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君の見た夢
2008年10月25日 (土) | 編集 |
こんにちは。
ロロのお誕生日なので、湖面は一回お休みになります。

ロロのお誕生日に捧げます。
以前書いたSSの一部からの始まりになりますが、どうしてもここから始めたかったのでそうしちゃいました
NTのルルーシュの夢風を目指してみました。







遠い記憶の中の僕は薄汚れた小さな子供だった。
自分が誰だか分からない。何故だか親の記憶も無い。

お腹がすいて、でも食べるものも無くて、ああ僕死ぬんだな・・・と思ったとき、神様のようにきれいな、長い金の髪の少年が僕に言った。

「ねぇ、生きたい?」って。

生きるってことがどういうことかわからなかったけど、死にたくは無かった。

例えば親・・・。僕の記憶に親はいなかったけど、もしかしたら生きていて僕の事をすごくすごく心配しているかもしれない。だから今死んだら会えなくなってしまう。

例えば兄弟。
もしかしたら僕にも兄弟がいて、必死で僕を探してくれているかもしれない。


例えば友達。
今の僕に友達なんていなかったが、もしかしたら素敵な友達が僕の帰りを待ってるかもしれない。

こんなところで死ぬのは嫌だった。

「君には生きる理由があるんだね。」

優しく問いかけるその言葉に僕はうなずこうとした。



「ロロ!!」

突然現れた黒髪の少年が僕の体を守るように引っ張って抱きしめた。


この人は誰だろう。

どうして僕の名前を知っているんだろう。



「駄目だよ、ルルーシュ。その子は僕のだ。」

金の髪の少年が恐ろしい瞳で睨みつける。
さっきは神様のように見えた穏やかな顔はゆがみ、美しい悪魔のようだった。



「この子はあなたのじゃありません。僕の大事な弟です。」

僕より少し背の高い黒髪の少年は強い意思を持ってそう答えた。


弟・・・・・・?
僕が・・・・・・・・・?



振り向いた瞳は僕のと同じ色。

世界中の優しさを集めたようなその眼差しが僕を溶かす。


ああ、兄さんだ。

僕を迎えに来てくれたんだ。



記憶をなくし、さまよっていた僕。

だけど今はっきりと思い出した。


僕は幸せに暮らしていた子供だった。




僕の家族はたくさんいる。

まずは2歳上の大好きな大好きな優しい兄さん。

それに可愛らしいけどちょっぴりドジな母さんに穏やかな父さん。そしてちょっと生意気な双子の妹。

お友達もたくさんいて・・・そう小学校に入学してたくさんたくさんの人から笑顔とお祝いの言葉をもらった。

入学式では桜が美しく咲き誇っていて、その花弁がはらはらと僕の肩に落ちた。

「桜もお前がすきだってさ。」

兄さんが優しく目を細めて僕を見てくれた。

ああ僕は、とても、とても幸せな子供だったのだ。




そうやって暮らしていたある日。

「君を迎えに来たんだ。」

その言葉に振り向いたところから記憶が途切れて、僕は気がついたら知らない場所にいた。

お腹がすいて、行く場所もなくて・・・でも僕は知っていた。

きっと兄さんが迎えに来てくれると。

兄さんの名前も顔も忘れていたというのに。



「ロロ・・・ロロ・・・・・!!」

兄さんが僕を抱きしめて優しくその名を呼んでくれる。

僕はそうされるのが大好き。

ロロと言う名前は兄がつけてくれた。

僕は生まれたその時からこの優しい声を聞いて育ったんだ。



「この子は僕が連れて帰ります。家族や友達がロロを心配して待っているんです。」

兄さんが金の髪の少年に静かに言う。


「そんな事、出来ると思っているの?僕には人にはない力がある。君なんか、瞬きする間に殺す事だって出来るんだよ?」

静かだけど、冷酷な恐ろしい声。

僕は不安になって兄さんを見上げた。

でも兄さんは金の髪の少年をキッと睨みつけ、僕を決して離しはしなかった。

「お前なんか怖いものか。この手は絶対放さない!!だって僕は・・・・・・。」


「僕は?」

金の髪の少年が小ばかにしたように笑う。お前なんかに何が出来ると。



「僕は・・・・・・・・お兄ちゃんだから!!!」




金の髪をした美しい少年は、それを聞いて時を止めたように動かなくなった。

瞳に愁いが浮かび、一筋の涙が流れていた。



「・・・そう、お兄ちゃんならそうしなきゃね。僕もきっとそうする。」

瞬いた瞳から涙がいく粒もこぼれていった。



「いいよ。連れていきなよ。僕は一人には慣れているから。僕は人間じゃないから。誰とも同じ時を過ごせない。今おいていかれるか、後で置いていかれるか、それだけの違いだよ。」


この人は誰かに置いていかれた寂しい人なんだ。
その涙を見て僕は理解した。


兄さんが金の髪の少年の手を引き僕と一緒に抱き寄せる。

「そうだ、お前も一緒に行こう!大丈夫!!俺はにぎやかなのが好きだから!!可愛い妹もいるんだ!!」


金の髪の少年が言う。

「・・・僕も、一緒に行ってもいいの?」

大人びた冷たい印象だったのに、その表情は小さい子がとまどっているかのようだった。


「ああ、もちろんだ!!」

兄さんがにっこりと綺麗に笑う。



金の髪の少年も僕の家族になった。
弟の僕や妹のナナリーの事もすごく可愛がってくれる。

彼の生活するには邪魔な髪はしばらくの間、どんなに切ってもすぐ足元まで伸びてしまった。
でもちゃんと彼が笑えるようになった頃、切った髪はもう戻らなくなった。
そのかわりのように身長が伸び始め、彼はいつの間にか普通の子供となっていた。


「こら、ヴィクトリアス!!ロロは俺の弟でもあるんだぞ!!独り占めはずるいぞ!!」

ルルーシュ兄さんがちょっと涙目で抗議する。

いつもは仲良しのルルーシュ兄さんとヴィクトリアス兄さんだけど、時々僕をめぐって喧嘩する。

「わぁ~い、ナナリーも混ぜて~!!」

わけのわかってないお祭り娘ナナリーも参加してにぎやかな事この上ない。


「ロロおにいちゃん!遊びにきたよ!!」


そこに近所のちっちゃい子達も遊びに来て、叫ばなければお互い何を言っているか分からないほどの騒ぎとなる。

でも、こういうのこそが本当の幸せなんだと思う。



母さんがたまりかねて「ルル!ロロ!お天気良いんだから皆でお庭で遊んでらっしゃい!」と言う。

「は~い。」

皆で良い子の返事をして一斉に駆け出す。

庭に繋がるドアを開けた。

真っ白な花の香りと風がここちいい。


光があふれ出してきて僕を包み込んだ。
僕は本当に幸せだった。






そうかロロ、これがお前の欲しがっていたものだったのか。

お前は俺だけを欲しがっていたと思っていたから、ちょっとショックだったけど、嬉しいよ。



ロロの魂はL.Lとなったルルーシュに抱かれていた。
金色の淡い光を放って眠り続ける魂を傷つけないよう、そっと抱きしめてルルーシュはロロの夢を覗る。


ずっと孤独だったロロ。

人の世の時間から切り離され、人形のように生きてきたのだと言っていた。


でも本当は、ロロにかかわった全ての人たちからの愛を望んでいたのかもしれない。

V.Vからも、俺からも、道具としてではなく、本当の愛を得たいと望んでいたのかもしれない。


しかし俺にしかなつかず、誰にも心を開かなかったロロがこんなにぎやかな世界を欲していたなんて夢にも思わなかった。



「寂しそうだな、ルルーシュ。涙目になっているぞ。」

不意に現れたC.Cが隣に腰を下ろす。

「なっ・・・涙目になんかなってないっ!!俺は嬉しいんだよ!ロロがいろんな人に心を開いて、そして愛される姿が夢でも見れるなんて。」


ロロの夢はけっこう欲張りなものだった。俺以外何も望まなかったはずなのに。

たくさんの者に愛されるその夢は、暗殺を重ねた罪深い彼の見る夢としては虫の良い、美しすぎるものかもしれない。

・・・・・・でも、お前の苦しい旅はもう終わったのだ。

戦う事もない。その手を血に濡らす事もない。
兄の真を疑っておびえる事もない。


愛しているよロロ。大事な弟。
美しい夢を見るがいい。お前の夢が壊れないよう、俺がこうしていつまでも抱いていてやるから。


お休み・・・・・・お休み・・・・・・・ロロ・・・・・・。



                                       End




お誕生日企画だし、兄さんと二人っきりのラブラブなハッピーロロを書こうと思っていたのですが途中から変わってきてしまいましたそういうのを期待した方スミマセン!!
NTのルルも弟妹を大事にしながらも他の人も大切に出来ていたのでロロもそんな感じに書いてみたくなったんです。
ロロは心が愛で満たされたら他の人にも愛を向けていける子だと思います。
もちろん、兄さんの事はいつまでも一番大切に思ってると思いますが。

お話ではV.Vも家族になって、ちびっ子ギアスユーザーも近所の子供として出てきます。
ロロは兄さんのためならV.Vもちびっ子達も容赦なく殺せるけれど、殺したかったわけではないと思います。

ロロ・・・あの頃は黒の騎士団でC.Cとも一緒にいたから、V.Vの最後も聞いたんじゃないかな?
V.Vの最後の言葉に、ロロも思うところがあったと思いたい・・・と個人的には思っています。


V.Vの最後は哀れでいつか救済SSを書きたいと思っていましたが、こんな形で実現するなんて。V.Vはもう一人のロロでもあったので、ひどい奴ではありましたが、結構好きでした。

ロロのギアスはV.Vが与えているのでV.V→シャルル→ルルーシュの順でコードが移ったとしたらコードが抱えている世界ごと移るかも・・・なんて妄想してみました。
ええ、妄想でもいいんです。
ロロが幸せでありさえすれば。


ロロお誕生日おめでとう!!ナナリーも!!
ナナリーとはもう双子設定でいいよね?

ナナリーとは結局顔を合わせなかった彼ですが、生徒会行事のアルバムに写ってる楽しそうな写真ぐらいは任務開始前に見たと思います。

永遠の16歳となってしまった彼なのでお誕生日と言ってもちょっとアレかもしれませんが、優しい兄さんをプレゼントしてみました。

生まれてきてくれてありがとうロロ!!!!!ナナリーも!!




新しいリンクのお知らせです♪

なぎーの。様の黒猫皇子と白狼騎士です☆
ロロサイトではありませんがロロのお話が読める素敵なブログSSサイト様です♪(ロロ部屋あり)今はロロナナバースデイ企画進行中です☆
UTがブログを始める前から通っていたところで、自分でもやってみようか・・・と思う気持ちを頂いた所です♪






・・・・・・ところでNT11月号を御入用の方はいらっしゃいませんか?

けっこうかさばるので押入れに隠していたのですが、私が台所で用事をしている間に娘がパパと押入れに入れてたらしい何かを探していました←何だったかは慌ててたので忘れた。

すぐ「あ、私が探すから!!」と言って親切そうにチェンジしたのですが、見つかるのも時間の問題のような気がしてきました。

必要なのはロロだけですのでデータはもう自分で見るように保存したのですが(主人は昼間でも突然かえってくるのでNTを広げてみる事が出来ませ。このSSもパソコンデータをちっちゃく広げながら参照して書きました)しかし捨てようにも切なくて出来ません。(あの小説が載ってるし)

ここにこられる方はもうとっくに買ってると思いますので引き取り手なんかいないだろうな・・・なんて思いつつ未練がましく書いてみました

ページ破損なし。付録もつけます(C.Cクリアファイルも)
もちろん無料です。



読んで下さった皆様、拍手、コメント下さった皆様、ありがとうございました♪
ギアスが終わって約一ヶ月経ちましたが、こうやってブログを続けていけるのはすべて皆様のお陰です☆
返信はこちらから♪






















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拍手くださったK様に私信です。
2008年10月21日 (火) | 編集 |
こんばんわ。
いらしてくださってすごく嬉しいです♪
UTのブログでは拍手を2種類使用していて、K様が押してくださった方が元々あった拍手でお礼文は出ません。申し訳ありません←この拍手からお礼文を出そうとやってみたのですが結局出来ませんでした

ブログ最初のご案内Pにお礼文の出るWeb拍手の出る回の案内を載せてはいますが、ブログ左上プロフィール欄の下にもWeb拍手をはってあるのでそちらを押せば多分出ると思います。(Web拍手のみお礼文が出ます。4話分UPしています。入れ替えをしているので案内欄のと違ってる場合もあるかもしれませんが)

時期的にどうかと思われたものや、ギアスショックでUP出来なくなったものを順にUPしているのでご期待に沿えるかどうかドキドキですが、読んでくださるととっても嬉しいです!!

もし出なかったらまたお知らせ下さいね☆

K様もロロスキーさんですか?
良かったらまた遊びに来てください♪♪

取り急ぎ用件のみ書きましたが、次回更新時にまた正式にお返事したいと思います♪
ご訪問ありがとうございました!!!!!!!
湖面3部 緊急事態編 その1
2008年10月20日 (月) | 編集 |
「大変だ、ロロ!!緊急事態だ!!」

いつも飄々としているヴィレッタ先生から慌てた声の電話が入る。

ついに来るべき時が来たか・・・。


「ヴィレッタ先生・・・ついにその時が来たんですね・・・。」

「ああ、残念だが・・・。」

先生がしんみりと言う。

分かってはいるけど涙がこぼれた。

こんな事なら補習なんかサボって兄さんの買い物についていけばよかった。


『いってらっしゃい。』


笑顔でそう言って見送ったのが最後になろうとは。

兄さんはまだ生きているんだろうか。

あの人・・・緑の髪の少女・C.Cは兄さんを迎えに来たのだろうか。

「・・・あの人は来たんですか?」

「ああ、来てしまった。もっと早く分かっていたら私も手が打てたのだが・・・。すまん。」



「先生のせいではないです。いつか来る事はわかっていました・・・。」

「そうだな。しかし、もっと後だと思っていたよ。本当にすまない。」

いつもは強気な先生が何度も僕に謝るほど最悪なタイミングで兄さんの記憶は戻ってしまったのだろうか。

じゃあもうきっと兄さんは生きていない。

機情の誰かが始末をつけてしまったに違いない。

パタパタと涙が伝って落ちた。



「・・・それで本当にすまないのだが、司令室を片付けておいてくれないか?」

「・・・・・・撤収の準備ですね。兄さんだけでなく、この暮らしとも、この学園とも、すべてお別れなんですね・・・。」






「・・・・・・・・・・・・・・・・・・何の話だ?」

先生がいぶかしむように問いかける。

「だから・・ううっ・・・兄さんの記憶が戻ってここも・・・・用済みになったから・・・くっ・・・・撤収準備を・・・・しなくちゃいけないんでしょう・・・・・・・?」


「・・・・・いや、そういう話はしていないんだが・・・・・・。」

「・・・え!?じゃあ、何の話なんですか?」

「・・・だから、クルルギ卿が今エリア11に来ているんだ。政庁での仕事が済んだら司令室に来るから部屋を綺麗に片付けておけって話だ。」

「・・・だって、何度も謝ってたじゃないですか、何で・・・・。」

「ああ、今パチンコ屋にいるんだが、いいところなんですぐに帰れそうに無いんだ。
クルルギ卿の訪問は事前の連絡も無く突然決まったからな。とりあえず司令室の私の机を片付けておいてくれ。お前が一番そういうのは上手いからな。

それから酒を机の横に3本置いてあるからあれもお前の部屋にでもとりあえず隠しておいてくれ。
あと、司令室に掃除機をかけて、窓は雑巾で拭いておいてくれ。ピカピカにな!

