ?咲世子が『干そうとしたら無くなっていた。』と言っていたぞ?おまけに寝言、えーっと、なんて言ってたかなぁああああ~?」
ヴィレッタ先生が、目を細めてニヤリと笑う。

・・・・・・そうだった。兄のロッカーにこもって眠っているだけでも普通に考えたら頭のおかしい奴なのに、わざわざ兄さんの毛布まで持ってきてしまった。
おまけに寝言まで聞かれてしまったとは・・・。
いったい何を口走ったんだ僕。心当たりがありすぎて青ざめる。

 普段からヴィレッタ先生には散々ガキだの坊やだのブラコンだの常識を知らないアホだの言われて笑われているが、こんな3歳児並の行動を見られた挙句、クソ咲世子や兄さんにまで喋られたらたまらない。

「・・・・・じ・・・じゅう・・ご・・・ほんで・・・どうですか・・・?」

く、悔しい!でも我慢!
殺すな僕。殺したら兄さんに嫌われる。

「30本!!それも特上品をだ。どうせお前の給料は私より上だろ?ガキが大金を持っていてもろくな事にならないから、私のために使え。」

言って先生はふふん、と笑う。ええい、先生め。自分よりずっと年下の、しかも設定上とは言え生徒である僕を恐喝するなんて悪どいにも程がある。

一応僕は別枠で帝国から直に派遣されている。
そのため僕の給料はかなり高い。
明細はまとめてヴィレッタ先生が管理していたけど、そんなみみっちい事で密かに妬んでいたな!?
器の小さな人だ。
そんな考えが頭をぐるぐる回ったが、それを見透かしたかのようにヴィレッタ先生は続ける。

「いや・・・、やはり50本だな。お前のせいで今日から教え子に手を出す危ない教師のレッテルを貼られるんだ。お前から巻き上げた特上ワインで毎晩やけ酒飲んでやる。」

ふふふと低く笑うとヴィレッタ先生は僕を見下ろした。

やっぱり恨んでいるな。自分だって僕を女装させて生贄に差し出そうとしたくせに。

ヴィレッタ先生は裏切らせた当初こそおとなしかったが、兄さんや僕にヴィレッタ先生を殺す気がないと知るとだんだん態度がでかくなっていった。
いや、元々機情にいた頃から態度のでかい人だったけれど、ますます地を出してでかくなっていった。
しかも機情内にいたときよりも生き生きして楽しそうだ。
先日などは、「ゼロが皇帝になったら、私は伯爵にでもしてもらうか♪あっはっは。」なんていってすっかり開き直っていた。

「わか・・り・・ました・・・。絶対内緒ですから・・・ね・・。」

ぎゅ、と毛布をつかんで絞るように言った僕を見て、ヴィレッタ先生は口を押さえてまた「ぶっ」と笑う。

くそ・・・なんで僕がこんな目に。これもクソ咲世子めのせいだ。




「ロロ?」

いぶかしむような優しい声にハッとすると、兄さんがじっと僕を見ていた。

いけない、すっかりトリップしてしまったが、今はキューピッドの日の対策会議の途中だった。

「ロロ、体調でも悪いのか?ボーっとして。」

「ううん、大丈夫。」

言ってにっこり微笑めば、兄さんもにっこりと美しく笑ってくれた。
やっぱり本物の兄さんは優しいなあ。世界で一番優しいよ。

「ロッカーで待機だね。分かったよ。」

「動くときはギアスを使って学校そのものをとめねばならないが大丈夫か?」

「うん、ちょっときついけど大丈夫。クラスだけ止めたら校内に仕掛けられている防犯カメラを見ている会長が変だと気づいちゃうものね。」

そして祭りはスタートした。





12話派生のお話も6回目になってしまいました
こんな馬鹿話にお付き合いいただいてありがとうございます!!
また、拍手コメからの感想もありがとうございます。
大変ありがたく読んでいます。

うちのおかしなロロを気に入って下さったAさま(仮名)ありがとうございます♪
一応、TVと小説を元にそれに近い性格で書くはずだったのにいつのまにか暴走していました。
ご期待に沿えるよう、今回もおかしなロロを書かせていただきました!(多分)

前回、ロロサイト様とお近づきになりたいと書いてしまいましたが訂正いたします。
ロロ専用サイトでなくともロロに愛があり、ロロの出てくる話題が少なくとも1つ以上あるサイト様ということに条件変更いたしますのでリンクは大丈夫です。
気が早いのでこちらからもさっさとリンクさせていただきましたがよろしかったでしょうか?
不都合でしたらお知らせください。

K様(仮名)、可愛いロロと言ってくださって嬉しいです♪
邪悪なように見えてちょっとおかしい可愛いロロが目標なので、頑張ります。(一応公式の性格に添わせた形にしようとも思っているのですが)
K様のサイトをご紹介くださってありがとうございます。
実は更新してないか1日1回は見に行っている所なのでビックリしました!!
リンクのほう、早速貼らせていただきます。
立ち上げて1月もたたないのにロロ友がたくさん出来て幸せです♪(←勝手に友にしてスミマセン)

i様、ロッカーで眠る話の詳細です。
気にいってくださると嬉しいです♪

コメントいただいた方がサイトを持っていた場合、投稿ネームからけっこうサイトが分かってしまいます。
・・・というのも、40以上のロロサイト様をめぐっているのであれ・・・なんか見たことあるような・・・。という事になっています。
特にある程度更新している所はほぼ毎日チェックしているかも・・・。
もしかしたらここに来られている今日書いた方以外のところにも見に行っているかもしれませんね♪
お心辺りのある方、どうぞ思い切って声をかけてくださいませ☆
また、サイトを探られるのは迷惑な場合は、コメントする時、頭文字で名前を書くか、サイトを探ってはいけないと書いておいてくだされば、探しません。ご安心ください♪
もちろん、サイトを持ってらっしゃらない方の感想も大歓迎です♪

次回で12話派生の話は最終になります。
下書きが出来ているので日曜日の朝までにはUPできると思います。
お暇な方はチェックしてみてください♪



弟の苦労・その7
2008年06月30日 (月) | 編集 |
会長の、スピーチが響き渡った。
まずはルールを知らせる説明だ。
僕はロッカーの中で教室内の監視カメラから送られて来る映像を睨む。
ターゲットから最低2メートルはなれるようにとの会長の指示だが、女の子たちはじりじりと輪を描くように兄さんを狙っている。
もうこの時点で兄さんが自力で逃げられないのは決定だ。
それに一番いい位置でシャーリーさんが狼のような目で兄さんを狙っている。
水泳で鍛え上げた彼女に毎日の激務でぼろ雑巾のようになってしまった兄さんが勝てるとは思えない。

まあ、でも僕のギアスで何とかなるだろう・・・。
そう思っていたら、突然会長の爆弾宣言が発令された。

「3年B組のルルーシュ・ランペルージの帽子を私のところに持ってきた部は、部費を十倍にしま~す!!」

え!!そんなルール、打ち合わせの時には聞いてないよ。
というか、会長って兄さんの事好きだったの!?
会長のことはいい人だと思うけれど、兄嫁にするにはシャーリーさんと同じぐらいきつい人だ。
何としてでも阻止しなければ。

ロッカーの外からは

「何!!!」

という、兄さんの慌てふためいた声が聞こえる。
想定外のことに弱い兄さんは今頃驚愕の表情を浮かべているのだろう。

続いて部員を集めろ!!馬をだせ!!とあわただしく叫ぶ男子生徒の声も。
あ~あ、想定では140名だったのに、これじゃあ、ほぼ全校生徒から追撃されちゃうよ。

「く、最後まで悪ふざけを・・・!!」

追い詰められたように言って、兄さんがロッカーを背にして立つ。
悪ふざけか・・・。会長も可哀相に。女性における全てを間違っている兄さんには会長の恋心は悪ふざけとしか取れなかったようだ。
暗殺暦が長くて異常な環境にいた僕でも会長の気持ちに気がついたのに、兄さんは何で気が付かないんだろう。時々すごく不思議になる。戦闘における作戦を考えさせたら右に出るものはいないのに。


「スタート!!」

会長のご機嫌な声と共に女の子たちが走り出す。
よし、そろそろ助けるか。

僕は精神を集中させて時を止める。
ロッカーから出てみると、兄さんはおびえたような表情で固まっていた。
昨日までさんざんデート相手の女の子たちに追い回された兄さんにとって、女の子は恐ろしいものとなったようだ。

さて、時は止めたけど、僕はその中でも動ける。
ロッカーに入れられるよう、兄さんの腕を折りたたみ、よいしょと持ち上げる。
僕は細身だけれど、これでも暗殺者としての訓練を受けてきたから兄さん一人持ち上げるぐらい簡単だ。
しかし、全校生徒の時間を止めるのは流石にきつい。
そのためか、兄さんをロッカーに入れる際、うっかりよろけてしまった。

ゴンッという音が響き、兄さんの頭がロッカーにぶつかった。

「あ、ごめんなさい・・・。」

たんこぶが出来るほど強く打ったとは思わないけれど、体力のない兄さん最大のとりえの頭をぶつけてしまうとは失態だ。

本人に聞こえるわけもないが、思わず謝ってしまう。
う~ん、我ながら善人になったものだ。
以前だったらぶつかってきた同僚をうっかり殺してしまうこともあったのに。
まあ兄さんは僕にとって特別な人だから、思わず謝っちゃうんだろうけれど。

苦笑しながらロッカーの扉を閉める。

「動き出せ・・・。」

ギアスを解くと、女の子たちが突進して、それから不思議そうにざわめいた。

ロッカーの中で時を取り戻した兄さんが、小声で「悪いな、ロロ。」と謝ってくれる。

「ううん、大丈夫。」

外に聞こえないよう抑えながらもはあはあと肩で息をする僕を気にしてくれてるんだね。嬉しいよ。僕、頑張る!!兄さんのためだったら何でもするから!

その後も会長のところに送られる校内の防犯カメラの死角を縫ってギアスをこまめに使い、何とか兄さんを図書室まで送り届けた。

本当はもう少し本物の兄さんが動き、それを僕がカバーするはずだったのだけど、兄さんを追い詰める団体は女の子だけでなくなった。

会長宣言のお陰で馬術部だの、ラクビー部だのの鍛え抜かれた男子生徒も参加した時点でもう3秒と持たずアウト決定だ。
作戦は急遽変更となり司令室からエレベーターで上がってくる咲世子と入れ替わる手はずになっていたが、何と兄さん、図書室に隠れていた女生徒に簡単に帽子を取られてしまった。

くっ・・・何やってるんだ兄さん。
あわててギアスを使おうとすると、兄さんが女生徒の肩越しにこちらに視線を向けて、僕を止めるように見る。

そして自分のギアスを使い、帽子を取り返す。
僕が疲れているから気を使ってくれたんだね。やっぱり兄さんは優しいなあ。
・・・と思いたいけれど、ここに来るまでさんざん僕に守られたので、最後ぐらいは格好つけたかっただけのような気もする。兄さんは格好つけだから。

でも次は僕の番。
咲世子との入れ代わりを見られたら困るので、効果を絞って女生徒にギアスをかける。
その間に入れ替わりは無事終了した。

今度は密かに咲世子偽兄の護衛だ。

本当は僕を散々悩ませた変態咲世子の護衛などしたくなかったのだが、こいつが帽子を取られても兄さんは責任を取ってその女の子と付き合わなければいけなくなる。
ああ、忌々しい。

顔は同じ兄さんなのに、こいつがあの帽子をかぶると馬鹿丸出しに見える。
そういう僕も規定に従いあの恥ずかしい帽子をかぶっているので周りから見たら馬鹿丸出しかもしれない。
ミレイ会長のことは嫌いじゃないけれど、このセンスは何とかならないだろうか。

咲世子の身体能力は高い。
悔しいが、身体能力だけなら僕よりはるかに高い。
時々見失いそうになりながら必死に追いかける。

はあ、きつい。

どうしても追いつけないときだけ全校生徒にこっそりギアスを使うのだけど、まさか兄さんを追いかけるのが全校生徒になるとは思わなかったので結構必死だ。

「ロロ。」

携帯に兄さんから通話が入る。

「お前も少し休んでおけ。咲世子なら大丈夫だ。
これから新しく組んだルートを説明する。
お前は先回りして見届けるだけでいい。」

ああ、兄さんは優しいなあ。
女心はサッパリ分からなくても僕の気持ちは分かるんだね。

僕は携帯を握り締め、おもわず感動してしまった。
もう、一生付いていくよ、兄さん!

僕は兄さんの優しい心遣いに甘えて中間ポイントまでゆっくりと移動した。
ほっと一息入れた頃、咲世子偽兄が現れた。
早い!!
想定時間を12分も上回っている。
そしてありえない動きをして風のように去っていった。
どう考えてもやりすぎだが、彼女は天然だから今更僕ががたがた言っても無駄だろう。
兄さんが冷や汗たらしてモニターを睨んでる姿が想像できてちょっとおかしかったが、とりあえずこのぶんなら僕の援護は必要なさそうだ。

ゆっくりと図書室に引き返そうとすると、兄さんの一番の友達のリヴァルさんが豪快に涙を流しながら

「会長!あなたが望むというのなら、このリヴァル・カルデモンドは、親友を・・・ルルーシュをささげますっ・・・!」

とつぶやくのが聞こえた。

兄さん・・・スザクの野郎にだけじゃなく、リヴァルさんにも売られそうだよ・・・・・・。あなたの親友たちっていったい・・・・・・・・・・・・。

いや、僕はどんな事があろうと絶対兄さんを売ったりしないからね。
男の友情なんて所詮女の前には塵に等しいみたいだけれど、僕は兄弟だから、絶対裏切ったりしないよ・・・・・・っと、何アレ!!!!

僕の上に影を作りながらモルドレットが敷地内に突入してきた。
おのれ、アーニャめ。男子トイレに突撃するだけでは飽き足らず、ナイトメアで学校に突撃だと!?

早く図書室に戻らなきゃ!!
本当はモルドレッドごと時間を止めてやりたかったが、この学校からそう離れてない所にブリタニア軍の基地がある。
レーダーに映るモルドレッドがおかしな動きをしたら僕の事がばれてしまう。
地道に急ぐしかない。

そうこうするうちに、あの破廉恥な痴女は何と図書室の側面に停止し、ナイトメアの腕を窓から突っ込んだ。
ガラスが砕け散る様子がここからでも見て取れた。
兄さん、どうか無事でいて!!!!

ふと見るとヴィレッタ先生が、無線で痴女をいさめている。
ナイスだ。先生!!
普段は口が悪いが、ここぞと言うときは頼りになる人だ。

ほっとしたら力が抜けて、へなへなと地面に座り込んでしまう。

やや遅れてブリタニアの機動部隊が到着するも、ナイトオブスリーのジノが

「いやあ、べんきょうぶそくだなあ。ここは庶民の学校だよ。こんな事はよくあるに決まっているじゃないか。」

と、えらそうに能書きたれていた。
勉強不足なのはお前の方だ。こんな事、しょっちゅうあってたまるものか。
・・・という僕も、この学園に来たばかりの頃は、どこの学園でもこんなお祭り騒ぎが行われてるのかと思い込んでたから、気持ちは分かるけど。


あれ、そうだ。僕は何か大事な事を忘れてるような?
そうだ、図書室に行って兄さんの無事を確かめなくちゃ!!

僕は立ちあがって制服に付いた土を払い歩き始めた。
・・・・・が、すぐ図書室まで行く必要がなくなったことに気がついた。

あれ・・・・・・・・・何!?


視界の中に、ポッと頬を染めたシャーリーさんと、しょうがないなと諦めの表情の兄さんが帽子を交換した姿で立っていた。


そんな、そんな、そんな!!!!!
ヴィレッタ先生は何をしてるんだ!