ゴミ箱のゴミに多分アルクたちの捨てたろくでもないグラビア雑誌とかもある気がするから焼却炉に突っ込んで、壁に貼ってあるろくでもないポスターも全部はがしてかわりにさわやかな和風のポスターを貼っておいてくれ。

あと茶菓子を・・・・・」

何かまだ続きそうだったが、とりあえずぶち切りしておいた。


僕の涙を返せ。
それと、縮んだ寿命も。ソレでなくても長生きできそうに無いのに。



しかし、落ち着いて考えてみると、やはりヴィレッタ先生の机と司令室は片付けておいた方が良いような気がした。

学園内は生徒が当番制で掃除するし、定期的に清掃業者も入る。
でも機密だらけの司令室に清掃業者を入れるわけにはいかないのであの部屋の清掃だけは機情メンバーの当番制になっている。

でも上司がアレなので僕の当番の日以外はかなりいい加減だ。
奴らは信じられないことに司令室をざっと丸く掃いただけで掃除をした気になっているし、掃き残したゴミを見つけると、机の下に掃き込んで知らん振りをしている。

いや、僕の当番の時でさえかなりいい加減だ。

最初は真面目にやっていたが、やってもやっても散らかす奴がいるし、基本的に僕は司令室で仕事をすることがほとんど無いからせっせと掃除をするのも馬鹿らしい。

僕が費やす時間のほとんどはクラブハウスのあの家なのだからあの場所さえ綺麗で快適であればいいのだ。



しかし、クルルギ卿の心証が悪くなるのは避けた方が良いだろう。
いい加減な仕事しかしていないと思われたらメンバー全員を総入れ替えできるだけの権限をあの人は持っている。

そうなって誰より困るのは僕だ。

本当に腹が立つが兄さんと僕の生活を守るためにも僕が片付けるしかなさそうだ。


                        その2へ続く



先日子供を起こそうとして、「起きなさい!!●●●(長女の名前)、ロロ!!(←次女の名前が入るはずだった)」と言ってしまいました
もう症状が脳にまで回りきって末期症状のようです。

幸いその日は旦那が出張していたうえ、子供らも一回起こしてぐらいで覚醒できるようなおりこうちゃんではなかったので誰にも発覚する事無く闇に葬れましたが自分でもビックリです。
いつも自分の子感覚で見てるからかなぁ・・・・・・。

でも、思い返してみると私は昔からこうだった。
妹の名前を呼ぼうと思って、ついうっかり飼い犬の名前を呼んでしまったり、子供を怒ろうとしてついうっかり妹の名前を呼んでしまったり・・・・・・。

皆さんはそんな事ありませんか?


湖面の別バージョン、性懲りもなくまた始めます
今度も最終的には幸せなものを目指します♪



読んで下さった皆様ありがとうございます!!
拍手・コメントありがとうございました!とっても励みになります!!
返信はこちらから











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緊急事態発生!! その2
2008年10月20日 (月) | 編集 |
急いで司令室に行くと、他のメンバーがあたふたしながら司令室を片付けていた。
当たり前の話だが、こちらにも連絡がいっていたようだ。

いつもは出しっぱなしの有害雑誌もさすがに片付けねばならないと覚悟を決めたのかまとめられて紐で縛ってあった。
多分ビレッタ先生の厳命が下ったのだろう。

しかしうっとうしくもメンバーの一人が涙目でその束にすりすりしていたので蹴飛ばして束を大きな紙袋に入れ、焼却炉に向かう。
まったく・・・。あいつら、神聖な職場を何と心得ているのだ。

だいたいヴレッタ先生もちょっと女性としては信じがたい。
たまに司令室に用事で寄ると、奴らの有害雑誌をひったくって僕に見ろ見ろと勧めてくる。

僕はもちろん断るが、「コレも社会勉強だ♪ちゃんと勉強しておかないといつまでたっても彼女の一人も作れないルルーシュみたいな男になるぞ(笑)」と余計なことまで言いやがる。

あれでも一応分類上女性に属するのは何かの間違いのように思えて仕方がない。

うちの兄さんなんか、18歳になっても天使のように清らかなのに。(うっとり)





焼却炉に行くと、調整中の札が掛けてあった。

げ。ゴミの日は明後日だし、品格あるアッシュフォードの校庭のゴミ箱にこんな有害物をつっこんだら大問題になりそうだ・・・。

しょうがない。これは非常事態なのだからと割り切って僕の部屋のベットの下に隠しおき、さっさと戻って掃除の続きをする事にした。




僕の机は日頃から美しいのでそのままにしておき早速ヴィレッタ先生の机の清掃に入る。

引き出しの一番上を開けると書類ではなくカキピーとウイスキーボンボンとその他お菓子が出てきた。
・・・あの人は一体何をしにここに来ているのだろう・・・・・・・・・・・・。

確かこの任務について1ヶ月弱ぐらいはあの人も悲壮オーラをしょって真面目に仕事をしていたような気がする。
・・・しかし、数ヶ月でコレか。まぁ僕も任務については人の事は言えないけれど。



お菓子の奥からは栄養ドリンクが出てきた。

う~ん。それなりに苦労しているのか。それともパチンコとかに行っているから疲れるんだろうか。
栄養ドリンクはマジックで『飲んだら殺す。byヴィレッタ。』と書いて共用冷蔵庫に放り込んでおくことにした。
栄養ドリンクなら冷蔵庫にはいっていても問題ないだろう。
きっと真面目に仕事をしているように思われるに違いない。
それにしてもあの人はいったい何で引き出しにこんな物を入れているんだろう。
冷蔵庫に入れるぐらいたいした手間ではないはずなのに。まったく・・・・・・。


冷蔵庫を開けると、上から下までぎっしりとビールが入っていた。
何だこの冷蔵庫は!!
手に取るとそれぞれ名前が小さく書いてある。
機情メンバーのものらしい。
僕は一日兄さんに張り付いているのが任務だから司令室にはほとんど来ないが、きっと夜間は宴会場と化しているのに違いない。


「くぉら!!お前ら!!!仕事しろ!!仕事!!!」

怒鳴ってみたが、奴らは自分の机を片付けるのに必死で振り向きもしない。
皆殺しにしてやろうかと思ったが、これからクルルギ卿が来るというのにそれではまずい。

クルルギ卿が政庁から目立たないよう車で来たとしても1時間もかからない。
今はカラレス総督と打ち合わせ中だが、1~2時間で終える予定らしい。
その間に綺麗にしなければならないのだ。
死体の後片付けをしている暇などあろうはずが無い。
政庁での仕事が長引けばくるのはもっと後になるだろうがそんな甘い期待をするのは危険すぎる。

仕方がないので僕がビールを空いたダンボールに詰めて移動させる事にする。
この際ヴィレッタ先生の机は後回しだ。(←クルルギ卿に見られて怒られても個人の責任ですむので。)

移動場所はどこがいいかと考えたが、この司令室内はどんなチェックが入るか分からない。
クルルギ卿は兄さんの親友だった人だ。
もしかしたら掃除用具入れの中のほこりまで気になる人かもしれない。

・・・やっぱり僕の部屋に隠すしかないのか・・・・・・・・・。
僕の美しい部屋が、だんだんゴミ溜めになっていくような・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


気が進まないが、ビールの詰まった箱を抱えて何往復もした。
最後にヴィレッタ先生の机の横の酒瓶を運び終えた時、何とも言えない怒りがわいてきた。
何で僕がこんな事を・・・・・・・。

でも何処にも怒りのやり場が無かったので、各酒の瓶に『ヴィレッタの馬鹿』と書いておいた。
もう少し気の利いた嫌がらせをしてみたかったが、残念ながら今まではすべて殺して解決してきたので幼児並の嫌がらせしか思い浮かばなかった。
ちょっと落ち込んだ。

戻ってみると自分の机を片付け終わった数名が窓拭きをしていた。なかなか感心だ。
・・・と思ったが、よく見ると窓がべチョべチョになっているだけだった。

「雑巾の絞り方が甘い!!貸せ!!!」

僕は雑巾を取り上げるとせっせと拭いた。

周りから「おお!ルルーシュ・ランペルージが乗り移ったかのようだ!!さすが兄弟!!!」と歓声があがる。

え!?
僕、そんなに兄さんと兄弟っぽい?
うれしいな♪♪

ウキウキして窓拭きを終えると床に目を落とす。
奴らは相変わらず床を丸く掃いているだけで、隅にはほこりがいっぱい溜まっている。

「貸せ!!」

僕はほうきを取り上げると床を丁寧に掃いていった。

「おお!!さすが半年近くルルーシュと一緒にいるだけあって、動きがそっくりだ!!」

・・・と、また歓声が上がる。


ふっ・・・・・・。
何を当たり前の事を。
僕はいつも誰より兄さんのそばにいてその技術を学んできたのだ。
このほうきさばきを見るがいい!!

手早く、かつ美しく床を掃いて更に掃除機ではなく雑巾がけまでする。
ところどころ飲み物をこぼした跡があり、気になりだすと止まらない。

ゴミ箱の中の処理やポスターの張替えは他の者にまかせ、ひたすら雑巾がけをする。
綺麗になっていくのは中々楽しいものだ。
兄さんなんかいつも鼻歌を歌いながら隅々まで雑巾がけをしている。
僕は兄さんの楽しそうな顔を思い浮かべてひとりで床を拭き終えた。

ついでに脚立を使って照明器具も拭いていく。

あとはヴィレッタ先生の机だけだ。

あ!しまった。茶菓子がどうのとか言っていたな。
僕的にはポテトチップスで十分な気がしたが、兄さんを売って成り上がったイレブン野郎だとしても一応ラウンズだ。
兄さんとの夢のように楽しい日常を維持するために十分以上のもてなしをして信頼を勝ち取らねばならない。

はて。イレブンってどんな茶菓子を喰うんだろう?
機情のメンバーに聞いてみるが本国から派遣されたブリタニア人ばかりなので皆一様に首をかしげる。

エリアイレブン・・・確か、スシとテンプラとゲイシャの国だった。
生の魚を食うなんて見るだけでも気持ち悪い。

よし、茶菓子は天ぷらに決定だ!!

早速他のものに手配を頼むが東京租界には天ぷら屋は無かった。
く・・・京都にまで遠征は出来ないし、作るしかないのか。




          その3に続く



すっかり忘れていましたが、『下僕兄さんと僕』おまけその3を拍手お礼文2と入れ替えます♪
Web拍手2回で出ると思います。
短いし黒ロロ?ですが良かったら見ていってください♪♪
2回押しで表示されます♪



入れ替えた『罰と鏡』は後日コレを書いたと思われる辺りの日付のところにこっそり放りリこんでおくかもしれません

今日は(あ、もう昨日になっていた)自転車で10キロほど先の目医者さんに行ってきました♪
電車で行けば一駅なのですが、田舎なので一駅間は長いです。
そして、UTは元大阪人なので自転車で移動するのが大好きです♪

さて、何故そんな遠くの目医者さんまで行くかと言うと、UTのコンタクトが特殊だからです。
夜間装着すると昼間裸眼視力がよくなるんですよ♪
これで子供とプールもスキーも出来るのでちょっと高いのですが手放せません

待合室で待つ間に考えるのはロロの話ばかり。
帰りには『反攻のスザク』2巻をこっそり買って帰りました♪(遠い本屋なので誰にも見られず買える。でもまだ読んでません。明日こっそり読みます

ジャンルは違うのですが、読みに行きたいサイト様2つがあり、量が膨大なのでちょっと4日間ブログをお休みします
うちはこのままロロサイトを続けていきますが、気になったままだとお話がかけなくなるので先に全部(は4日では無理かもしれないけど)読んできます♪


読みに来てくださった方ありがとうございます♪
拍手、コメントありがとうございます♪
返信はこちらから
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ロロの危ないアルバイト
2008年10月17日 (金) | 編集 |
注SE4のルルーシュのアルバイトをロロがやったら・・・という話です。
バイトの種類はルルーシュと全て同じです。


SS自体はSE4を聞いてなくても大丈夫です。







「ロロ、バイトをやらないか?」

唐突にヴィレッタが聞いた。


「は?」

「だから、バイトだ、バイト!!
ウチの学校は社会勉強のために30日以内のバイトだったら認めている。
他の奴はともかくお前はちょっと本当に真面目な話、社会というものを勉強してきた方がいい。」


「はあ、そういうもんですか・・・。でも社会勉強はともかく、兄さんへのプレゼントを買いたいからバイトはしたいなぁ・・・って思っていたんです!・・・嬉しいです。ありがとうございます!!」

いつもあまり表情の無いロロだが、このときばかりはちょっぴり頬まで染めて喜んだ。
意外だ。


「バイトをするのが嬉しいなんて、お前にしては中々常識のある発言だな。」

そう言うと奴は真面目な顔をしてこう言った。

「いやですね。僕はいつでも常識的です。それで、殺して欲しいのは誰なんですか?
着替えを覗いたフレッドですか?
先生の部屋にカメラを仕掛けようとしたロキスですか?
それとも下着を泥棒しようとして捕まってボコボコにされたカルドですか?
同僚のよしみで1件100万円にまけときますよ?」

「違う!!それが常識のある奴の発言か!!!」

「え・・・!?違うんですか?
でも、他のバイトなんてやったことないし、僕出来ませんよ?」

きょとんとした目で首をかしげ、当たり前のように物騒な言葉を吐くこいつを何とかしなければいけない。
特殊な環境に育ったロロは普通の感性と言うものがかけている。
そのために任務に支障をきたす事もありえるし、世間と言うものを見ておく必要がある。


それにロロは自分のとりえは暗殺だけと信じ込んでいるようだか、この世には人殺し以外にも身を立てる方法なんていくらでもあるのだ。









「よぉ、ロロ。バイトはどうだ?ハンバーガーをバリバリ売りまくってるか?」

心配なので一応見に行っておく。
無表情にやってるんじゃないかと思ったが、一応笑顔らしきものも見える。

「ええ、マニュアルは頭に叩き込んでおきました。居心地も思ったよりは悪くは無いです。中々良いバイト先を教えてくださってありがとうございます。」

「ああ、礼には及ばん。私も初めてのバイトはハンバーガーショップだったからな。
礼儀から仕事の流れ、笑顔での接客まですべてマニュアルがあるからお前にはやりやすいだろう。」

「ええ、そうですね。忙しいから個々のかかわりも少ないし、僕でもやっていけそうです。」

「よし!ではスマイルをやって見せてくれないか?」

「ええ、それなら鏡の前で練習しました。『ご注文はお決まりですか?』にっこり。」

「おお!!お前にしては中々可愛いじゃないか。それなら客も騙されそうだ。」

「騙すなんて人聞きの悪い事言わないで下さい。プロフェッショナル・・・と言ってください。
僕は任務は完璧にこなさないと気がすまないんです。」


・・・ほう、現在私情を挟みまくって任務についてるくせに、生意気な。



「お。お客さんだぞ!」

「はい。お客様入店確認。
推定26歳男性。僕の実力がスマイルだけじゃない事を先生にお見せします。」


へぇ・・・。随分ノリノリなんだな。ロロのくせに・・・。



「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」

ロロはにっこり微笑むと青年に言った。

その様子は微笑ましくてとても幼い頃から暗殺だけを仕込まれてきたようには見えない。

「ご一緒にポテトもいかがですか?」

首を少しかしげ、大きな目で人懐っこく言う。
おお、だてにあの兄を数ヶ月たぶらかし続けたわけではないか。
これなら7~8割の客は買っていくだろう。

しかし、青年はどぎまぎしながらも「え~と・・・どうしようかな・・・。」と煮え切らない態度だ。

その瞬間、空気が変わった。

「・・・ポテトいかがですかと言ってるんです・・・。」

スマイルを張り付かせたままロロは目の前の客にしん・・・と冷え切った強烈な殺気を叩きつけた。凶悪な暗殺者に戻っているぞ!!何やってるんだロロっ・・・。

客はロロと目を合わせないようにしてガタガタ震えながらポテトを買ってよろよろと帰って行った。

「ね♪楽勝です。僕が応対してポテトを買わなかったお客さんはいません。」

「何が『ね♪』だ!!!お前頼むから店内で流血騒ぎだけは起こすなよ!!」


そうこう言ってると、帽子を目深にかぶり、グラサンをした怪しい男が何気に入ってきた。
お、ルルーシュじゃないか。あれで変装したつもりなのか。

「チーズバーガーとコーンスープ、ポテトMお願いします。」

何食わぬ顔して言ったつもりらしいが兄さんLoveの馬鹿弟が見逃すはずも無かった。



「あ、あれ?兄さん?・・・見に来てくれたの?嬉しい!!!」

ロロはカウンター越しにギュッと兄に抱きついた。
ルルーシュも

「当たり前じゃないか!可愛い弟の仕事ぶりを見に来ないわけないじゃないか!!」

と言って抱きしめ返す。



「兄さん・・・

「ロロ・・・



何やってるんだ!!!!コラ!!!
馬鹿兄弟が熱い抱擁を交わしている間にも客の列がどんどん伸びていってる。

『僕は任務は完璧にこなさないと気がすまないんです。』

・・・とか言ってたくせに、職務怠慢にも程がある。まるで今現在の任務状況を見る思いだ。



「ロロ、お客さんの相手は良いのか!!」

しびれをきらして注意すると、奴は他のお客の視線など気にもしないで言ってのけた。

「良いに決まってますよ。兄さんがダイヤモンドだとしたらお客さんなんて芋かかぼちゃです。あはは・・・♪」

そう言ってさわやかに笑うロロの肩を店長が叩いた。





「よう、新しい仕事の調子はどうだ?ホテルのベルボーイ!」

今度も気になってつい見に来てしまう。

「大丈夫ですよ。宿泊客の荷物を持つ。部屋まで案内する。チップをもらう。簡単な仕事です。」

「今度は客を放りっぱなしにして首になるなよな。」

「あれは仕方がないです。不可抗力って奴です。」

お前、不可抗力の意味、ちゃんと知ってるか?どうみても不可抗力ではないだろう。

「あ、新しいお客さんがお見えになったみたいです。」

もう一言何か言ってやろうと思ったそのとたん客が来た。何かいやな予感がする。

「お荷物お持ちいたします♪」

ロロの客は美人の若いお姉さんだった。
しかし、何が入っているのか知らんが大きなかばんに重そうなキャスターを引いていた。

ロロはめんどくさい事は(兄の事を除けば)嫌がるタイプなのであの荷物の量を見て切れるんじゃないかと思って心配したが、笑顔でかばんをひょいと持ち上げ、片手でキャスターを引いた。
よし、これなら大丈夫そうだ。
私ほどではないが、意外と力もあるしな。