呆然としていると会長が二人の前に進み出てきた。

「ルルーシュ、やっと分かったみたいね。あんたたち、もどかしいんだもの。ぼやぼやしてると学生終わっちゃうよ?」

と涼やかに言った。
アレ・・・?
会長も兄さんのこと好きだったんじゃ・・・・・・。
女心って難しい。どうやら僕も兄さんのことは言えないようだ。

しょんぼりしながら軽く二人を睨んでみるも全ては手遅れだった。
やっと僕だけの兄さんになったと思ったのに、また盗られてしまった。

明日からの事を思ってため息をついていると、変態咲世子がいつの間にか真後ろに立っていて、

「わたくしが慰めて差し上げますわ。」と微笑んだ。





長い間お付き合いくださいましてありがとうございました。
12話派生の『弟の苦労』はこれで最終となります。
最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです♪
思いがけずたくさんの方たちから応援の声と拍手をいただき、自分でもビックリするほどのペースで書き上げる事ができました。
読んでくださった皆様ありがとうございます!!!

・・・といっても、TV13話にロロがいっぱい出ていたら13話派生のお話を書くでしょう
さすがに日曜日のうちにはあげられそうもありませんが、書いてみたいとは思います。

ただ、今度は話の展開上コミカルにはかけそうにないような気がするのでご期待に添えなかったらすみません

拍手コメントを下さった浅田 リン様、ありがとうございます。(リンクしていただいたのでお名前を伏せなくてもいいですよね?)
ロロとヴィレッタ先生のコンビを気に入ってくださって嬉しいです♪私もこのコンビ大好きです。
今回の話が終わっても書きかけのほうの連載で二人で色々やりますのでまた見てくださいね♪

リンク欄にも書いてありますが、かわいらしいロロとルルとユフィの小説を書いてらっしゃいます♪
1期で大好きだったユフィとロロのコミカルな戦いが面白いです。
皆様、ぜひ遊びに行ってみてください。
ギアス専門サイトではありませんが、ロロに対する愛は深く、これからの更新も期待できそうで楽しみにしています。

サイト名は極楽パラソルです。 ブログ内でうちの作品の紹介もしてくださいました。
身に余るお褒めの言葉をいただき、ビックリすると同時にとても嬉しかったです♪
知らせてくださったので飛んでいってコメントしてきました


同じく拍手コメントいただきました麻○様、ありがとうございました♪
噴出しちゃうほど面白かったと言ってくださり、光栄に思います。
今後も頑張りますのでまた遊びに来てくださいね!

さて、前回の欄外にPNでコメントを書き、なおかつ正体を探ってはいけないと書いてない方の正体は大体分かると書きましたが、ちょっと今回はわからなかったのでお名前、その他で検索させていただきました(すみません、もしロロサイトだったらと思うと諦め切れなくて)その結果、2件該当者がいましたが、ロロへの愛情度とサイトの内容からCから始まるサイト名の方ではないかと当たりをつけています。
叫ぶがごとくのロロへの愛情はすばらしく、もしよろしかったらうちからリンクさせていただいてもいいですか?どうぞよろしくお願いします♪



拍手コメントいただいたi○○ro様、ありがとうございます♪
ロッカーの話はここまで詳細に書くつもりはなかったのですが、i○○ro様が下さったコメントが元になって出来ました。
私自身楽しくかけ、i○○ro様にも楽しんでいただけたようでホッとしています。
ヴィレッタ先生とロロのペアは面白過ぎますとの事で、とても嬉しいです。
また違う話のほうでこの二人を書きたいと思います。もちろん、ルルーシュも。

i○○ro様も素敵なサイトを持ってらっしゃいますね♪凄く美しいイラストや可愛い絵を描いてらっしゃるので何か増えてないかな~?と、実は毎日覗きに行っております☆
もしよろしかったらリンクさせていただけませんか?
どうぞよろしくお願いします♪


他にもロロ好きさんは隠れてませんか~?
がぶりと噛み付いたりしませんので、どうぞ仲良くしてくださいね♪
もちろん、読むだけでも大丈夫ですよ♪

もうコレを書いてるうちに日曜日になってしまいました。
今週のコードギアスはどうなるのかな?
ルルーシュは誰にデートコースを聞いたのか気になってたまりません。
普通に考えればC.Cですが、ロロって事は・・・流石にないのかな?
ロロだったら面白い事になりそうなのに♪

・・・ではおやすみなさい。
お知らせ
2008年06月27日 (金) | 編集 |
6/26僕は湖水に映る月に手を伸ばす 2部ー4UPしました。
左ライン側のカテゴリーよりお探しください。
you Tube ロロ動画
2008年06月26日 (木) | 編集 |
この動画すごく好きで何回も見てしまいます。
いろいろあるロロの動画の中でも一番好きです。
よろしかったらどうぞ♪



追加です♪






























これだけルルシャリです。シャーリーもダイスキ。


ロロでは無いけれど何か楽しかった♪


ルルーシュの欲しかった世界にロロがいる。凄く泣けます。











珍しいヴィレッタ先生だけの画像


ロロ キャラソン 
13話+2部2話分までUPしました。上から読めるよう日にちを遡って投稿しています。
2008年06月20日 (金) | 編集 |
本編とR2小説を参考に公式で書かれていない部分を捏造してみました。
感想をいただけると嬉しいです♪
1・潜入
2008年06月14日 (土) | 編集 |
「は?」

日頃めったに感情を表さない少年が意外そうな表情を作る。

「潜入工作・・・。僕に出来るでしょうか?僕は親も兄弟もいないし・・・。」

僕は通信相手の上官に思ったままを述べてみた。
僕のこれまでの仕事は単純な暗殺だった。
潜入工作をやったこともあるがせいぜい変装して一時的に近づくぐらい。
ずいぶんと畑違いの仕事が回ってきたものだ。

「君に潜入工作の仕事がほとんど無かったことは知っている。しかし今回のターゲットはあのゼロだ。
エリア11の悪魔と呼ばれた男だ。」

ゼロ・・・。
残忍な戦い方と狡猾な手口で十数万のブリタニア正規軍と皇族二人を殺した悪魔のような男。
ブリタニア本国でも有名な話だ。しかし・・・。

「ゼロは死んだと聞きましたが・・・?」

「ああ、公式発表ではな。しかしあの魔女C.Cをおびき寄せるための餌として使えると陛下が判断されたのだ。陛下のギアスによって今あの男は記憶を書き換えられゼロであることも、皇族であったことも家族のことも忘れただ人として暮らすことになる。」

「じゃあ、僕でなくても・・・。」

「いや、C.Cと接触すれば記憶はおそらく戻る。そのときあの悪魔のような男に対応できるのはおまえしかいない。同じ悪魔のな。」

そう、僕はここでは悪魔と呼ばれている。
ギアスのことを知る人間からも知らない人間からも。
その通り名は正しいようにも思う。
僕は多分人間ではない。僕と同じ時間を生きるものは誰もいない。

人は誰かのために生きるから人なのだと言った奴もいたが、家族の顔も本当の誕生日すら知らない暗殺だけがとりえの僕にそんな人はもちろんいない。


暗殺の仕事であればどんな人間だろうと、どんな場所であろうとターゲットを仕留めてきた。
僕にはギアスという人には持ち得ない武器がある。

物心付いたときから当たり前のように人を殺してきた。
歯を磨くように。食事をするように。人形のように。

人を殺すことだけが日常。僕の存在理由。
別に人を殺すのが好きなわけじゃない。かといって嫌いというわけでもない。
ただ、任務に失敗するような役立たずであればブリタニアは僕を簡単に始末するだろう。

実際ブリタニアはそういう国だ。
国に忠実に使えた高名な騎士でさえ利用価値が無くなれば始末されていた。
そう・・・そんな仕事を何回もした。
チームの手引きにより進入し、時間をとめて銃で撃つ。
勇猛と名高い騎士でさえ悲鳴も上げずに事切れた。

別にかわいそうだとか、そんな気持ちにはならなかった。
なった事が無かった。
ただ何となく『アレは僕の未来の姿なのだろう』と淡々と思った。

暗殺率100パーセントの僕をブリタニアは大切にしてくれた。
食べるものも着るものも寝る場所にも不自由しない。
気に食わない同僚を殺しても別にとがめられることは無かった。

初めて同僚を殺したのは12歳のときだったか・・・いや、もっと前だったかもしれない。

「お前みたいな悪魔は家族も友も得られず・・・想う事も想われることも無く死んでいくのさ。」

僕に向かって奴はそういった。
小さな子供の僕がが奴より上位にいて大切に扱われていたのが腹ただしかったのかもしれない。
何かと言うと絡んできた。
でも僕は人とかかわることが苦手で、とても怖くて、そんな風に言われてもただうつむくことしか出来なかった。

それに気を良くした奴が更に続ける。

「でも、俺は違う。確かに暗殺の仕事をしてるが俺には想う奴もいるし想ってくれる人もいる。」

その男は胸元からペンダントを開いて仲良く映っている家族の写真を見せた。
その瞬間心の中で何かが切れた。

気がつくと男は死んでいた。
開いたままのペンダントは血だまりで薄汚く汚れたけれど、赤く染まった写真の中の家族とやらは仲良さげに笑ったままだった。
それが無性に癇に障って僕はそのペンダントを踏み潰した。

僕はあの時確かに悲しかった。
悲しかったと思いたい。その頃は誰になんと言われようと僕も人間だと思っていたから。
でも悪魔の瞳から涙は一滴も出なかった。
それから先は自分でも自分の事を人間とは思わなくなった。

そんな僕に弟役が務まるようには思えなかったが、僕は引き受けた。
役立たずにはなりたくなかったし、悪魔といわれたゼロの弟ならできそうな気もした。





でもそれは大いなる勘違いだった。

目を覚ましたルルーシュ・・・兄さんに優しく

「熱は下がったの?心配したんだよ。」

というのが最初のセリフとされていた。

でも演技なんかしたことのない僕のセリフは大根役者の足元にも及ばない棒読みで、隠しカメラで見ていた機情メンバーはいっせいに机に突っ伏したという。

目覚めた兄さんは「どうしたんだロロ!・・・大丈夫、俺が付いているから気をしっかりもつんだぞ!!」と言うなりがしっと僕を抱きしめ、真っ青な顔をしてふらふらと立ち上がった。
そして電話を手にすると学校の担任にかけ始めた。

「もしもし!!うちのロロが大変なんです!!あんなロロは見たことがありません!!いじめにあっているに違いありません!!早急に調べてください!!!!!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

予想の範疇を限りなく超えた兄となった人物の行動に僕はただあんぐりと口をあけて点になった目で見つめていた。

資料にはただ一人の妹を溺愛する兄だと書いてあった。

だけど僕は信じちゃいなかった。
悪魔が妹を溺愛するわけ無いだろう。ボンクラどもめ。どこに目をつけて情報収集しているんだ。
これだから無能な奴らは使えない。

悪魔に愛なんてない。必要ない。



僕の前に始めて引き出されてきた兄さんを見たとき、少し嬉しかった。
この人がゼロ。僕と同じくギアスを持つ男。
親友に売られ、父親である皇帝に道具として扱われ、母親は惨殺されたという。
素敵だね。悪魔に相応しい経歴じゃないか。


眠ったままの能面のような顔は恐ろしく美しく感じられた。
たくさんの人の血と怨嗟にまみれてきたゼロ。

裏切りと絶望の中で苦しんで生きてきたゼロ。
あなたを愛する人は誰もいず、あなたも誰も愛さない。

きっと氷のような瞳と共に目覚めるのだと思うと自分らしくも無くわくわくした。


妹に対する愛情は世間を欺くためのものであり、本物であるとはとても思えなかった。
僕も長年悪魔と呼ばれてきたけれど、食事をするように人間を殺してきたけれど、さすがに十数万にんは殺しちゃいない。
一日あたり2~3人。仕事の入らない日もあるからせいぜい5千人程度だろうか?
ゼロに比べたら可愛いものだ。

だからゼロは僕よりもっと冷酷で氷のような心を持っていなければならないはずだ。
それなのに目の前のこの男は僕を心配してあたふたと取り乱している。
何なんだこいつは。何て見苦しいんだ。
僕の頭の中で作った真実のゼロ像がガラガラと音を立てて崩れていく。
でも悪夢はこれで終わらなかった。


続きは2で・・・。

2008年06月11日 (水) | 編集 |
気持ち悪い・・・。

ビレッタが小柄で優しげな紫の瞳を持つ少年と初めて対面した時の感想がそれだった。
地下にある機情の本部。
そこに現れた暗殺のプロというのには不似合いな容姿。


写真で見たときはこんな儚げで華奢な少年に任務が務まるのか、と危惧したが、会ってみると写真の印象とは全然違う。

ただ、ただ、気持ちが悪い。
少年が当然のようにまとっている狂気と殺気。
それは戦場で過ごすことの多かったビレッタをおびえさせる程の暗くどろどろとした負の空気だった。

およそ感情というものを映さない瞳。
機械とでも話しているのではないかと錯覚する淡々とした口ぶり。

この少年は自分という人間と話していない。
ビレッタはすぐそう気が付いた。

一瞬後には肉隗になるかもしれないただのモノと話しているのだ。
機情メンバーから聞いたあの話。

「味方「殺しのロロ」

任務の妨げとなると判断された同僚を一言の訳も聞かず哀れみもかけず彼は殺すのだという。
その中には殺されるに値しないほんの些細な罪とも言えない理由のものも多くいる。
それでも彼がとがめられないのはひとえにその能力の高さゆえである。

暗殺率100セントという通常ではありえない業績を誇るロロには帝国からさまざまな特権が与えられている。
たとえば・・・今は上司という立場の自分を殺したとてそれが任務遂行の手段であれば何の罪にも問われない。
ブリタニアという国は元々そういう国ではあるが、光の当たらない場所での仕事はその方針がもっと顕著に現れる。
今すぐ逃げ出したい衝動にかられるがそうもいかない。
逃げ出しても処分されるだけ。

特にビレッタはギアスの存在を知ってしまった。
単に任務をこなすだけではこの仕事が終わった後始末されるような気さえしていた。
始末されないためには自分が役に立つ人間だと上に認めさせ、任務を与え続けられるよう信頼を勝ち取らねばならない。
仕事を組む相手が気持ち悪かろうと何だろうと上手くやり遂げなければ明日はないのだ。
ビレッタは相手に気づかれないようそっとため息をついた。

戦場で戦っているときは良かった。
命のやり取りをする毎日で、手のかかる上司もいて大変だったがこんな所でびくびくしながら仕事をするより未来があった。
いずれは出世して貴族になって・・・。
そうしたらもっと幸せがつかめるような気がした。
でも、実際爵位をもらっても幸せだとも嬉しいとも感じることが出来なかった。
ただ今日から、保身のために面白くもない仕事をする毎日が待っている。
こんな死神と一緒に。

「記憶を失う前の私、本当に幸せだったんでしょうか・・・?」

以前わけもわからずに自分が言った言葉。

イレブンなどとこの私が・・・。ありえない。幸せだったはずがない。
あのときの私は記憶がなかった。
だからあんなことを・・・。


そしてふと思いをはせる。
正面に大きく映し出されたこれから餌として監視する少年を。


記憶を失ったゼロ。
彼は今どういう気持ちなのだろう。

母を失った悲しみもなく。
目と足が不自由な妹は健康な弟に摩り替わり(心は病んでそうだが)
元皇族という重い枷もはずされて、偽者の世界の中で彼は今自由になったのではないか。
そんな気がしてならなかった。

ヴィレッタ日記(お礼文より移動)
2008年06月11日 (水) | 編集 |
某月某日

元ゼロだったという小僧の監視をするため体育教師をやらされる事になった。

男爵になったら舞踏会に出ていい男を引っ掛けて更にランクアップしようと思ったのに、なんで私は体操服を着てガキ共とサッカーをやっているのだろう?