今度は問題なさそうなので帰ろうと振り向いたら奴が走ってきた。ロロの馬鹿兄貴だ。

内緒にしていたのにどこからかぎつけてきたのだろう。ハイエナのような奴だ。



「ロロ、体の弱いお前がこんな力仕事を・・・。貸せ、俺が持ってやる!!」

「い、いいよ兄さん。大丈夫だったら!!」

もみ合いになるが、どちらも譲らない。

「俺が!」

「ううん、僕が!」


その時パチン・・・という不吉な音が響いた。
かばんの留め金が外れたのだ。

反動で床にしりもちをつくロロとルルーシュの上にかばんの中身が降ってくる。

「きゃあああああ!!!」

美人のお姉さんの悲鳴と共に、可愛いフリルの苺パンツがロロの頭にぱさりと落ちた。

ああ、この職場も1日で首か・・・。





次に紹介したバイトはアパレルの店員だった。
私も学生時代やったが中々楽しかった。

客に混じって様子を伺うと、ロロは思ったより真面目に働いていた。
推定18歳ぐらいの男の試着に付き合って、にこやかに微笑んでいる。


「ええ、お似合いだと思います。多分・・・・。」

多分・・・?

多分って何だ・・・・?

買う気満々だった客の顔が凍りつき、がっくりうなだれて品物を戻すとそのままそそくさと店外に出て行った。

「ロロ!今の対応は何だ!お前それでも店員か!!」

「え?ええ、店員ですよ。」

「じゃあ、『お似合いです』ぐらい言ってみろ!また首になりたいのか!!」

「何言ってるんです。僕は詐欺行為をしてまで商品を売りたくないだけです。
商売と言うものは誠実・正直にやらなければいけないと兄さんも言っていました。
僕はそれに従っただけです。」

く・・・ルルーシュめ。こんなとこでまで邪魔するか!!

「どうやら選択を間違えたようだな。お前は見てくれだけは可愛いからアパレルには向いてると思ったんだが・・・。」

「・・・僕を見た目で判断するなんて心外です。だいたい、僕の真価は別にあります。例えばこのTシャツ・・・・・・はっ!!」

「うぉ!これは!!!一瞬でたたんだ!しかも端っこがぴったり揃ってる!!」

「この店の商品は僕が全部たたみなおしました。兄さんはだらしないのが嫌いですからね。いつ兄さんが来てもいいように、すべて整えておきました。」

「ほぉ。やるじゃないか。ここまで商品をきちんとたたんでいる店ははじめて見た。
接客はアレだが、向いてるかもしれないな。」

「はい。何しろ兄さん直伝のたたみ方です。こう手を取って優しく優しく教えてくれました。」

おぇ。相変わらずキショイ兄貴だ。
お前もそんなに嬉しそうに頬染めて微笑むな。

「・・・とは言え、商品をたたむだけがとりえではいささか心もとないな。採寸はどうだ?出来るのか?」

「ええまぁ。やり方だけは口頭で聞きましたが、あんまり自信ないです。」

「そうか。よし、乗りかかった舟だ。私を採寸させてやろう。」

「え?いいんですか?ありがとうございます。」

ロロがメジャーを持って歩み寄ったとたん、またあの男が現れた。



「ロロ!!そんな年増に惑わされてはいけない!!採寸の練習台なら俺がなろう!!!!」

「あ、兄さん♪♪♪うん、僕も年増より兄さんを計りたい!!!!」

な・・・な・・・・・・。

「なんだと~!!!!!!!!」

乱闘になり、私達3人はつまみ出された。
・・・おかしい。何で私まで・・・・・・。




次に紹介したのは倉庫街の夜間警備員だった。
こ奴に接客など最初から無理だったのだ。
しかし闇の世界に生きてきた暗殺者のロロだ。腕は立つ。
まさにうってつけの仕事といえよう。

「ほらロロ、コーヒー。」

言って放り投げてやるとロロは礼を言って受け取った。

「しかし寒々とした倉庫街だな。不審者も出るって言うから気をつけろよ?」

親切心から言ってやったのにロロは不気味にニヤリと笑った。

「・・・・・・気をつけろ?誰に言ってるんですか、ヴィレッタ先生。不審者が出たら一撃で撃ち殺します。
最近誰も殺してないから腕がなまっちゃって。早く現れないかな♪不審者♪♪♪」

そう言うとロロは夢見るような可憐な瞳でウキウキと銃を取り出した。


「ちょっと待て。それは明らかに過剰防衛だろう!!逮捕されるぞ!!!」

「大丈夫ですよ。死人に口無し!!黙っていればわかりませんから♪」


・・・その時2つ向こうの倉庫の影で動く何かがあった。

不審者!?

逃げろ!!全力で逃げるんだ!!!

さもないと犯罪者よりたちの悪いこいつに撃ち殺されるぞ!!!!



「・・・・・・・あれ?・・・兄さん?」

そいつはまたしてもルルーシュだった。



「ロロ・・・。心配になってきてみたんだが・・・その持ってる拳銃は何だ?」

「え!?ええ?拳銃なんか・・・あの・・・その・・・こ、これは・・・。」

珍しくロロが慌てる。
兄の前では猫かぶり180%のロロだから、拳銃を持ってるところを見られたらそりゃあわてるか。

「・・・これは、そう、ヴィレッタ先生のなんだ!あの、本物じゃないから、エアガンだから危険は無いよ

う、こいつ私のって事にしやがった。
なんて奴だ。

「ああ。エアガンか。でも中々精巧に出来ているな。ちょっと見せてくれないか?」

「え!?あ・・・う・・・いい・・・けど・・・。」

「へぇ。カッコイイな♪」

ルルーシュは銃をしげしげと見ていたが何を思ったか、突然倉庫に向けて銃を撃った。
そのとたん鳴り響く銃声と警報。

「あれ?あれ?」

と今の状況が把握できていないルルーシュを抱え、呆然とするロロの手を引いて闇を走った。
遠くからパトカーのサイレンが聞こえていた。




あれから私はロロに様々なアルバイトを紹介した。

しかし、一つも無事に努めきれないなんて・・・。

もう紹介できるのはあそこしかなかった。

「何ですか?このうらぶれた不気味な病院は。また警備ですか?」

「いや・・・。死体洗い、死体洗いだよ・・・・・・・。」

「死体洗い?」

「ああ。ホルマリンプールの中に解剖用の死体が入っている。それが浮いたり沈んだり・・・時々引き上げて洗ったりする、そういう仕事だ。」

「へ~。頭も体力も要らなさそうですね。そんな簡単な仕事でお金がもらえるなんて、随分おいしいバイトですね♪」

仕事用の防毒マスクと胴付長靴を受け取りながらロロは嬉しそうに微笑んだ。

「いや・・・そう思うのはお前ぐらいだから・・・。じゃあな・・・私もコレだけはもう二度とごめんだ。しっかりやれよ!ロロ!!」

それだけ言うとヴィレッタは走り去った。

「変な先生。・・・さ、仕事するか。」


ロロの仕事はそれだけは続いた。
毎日ウキウキ通っている。

何が楽しいんだろう・・・。

好奇心にかられた私は一度覗いて見る事にした。

暗い廊下を音も無く歩き、ホルマリンプールのある部屋のドアに手をかける。

開けてはいけない。そんな注意信号が頭の中でチカチカと点灯したが、もう引き返すには遅すぎる。

キィイ~と軋む音を立ててドアを開く。


「なななな・・何やってんだ~~~~~!!!!!」


「何って、お裁縫の練習です。」

奴はあの大きな瞳をきょとんと見開いて・・・その手には確かに針と糸を持っていた。

「死体洗いなんて、ちゃちゃっとやればすぐ終わりますし、暇で暇で・・・。だから死体を切り開いては縫い合わせてお裁縫の練習してたんです。時々ちょっと腸がはみ出したりしてますが、ほら、コレは上手く縫えましたよ♪♪」

言って縫いかけの死体の首を掴んで嬉しそうに見せる。


「な・・・なんだってこんな所でお裁縫の練習を・・・?」

「やだなぁ。バイトを始めたのだって元はと言えば兄さんにプレゼントを買うためですよ?
兄さんを殺すための任務でもらったお金でプレゼントなんか出来ませんもの。
ちゃんとまっとうに働いたお金で生地を買って、僕も兄さんに手作りのエプロンをプレゼントするんです♪♪」

「・・・で、死体を練習台に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」

「はい

ああ、頭がくらくらする・・・こいつのせいで・・・いや、これは・・・・・・。

死体プールはホルマリンで満たされていた。
あれは気化する危険な液体。


・・・・・・・すっかり忘れていた・・・・・・・目の前の光景が衝撃的過ぎて・・・・・・・。
駄目だ・・・意識が・・・もう・・・・・・・・・・・・・・。





一応ロロが救急車を呼んだので命には別状無かった。



でもヴィレッタがロロにバイトを紹介する事はもう二度と無かった。




ルルーシュの場合はC.Cがいなければどれも成功していたと思われますが、ロロの場合は本当に危険なアルバイトになりそうです

ナイトメアさんいらっしゃいの方も書いてみたいけど、こっちの方が面白そうだったんで先にこっちを書いてみました♪


読んで下さった皆様ありがとうございます♪
拍手・コメント・情報提供ありがとうございました!!
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降りしきる・・・
2008年10月16日 (木) | 編集 |
初めは雪なのかと思っていた。


薄明るい天空から白く光るものがちらちらと舞い降りる。

そのひとひらをそっと手のひらに乗せてみる。

・・・羽?

真っ白で小さいそれは天使の羽のようだった。

ふわりとした感触を残し、その羽は雪のようにルルーシュの手の中に淡く溶けていった。

何だろう。雪ではない。しかし羽でもないようだ。




「それは『想い』だよ。」


「ロロ!」

「とうとうこっちに来ちゃったね。兄さん。」

ロロは少し残念そうに苦笑する。

「すまない。・・・でも俺にはああする事しか出来なかった・・・。」

ルルーシュは歯切れ悪くそういった。

ロロの顔を直視できない。

ロロは命がけでルルーシュを助けた。

でもそれは、こんな風に世界から恨まれ、いらない物として衆人環視の中で死なすためではなかったはずだ。

きっとひっそりとでも生きて小さな幸せを掴んで欲しい・・・そう願って助けたはずだ。




生き残ろうと思えばトリックでも何でも使って生き残る事は出来た。

そしてロロの望んだようにひっそりと生きて幸せを掴む事も。

・・・でも、そうすることはどうしても出来なかった。

最後の最後で世界に嘘をつくことだけはしたくなかった。

俺のために不幸な最後を遂げた人たちを忘れて幸せになることも出来なかった。






「ああ、違うよ兄さん。責めているんじゃないよ。

兄さんは頑張った。

・・・だから、あんなに白くて綺麗な『想い』が降って来るんだよ。

兄さんを想う人たちの気持ちがああやって雪のような羽のようなものに形を変えて降って来るんだ。

兄さんをよく知る人たちはもう気づいたみたいだね、悪逆皇帝の真意に。」


見上げると、ちらちらとだったそれが花吹雪のように数を増していく。





「僕にも『想いの雪』は降ったんだ。」

ロロが嬉しそうに空を見上げる。

「兄さんが、降らせてくれたんだ。
・・・毎日・・・毎日・・・夜も昼も『想いの雪』は僕に降り続けた。
僕はずっと兄さんが降らせてくれた『想いの雪』に抱かれ続けて幸せだったよ。僕は一人なんかじゃなかった。」


静かで、優しい声。
こいつはこんなだっただろうか。

昔はもっと・・・そう、微笑んでいてもどこかぴりぴりしていて・・・何かを恐れていた風だったのに。

この『想いの雪』がロロを変えていったのだろうか?

そして・・・・・・。

俺がロロの事を片時も忘れなかったように、ロロもずっと俺に『想いの雪』を降らせ続けていてくれたんだろうか・・・?



「・・・おいで、ロロ。」

胸にぎゅっと抱きしめるとロロは嬉しそうに目を閉じた。




「・・・これからはずっと一緒にいるよ。
俺達の望みは・・・・・・本当は小さな小さなものだった。」

「・・・うん。僕らが本当に望んでいたのは小さな小さな幸せ。」




今度は本当の兄弟として生まれ変わろう。

皇族でもなく、暗殺者でもなく、一緒にいて、ただ笑い合える・・・・・・そんな兄弟に。








今日も『想いの雪』が降る。

時に激しく。

時に優しく。



生まれ変わりを待つ間、やむことなく降りしきる羽の形をしたそれは、俺達に触れるたび柔らかい光を残して消えていった。


想いの力。

それは世界を変えてしまうほどの優しく強い力。

きっとスザクたちはあの世界を変えていくだろう。





俺達は今日も優しい『想い』たちに抱かれて美しい夢を見る。

tennsinohane4_convert_20081016184300.jpg



ひづき様が下さったイラストを元にお話を書いてみました♪
最近はお笑いに走っていましたが、心洗われるイラストを眺めているうちにこういうのを勝手につけて(一応許可頂きました♪)
ひづき様のサイトに置いてある原画はもっと大きいものなのでよろしかったらリンクから見に行って下さい。とっても美しいです!!