寄って来るのは見事に年下の平民のガキばかり。
おまけに監視対象は動神経が壊れた年下の鶏ガラブラコン男だった。最悪だ。


某月某日

ロロという、言う事を全然聞かずにすぐに仲間を殺してしまう糞ガキがいる。
生意気で気味が悪いと思っていたが、偽兄から少女趣味のロケットを貰ったり、どう見ても女の子が着るようなふりふりエプロンを貰って涙ぐんで喜んでいた。

違うだろう、ロロ。
そこは「馬鹿にするな、この糞兄貴!!!」と怒るところだ。
私なら即ゴミ箱に捨てる。

それなのに奴はいまだにプレゼントを大事そうにしている。
よっぽど幸薄かったのだろう。
ちょっと泣けた・・・。


某月某日

ルルーシュの作る料理があまりに美味しそうなので留守の隙に侵入し、レシピを盗み出して機情内で有志を募り、家庭科室で再現した。
ついでに酒盛りしてるところをロロに見つかって怒られた。

皇帝に報告するとかグチグチ言い出したので、機情のカメラが捕らえたルルーシュの一日写真集で買収した。

・・・こんなくだらないものに買収されてしまうロロが哀れで少し泣けた。



某月某日

ルルーシュの兄馬鹿ぶりは見ていて大変気持ち悪い。
・・・が、なんの疑問も無く兄につきあうロロも問題だ。

そう言えばロロはキャベツとレタスの区別も来たばかりの頃は出来なかった。
豚肉と牛肉の違いもわかっていなかった。
きっと兄弟というものもよくわかっていないに違いない。

すでにかなり痛い兄弟になっているが、そろそろ本気で世間の兄弟というものを教えてやらねばなるまい。


某月某日

ルルーシュの奴めがまた補習をすっぽかした。

役者も真っ青な演技で髪をかき上げカッコつけて言い訳をしていたが、こちらはすべての行動を監視している。

お前がサボった本当のわけは、ロロの新しい服を縫うのに忙しかったからだ。
18歳の男子のくせに他にすることは無いのか。
あまりの情けなさにちょっと泣けた。



某月某日

ルルーシュは気持ちの悪い兄貴だが、その割りにやたらモテる。
機情内でルルーシュを射止めるのは誰かという賭け表が回ってきた。

シャーリー、ミレイ、ルルーシュファンクラブの幹部の名が挙がっていたが、何故かロロの名前まであった。
そんな事を書くドアホは誰か・・・と思ってよく見てみるとロロ本人だった。
やはり兄弟と言うものを勘違いしているようだ。

しかし、機情メンバーである国語教師がルルーシュのクラスで「自分の一番好きな人について作文を書け」という宿題を出したら、奴はロロの事を作文用紙101枚分提出しやがった。
賭けはロロの一人勝ちとなった。
・・・でも、射止めるとは何か違うような気がするんだが。




つづく・・・・・・かもしれない。

3
2008年06月10日 (火) | 編集 |
ホカホカと湯気の立つ手の込んだ夕食を見つめてロロははー・・・っと深いため息をついた。

「どど・・・どうしたんだ!ため息なんかついて。お前の好物ばかり作ったのに。」

目の前の兄という立場の人がおろおろと自分を見つめる。
いけない。
任務、任務。

「なんでもないよ。」
そう言って精一杯にっこり笑ってみる。
まあ、僕は役者じゃないから上手く笑えたかどうか自信はないけれどね。

ため息をついたのはゼロがあまりにもニコニコしているから。

この人に実際会うまで僕はゼロがこんな明るい人だとは思っていなかった。
僕は心のそこからがっかりした。
絶望的にがっかりした。

綺麗な顔に冷笑をたたえ、人を人とも思わず、血も涙もない。
そういう僕にとっての理想像をひそかに作り上げていたのにこれはいったい何なのだろう。


僕はずっと一人だった。
ギアスという人の理から外れた力を持ち、人の世界からはじかれた。
ゼロもそうでなければならないと思っていた。

彼の弟として静かで冷え冷えとした無機質な暮らしをするはずだった。
冷淡な彼は弟に対しても冷ややかで、会話も最低限。
モノを見るような目で見つめられ肉親といえど利用するために一緒に住まわすだけ。

外に出ればうそ寒い兄弟ごっこ。
お互い騙しあい、相手を利用しつくして最後は僕が彼を殺す。僕の鏡のような存在を。

最初は気乗りしてなかった任務だけれど、いろいろ想像していくうちに心が躍った。
任務を楽しみだと思ったことは初めてだった。
どうやってゼロを殺そうか。

本当に楽しみにしていたのに。
ああそれなのに・・・。

初めて食べる家族の手作りの食事を不覚にも美味しいと思ってしまった。
今まで味なんて気にしたことがなかった。
一人で食べる栄養のバランスだけを考えられた食事。
複数で食べることもあったが、僕は会話に加わることはなかった。
向けられるのは恐れや嫉妬、さげすみの視線。
それだけ。
今はあれこれたわいもないことを話しながら敵意のカケラもない男と食べている。
これは自分的にはちょっとまずい状況だ。
元々演技に長けているとはいえない僕だからどうしても返答もぎこちなくなるし、学校生活にも家族にも慣れていないので戸惑ってしまう。
まだ1日もたっていないのになんだか凄く疲れた。
こんなに人と長く話した記憶もないし、なれないことは本当に疲れる。暗殺なら食事をするように自然に出来るのに。

それでもルルーシュは時折心配そうなまなざしを向けるだけでずっとニコニコ笑っていた。
そして、
「疲れてるんだな?俺の看病で寝られなかったんじゃないか?」
と言って目を細め、僕の髪をくしゃりとなでる。

僕はビックリして飛び上がりそうになったけれど、何とか我慢した。
触れられるのは好きじゃない。
僕に触れてくる人もまずいない。

僕が人に触れることもない。
僕が知っている人の感触はナイフを通した切り裂くときの感触か至近距離で撃ち殺したときの返り血の生暖かさだけ。
そうそう、死体の処理を自分でしなければならないときもあるけれど、教わったとおり手早く機械的に処理するだけ。

だから生きてる人間の暖かさが気持ち悪くて身をすくめた。
その瞬間ルルーシュはなんだか傷ついたような
悲しそうな顔をした。

演技では絶対に出来ない顔。
何故かその顔に心が痛んだ。



4
2008年06月09日 (月) | 編集 |
いったいアイツは何をやっているんだ!!
ビレッタは己の手をぐっと握り締めて叫びだしたいのを我慢した。

「ニイサン ネツハ モウダイジョウブ?」

ロボットじゃないんだからアレはないだろう!!!!
感情がほとんどないのは知っていたが、16年も生きてきて、アレはちょっとひどすぎる。
むか~し、いとこの幼稚園の学芸会に行ったことがあるが園児の端役レベルより更に下だ。

「頼むぞロロ・・・。」
機情に与えられた任務が成功するか否かはロロにかかっているといってよい。

ロロ以外は潜入工作になれたそれなりの芝居が出来る工作員ばかりを集めている。
ビレッタは・・・体育教師という設定だが、運動神経には自信があるし学生時代は運動部に入っていたから体育会系のノリは理解している。

それに何より陰気なこの機情本部で鬱々と覗きまがいのことをやっているより太陽のもと学生たちを叱り飛ばしながら体を動かす方がいいので実はそう嫌ではない。

とはいえ任務は絶対だ。覗きまがいだろうが、ストーカー行為だろうが徹底してやらねばならない。
ロロの失敗はビレッタを含めた全員の失敗。
いや、この本部を統括する自分の責はその中でも最も重い。下手をすればそのまま処刑だ。

戦場で死ぬ覚悟は出来ていたけれどひそかに闇に葬られたり、無能者として国家に処刑されるのは流石にぞっとする。

しかしいやな想像が駆け巡った後予想外のことが起こった。
ロロの棒読みのセリフに反応して画面の中の黒髪の少年はロロを疑いもせずがばっと抱き寄せたのだ。
そして何か叫ぶと電話をかけにいった。

電話はすべて盗聴できる。早速スイッチを切り替える。

「もしもし!!うちのロロが大変なんです!!あんなロロは見たことがありません!!いじめにあっているに違いありません!!早急に調べてください!!!!!」



「・・・・・・・・・・・・・・・。」


予想の範疇を限りなく超えたもとゼロであった人物の行動にビレッタはただあんぐりと口をあけて点になった目で見つめていた。

ふと我に返ると、あの無表情の少年・ロロはビレッタよりも更に馬鹿面でほうけていた。

資料には書いてあったがなんというシスコン・・・いや、ブラコンか。
ゼロという仮面の下にまさかこんな幼い顔が隠れていようとは。

でもそう、私にはなんだか解る。
かく言う私も昔はちいさい弟が可愛くてたまらなかった。

私と違っておとなしい性格だったのでよくいじめられて帰ってきたが、そのたび弟をいじめていた奴をとっちめに行っていたっけ。
もう弟はとっくに大きくなって私を昔のように必要としなくなったが、今でもやっぱり弟は可愛い。

なるほど、素はこうゆう奴なのか。
・・・とすると少々気の毒だな。可憐であったという妹と真逆の弟なんかを派遣されて。

だけどルルーシュは気がつかないのだろうか?
あんなに気持ちのわるい気を発し続けているあの少年を弟だと思えるのだろうか?

でもその心配はすぐ打ち消された。
ルルーシュはただのブラコンではなかった。
超がつくほどの筋金入りのブラコンだった。

あのロロが圧倒されている。
目をぱちくりと瞬き、信じられないという表情で固まってはいたが画面からはあの気持ちの悪い殺気が消えていた。

そのあともルルーシュのちょっと普通の兄ではありえないような愛情の嵐に驚愕の表情を浮かべることはあっても殺気など微塵も感じることはなかった。



ゼロの仮面をかぶっていた少年。
もっと恐ろしげなイメージがあったが楽しそうに、嬉しそうにロロに話しかける。
その幸せそうな顔を見るとビレッタはなんだか胸が痛くなった。

ゼロであった頃の少年は果たして幸せだったのだろうか。

黒の騎士団を引き連れギアスという人の理から外れる武器一つを携え修羅の道を行く。
イレブンたちの英雄。
ブリタニアにとっての大罪人。
全ての罪と責任をこの細い肩にしょって力の限り反逆した。
おそらく、これしか道はないのだと自分を追い込んで。

胸が痛む・・・。
優しく穏やかに微笑むその姿はビレッタが知るただ一人のイレブンを思い起こさせた。
ルルに会わなかったらこんな感じ?
2008年06月09日 (月) | 編集 |
30_convert_20090417155139.jpg

ルルに会わずに育った17歳ロロです
殺伐としていてすみません

7話に少しだけ死に神ロロが出て来ますのでつい
でもなんか車田っぽい?昔どっぷり車田だったからかなぁ

2008年06月08日 (日) | 編集 |
弟としての顔もだんだん慣れてきた。
最初の1週間はそれはそれは疲れたけれど、今ではそれが嘘のようだ。

「あのね兄さん、今日ね・・・。」
暖かい夕食をとりながら笑顔で話す僕。それをいちいちうなずきながら目を細めて聞いてくれる兄さん。

僕はこんなにおしゃべりだったろうか?
なぜこんなに言葉があふれてくるのだろうか?

どうしてこの偽者の兄を見ると嬉しいようなくすぐったい気持ちになるのだろう。
こんな感情僕は知らない。

触れられるのは嫌いだった。
他人と話すのは任務の打ち合わせだけ。
ただいまなんて、言ったこともない。
お帰りなんて言葉、知識で知っているだけ。

だからそれがどんなに心を暖かくするのかなんて知りようもなかった。
そう、暖かい。
これが家族というものなのか。

家族にすがっている奴が嫌いだった。
そんな血のつながりだけで馬鹿みたいに信用して、心を寄せる。
最低で馬鹿で哀れだと思った。

でも今はわかる。
血がつながっているからとかではなく、家族というのは暖かい場所だから皆すがるのだ。

もちろん任務は忘れてはいない。
そのときが来たら僕はこの人を迷わず殺す。
だって僕のとりえは暗殺だけだから。
それが出来ない僕に何の価値もない。

・・・でも、わずかの間でいい。僕はこの人と一緒にいたいと思うようになってしまった。

この人と一緒にいたら僕も人間になれるかもしれない。
ギアスがあっても人間らしいこの人のように。

「どうした・・・?」

視線を落として考え込んだ僕に兄さんが優しく尋ねる。

「うん、兄さんは何でこんなに優しいのかな?って考えてたんだ。」

「は?何だそれは?」

あきれたようにつぶやいて、兄さんはまた僕の髪を優しくなでる。
気持ちいい・・・。
うっとりと目を閉じておとなしくなでられる。

「お前が大好きだからに決まっているだろ?ロロ。」

耳元でささやかれる優しい声が心地いい。

「そっか・・・。僕も・・・兄さんが大好きだよ・・・。」

なでられたままそう返す。

こんな日が永遠に続けばいい。
僕が化け物ではなく生きられる場所がこの世にあるなんて。

人を殺したり、傷つけたりせずに優しく生きられる場所があるなんて。
それが作られた箱庭の中だとしても、幸せを望んだこともない僕が初めて幸せを感じた場所となったのだから。

2008年06月07日 (土) | 編集 |
覗きもストーカー行為もだんだん苦ではなくなってきた。
いや、そういう意味ではなく、えーっと、その、なんだ?

画面を見るのがひそかに楽しくなってきたのだ。

ビレッタは腕を組み、うんうんと一人うなずく。

いや、別に風呂を隠しカメラで覗いたりしていない。本当だ。私は変態ではない。

ロロのプライバシーがうつる共用部分にはカメラは仕掛けられていないしその必要もない。
弟役として潜入した彼がいるのだから。


最初の一週間はハラハラさせられたがロロは意外にもうまく弟役をこなしている。
狂気と殺気をはらんだあの気配はまだ我々といるときには感じるけれど、兄といるときには別人かと疑うような優しい顔をして甘えてすらみせる。

芝居の出来る奴ではないことは分かっているので、あれは多分本当に嬉しいんだろう。
まあ、あれだけ可愛がられたら、無理もない。
ルルーシュは本当に弟を可愛がって可愛がって可愛がりまくる。

あんなに殺気にまみれた弟だったのに。
ろくに口も利かない、たまに笑っても明らかにぎこちなく、うそ臭さ全開。
こっちの胃が痛くなるような挙動が不審な弟だったのに。
兄馬鹿フィルターがかかっていたのか、疑うということすらしなかった。

まるで地球は弟を中心に回ってると言わんばかりの可愛がり方だった。

ゼロだった少年の桁はずれた兄馬鹿ぶりにも驚いたけれど、ロロの変わっていく様はもっと驚いた。
第一印象が悪かったせいか、私はこの少年が本当に笑うという姿を想像も出来なかった。

それなのに、最初は恥ずかしそうに。
次の日には下を向いて密かに。
更に次の日には兄が去った後にその姿を目で追いながらたまらなく嬉しそうに笑った。

苦手だと思った。恐ろしい奴だと思った。
でも、その様子に苦笑いしてしまう。
こうしてみると、何て年相応なのだろう。

ちりちりと神経を焦がすようなこのうっとうしい仕事が嫌なことに変わりはないが、ほほえましい兄弟を見ると何となく和む。
もちろん他のやつらには口が裂けてもいえないが。
同僚と言っても私は特別な事情からここに派遣されたよそ者だ。
爵位を持っているからこの部隊の統轄を任されているが、ターゲットに同情的なそぶりを見せたら即上司から被告に追い落とされるだろう。

こういう陰湿な任務にはなれていないので、それを専任でやってきたメンバーとはどうもしっくりいかない。
だからどうというわけでもないのだが、私の心はむしろあの子達に近い気がする。