ルルロロ兄弟はこれからだんだん子供にかえっていって最後には普通の家庭に生まれ変わります。
今度こそ、本当に欲しかった小さな小さな幸せを掴んで欲しいと心から思います。

降り積もる想いの中には切ないものや、悲しいもの、ルルに対する後悔の想いも混じっていると思いますが、それでもルルを思う全ての人たちはルルにとっての優しい来世を願ったと思います。

ひづき様のイラストは優しい感じで本当に素敵なのでロロサイトをもたれないのは本当に残念なのですが、こういう形ででも見せて頂けて嬉しいです。



もう一人、ギアスサイトを持ってはいないけれど、ロロの事をすごく思ってくださる万華鏡世界の紅柳美咲様がブログで19話派生ロロSSを書いてらっしゃいます。
ギアスサイトではないしギアスのSSはこれ1話きりなので目に触れる機会が少ないかもしれませんが超もったいないのでリンク貼っておきます。ぜひ行って読んでくださいねUTがぼろ泣きしたお話です。
I wanted my house. But, you are special than my house.
すみません、勝手に紹介してしまって。後でお詫びに伺います

秋休みも終わり、ゆっくりペースの日常が戻ってきました。
新番組が始まってギアスもロロもだんだん忘れられていくのかなぁ・・・と寂しくもありますが、まだしばらくはロロに浸っていたいですね。
次回はSEのパロ?のロロの危険なアルバイトをUP予定です。
アルバイトの邪魔(?)をするのはもちろんあの人です

遊びに来て下さった方ありがとうございました!!
拍手、コメントありがとうございました!!すっごく励みになります!!
返信はこちらから・・・


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湖面3部・緊急事態発生編・その3
2008年10月10日 (金) | 編集 |
天ぷらの作り方をネットで検索する。
しかし征服地・・・それも矯正エリアの食べ物なのでほとんど載っていない。

苦労の末やっと見つけ、説明を読む。

何々、野菜や海老、魚などを小麦粉を水で溶いた物に絡めて油で揚げるのか。
う~ん。茶菓子とはちょっとイメージが違う。

は、そうだ!!
ブリタニアのお菓子を小麦粉水につけて揚げてみたらどうだろう。

とりあえず他の者達に手持ちのお菓子を提供してもらう。
日頃は不仲な機情のメンバーも、首が掛かっているのでやたら協力的だ。

うん、これだけ種類があれば十分だろう。
きっとクルルギ卿は懐かしいエリアイレブン風のもてなしを受け、涙を流して感激するに違いない。
これで信頼度UP間違い無しだ!!

手空きのメンバーに手順を説明し、下準備にかかってもらう。

その間にヴィレッタ先生の机の整理にかかる。
引き出しのお菓子は全ててんぷら用として没収し机を綺麗に拭き上げる。

机の上に出しっぱなしの物はお菓子が入っていたスペースに突っ込み、書類はきちんと揃えて入れなおす。
よし、完璧だ!!

その時携帯の呼び出し音が響いた。
いよいよ来たか!!

準備はOKだ!いつでも来い!!!クルルギスザク!!



「もしもしロロ?俺だけど、お前、どこに行ってるんだ?」

電話から聞こえてきたのは優しく美しい声だった。兄さんだ♪♪♪

「あ、兄さんちょっと補習が長引いちゃって・・・。うん、うん、心配ないから。」

全く兄さんは心配性だな♪♪♪

・・・そうだ、僕はクルルギ卿の事はあまり知らないけど、兄さんは幼馴染なので良く知っている。
僕も何度かスザクさんとの昔話を聞いたが、

「なあロロ、懐かしいな♪」

なんて言われてもそれは捏造の記憶だから僕にはサッパリわからないし、兄さんが楽しそうに他の人間の話をするのはちょとムッとするものがある。
だから僕はいつもクルルギの話は聞き流した上に、3秒で忘れる事にしていた。

でも兄さんとの暮らしを守るためならクルルギに笑いかけるぐらいやってやる。
そして、より信用させるため接待するなら相手の情報は多い方がいいだろう。

兄さんの口からクルルギの話が出るのはイヤだけど、この際贅沢は言ってられない。

丁度タイミング良く電話も掛かってきたことだし、クルルギからもまだ連絡が来ない。
この分なら到着はまだまだ遅れそうだ。

兄さんからクルルギの情報を引き出して接待の対策でも練り直すか。



接待・・・僕は秘密裏に動く暗殺者なので皇帝直属の機関に所属していながら接待される機会はなかった。
しかしこれでも16年生きてきたので『接待』というものが存在しているらしい事は知っている。
特に上官や貴族などはコレの組み方次第でどうにでもなるらしい。

『接待』に欠かせないのは『女の子』と『ワイロ』

僕的にはそういう穢れた大人的思考は嫌いだが、兄さんとの生活を守るためならもう何でもありだ。
絶対に懐柔してやる。

しかし奴は仮にもラウンズ。普通の接待では駄目な気がした。
・・・・・・そうだ!!エリアイレブン名物ゲイシャを呼ぼう!!
これなら奴も満足するはずだ。

いや、ゲイシャと言ってもタイプも様々だろうから、兄さんにクルルギの好みでも聞いておくか。




「あのね、兄さん。くる・・・いえ、スザクさんってどんなタイプの女の子が好きなんだっけ?」


「・・・・・・・・・・・・・。」

「あ、違うんだよ。そう、クラスの女の子にスザクさんの好みを聞かれちゃって。ほらもうラウンズだから人気者で。うん。ふ~ん。グラマーで、美人で長い髪の優しい女性が好みなんだね。ありがとう、兄さん!!」


ごめんね兄さん。嘘つきな弟で。でも兄さんとの生活を守るためだから許してね



よくわからないけど、『エリアイレブンで接待されるなら芸者がいい。』と本国にいた頃誰かが言っていた。
優しく上品で美しく、エリア11の芸術品的女性であることから芸者と呼ばれているそうだ。
下品な女なんておぞましいだけだがそんな女性なら僕も一度見てみたい。ヴィレッタ先生のようにどさくさに紛れて経費で落として呼ぶチャンスだ。

早速グラマーで、美人で長い髪の優しい芸者の手配を他のメンバーに頼むがどんなに探しても東京租界には並みの芸者一人すら見つけることは出来なかった。

「またしても京都か・・・。」



その時司令室のドアがシュン・・・と開き、ヴィレッタ先生が駆け込んできた。

「お!見違えたぞ!!完璧な清掃だな!!!」

嬉しそうに眺め回して頷いている。いい気なものだ。

おまけに『土産だ♪』と言っていりもしないチョコを恩着せがましく押し付けてきた。
どうせパチンコで取ったものだろう。



・・・そうだ!!


「先生。芸者になってください。」

「・・・・・・・は?」

先生が怪訝そうな顔をする。


「クルルギ卿の接待役の芸者が手配できませんでした。今から京都に使いをやっても到底無理です。
優しく上品で芸術品的女性という言葉からは程遠いですが、この際背に腹は変えられません。仕方がないから先生にお願いします!」


「仕方がないとは何だ!!やってやろうじゃないか!!!・・・・・・ところで芸者ってどうやってなるんだ?
日本と呼ばれていた頃は世界的に有名だったみたいだが、私がこのエリアに配属されたのは2年前だし、接待のプロとしか知らんな・・・。

ホステスみたいなものか?おさわりはさせないが酒の相手なら得意だぞ。さっさと酔い潰して後はクルルギ卿の経費で飲み放題だ!」

「いえ、芸術品的女性というぐらいだから違うと思います。確か着物と言うエリアイレブンのトラディショナルドレスを着て優雅なダンスを見せると聞いたことがあります。」

「ふ~む。着物か。あ、ミレイが確か持っていたはずだ。アスラン、ばれないようにかっぱらって来い!!!」

「しかし問題はダンスの方です。先生も男爵ならダンスは踊れるんですよね。」

「・・・・・・・いや、私が男爵になったのは数ヶ月前だからな。習おうと思っていた矢先に此処に飛ばされたんだ・・・。剣舞なら軍の余興で何度もやったからコレでどうだ?」

「剣舞ですか。良いんじゃないですか?このエリアでは戦前までサムライが剣を持って闊歩していたと本国で聞いたことがあります。
また、資料によると、兄さんと僕がクルルギ家に滞在していた(と記憶されている)間、彼は剣ドーと言うものを習っていたようです。彼の一家は間違いなく剣を持って闊歩していたとも思われます。きっと懐かしさに涙する事でしょう。それでいきましょう!!」


見ていろクルルギスザク!!
これぞ必殺接待落とし!!!

ゲイシャの代わりが一応生物学的に何とか女性カテゴリーの隅っこの更に端の方で落ちそうになりながらしがみついてるようなヴィレッタ先生というのだけが大変不安だが、絶対成功させてみせる!!



                     その4に続く




今朝笑った事。

ご存知の通りウチには娘が二人いますので朝は戦場です。
前夜あれ程言ったにもかかわらず登校ギリギリに「あ・・・~~がいるんだった!!」とか恐ろしい事をしょっちゅう言い出します。        

そういう時は日頃穏やかな(ウソ)UTもツノが伸びます。 
殺気立ってるUTに恐れをなした旦那はそういう時、ひっそり自分で珈琲のお代わりなどを自分で入れてくれます。(穏やかな日にはUTが入れてあげる)

昨日は風呂に入らず寝してしまったらしく、朝旦那はパンツとシャツを御所望でした。
室内干にしていた洗濯物が目の前にあったので出してあげたら旦那はもう引き出しから出していました。(珍しく)

「え~!!洗濯物の方から取ってくれたらたたまなくてすむのに

・・・と、つい本音を言ってしまいましたが(いつもは褒め褒め作戦で役に立つ男に改造中)
旦那は一言、「・・・だって(自分で用意して)褒められたかったんだもん!!」だって。

「いい年したおっさんが何を言うか」と普通は思わなければいけないのでしょうが、可愛いなぁ・・・と思ってしまう私です。もう結婚十年以上なのですが、やっぱり可愛いんです。( はい。UTはおかしい人です


ルルロロもずっと生きていたら・・・お互いおっさんになってもジイサンになってもきっとルルはロロが可愛かっただろうなぁ。幸せに暮らせた二人だったのに。
・・・と思うとちょっと切なかったです           


読みに来て下さった方、拍手コメント下さった方、ありがとうございました!!
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湖面3部・緊急事態発生編・その4
2008年10月10日 (金) | 編集 |
クルルギが来たのは、僕が着物を先生に着付け終わって間もなくだった。
何しろやった事もなければ見たことも無いのでこれまたネットで調べたのだが、服としてはありえないぐらい難しい。

おまけに絶対さわっていないのに「変なところを触るな」とか言われて散々だった。




ナイトオブセブンのクルルギはお忍びだと言って単身、地味にタクシーでやってきた。

服装も簡素ともいえるシンプルな私服だった。
すごく偉そうなナリで来ると思ったのに調子が狂う。
これではそこら辺に転がっているタダのガキみたいで、ラウンズの重厚さなどカケラも無い。


「今回は非公式だからね。」

そう言って穏やかそうに笑う姿は友を売って成り上がった非道なイメージとは重ならない。

いや、コレが奴の手なのかもしれない。

そう簡単に篭絡されるか。



側近らしきものの姿は本当に見えず、ラウンズの一員にしては随分警戒心が薄いと思う。
それとも自分に絶対の自信があるのか。

しかし甘い。
どれだけ強かろうと僕には絶対静止のギアスがある。

こんな甘い奴ならいざとなったら直ぐに殺せる。
クルルギは僕がギアスユーザーということは知っているけれど、どんな能力かまでは超最高機密なので知らされていない。防ぎようがないはずだ。

とは言え、ラウンズを殺害するリスクは限りなく高い。雑魚を始末するのとは訳が違うのだ。
なるべくなら騙しとおして信頼を勝ち取り、この学園地区は僕らにまかせっきりにしてもらいたい。

何かボロが出たときは殺すしかないが、殺した後の理由づけは何にしようか・・・。




クルルギは僕の不穏な思惑には気づかず来客用のソファーにゆっくりと腰掛ける。

貴族や高位の上官は普通偉そうにふんぞり返って座るものだが、クルルギは控えめにきちんと礼儀正しくすわり、相変わらず穏やかそうな笑みを浮かべている。





「それにしても凄い格好ですね。どうしたんですか?」

クルルギが着物に身を包んだヴィレッタ先生をまじまじと見る。



・・・・・・・あれ?予想と少し違う。

日本のゲイシャに感動して大喜びすると思ったんだけど。

(中身はおっさん以下だが)見かけだけは和風美女の先生を見ても鼻の下を伸ばすという事は無いようだ。
けっこう綺麗に仕上がったと思うけど、やっぱり芸術品的女性には程遠かったか。
所詮ヴィレッタ先生だしね。

それにクルルギは18歳だもの。
そりゃ若い方がいいに決まってるよね。



「クルルギ卿はこのエリア出身とお聞きしましたので和風のおもてなしをしようと思いまして。」

ヴィレッタ先生がよどみなく答える。

そう言えばヴィレッタ先生って純血派のはずなのに、イレブン相手でもけっこう穏やかに対応できている。
悩殺は無理だったが、少なくともへまはしないだろう。


クルルギはヴィレッタ先生の言葉を聞いて少し驚いたようだが、直ぐに柔和な笑みを浮かべ
「僕、着物って久しぶりに見ました。とっても似合ってますね。」
と余裕ありげに言った。




ふ~ん。兄さんの元親友と聞いていたから女性に対する態度も似たようなものかと思っていたけれど全然違う。
何かあしらい慣れてるというか・・・。
僕もそういうのは疎くて上手くは言えないけどそんな感じがする。
実は遊び人なのかクルルギスザク!!
ますますもってけしからん。

ああ、こいつと兄さんが親友のままでなくて良かった。
兄さんは純真なところも魅力なのにこんな奴の悪影響を受けたら大変だ。

それでなくても超絶美形の兄さんには浅ましい女どもがしょっちゅう群がってくる。
その時こんな風に女性を褒めたりしたら、勘違いした女が毎日100人ぐらい彼女面をしてウチまで押しかけてくるに違いない。
ああ考えるだけで恐ろしい。
兄さんの心の癒しは僕とあと、窓辺で大切に育てているネギとシソだけで良いんだよ!!



「嬉しいよ。こんなに歓迎してくれて。総督府では散々だったからね。」

心の中で悪態をつかれているとも知らずにクルルギが優しく微笑む。


ああそうか。この男は皇帝直属のラウンズ。

でも、所詮はイレブンで平民。

それに引き換え、カラレスは公爵。皇帝の身内とも言える存在だ。
身分の高い貴族が平民を見るとき、まるで穢らわしいものでも見るような目で見るのを僕は知っている。
クルルギはナンバーズ出身者。それも矯正エリアのだ。
あの傲慢なカラレス総督がどういう風に彼を扱ったのか目に見えるようだった。


僕もそういう扱いを何度も大貴族から受けた。
奴らの偉そうな態度に反吐が出そうだった。

・・・だけど、僕がそういった身分の人の前に連れて行かれる時はほぼ間違いなく任務なので、その大貴族はすぐに冷たい骸と化した。

死んでしまえばどんな人間だって皆平等に骸となる。

それが敵国の者であろうが皇族であろうが幸せな育ちの者だろうがすさんだ犯罪者だろうが同じだ。
だから、僕にとって暗殺という仕事は好きな仕事では無いにしても、特別嫌なものでもなかった。

『僕が平等にしてあげる。どんな偉い奴であろうと。幸せな奴でも。』

そう思って仕事をしてきた。

所詮人間は死ぬのだ。死神の手によって簡単に。
だから幸せな人を見ても羨ましくない。ずっとそう思ってきた。
兄さんに会うまでは。

今は幸せな人が羨ましい。シャーリーが、ナナリーが。当たり前のように誰かに愛されて幸せな人たちが。

僕だって幸せになりたい。幸せでいたい。愛し愛されて大好きな人と幸せに暮らしたい。
兄さんと暮らし始めて僕は、僕も人間だったという事に気がついた。

まだ心を持ち始めたばかりの僕は完全な人間とは言いがたいだろう。
でも、兄さんのそばにいればいつかきっと普通の人間になれるような気がした。

死も別れもはいずれやってくるだろうが、それまでに人間として意味のある生き方をしてみたい。
そのためならみっともなくとも足掻いてやる。


「まずは資料を見たい。」とクルルギが言うのでとりあえず珈琲だけ出して、様子を伺う。
クルルギは資料を食い入るように見ていたけれど、やがてため息をついた。
よし、付け入るチャンスだ!!!