とはいえ、これは任務。
いずれ、あの優しい顔を少年が過去を取り戻した時、私は彼を殺さねばならない。

そのときロロはどうなるのだろうか?
また元の心を持たない殺人鬼に戻るのだろうか?
彼も帝国に飼われている暗殺者なら分はわきまえているはず。
ターゲットを始末できなければ殺されるのは自分。

もしもターゲットを逃がしたいと密かに思っても強大な帝国から逃れるすべなどない。
相手と共倒れするしかない。
それはギアスという武器を持っているロロであっても同じ。
ロロは皇帝秘蔵の優秀な殺し屋ではあるが、最強の殺し屋ではない。
裏切ったそのときが彼の終わる日。

それでも・・・。
何故か思うのだ。

このまま彼らが笑って過ごしてくれればよいと。
そう、一日でも長く。

陽炎のように儚く、幻のように嘘で塗り固められた箱庭の中であろうと、彼らは今幸せなのだ。

思いださなければいい。
そうすればいつまでも甘い幸せに浸っていられるのだから。
本当の自分を思い出したとて、そのほうが幸せとは限らないのだから。
7
2008年06月06日 (金) | 編集 |
機情の中でもギアスの事を知っているのはほんの一握りの人間だけだ。
すなわちー僕とビレッタ先生。この二人だけ。

他のメンバーは兄さんの事を記憶を失ったゼロだとは知っていても、人の世のことわりから外れたギアスという力を持っていたことまでは知らない。

当然のことだが僕がギアスという力を持っていることも知らない。

だから華奢で小柄でものすごく不本意なのだけれどまるで少女のようにも見えるという僕が特別待遇というのは気に入らないらしい。
本当の敵である兄さんがあれほど僕に対して優しいのとは正反対に、味方であるはずの彼らの僕への態度は限りなく冷たかった。

まあ、そんなのはいつものことなので、今更どうということもないのだが。
険悪な雰囲気になるたびビレッタ先生が飛んできてなだめるのだが、それで僕と彼らの関係が変わる事はない。

ああ、あの長髪とメガネの奴、邪魔だな。

僕は時々僕に絡んでくるリーダー格の二人をちらりと見た。

邪魔だから、始末しなきゃ。
だってあの二人は僕のことだけでなく兄さんのことまで笑った。

「何にも知らずに、あのルルーシュって奴は馬鹿だな。」
「嬉しそうに弟に料理なんか作っちゃって。あれでゼロだったなんて呆れるな。。」

わざと僕に聞こえるようにいう。

そうだよ。兄さんは馬鹿だ。大馬鹿だ。
そんなの僕にだって一日で分かったよ。

ゼロのくせに仮面の代わりにエプロンを付けて、料理どころか洗濯掃除も完璧にやる。
家計簿を真剣につけてるところを目撃したときには流石に驚愕した。
でも、そのとき兄さんは僕を振り返り言ったんだ。

「お金の心配は要らないからな。お前が大学に行けるよう、ちゃんと積み立てだってしてるんだから。」
そう言って綺麗に笑う兄さんを僕は嬉しく思った。

僕にそんな嬉しい未来なんかない。
今の任務が終われば次の任務が待っているだけ。
あの、淡々と人を殺す、灰色の未来が待っているだけ。
そうわかっていても、兄さんがそう言うとなんだか本当にそんな未来が訪れるような気がして嬉しかった。

料理だって、あれは僕のためだけに作ってくれてるのだと気づくのに3日もかからなかった。
「お前は・・・・・・が好きだから。」と、手間のかかる料理を毎日楽しそうに作ってくれる。

馬鹿で悪いのか。
実力もないくせにこんな所でひそひそと笑うだけの汚いお前らに兄さんを笑う資格はない。
お前らだって本当は知っているんだろ?
僕が暗殺部隊の中でなんと呼ばれているか。

馬鹿はお前らだ。
僕は目を細めてにっと笑った。
2008年06月04日 (水) | 編集 |
「おい、これはいったいどういうことだ。」

ビレッタはロロに強い口調で迫った。

「別に・・・。」

その顔に幼ささえ残した少年はつまらなそうに答えた。

「別に・・・じゃないだろ!2人も殺しておいて!!」


「でもまあ、気にするほどのことじゃあないし・・・。」

「気にする!!!訳ぐらい聞いてやるから言ってみろ!」

そう怒鳴ると少年はしぶしぶといった具合に話し出した。

「えーっと、そう、見られちゃったんです。僕がギアスを使うところ。この二人はギアスの範囲外にいたから他の人間がギアスで停止するのをばっちり見ちゃって。

それで僕のことを人間じゃあない、とか騒ぎ出したんで取り合えず殺しておきました。
だって任務に支障が出たら困りますからね。」

「とりあえずって、お前・・・。」

そこにいたのは兄ルルーシュと屈託なく笑いあうロロではなかった。

味方殺しのロロ。

そう呼ばれた存在だった。

急速に体が冷えていくような何とも言えない感覚。
手のひらにじっとり汗をかく。

人間というものはあっという間に変われるものではない。
そんなことはしっかり承知してたのに、日に日に笑顔になっていくこの少年を見るのがいつの間にか楽しみになっていた。
ルルーシュになついて甘える様子がかつての弟と重なって、このまま少年が暗殺者に戻らねばいいとさえ思った。

甘かった。
この少年は根っからの暗殺者なのだ。
食事をするように、その数も覚えてないほどにごく当たり前に人を殺してきた少年。

覚えのある気持ちの悪い殺気にはっとロロを見る。
暗い表情で薄笑いを浮かべ、ロロは上目遣いでビレッタをじっと見ていた。

「ビレッタ先生も・・・。」

言って少年はその上司に一歩あゆみ寄る。

「僕が化け物だと・・・。」

更に一歩。

「思いますか?」

その殺気と狂気に気おされる。


「お・・・思ってるわけないだろ。それに笑ってたじゃないか、兄さんと。普通の子供の顔をして!」


「・・・・・・え・・・・・・?」

一瞬少年は不思議そうな顔をした。
そして殺気も、気持ちの悪い狂気も消えた。

「僕・・・、笑ってましたか・・・?」

おずおずと聞いてくるその様はまるでルルーシュの前にいるときのようで。

「笑ってた。とても楽しそうに。」


「僕、普通の子供みたいでしたか・・・?」

その顔は少し嬉しそうで。

「ああ、誰が見ても普通の子供の顔だろう。ルルーシュもお前に甘えられて嬉しそうだったな。」

「そう・・・、そっか。」

そこにはもう殺戮者の顔はなかった。
嬉しさを隠し切れないといった表情で、ロロが笑う。

「先生。ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。」

そう言って笑顔でぺこりと頭を下げる。
なんだかその頭をなでてやりたくなるような綺麗な笑顔。

ああ、こいつは・・・。
こんなにも子供なんだ。
残酷なほどに。

ロロが二人を排除したわけが何となく分かったような気がした。
この子は自分が深く傷ついていることすら気づけないような過酷な環境にいたのだろう。

自分はただの上司。目的を達成したらこのチームもバラバラになる。
それでもこの任務をあずかっているうちは、この子がどうなっていくのか見届けたいと思った。

「もう、こんなことするなよ。」

「はい。時と場合によりますけど、ビレッタ先生が困るとかわいそうだから一応気をつけますね。」

見上げてにっこり笑うと、もうすぐ授業だからと嬉しそうにかけていった。
その後姿をビレッタはいつまでも見送っていた。
2008年06月03日 (火) | 編集 |
「あ~ん。」

口を開けて待つ僕に兄さんがちぎったパンを食べさせてくれる。
これ、実は毎朝の日課だったりして。

朝は兄さんが用意してくれた数種類のパンの中から選んで食べるのだけれど、兄さんのパンも美味しそうだねって言ったら少しちぎって「あ~ん。」って食べさせてくれた。

それが妙に嬉しくて毎日ねだるようになってしまった。

僕たちの住まいには監視カメラが仕掛けられてるから、こんな様子もメンバーに筒抜けだろうけれど、正直言ってどうでもいい。
そもそも人の目を気にして生きてきたことなんてなかったから、あんまり関心がない。