「お疲れのようですので、日本風のお菓子はいかがですか?」


にっこり笑ってそう言うと、クルルギは大きく目を見開いた。

「日本・・・だって?」


しまった。まずい事を言ってしまったか。こう呼んだ方が喜ぶと思ったのだが。


「あの・・・。兄さ・・いえ、ルルーシュは僕と二人の時はこのエリアの事をそう呼ぶので・・・。」

「ああ、そうか。ルルーシュはそうだったね。・・・・・・君は・・・。」

「え?」

「君はこのエリアをどう思う?」

「・・・よくわかりません。使命には関係ないので。しかし僕が派遣されてきた頃よりは格段に治安が安定したと思います。」

「そうだね。でもそのために流された日本人の血はブラックリべりオンの時に匹敵すると聞いている。
・・・・・・日本人はもう息も絶え絶えだ。」

「クルルギ卿はそれが悲しいんですか?」

「悲しむ権利なんか僕には無いよ。僕もブリタニアの軍人だ。」

その声音から彼の感情を窺うことは出来なかった。


やはりこの人は見掛け通りの人ではない。
ブリタニア帝国のために次々と非も無い他国を力で征服してきた白き死神・クルルギスザク。


でも考えてみると僕もブリタニアの闇の死神と暗部でずっと言われてきた。
そして、僕の見かけに騙された奴らをためらう事無く手にかけてきた。


勝負しよう。クルルギスザク。
さあ、死神同士の対決だ。


 その5に続く


旦那が出張中なので続きの下書きをせっせと早朝に書いていますが、けっこう続くかも?
あと6回ぐらいは続くと思います♪
お付き合いくださると嬉しいです♪♪


今回はヴィレッタ先生はあまり登場しないので、Web拍手お礼文で『ヴィレッタの日記』をUPしました。
1の『もう一つの優しい世界』と入れ替えました。


↑一回押しでお礼文が出ます。よろしかったら見ていって下さい

Web拍手と記事の最後に出てくる拍手は別物ですのでお気をつけ下さいね♪(ややこしくてスミマセン




・・・Web拍手、たまにしか書いてないのに入れ替える前に見に行くと今日だけで12回分押してくださっていて、ちょっと嬉しかったです♪
もう終わった作品のSSの需要なんて少ないんだろうな・・・と思いつつも細々と(自分のために)書いてますが、拍手を押してまでオマケを読みに来て下さる方がいるというのは大きな励みになります!!
どなたか分かりませんがありがとうございます!!!






今日は小学校の交通当番の後、デパートの北海道展に行ってきました。
自転車で片道40分ですが、自転車LoveのUTですので苦になりません。
ちょっと前に死にかけたわりには元気です♪

お目当ては生キャラメル!!
前にお土産に頂いたのですが、凄く美味しくて狙っていました。
・・・でも、開店五分で売り切れておりました。がっくり。

よし!!
明日は後30分早く出発するぞ!!!
この失敗はきっと『ダイエットを再開せよ!』という天からのメッセージに違いない!!


読んで下さった皆様ありがとうございます!!!
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湖面3部 緊急事態編 その5
2008年10月09日 (木) | 編集 |
僕もお前も周り中から死神と呼ばれてきた。

望んでそうなったわけではないが、今は唯人でなかったことに感謝している。

僕は兄さんを守りたい。

それだけが僕の望み。

・・・だから、今までの死神としての人生が不幸だったなんて思わない。

今まさにこのときのために、兄さんを守るために、僕は死神として生きてきたのだろう。



死神同士の対決準備はもう整った。

さぁ、落としてやるぞ、クルルギスザク。




「そんな顔をしていないでこちらの日本風のお菓子でも召し上がってください。僕らがクルルギ卿のために心をこめて手作りしました。」

にっこり笑って色んなお菓子の天ぷらを次々と並べていく。
ちょっと不気味なものもあるけれど、イレブンは生魚やタコを食べたりする不思議な民族だ。
コレがイレブン風というのなら、いくらでも作ってやる。

・・・どうだ!懐かしいだろう、イレブン風のお菓子は!
僕が兄さんに落ちたように、まずは食べ物でお前を篭絡してやる!!!


クルルギはソレを見て声も出ないようだった。
ふふふ。
イレブン風というだけでも感動モノだろうが、その茶菓子は僕らの手作りだ。

そう、血も涙も無い死神と呼ばれる奴の弱点は意外にたくさんある。

まず、その弱点の一つは手作りの心のこもった美味しいお菓子だ。
これは死神と呼ばれ続けた僕の実体験だから間違いない。


クルルギはしばらく放心したように僕らの作った菓子を眺めていたが、

「じゃあ、頂くよ。」

と優しい笑みを浮かべてもそもそと食べだした。
男ならもっと豪快に食べれば良いのに、視線を落として無言で食べている。
目じりには薄く涙。

やった!!感動の涙を流させたぞ!!!

僕にも覚えがある。
兄さんの手作りプリンをはじめて食べた日。
あまりの美味しさと兄さんの優しさが嬉しくてつい涙ぐんでしまった。

「美味しいか?」

と、問われても、胸がいっぱいで答えられず、無言でもそもそ食べたっけ。
懐かしいな。


「あの、ちょっとトイレに・・・。」

クルルギがうつむいて席を立つ。




うんうん分かるよ。
あの時の僕も兄さんに気づかれないようトイレにたってそっと涙をぬぐったものだ。

死神と呼ばれる人種はいついかなる時でも相手に弱みなど見せない。
ましてや涙を見られるなんて、恥辱の極みだ。(今は兄さん限定で見せ放題だけど)

ああ、僕がブリタニアの闇の死神と呼ばれていて良かった。
お陰で白き死神・クルルギスザクの心の動きが手に取るようにわかる。

トイレに行ってこっそり感涙にむせぶしかないよね♪
死神対決、きっと僕の楽勝だ!!!





クルルギスザクはトイレにこもって考え込んだ。
コレは一体どういう事なんだろう。

どこに行ってもイレブン出身と言われて陰口を叩かれる僕を大歓迎してくれるなんてオカシイと思っていた。
しかし、ここまで手の込んだ嫌がらせは流石に初めてだった。

・・・いや・・・でも、純粋に好意なのかも・・・。
脳裏にニコニコと笑いながら殺人的な手料理を作る女性の顔が浮かぶ。

・・・どちらにせよここにいたら危ない。
セシルさんに匹敵する味覚を持った者のもてなしなど受け続けたら死んでしまう。
折角無い時間をやりくりしてルルーシュの様子を見に来たのに。


上がってくる報告書にはルルーシュの楽しそうな日常が綴られており、怪しい所は何一つ無い。
さっき見せてもらった資料を見てもそれは同じだった。

しかし心の奥からせり上がってくるような不思議な違和感があった。
その正体ははっきりとは分からないけど・・・。


ヴィレッタ。そしてギアスユーザーのロロ。
皇帝から勅命を受けた彼らだから、無能と言うわけではないだろうが、ルルーシュにはギアスがある。
すでに彼らはルルーシュの手に落ちているという可能性も捨てきれない。

今回の珍妙な接待。
もしかしたらルルーシュの差し金かもしれない。

彼らをより観察して真偽を確かめねば。

僕にはラウンズとしての仕事もある。
明日の早朝には本国に帰らねばならない。
勝負はそれまでにつけねば。




覚悟を決めて席に戻ると、今度はヴィレッタがお酒を勧めてきた。
未成年なので断ると、にこやかに笑っていた顔が凍りつき、なにやらロロにヒソヒソと囁いた。

・・・怪しい。

もしかしたら僕を酔い潰してルルーシュの元に引きずり出す算段なのか。

ヴィレッタに囁かれたロロはビックリしたように目を丸くして、ヴィレッタに抗議するように小さな声でヒソヒソと囁きかえした。

しかし、ヴィレッタはつれなくフン・・・というような顔をしてロロにまた何か囁くと「急用を思い出しました。」と言って去っていった。


「・・・・・・あの、少しの間ここでお待ち下さい、クルルギ卿。」


ロロが困りきったような顔でその後を追って退出する。


怪しい。明らかに怪しい。
特にヴィレッタ。酒を断ったとたん豹変し、退出した。

・・・彼女は作戦失敗を伝えるためルルーシュの元に向かったのかもしれない。


「ヴィレッタとロロだけはルルーシュのギアスに掛かる事は無いよ。」

V.Vがそう言っていたが、何故あの二人だけはギアスに掛からないのか。
理由は機密事項だからと知らされなかったが、ギアスは謎に満ちた能力だ。
狡猾なルルーシュがその気になったら2人にギアスをかけるぐらいは簡単にやってのけそうな気がした。





「・・・・・・・ただいま戻ってまいりました・・・・・・・。」

そう言って戻ってきたのは着物姿の少女だった。

「あれ・・・君・・・・・・・ロロ!?」


そう言うとロロはキッと僕を涙目で睨みつけた。


「ヴィレッタ指令は気分が優れないため、今後僕が責任を持って接待させていただきます!!」

・・・・・・一体彼に何があったんだろう。
ルルーシュの作戦?いや、ありえない。



ありえ・・・・な・・・・・・・・い・・・・・・・・・・・・・・とも、言えないか。

着物に身を包んだロロは、ナナリーにとても良く似ていた。
ルルーシュは僕がナナリーの事を大好きだったことを知っている。
多分初恋だった。

そのナナリー似のロロを使って僕を油断させようとしているのか。
いや、ルルーシュが偽物とはいえナナリーそっくりの少年をこういう風に使うとは考えがたい。
真実は何処にあるのか・・・。


      その6に続く


生キャラメル買えました♪♪♪
一人二箱しか買えなかったけど、12粒入りだったので先日生キャラメルの話で盛り上がった下の子のママ友達にも家族分のだけだけど粒でおすそ分けしたらとても喜んでもらえました♪

嬉しいな♪・・・と思っていたら上の娘が「ウチの友達の家族にも配りたい・・・。」と言い出すではありませんか。

私は一応姉妹平等に育てたいと思っているのですが、実際は話せば分かるタイプのお姉ちゃんが我慢する事の方が多いので、長女のために今日も片道40分自転車をこいで行って来ました。
これで3日連続で・・・・・・待ち時間もあるし流石に疲れました・・・・・・。
でも、喜んでもらえたら嬉しいな♪

明日から旅行に行きますので更新はありません。
お天気がいいといいなっ♪

あんまり疲れてなかったら火曜日にこっそり更新しているかもしれません


拍手、コメントありがとうございました♪
本編が終わっても細々と書いていけるのはすべて読んでくださったりコメント下さったりする皆様のお陰です☆

返信はこちらから♪



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湖面3部 緊急事態編 その6
2008年10月08日 (水) | 編集 |
「では、若輩者でお恥ずかしいのですが、少しでもクルルギ卿のお心を慰めるために僕が踊らせていただきます。」

何故か着物を着て戻ったロロ少年が涙目のままお辞儀して音楽を流す。
・・・一体何の策略だろう。
なにやらおかしな事になっているが、しっかりと見定めねば。

音楽が流れて5秒。スザクはじっと耳を傾けた。


ああ、コレは聞いたことがある。
・・・というか、毎日聞いてるような気がする。
ブリタニア帝国に籍を置くものなら知らない者は無いだろう。

・・・すなわち、ブリタニア国歌だ。

それに合わせてロロが踊る。
うん。これも見たことがある。セシルさんが毎日やっている『国歌で踊ってダイエット☆』という今すさまじくはやっているダイエットのための踊りだ。
もう、覚えてしまいそうなほど見ている。

しかし、何故ロロが?(上手いけど)

しかも何故女物の着物を着て???(似合うけど)

一体それに何の意味が?????(ルルーシュの策略にしては・・・でも、読めないからこそ策略なのか?)


ロロ少年は下にアッシュフォードの体操服を着ているし、少女のような顔をしていても男だから別に少しぐらい着物が肌蹴ても問題ないのだろうが、コレの意味がさっぱり意味が分からない。
何故少年が着物姿でダイエットダンスを僕の前で踊る?




「いかがでしたか?」

踊り終わったらしいロロ少年が薄く汗をにじませ、引きつった笑みを向けてきた。

「エ・・・・・・・と・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

言葉に詰まっているとロロ少年はがっくりと肩を落とし、「だからイヤだって言ったのに。先生が毎日やっていたこの踊りかラジオ体操ぐらいしか僕踊れないのに。ああ、よく考えたらラジオ体操の方ががマシだった・・・・・・。」とぶつぶつつぶやいている。

ヴィレッタに関してはよくわからないが、この少年はギアスの支配下に置かれているような様子ではない。
しかしだからと言って油断できるわけでもない。
もしルルーシュに精神的に懐柔されていたらとんでもない事になる。


見かけは幼く華奢な印象のロロ。
だがその正体はラウンズの間でも恐れられている、謎とされていた暗殺者。

そう、『ブリタニアの闇の死神』なのだ。





ロロは青ざめていた。
お菓子の件ではしてやったりと思ったが、『死神対決』今度は僕の完敗だ。
折角ゲイシャ(もどき)接待でクルルギを篭絡しようと思ったのに、酒が飲めないからって普通司令官が賓客を置いてとんずらするか!?

仕方なく僕が代理を務めたけれど、こんなの僕のジャンルじゃないよ。ひどいよ先生。

「宴席なら任せろ!!」


・・・と言っていたくせに、酒が飲めないと分かるとさっさと野球中継を見に帰ってしまうなんて。

先生は『お前の方が若くて可愛いからきっとウケるぞ♪』とか言っていたけど、冷静に考えたら男の僕が着物で踊ってもキショイだけだ。
ついでに僕はクルルギを篭絡したかったのであってウケを取りたかったわけではない。

ああ、クルルギの前で生き恥をかいてしまった



いやまだ勝負はついていない。
死神対決第三ラウンドが残っている。

「少々お待ち下さい。」

クルルギにそう告げて別室で着物を脱ぎ捨て制服姿に戻る。

そのとたん鳴る携帯電話。

あ。兄さんだ♪♪♪

・・・と喜んでいる場合ではない。
少し遠い所まで買い物に行っていたはずだけど、もう帰ってきたんだ。
普段なら兄さんが時間より早く帰ってきたら飛び上がって喜ぶが今はさすがに喜べない。

だってもうすぐ夕飯の時間だ。
さすがに夕飯に間に合わない時間まで引き延ばすわけにはいかない。
補習と言い訳しても、ここまで遅くなったら兄さんの事だから光の速さで教室まで押しかけてきて・・・・・・そして僕がいないとなったらどんな騒ぎになるか知れたものじゃない。

以前ちょっとしくじった時にはあっという間に警察に捜索願が出され、校内放送が派手にかけられ、ネット上で「ロロを探してください」というタイトルで賞金100万(←兄さんの進学費用)がかけられた捜索スレがいたるところに立った。オマケに写真まで出回り散々だった。
アレを消去するのに国家規模で動いてもらわなければいけなかったことを思い出す。

・・・・・第三ラウンドはナシでいいや・・・・・・。
とにかくクルルギ卿には帰っていただこう。
引き分けに持ち込んだんだからもういいよね。
そう思いなおし、鳴り続ける携帯に手をかける。

「兄さん?うん、僕。ごめんね遅くなって。うん。今帰る支度をしてるところ。15分で帰るから家で待っててね。え?迎えに来なくてもいいよ。すれ違うかもしれないし。うん。分かった。」

携帯を切り、クルルギ卿のところに戻って事情を話した。

後は残りのメンバーから聞きたい話だけを聞いてさっさと帰ればいい。
兄さんの記憶は戻ってないのだから、何処をどう見られてもかまわない。
・・・・・・いや、本当は僕の兄さんをお前なぞに見せるのは腹立たしいが、何とか我慢しよう。
これも僕と兄さんの末永い幸せのため。
今だけの我慢だ。

「・・・では、僕は任務に戻りますので失礼します。」

そう告げたとたん、手首を捉まれた。

「待って。僕も行くから。君の部屋に隠してくれる?」

え!?えぇえ!!!


               

                              その7に続く


連休に鮭のつかみ取りに行ってきました♪
・・・だけど大きすぎる鮭にビビッて子供らは一匹も取れませんでした。あんなにうじゃうじゃいたのに
イベントで一緒だった5年生の女の子とウチの長女が風呂で仲良くなり、長女の苦労話で盛り上がってました。
「うちの弟、すぐ騙すし~、乱暴だし~、言う事聞かないし~。」
「そうそう、ウチは妹だけどすぐ騙すし乱暴でおまけに猿だし~。」

・・・ルルロロナナみたいな兄弟ってめったにいないですよね
やっぱ、兄弟はこうだよね~・・・。

さて、お猿名次女ですが、泊まったユースホステルのオーナーが腕によりをかけて作ってくださった玄米ご飯に有機野菜の美味しそうな品々を見て

「わ~!!美味しそうな試食!!」

とでっかい声で言いやがりました。
本人は『和食』と言いたかった事がのちにわかりましたが、お猿卒業までまだまだかかりそうです


読んで下さった皆様ありがとうございました♪
拍手コメントもありがとうございました♪♪

このシリーズが終わった後書きたいものがロロ不足で今あんまり見つかりません
終わったら更新がすご~く遅くなるかもしれませんが、終わるまではそれなりのペースで更新できると思います☆
もうしばらくお付き合いいただけると嬉しいです♪♪♪


返信はこちらから♪







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湖面3部 緊急事態編 その7
2008年10月08日 (水) | 編集 |
「来る・・・って、ウチにですか!?」

「そうだよ。窓から入るから、帰ったらすぐ君の部屋の窓、ロックを外して。」

「・・・・・・・・・。」

「今日は君の部屋に泊めてよ。君の部屋からルルーシュの様子を伺いたいんだ。彼は芝居が上手だし、画像からだけじゃ気配までは読めないからね。」

けっ。

何が気配だ。気配の前に空気読めるようになるのが先だろ。

しかし、もう今のクルルギにはあの時の柔和さは無い。
・・・なんか断りづらい雰囲気だ。



「君の部屋が最適なんだ。
・・・まさか駄目とは言わないよね。」

「い・・・・・・イエス・・・・・・マイロード・・・・・。」


どうしよう。

まさかクルルギが僕の部屋に来るなんて。

いつもの塵一つ無い美しい部屋になら「ええ、どうぞ。」と笑って言えるけど、今の僕の部屋には高く積まれたアレやらベットの下にぎっしり詰まったソレなどがある。


まずい・・・。
アレもソレもまずい。
単品でもまずいのにセットで見つかったら言い訳不可能だ。

きっと真面目に任務をこなしてないと思われて僕は首になるだろう。

ああ、こんなことならアレもソレも鍵を爆破してでもヴィレッタ先生の部屋に隠しておけばよかった!!
自分のお人よしさと真面目さが憎い!!!





家に帰ると兄さんが心配そうに玄関前で待っていた。

クルルギは途中から木陰に隠れて待機している。

そして僕が兄さんの気を引いてる間に窓から忍び込む事になっている。



「お帰り、ロロ。」

兄さんの優しい顔を見ると思わず涙がにじんだ。




・・・心配かけてごめんね。

こんな・・・任務に逆らえない弟でごめんね。
あなたの全てを守ってあげげられないふがいない弟でごめんね。



「ほら、そんな顔しない!怒ってるわけじゃないんだ。ただ心配だっただけ。さ、食事にしよう!補習お疲れ様!!」

そう言って兄さんは僕の頭にポンポンと手を置いてくしゃっと撫でると僕の手を引いていく。

・・・兄さん。本当にごめんなさい。

僕はうつむいた顔を上げる事が出来なかった。



着替えるからと兄さんに言って一旦自室に帰り、窓のロックを外す。
驚いたことにクルルギはもう窓の外にいて、猫のような俊敏な動作で音もなく入り込んできた。

「・・・懐かしいな。ナナリーの部屋、久しぶりに来たよ。この部屋は監視対象外だから見ることは無かったけど、彼女が住んでいた時からあまり雰囲気も変わってないんだな。」

部屋をじろじろ眺められると生きた心地がしない。
それにナナリーの部屋と言われてズキンと心が痛んだ。

「この積み上げてるダンボールは?」

・・・き、来たか!!その質問!!


「え!・・・その。会長の考えたイベントで使うんで預かっているんです。」

ああ。とうとうウソをついてしまった。中身を見られたら偽造罪で僕は終わりだ。
しかし、この尋常でない数のビールを見つかっても結果は同じだ。


「ああ、会長の!僕も去年はダンボール箱5箱分七夕の飾りを宿題として作らされたっけ。相変わらずだなぁ。君も大変だね。」

「ええ。まぁ。・・・そうですね。」


どうやら無事ごまかせたようだ。良かった。

「じゃあ、夕飯を食べに行かなきゃいけないから、行ってきます。なるべく早く戻ってくるつもりですが暇だったらイヤホンしてテレビでも見ていてください。」

そう言って出て行こうとしたら、また手首をつかまれた。
ギアスをかけて振りほどくのは簡単だけれど、そうもいかない。

「・・・・・・何かまだ御用ですか?」

怪訝そうに訪ねると奴は言った。

「夕食、僕の分もこっそり持ってきてよ。」

え!?何それ????
うちの夕飯をたかる気???

お前ラウンズだろう。何も家計ギリギリの一般庶民のうちのご飯をたからなくてもいいじゃないか。
それにうちのご飯は兄さんが僕のために心をこめて作ってくれてるんだ。
誰がお前なんかに。


「・・・では高級レストランから司令室に出前を手配します。他のメンバーがクルルギ卿をおもてなし致しますのでそちらでお食べ下さい。
・・・それとも、車で好みの食事処まで誰かに送らせましょうか?」

いくらでも経費で手配してやるから帰って機情のアホどもと食べやがれ。

そう思うのにクルルギは静かに首を振った。


「・・・ロロ。僕はね、ルルーシュの作った夕飯が食べたいんだ。これは上司としての命令だ。持ってこい。」


くっ・・・。なんて嫌な奴なんだ。
自分が売った元親友の作ったご飯を食べたいなんて面の皮が厚すぎだだろう。
そりゃ兄さんの作った料理は天にも昇る美味しさだから食べたいのはわかる。
でも、あれは全部僕のなんだ。
今すぐ暗殺してやりたい。
そして切り刻んで鍋でぐつぐつ煮てやりたい。

しかしここは兄さんと僕の明るい未来のために我慢だ・・・。


「あの・・・お言葉ですが、僕が食べないとルルーシュが心配しますのでお分けできません。任務に差し障ります。カレーとかだったら余分に作っているから可能ですけど・・・。」

「シチューだよ。このニオイ。分けれるよね?僕お腹すいた。持ってきて。」

「はぁ・・・。分かりました。」


心の中は煮えくり返っていたが僕は渋々返事した。


権力をかさにきて人ん家にあつかましくあがりこんだあげく、この態度。
さっきの茶菓子をちゃんと食べておかないから腹が減るンだよ!!
せっかく手間暇かけて作ったのにほとんど残しやがって。


しかし、ラウンズの言う事には逆らえない。
僕はため息をつきながら部屋を後にした。










スザクはロロが部屋を出て行く後姿をじっと見送った。
今のところ怪しいそぶりは無い。

しかし、だからと言ってルルーシュの記憶が戻っていないとは言い切れない。
芝居に長けた彼のことだ、ロロを騙して丸め込むぐらい造作も無い事だろう。

・・・しかしプライドの高いあいつはロロが偽者だとわかったら心の中では許しはしないだろう。
ルルーシュの食事を食べてみて、前に学生としてご馳走になった時と同じレベルの美味しさならロロへの愛情もとりあえず本物と思っていい。
でも、手を抜いた料理であれば、記憶が戻っている可能性は一気に高くなる。


ロロの足音が完全に聞こえなくなってから、機情に連絡を取り、カメラの映像を携帯に転送するよう指示を出す。


写るのは仲良さげな二人の姿。
・・・まるで、昔のルルーシュとナナリーを見ているようだった。
こうして見ていると、懐かしい子供の頃を思い出し、敵同士になってしまったことに心が痛む。
本当は誰よりも君に幸せになってほしかったのに。



「ほら、熱いから気をつけて・・・。」

ルルーシュがにっこり笑って皿を差し出すとロロが嬉しそうに「うん。」と言って受け取る。
何処から見ても普通の微笑ましい兄弟だ。
やはりまだ記憶は戻っていないのだろうか。



「ロロ・・・今日はハーブを変えてみたんだ。わかるか?ほら、あ~ん。」


は?あ~ん???
ルルーシュ、君は16歳の弟相手に何をやっているんだ・・・。


しかしロロも当たり前のように口を開けて美味しそうに食べる。
ロロ。随分幸せそうだけど、それも任務の一環なのかい???



「兄さん、一口じゃわからないよ。ね、もう一口頂戴?」

「ああ、ロロは甘えん坊さんだな。ほら、あ~~ん。」


・・・なんだ。このとてつもなくキショイ兄弟は。見ちゃいられない。
何だか気分が悪くなってくる。


正視に堪えないので、ロロを脳内で無理やりナナリーに変換する。
そうすると不思議な事に当たり前の事の様に見えてくる。

・・・・・・・ま、ルルーシュのすることだしな。こんなものか。
変換後の映像で見ると、そう変でもない気がする。


「兄さん、まだわかんない。もっと食べさせて♪」

甘えたような口調でねだるロロが可愛くてたまらないというように、ルルーシュがロロの頭をクシャリとなでながらせっせとシチューを口に運ぶ。

まだやるか。
脳内変換にも限度がある。


前言撤回。普通の微笑ましい兄弟ではない。
異常でキショイ兄弟だ。



そういえば報告書にあった。

『ロロは特殊な環境に育ったため、ルルーシュとの兄弟関係に多少の勘違いや誤解などあるようです。しかし今のところ任務に支障はありません。』と。


どういう特殊な環境に育つとこうなるんだろう?
確か暗殺者を育てるための特殊な組織に子供の頃からいたと聞いたが、そこの暗殺者は皆とろけそうに幸せそうな顔でお互いご飯を食べさせあうのだろうか???
そういう教育方針なのだろうか?
日本男児の僕にはサッパリわからない。

しかしロロのあの幸せそうなこと。
まさかとは思うが・・・もうルルーシュに篭絡されているんじゃないか?

映像だけではわからない気配を探るため、そっと部屋を抜け出し、リビングのドアに耳を当てる。
聞こえてくるのは楽しげな笑い声。
優しい声音。

気配を探るが不穏なものは全く無く、はぁとが飛び交っているかのようなラブラブな空気が伺える。


・・・・・・ルルーシュ。

君は。

僕がユフィを失って苦しんでいるというのに。

戦場で血を流して戦っているというのに。

・・・こんな平和な場所で偽弟と幸せそうに暮らしているんだね。

許せない。

・・・・・・絶対に許さない。



              その8に続く


SE5、二コ動に上がってましたね♪
CたけられたC.C  最後の方は微妙でしたが面白かったです♪
ロロの出番は多くは無かったですが、有能ぶりとクロロぶりと兄さんLove全開が拝見できて楽しゅうございました!!!!
兄さんと仲良さげだったのもポイント高いです。
ポジション的には親衛隊長ですよね?この時も。

おでん屋の方もキャラ崩壊は凄かったですが、そこを突っ込まなければ楽しい作品でした♪
・・・しかし、スザクに引かれるほど悪どいナナリー・・・凄すぎです。カグヤも。あ、カグヤはアレでも違和感ないかな?

ナナリーソングは可愛く前向きさが伺えました。
お兄様を失ってもう立ち直れないんじゃないかと心配しましたが、女は強いですね
でもきっと一生お兄様を思いながら頑張って優しい世界を作るために生きていくのでしょうね。

次回のSE6で最後らしいですが、今度もロロがいるといいなぁ・・・。
そして、最後ぐらいはしんみりと心に染みるようなお話を聞いて見たい気もします。(もちろんロロで。NTみたいなお話を希望)



これでまたしばらくはSS書いていけそうです♪♪♪←すっごい現金ですみません



遊びに来て下さった皆様、拍手、コメント下さった皆様ありがとうございました!!!
すっごく励みになります♪♪♪

お返事はこちらから


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その8
2008年10月08日 (水) | 編集 |
兄さんと夕食をとるためにリビングに向かった。

うっとおしいクルルギから離れて兄さんの顔を見ると自然と口元がほころんでしまう。
ああ、今日も綺麗でカッコイイな、兄さんは♪

お皿を渡してくれるしぐさまで気品に満ち溢れていて、さすが皇子様なだけあると毎回感心させられる。
この素敵な人が僕の兄さんだなんて、いまだに夢を見ているようだ。

でも兄さんが素敵なのは外見や仕草だけではない。
兄さんは心が綺麗でとても優しい。
・・・多分外見がもっと悪くてもこの心さえあれば僕はやっぱり同じように兄さんに惹かれただろう。

兄さんが慈愛あふれる瞳で見つめてくれると僕は暗殺者として血にまみれて生きてきたことさえ忘れられる。


いつもいつも優しい兄さん。
暗部の仲間からさえ恐れられ気味悪がられた僕を小さな子供のように優しく包んで甘やかしてくれる。
その時僕はまるで昔からこうやって一緒に幸せに暮らしてきたかのような錯覚に陥るんだ。

今日のメインメニューはシチュー。
ああ、良い匂い♪

いつも愛情たっぷりの料理を作ってくれて本当にありがとう。
僕は口下手だから中々面と向かっては言えないけど、いつも感謝してるんだよ。

そして僕に向けてくれる深い愛情にも。

今日は「ハーブを変えたからわかるか?」と言って、その白くて長い指でスプーンを華麗に持ち、美しくシチューをすくっては僕に食べさせてくれた。
僕も兄さんに甘えたくなって何度も食べさせてとねだってしまった。
兄さんに甘えていると不安な気持ちが消えていく。
兄弟って本当にいいものだ。

教団にいた頃は誰にも甘えたことは無かった。
規律だけが人々を支配する、V.Vを頂点とした灰色の世界。

その中で自由意思を奪われ、任務を果たす事だけが全てと教えられ、僕は人を殺し続けててきた。
毎日毎日毎日・・・人を殺すだけの日々。
血溜まりと死臭の中で育ってきた僕には兄さんとの暮らしは夢のようだった。

兄さんの周りはいつも優しい空気に満ちていて、いい香りがして、僕を見る目は限りなく優しい。
『ロロ・・』と呼ぶ声は低く優しく、僕を幸せにしてくれる。

幸せで幸せで、兄さんの顔を見るだけでどんな嫌な事も吹き飛んでしまう。


でも。

その幸せが砂の上に築かれたものである事も僕は知っている。
ただ、そう知っていたとしても簡単に手放す気など無い。
他の人にとっては当たり前の幸せかもしれないけれど、僕にとっては違う。

偽物でもいい。この世界が作り物であってもいい。
それでも僕は幸せなんだから。

この幸せを守るためにウソをつかねばならないならそうするし、血を流さなければいけないのなら何人でも殺してみせる。

クルルギスザク。
僕はお前を欺いてみせる。

・・・そしてもし、欺ききれないようなら殺す。







夕食後の食器洗いは僕の仕事なのでどさくさに紛れクルルギの夕食を用意する。
くそ。本当はお代わりもしたかったのに、お代わりしたらクルルギの分がなくなるので出来なかった。

嫌々だがクルルギを篭絡するためサラダも適当に作り、パンとデザートの果物も添えてトレーに載せ、兄さんにばれないようにキッチンからこっそりと自室に戻る。

クルルギは携帯の画面に転送された画面をじっと見ていた。
先に自室に戻って宿題をしている兄さんが映っている。
ずっとこうやって見張っていたのか。

僕らの生活は元々機情メンバーによって見張られている。
しかし、そうやって見張っている現場を見るのはあまり気持ちのいいものではない。
だけどそうも言ってられない。
兄さんと僕の幸せな未来のために、お前の忠実な部下を演じきってみせる。

「クルルギ卿、任務お疲れ様です。お食事を持ってまいりました。どうぞ召し上がってください。」

にっこり笑って言うとクルルギはそれを無表情に受け取った。
あれ?何か僕、クルルギ卿の気に触る事しただろうか?