平和な毎日。
美味しい食事。
そして何より僕には優しい兄さんがいる。

休日には一緒にショッピングに行ったり、映画を見に行ったり・・・・・・。
兄さんの部屋に毛布を持ち込んで眠気につぶれるまで一緒にチェスをやったりもした。

いままでこういう事に縁がなかっただけに何もかもが新鮮で楽しくて、世界はこんなに自分に優しかったのかと笑みを漏らす。

機情のメンバーは相変わらずうっとうしくていやだったがビレッタ先生だけは優しくて好きだ。
だから報告は地下まで行かず、彼女に直接することが多くなった。
本部に行っても、仲間殺しで有名な僕があの二人を殺したんじゃないかって、ちらちら盗み見られて不快だし。
言いたいことがあれば直接いえばいいのにこそこそとして感じが悪い。
まとめて殺っちゃいたい衝動に駆られるが40人以上となるとさすがにちょっとまずいか。

・・・あの件に関してはビレッタ先生がうまくごまかしてくれたのだけど、日頃の行いが悪いので機情メンバーないでは僕が犯人確定となっているらしい。

まあ、本当のことだから別にごまかしてくれなくてもいいんだけれどね。
どうせこの程度で処分なんか受けない。
僕は彼らよりずっと優秀だから。

妬め。ひがめ。お前らなんか怖くない。
だって僕は心の底から幸せなのだから。

お前らはこの日の当たらない地下でくら~く固まっていればいいさ。
僕の幸せそうな様子をモニターで見て歯噛みしているといい。

そんなことを考えている自分に気がついて苦笑する。
僕はこんな人間だったろうか。

あんなに他人には無関心だったのに。
ぼんやり考えているととビレッタ先生に呼ばれた。

10
2008年06月02日 (月) | 編集 |
「お前、ちょっとは考えろよ?」

呼び出されて人気のない屋上に行くと、いつもはやさしいビレッタ先生が不機嫌そうにじろりと見る。

どうして不機嫌なんだろう。
あの日以来仲間も殺してないし、僕は兄さんと違って真面目だから体育の授業にもちゃんと出ている。
何のことかさっぱり分からないという風に首をかしげると、ビレッタ先生はふう・・・とため息をついた。


「お前、あんまり調子に乗っていると機情を外されるぞ。」

「え?」

僕は何にもしてないのに。

「私はな、お前が毎日楽しそうなのは結構なことだと思っている。」

「・・・はい。毎日楽しいです。それが何か?」

「何かじゃない。お前、何のためにルルーシュに張り付いてるのかちゃんと理解しているか?」

「それは・・・・・・。」

言いよどむとビレッタ先生はますます難しい顔をした。

「機情メンバーの何人かはお前が対象にたぶらかされて裏切るんじゃないかと言っている。
私も今のお前では対象を殺せないんじゃないかと危惧している。」

「・・・・・・。」

対象を・・・兄さんを殺す。
そう、それが僕の仕事。
だけど毎日があまりに楽しすぎて考えないようにしていた。今の僕には兄さんのいない未来なんて考えられない。

「言っておくが、ブリタニアはお前を始末するぐらい、簡単にやってのけるぞ。裏切ったらお前は終わりだ。」

「知ってます・・・。」

「私はお前に死んで欲しくないと思っている。任務は任務。割り切れ。そして他の奴らに隙を見せるな。もっと賢くなれ。口実を与えるんじゃない。この日々を一日でも長く続けたいならな。」

「先生・・・。」


返す言葉がない。
自分にはギアスがある。
多少のことは上が目をつぶってくれる。
そう思っていた。

でもそれは僕が任務に忠実だから。
任務を忘れた僕に何の権限もない。
現実から目を背けてもそれはただの逃避。
これからはもっと本部に顔を出して目を光らせなければならない。
つけこまれる様な言動をしてはならない。

「小言ついでにもう一つ言っていいか?」

「・・・はい。」

「いろいろ思うところはあると思うが、ルルーシュの記憶が戻ったらすぐに殺せよ。
そうじゃないとお前がつらい思いをするだけだ。」

「・・・・・・。」

彼を殺すよりつらいことがこの世にあるだろうか。
あの声もあのまなざしも失って、僕は生きていけるのだろうか。


「お前、ルルーシュが何であんなにお前に甘いか考えたことがあるか?」

「・・・それは、家族で、弟だから・・・・・・と、彼が言っていました。」

「そうだな。でも、実際はルルーシュに弟なんかいない。いるのは妹だけだ。」

それは知っている。知っているけれど。

「でも今は・・・僕がっ・・・!!」

「わかっていないな・・・。お前は。」

ビレッタ先生は悲しそうに瞳を伏せた。


「お前はルルーシュが死ぬほど憎んでいるブリタニアの手先で、彼を殺すためにあの場所にいるんだ。
ルルーシュは心底お前を信用し、愛して世話している。でも、お前は監視カメラのことも知らせず、本当の妹の事も隠して彼を騙しているんだ。」

騙す・・・。これは任務だから仕方なく・・・。でも僕は・・・、あの優しい人を・・・・・・。

「ルルーシュの本当の妹は目も見えず、足も不自由だ。だから彼は妹が大きくなってもあれこれと過剰に世話を焼き、心配し、その手から食べ物を食べさせたりしていたのだろう。
普通の兄弟はあの年になってあんなことをしない。
こんなことは言いたくなかったが・・・お前は妹の身代わりとして愛されているにすぎないんだ。」

僕が・・・身代わり・・・?
優しくしてくれたのも、心配してくれたのも・・・・・・何もかも・・・。

そんなことは考えたこともなかった。
初めて人から優しくされて、ただ嬉しくて・・・・・・。


「ルルーシュの記憶が戻ったとき、彼はお前を見てどう思うだろうな。」


どう思うって・・・。

僕は偽者の弟で・・・
目と足の不自由な妹の場所に居座ったブリタニアの刺客で、監視者で・・・

「お前を、憎むだろうな。」

ビレッタ先生が、噛み締めるように言う。



僕が・・・この僕が、憎まれる?あの優しい人に。

僕がほんの擦り傷をおっただけでも血相変えて飛んできて手当てしてくれるあの人に。

お前は俺のたった一人の弟だと言って抱きしめてくれるあの人に。
そんな・・・。

僕は恐怖のあまり青ざめた。



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2008年06月01日 (日) | 編集 |
あれから僕はよほどのことがない限り、毎日本部に顔を出すようになった。

陰湿な機情メンバーと毎日顔を合わせなければならないのは吐きそうなほど嫌だったが、僕は彼らを監視しなければならない。
兄さんと一緒にいられる日を一日でも長くするために。疑われないために。


今日はジョゼフが絡んでくる。
「君の兄さんて人気があるよね~。ほら、この写真、女生徒の間で1枚1000円で飛ぶように売れたよ。
ロロはおにいちゃん大好きだから欲しいんじゃない?」

手にひらひらさせている写真にはにっこりと笑う兄さんの優しい顔が映っている。
この笑顔は僕に向けられたものだ。
こいつ、小遣い稼ぎに売ってるのか?何て奴だ。

「くれるんですか?」
無表情に問い返すと奴はあざけるようないやらしい笑みを浮かべる。

「何だ、やっぱり欲しいんだ~?そんなんであいつを」

にやにや笑うそいつの手首をつかみ、皆まで言わせず写真を取り上げそして・・・

ドス・・・と音を立てて、その写真をナイフで貫く。笑顔で笑っている兄さんの眉間めがけて。

「殺しますよ。・・・殺すの、好きなんです僕。知ってるでしょ?」

にっこり笑ってナイフを引き抜き、写真をびりびりに破く。

「もういらないから、そのゴミ、片付けておいてくださいね。僕、授業に行かなくちゃいけないから。」

そういって振り返りもしないで本部を後にする。

振り返らずともすべてのメンバーが静まり返って僕を見ていたのが分かった。


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