「君たちは、いつもあんなふうなの?」

鋭い悪意が突き刺さる。

「はぁ。僕の任務はルルーシュと兄弟として仲良く過ごす事ですから・・・。」

「そう。任務じゃしょうがないよね。」

「・・・はい。ルルーシュに疑いをもたれないよう心して努めています。」


僕のクルルギに対する態度はこれで間違っていないはずだ。


「あの・・・あまりここにいると兄さんが僕を呼びに来ちゃいますからもう行きますね。」


そう。ここに踏み込まれたら何もかも終わりだ。
兄さんにはクルルギに売られたときの記憶が無い。
しかし、唐突に僕の部屋にいたら流石に不審に思うだろう。

そしてもし、クルルギがラウンズの運動神経を持って隠れるとしても、僕のシンプルな部屋では隠れる場所なんかほとんど無い。

隠れるとすれば・・・アレがぎっしり入っているベットの下だけだ。
それは困る。
はやくこの場から去らなきゃ・・・。

しかしクルルギは僕をじっと見据えたままだ。
動揺するな、僕。
まだ僕の事はバレちゃいないはずだ。

「あの・・・食事の後はいつも宿題を教えてもらうことになってるんです。
早く行かないと対象に不審がられます。もう任務に戻ってもいいでしょうか?」



「・・・そう、いいよ。じゃあ、頑張って。」

台詞とは真逆の冷ややかさにゾッとする。
司令室で見た穏やかさはもう無い。
その瞳には憎しみさえ宿っているように見えた。

・・・アレとかソレとかは見つかってないみたいだし、何でこんなに豹変したんだろう。
弟としておかしなところがあったんだろうか?
いや、そんなはずは無い。
今まで通りの事をしているだけだ。


・・・・・・ああ、きっとこれがクルルギの地なんだ。
とうとう本性を出してきたな。
兄さんを売った人非人め。







ロロが出て行くのを見送って運ばれてきた食事に口をつけた。
味は昔のままだった。
・・・記憶は多分戻っていないんだろう。
ロロの事も本物の弟と思って可愛がっているのだろう。

スザクは再び携帯の画面に目を落とした。

ルルーシュはロロの姿を認めると嬉しそうに自分の机を譲った。
ロロが椅子に座り、教科書を見ては問題を解いている。
それを優しい眼差しで見守るルルーシュ。

そう、昔の彼は妹思いで、意地っ張りだけど頑張り屋で、とても優しい奴だった。
ゼロとしての記憶の無い彼は、昔とちっとも変わっていなかった。



以前であれば、こういう様子を見て微笑ましいと思えたかもしれない。
でも、今は違う。
お前が忘れてしまっても、お前は罪人なんだ。
ユフィを殺した罪人。


だからここは鳥かごでなくてはいけないはずなのに。
・・・牢獄のはずなのに。

どうしてルルーシュはあんなに幸せそうに笑っているのだろう。

『お前は餌として生かされているんだ。』

そう叫びたかった。

罪の無い優しいユフィを虐殺皇女に仕立て上げた君が、何で笑っているんだ。
あんなに日本人の事を考えてくれた人を無残に殺しておいて。

彼女は特区を作るために皇位継承権さえ捨てた。

「私はゼロの罪ごと受け入れます。」

何の迷いも無く晴れやかに笑って言った彼女を汚して殺したくせに。


僕は彼女の騎士だった。
だから、新しく手柄を立てるたび、新しい任地に行くたび他の奴らは囁く。

「ああ、虐殺皇女の騎士の・・・。」

僕の事なら何と言われてもいい。
元々父親殺しの大罪人だ。

でも彼女は違う。違うんだ。

イレブンの僕に彼女は優しかった。
僕の罪を知ってもひるむ事無く微笑みかけてくれた。
それで僕は救われたんだ。
生きていてもいいんだと、あの時初めて僕は思った。

生きて償っていける。優しく強いあの方と。あの方となら。
彼女は僕の光だった。

そしてこれからも僕のような者を救っていくはずだった。
多くの日本人を、罪にまみれたお前さえ。

それなのに君は・・・。
許さない。許せない。絶対に。

いずれ命を持ってあがなってもらう。


そしてロロ、もし組織を裏切ってルルーシュに情けをかけているなら、僕は容赦しない。

『任務で』と君は言った。
でも、ルルーシュにあんな幸せそうな顔をさせる君すら今は憎い。

ナナリーも君も何もかも取り上げてルルーシュの苦しむ姿を見たい。
それであの人が帰って来ることは無いけれど、まるで事件そのものが無かったような顔で何もかも忘れて幸せに過ごすルルーシュを許せない。


あの時の記憶が無いのは君の罪ではないのだろう。
僕が皇帝に君を差し出したがゆえにそうなったのだから。

でも憎い。
僕はあの日の事を忘れたことは一日も無かった。
心から笑えた日も無かった。

自分の悲鳴で目が覚める・・・そんな日々を過ごしていたのに。


憎い。今すぐ殺してしまいたいほどに。



その9に続く



ちょっと重い展開ですので拍手お礼文にコメディ版裏話を入れました。
酒を飲めないとわかって出て行くヴィレッタとロロの攻防の話です。
Web拍手2回押しで出ます♪



今日からまた小旅行に行ってきますので次の更新は月曜深夜か火曜日の午後になると思います。
段ボール箱で燻製作りが出来るそうなので楽しみです♪♪


遊びに来てくださってありがとうございます。
SE5でちょっと復活しましたが、やはり一人ぼっちだと寂しいので来てくださる皆様にとっても励まされています♪♪♪

拍手コメントありがとうございます!!!!!
返信はこちらから



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湖面3部 緊急事態編 その9
2008年10月08日 (水) | 編集 |
ルルーシュめ。
自分の罪も知らずにのんきに弟と楽しく過ごしているなんて。
天が君に罰を与えないのなら、この僕が君に罰を与える。

ユフィ・・・必ず仇はとるからね。



本当は今すぐ出て行ってあの悪逆非道な考えを生み出した頭を踏みつけてやりたい。
・・・しかし、僕の役目はあくまでC.Cの捕獲だ。
ルルーシュがゼロに戻っていないなら直接手を出す事は出来ない。
今回は非公式だし、ルルーシュの目の前に出て行く許可を皇帝陛下からもらっていない。
あまりおおっぴらにやると皇帝の信頼を失ってしまう。


直接手を下さず・・・しかしルルーシュに最大限のダメージを与える。
そんな事が僕に可能なのだろうか。



画面を見つめるとそこには仲良く宿題をする二人の姿。

・・・そうだ、ロロを使おう。
ロロをナナリーの代わりに可愛がって同等の愛情を注いでいるなら、ロロを使ってルルーシュにダメージを与える事が出来るはずだ。

最終決戦の時、黒の騎士団を放り出してでもナナリーを救うため駆けつけた君だ。
今のルルーシュの世界の99.99パーセントはロロで出来ているに違いない。

ロロからダメージを与えられれば身体的な危害を加えずにショックで寝込ますぐらいは出来そうだ。
それで記憶が戻るなら戻れば良い。
こんな生活をいつまでも続けさせたいとは思わない。

記憶さえ戻れば例えC.Cが現れなくとも僕がゼロを討つ口実となる。
頼むぞロロ・・・。












兄さんとする楽しい宿題が終わったとたん携帯に連絡が入る。
嫌な予感がしてこっそり確認するとクルルギからのメールだった。


「兄さん大嫌い。近づくなぶ男、うっとうしい。」と言え。これは任務だ。』

・・・とある。


げ。何で僕がこの世で最も愛する兄さんにそんな事を!!
おのれクルルギ!!!

大人しく言う事を聞いていれば調子に乗りやがって。


しかしクルルギはまだ僕や兄さんに疑いを持っている。
そうでなくてはこんな所まで乗り込んでは来ない。

兄さんの部屋には監視カメラも盗聴器も山ほど仕掛けてある。
きっと僕の事も今クルルギは見張っているだろう。

どうする僕!!
これは任務。言わなければいけないのか。
いやしかし・・・。
何か・・・何か手は無いのか!?


「ロロ・・・?」

顔を青ざめさせていると兄さんが心配そうに覗き込んでくる。

そんな心配そうな顔しないで。
つらいよ。
命令は絶対。与えられた任務は果たさねば疑われる。

兄さんを守るため、一時的にとはいえ裏切らなければいけないのか。

くそっ!

でも・・・・・・。

これは・・・・兄さんのため。兄さんをクルルギから守るためだ。




僕は意を決して兄さんに視線を合わせた。
ごめん兄さん。
クルルギが帰った後で100回好きって言って1000回謝るから許して・・・。






「・・・兄さん・・・・・・。」

「ん?」

「き・・・・・・。」

「き?」

「き・・・ら・・・・・・・。」







・・・駄目だ。言えない。
そんな天使のような目で見つめないで。
ウソもつけなくなるよ。


そうだ!!
こんな時のためのギアスだ!!

僕は瞳を紅く染めて急いで

「兄さん大嫌い。近づくなぶ男、うっとうしい。」

と言ってみた。そして絶対静止の結界を解く。

くそ。何で僕がこんなことを!!!!
聞こえてないとわかっていても、こんな言葉を口にしてしまった自分に腹が立つ。

それにギアスは自分の心臓を止めなければ使えない。
・・・こんな事に使って死にたくないよ。おのれクルルギ!!!
どうしてくれよう!!!





スザクはこの様子を機情から送られてくる画面を通してみていた。

ロロは命令どおり『兄さん大嫌い』と確かに言った。

しかしルルーシュは何の変化も見せない。
おかしい・・・。
ナナリーにそんな事を言われたら血を吐いて気絶する程の衝撃を受けるはずなのに。
やはり偽弟のロロでは駄目なのか。



奴の料理を食べてみて記憶が戻っていないと確信したが、甘かった。
これだけの事を面と向かって最愛の者に言われてもノーダメージなんて事は、ルルーシュに限ってはありえない。やはり記憶が戻ってない振りをしているだけなのか・・・。
あやうく騙されるところだった。

よく考えると、ルルーシュは昔から完ぺき主義者だった。
態度だけでなく料理の味付けまで最高ランクにしてロロを餌付けして味方に引き入れているのかもしれない。

だとするとロロとルルーシュはやっぱりグルだ。
さっきの言葉も頭の廻るルルーシュのことだ、僕の命令でやらせていたとわかっていて流したのかもしれない。


・・・もっと注意深く監視して奴らの尻尾を掴まねば。
そして餌付けされたロロの目を覚ましてやらねば。

画面の二人は相変わらず仲睦まじい。
ルルーシュは本当は真っ黒な極悪非道、嘘つき大魔王なのにころりと騙されているロロが少し哀れでもあった。


「宿題も終わったし、一緒に風呂に行くか?」

とルルーシュが楽しげにロロに聞く。


何!?
・・・・・・・風呂まで一緒!?
あの年で?これも演技なのか。
兄弟でお風呂は幸せ家庭の基本とは言え、もうそういう年ではないだろう。
断れ!!全力で断るんだロロ!!!
さすがにそこまでする必要は無いぞ!!!

しかしロロは当たり前のように頷きウキウキと支度を始める。


・・・ロロ、お前もお前だ。
餌付けされて懐いてるとはいえ、普通この年まで兄弟一緒に風呂には入らないだろう。
断ってもいいんだぞ?

これはやっぱりアレか。
特殊な境遇で育った弊害か。
シチューを食べさせてもらっている時にも不思議だったが、やっぱり響団はそういう教育方針なのか。

ラブラブモードでお互いご飯を食べさせあうような不思議なポリシーで暗殺者を育てる響団で育つとああなるのか。
風呂はアッシュフォード同様の大浴場方式で、団員皆で仲良く入るからルルーシュと一緒でも抵抗がないのか。

いや、ブリタニアに共同大浴場を使う風習は無かったはず。

・・・V.Vも見かけ子供だし、響団内では意外と甘えん坊モードで日替わりで誰かとお風呂に入ってるのかも。
だとするとロロもV.Vと風呂に一緒に入って遊んでやっているのかもしれない。

しかしV.Vは永遠の子供だからいいけれど、ロロはもう16歳なのだ。
だから18歳のルルーシュと仲良く風呂に入るのはまずいだろう。
このままではルルーシュのようなブラコン駄目人間になってしまう。


・・・いや、もしかしたらルルーシュの、ロロをブラコン駄目人間の仲間に引き入れる策略かもしれない。
自分だけブラコン、ブラコンと言われるのは寂しいのでロロを引き入れてスーパーブラコン同盟を作ろうという腹黒い作戦かもしれない。
ロロがすでに篭絡されているならその可能性は十分考えられる。


いや、でもルルーシュの記憶が戻っているとしたら、むしろ僕に対しての対策か。

トイレや風呂などのプライベート空間には監視カメラが無い。

500通りに変化するブロックサインを10歳の時に考え出していたあいつだ、ロロから僕が来ていると合図を貰ってより詳細な作戦を伝えるために風呂に誘ったのかもしれない。

二人が風呂場に消えたのを画像で確認するとそっと忍び込み、風呂場のドアごしに音声を拾う。

しかし、作戦らしき会話は聞こえず、ゲラゲラと笑う馬鹿笑いばかりが聞こえてくる。
いい気なものだ。
そのうち歌が聞こえてくる。
兄弟で交互に熱唱している。

ルルーシュの音痴はまだ健在なようだ。

最後に蛙の歌を輪唱し終わるとお互い背中を流し合いながらルルーシュはミレイ会長の愚痴を、ロロはヴィレッタの愚痴を言い始める。

・・・・・・・。


洗い終わると今度はしりとりが始まる。
お前ら一体何歳だ!?

皇帝の記憶の改ざんは本当に成功しているのか???
確かルルーシュは今18歳のはずだけど、うちに来てた10歳の頃と行動パターンが全く変わっていない。(ちなみに蛙の歌は僕が教えた)
・・・いや、能天気になった分むしろ退化している。

いやしかし、歌といい、しりとりと言い、本当は何か作戦の暗号のようなものかもしれない。
ルルーシュの抜け目の無さは僕が良く知っている。


これは判定が難しい。
元親友の素の姿を探れば記憶が戻っているかどうかなんて直ぐわかると思ったのに。

その後二人は100まで浸かって出る準備をしだしたので僕もあわててロロの部屋に戻る。
そして考える。

悪知恵の廻るルルーシュはともかく、ロロのあれは、やっぱり演技ではない。
どうみてもあれは素でやっている。

ルルーシュに向ける瞳は暗殺者としてのそれではなくまるで実の弟のそれだ。

ルルーシュが演技上手なようにロロもプロだし演技上手と言われればそれまでだが、そうだとしてもあの二人の仲の良さはちょっと限度を超えている。
ルルーシュの記憶が戻っていてもいなくても、ロロはルルーシュに相当肩入れしているような気がする。

この機会に徹底的に調べなくては。きっと彼は僕らを裏切ってルルーシュについている。


・・・彼はまだリビングでルルーシュに髪を乾かしてもらっている。
今ならこっそりとロロの部屋を調べる事が出来る。
何か裏切っている証拠などが出てくるかもしれない。

証拠さえ見つければこちらのものだ。
ルルーシュを幸せにする、あんな可愛い弟はさっさと首にして、先日見かけた体重百キロの皇帝似の16歳の少年を代わりに弟役として送るよう皇帝に進言してみよう。
彼はああ見えて頭もいいし、アマレスで優勝した事もあるつわものだ。
弟役もそつなくこなすだろう。


さぁ・・・どこから探そうか。

ロロの机の引き出しを開けてみる。
中には教科書や本、ノート類がきちんと整頓されて入っているだけだった。
筆箱の中もきちんとしていて鉛筆は全部とがっている。
この中にも怪しいメモなどはない。

本棚はどうか。
機密文書を隠す時、結構本棚は使われる。

まるでルルーシュの本棚のように几帳面に分類され、あいうえお順に並べてあるロロの本棚には生活感が全く感じられず、大変怪しい。
偽装された本が無いかばさばさと落として調べていく。
・・・ここにも無い。

カーペットや鏡の裏も丁寧に調べる。
特に怪しいものは無い。

このダンボールは?
あまりにも無造作に積まれているが、本当に中身は会長からの預かり物なんだろうか。




                  その10に続く


土日に青少年自然の家の朴主宰事業に超格安で行ってきました♪
燻製を作ったり、鮭を丸一匹捌いたり漁船に乗ってタコ取りを見学したりホタテや牡蠣の殻剥きをしたりして楽しかったです♪

鮭は班ごとに一匹渡されさばくのですが、いわしやアジの手開きしか出来ないUTは同じ班の12歳の男の子に4分の3やってもらっちゃいました

なんでもパパと釣りに行ってさばくことがあるらしく、見事な手つきで、主婦暦12年のUTは完敗でした。
しかももたもたしてると思いやりのある優しい言葉までもらってしまい、どっちが子供かわかりませんでしたが、元々UTはプライドより実利を取るほうなのでやって~君のほうが上手いからと押し付けましたが快くやってくれてちょっとときめいちゃいました。
料理できる男の子ってかっこいい・・・!!
美形ではないけど12歳で168センチの彼はなんか風格がありました。

夜は懇親会で旅行のつわものたちと語り合えて楽しかったです。
私の好きな話はゴージャスな旅行談より貧乏旅行。
今迄で一番面白かったのは食パンの耳を貰いながら徒歩で日本一周した青年の話です。
ここまでのは無かったけれど中々面白かったです♪♪♪
私も若い頃テント持って日本一周したかったけれど親に大反対されて出来ませんでした。
男に生まれてたらやりたかったなぁ・・・。



遊びに来てくださった方ありがとうございます!!!
一人は寂しい~と前回言ったせいかどうかはわかりませんが、普段はお見かけしない?方からも一言コメント頂けてすごく嬉しかったです♪
まだ一人にはされてないようですね。
待っていてくださる方がいると思うとより楽しく書きたくなっちゃいます♪♪
テンション維持のためにご協力下さり嬉しいです!!

もちろん、いつも来てくださるりんさん、紅柳さん、めかりんさん、ありがとうございます!!!!
すっごく励みになります!!!

お返事はこちらから
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湖面3部 緊急事態発生 その10
2008年10月08日 (水) | 編集 |
兄さんとの楽しいお風呂で気分すっきり♪

クルルギにニコニコと笑いかけたり、あのメールでの指令に気を揉んで疲れ果てていたけれど、これでまたしばらくは頑張れそうだ♪♪


さぁ、これからが正念場。
死神同士、1対1の真剣勝負だ。

さっきの理不尽なメール。
そしてクルルギの態度。
篭絡できる可能性はだんだん少なくなってきたように思う。
でも僕は諦めない。
なにが何でも兄さんとの生活を守る。
当初の予定通り、欺ききれないならリスクは高くとも殺すだけだ。



兄さんが踏み込んでこれないようにこっそりお風呂上りに差し出した水に遅効性の睡眠薬を入れておいた。
あと30分もすれば段々眠くなって朝までドロのように寝るだろう。
その間はクルルギを篭絡するために穏やかに世間話をして引っ張る。


30分経てば篭絡が上手くいかなくてもいつでもクルルギを殺すことが出来る。
その後の死体処理と部屋の修復時間も十分ある。

頭の中で、クルルギを殺した場合の手順を再確認する。

お風呂上りということでさりげなく持ってきたバスタオル。

時を止めてバスタオルを心臓にあてがい、そのまま鋭利なナイフで心臓を切り裂いて殺す。
傷口をバスタオルで圧迫し、部屋をなるべく汚さないよう風呂場に運ぶ。

関節に沿って五体を解体するのに掛かる時間は15分。
イレギュラーが発生した時の死体処理用に響団から預かった防水性のボストンバックに詰めて人目に付かないように運び出し司令室まで持っていくのに15分。

部屋に戻り、バスタオルで押さえ切れなかった血をふき取り、染み抜きして乾かして終了。
明日朝兄さんが起きだすまでに余裕で処理出来る。

響団で仕込まれた事が役にたちそうだ。


僕の部屋は監視カメラがないから、クルルギを殺してしまっても適当な理由をでっち上げればいい。
例えば『個人的恨みで兄さんに危害を加えようとしたので止めました』・・・とか。

死人に口無し。いくらでもやりようはある。

ふふ。僕の部屋に押しかけてきた時はどうしようかと思ったが、今思えば好都合だ。
監視カメラの無い密室に飛び込んでくるなんて馬鹿だな。
・・・僕にあんな指令を出した事、地獄でたっぷり後悔するがいい。






「クルルギ卿、ただいま戻りまし・・・。」



戻ってみるとクルルギは何故か僕の部屋をあさっていた。

げげっ。僕の美しい部屋が台無しだ。
兄さんに褒めてもらえるようにいつもきちんと細部まできれいにしているのに。


引き出しもあらされ、綺麗に整頓した本棚も荒らされ、カーペットまでめくられて、鏡は床に倒してあった。

しかしアレやソレは見つかってないようでちょっとだけホッとする。
いや、ホッとしている場合ではない。

ここまでやるということは、兄さんだけでなく、僕もそうとう疑われているということだ。
殺してしまうか。しかしまだ30分経ってない。殺すわけにはいかない。


「何ドロボーしてるんですか!!いくら探しても僕の部屋に金目のものなんか無いですよ。
うちは貧乏なんですから換金出切る物と言ったらベランダのシソとネギとミニトマトぐらいのものです!!!!」


小声で叫んでみるが、クルルギは動じない。

くそっ。やっぱりこんな手通じないか・・・。

それどころか僕をフンっと一瞥すると高く積み上げたダンボールに手をかけようとする。

げげっ!!

それだけは駄目だ。
殺す前に本国に連絡を入れられたら万事休すだ。
僕はどのみち首になるし、その状況でクルルギを殺したらどんな言い訳をしてもおそらく通らない。


「・・・それは僕の私物ですから触らないで下さい!!!」

ギアスで回り込み、手を広げて阻止するが、クルルギ卿はますます疑いの色を濃くして僕を見た。


やばっ。

今の行動は失敗だった。

『ここに見られてまずいものがありますよ。』

と知らせているようなものだ。


クルルギ卿の瞳が鋭さを増す。


「・・・まさかと思うけど君、僕らを裏切ってルルーシュについているって事は無い?」

「ま、ま、まさか!!ありえません!!そんな事!!」


「・・・ふ~ん。じゃあ、何でそんなに隠すんだい?
このダンボール、実は黒の騎士団から預かった武器が隠してあるんじゃないか?

この学園にはいたるところに隠しカメラがある。しかし君の部屋にはない。
まさにうってつけの隠し場所だ。

それに君はルルーシュと本当に仲が良いみたいだし。
一緒にお風呂にも入ったりしてたけど、それって普通の兄弟としてはかなり異例だよね?」



「え?・・・あ、あの、それは・・・任務だし・・・本当は嫌なんですよ、ええ、本当に!!
でも嫌でもうっとうしくても任務は果たさなくちゃいけないし・・・。」

「それだけ?・・・本当にそれだけかい?」


詰め寄られて言葉に詰まる。


く・・・殺したい!でもまだ30分経ってない。今殺してしまったら死体処理が出来ずにこの部屋を血の海にしてしまう。
大量の血の匂いはふき取ってもかなり長く残ってしまう。
兄さんにばれないわけが無い。

何かこの場を丸く治める良い言い訳は無いか!?

・・・・・・よし、アレでいくか。本当のことだし!!!


「あの・・・実はランペルージ家・・・親の保険金だけで暮らしてる設定なので貧乏なんです。
別々にシャワーするより一緒に入った方が水道代やガス代が安くなるし・・・。

あ、そうだ!
機情に別々にシャワーを浴びていた頃の伝票がありますから比べてみてください!
何と水道代で24パーセント、ガス代の17パーセント節約に成功しているんですよ!!凄いでしょう!!!!」

にこやかに言ってみたけど駄目だった。
ますます冷たい目で見られてる・・・・・。

この成果を出した時、僕と兄さんは手を取り合って大喜びしたもんだけど・・・。

給料のいい、ラウンズのクルルギにはあんまり実感ないのかな?




「・・・君の家の光熱費になんか興味無いよ。それよりこのダンボールを開けてくれる?
僕らを裏切っていないなら出来るよね。」


ううっ。絶体絶命!!

荷物を見せたら僕は首になる。
見せなかったら裏切り者と決め付けられる。
兄さんが眠るまではまだまだ時間があるし、もう打つ手がない!!!



「・・・もういいよ。勝手に見るから。」

あ・・・と、思ったときにはもう遅かった。

不覚!!
不意を突かれてギアス発動が間に合わなかった!!

クルルギ卿は目にも留まらない速さで僕を突き飛ばし、一番上のダンボールを空けた。

「こ・・・これは・・・・・・・・!!」


「うぅっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・す・・・すみません・・・・・・。」

クルルギ卿が大量のビールに目をむく。
そして他の箱も次々と開けていく。
出てくるのはもちろんビール。
開けても開けてもビール。
更にビール。
どこまでもビール。
冷蔵庫の上から下までぎっしり入っていたビールsたち。

最後の箱にはヴィレッタ先生の机の横に置いてあったでっかい酒が3本どーんと入っていた。

クルルギ卿はソレを取り出してしげしげと眺めていたが、はー、と大きくため息をついた。

どうしよう。いよいよ首か。
いや、その前に殺ってしまうか・・・。



「・・・君も苦労してるんだね。」

クルルギ卿の目にはもう疑いの色はなかった。
変わりに浮かぶのは哀れみの色。

???

何で?

何で僕が哀れまれるの???



「コレ・・・君が書いたのか?」

「エ・・・その・・・え~っと・・・。」

そこには僕の字ででかでかと『ヴィレッタの馬鹿』と油性マジックで書いてあった。3本とも。

もう今更取り繕っても無駄そうなので、顔を引きつらせてこっくりと頷く。



「・・・確かに偽兄とお風呂に入ったり、仲良く過ごすなんて演技でもいやだよなぁ・・・。
君が酒に逃げた挙句、上司の悪口をこっそり酒瓶に書いて憂さを晴らす気持ちも分かるよ。」

「!!!」

何だかよくわからないが、誤解されたようだ。


よし、ココはクルルギ卿の誤解に乗るしかない!!!
スミマセン先生!!
でも、先生だって僕をこき使ったんですからおあいこですよね!!!!

「分かっていただけますか!!!
イヤなんです、本当に!!お風呂に一緒に入るのも、眠るのも、手を繋ぐのも、もうイヤでいやで!!!
・・・でもそう言ったらヴィレッタに怒られて罰に司令室の掃除を全部一人でさせられるんです。
そうしないと響団の教祖様に告げ口してやるって。
・・・床を雑巾で拭いて、窓も拭いて、照明器具も拭いて、ロッカーの中まで拭かされて、そこまでやら無いと許してもらえないんです!!!
おまけに今日は女装してクルルギ卿の前で踊ってこいって・・・ううっ・・・地獄です!!

でも、任務に失敗して送り返されたらたら僕はV.Vに役立たずとして殺されます!お願いですクルルギ卿!!お酒の事は見逃してください!!僕の逃げ場は酒だけなんです!!」

後ろを向き肩を震わせクルルギから見えない角度で目じりにつばをつけつつ泣いてる振りをする。


「・・・分かったよ。でも君は未成年だ。ビールは一日1本まで。週に一回は休肝日をもうけて、半年に一回は健康診断もちゃんと受けるんだぞ!!」

「・・・は、はい。ありがとうございます!!」


・・・・・・クルルギ卿が馬鹿で助かった・・・。でも、イメージしていたよりずっとお人よしで意外だ。
もっと悪辣な鬼のような人だと思っていたけど・・・・・・。

どうして兄さんと仲たがいしてしまったのかな・・・?
ちゃんと話し合えたら分かり合えたかもしれないのに。

まぁ、どんな訳があろうと僕は兄さんの味方だけれど。



「ロロ君、机貸して。報告書の作成をしなくっちゃ。」

そう言うとクルルギは穏やかな顔で何枚もの報告書を打っていった。

そうする間にとっくに30分経ってしまったけど、何故か殺してしまおうという気になれなかった。

気が抜けたままボーっと眺めているとクルルギが不意に手を止めて僕に声をかけた。

「・・・ロロ君。さっきは疑ったり、突き飛ばしたりしてすまなかったね。」

謝られるなんて思ってなかったのできょとんとしていると、クルルギ卿はまるで独り言でも言うかのように呟いた。

「僕もね。僕もつらいんだ。逃げ場がなくて。」

「・・・・・・・・・・。」

この人はラウンズ。この上ない地位を手に入れて何が不満と言うのだろう。



 

                  その11に続く

生キャラメルのレシピをネットで見つけたので作ってみました。
25分間鍋につきっきりでまぜまぜしたのに冷やしても固まりませんでした
味は美味しかったので皆でスプーンですくって食べました。
ああ、兄さんだったら簡単に作ってしまうんだろうな・・・。
次こそちゃんと固まる生キャラメルを作りたいです・・・。

寒くなってきたので夜中に起きて書くのがつらくなってきました
2日に一回を目指していましたが、今後は3日に一回ぐらいになるかもしれません。すみません

遊びに来てくださった方、拍手、コメントしてくださった方ありがとうございます!!!
これからも気軽に遊びにこれるブログ目指して頑張ります♪

あと、ロロサイト様をめぐっていると稀にうちのブログをリンクしてくださっているありがたいブログを見つけることがあります。
こちらでは(多分)お見かけしてないように思いますが、うちのしょぼいブログを気に入ってくださったのならありがたい話なので、もしリンクしてみたいという奇特な方がいらっしゃったらバナー一つ無いブログですが、リンクして下さってかまいません。
リンクの件は教えてくだされば嬉しいですが、任意です。(←うちは健全?SSばかりなので報告しづらい雰囲気があるかも?でもよ~~~~~っぽどえげつなくなければ大丈夫ですよ♪)
条件はロロの記事かSSが一つ以上ある!これだけです。

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湖面3部 緊急事態発生 その11
2008年10月08日 (水) | 編集 |
クルルギ卿が悲しそうな顔でため息をつく。


「この世に僕の味方はもう一人もいないんだ。大切な女性も、大切な友達ももういなくなってしまった。血の繋がった親戚もこの手で処刑して残ったのは血にまみれて生きる僕の残骸だけ。」


そういうクルルギ卿の横顔からは人間らしい表情がストンと抜け落ちていた。
・・・あの表情を僕はよく知っている。
小さい頃の僕だ。

人を殺す毎日がつらくて、苦しくて、僕は自分で心を殺していった。

今クルルギは戦場の白き死神と異名を取る程毎日毎日人を殺し続けているはずだ。
・・・つらいのかな。かつての僕がそうだったように。

人を殺すという行為は慣れればそう苦でもない。
動物をさばくのと同じだ。
でも、慣れるまでは地獄だ。
こんなことをするぐらいなら死んでしまいたいと何度思ったことか。


「・・・クルルギ卿はもしかして死にたいんですか?」

「・・・そうだね。そうかもしれない。死んだらもうこれ以上人殺しを重ねなくてすむし、あの方にも会える。・・・僕の父さんにも会える。」


クルルギは懐かしむような瞳で宙を見た。


「僕には家族がいませんが・・・その・・・良いお父さんだったんでしょうね。」

「ううん、全然。だけど会いたいな。・・・会えないけど。僕には呪いがかかっているから。」

「呪い・・・ですか?そんなもの・・・。」

「あるんだよ。僕には死ぬ自由もないんだ。逃げ場は本当に・・・本当に何処にもないんだ。だから進むしかない。自分の信じた道を。」

「・・・信じた道・・・自分で選べるだけ幸せだと思いますよ?」

「そう?・・・そうかな。」

「そうですよ。僕なんか気がついたら響団にいて、6歳から暗殺者でした。
V.Vからは逃げられない身だし、僕には選ぶ道なんてありません。
あなたは、選ぼうと思えば選べる身なのではないんですか?」

そう、お前は志願して、兄さんを売ってまでラウンズになったんじゃないか。

僕に選択肢なんて無かった。
何も知らない子供のまま暗殺者としての道しか進めなかった。


でも、暗殺者を辞めて兄さんと暮らせるなら6畳一間のアパートで野菜しか食べられない生活だって幸せに思うだろう。

地位もお金もいらない。
僕をこんな体にしたV.Vの事も、こんな任務を与えた皇帝の事だって許す。
僕は兄さんといられればそれだけでいいんだ。



「・・・そうだな。呪いのせいだけじゃない。僕は僕の意思でこの道を選んだんだ。
ありがとう、ロロ。目が覚めたよ。」

クルルギがちょっと儚げに笑う。


信用してもらえたみたい?
だけど、少し心が痛む。

死神といわれ、うつろな日々を過ごしてきた僕.。だけど今の僕には光も拠り所もある。

・・・でも、もうこの人には拠り所も希望も心許せる人もいない。

それがどんなに悲しいことか僕は知っている。


・・・だから、そう、お前は兄さんの敵だけど・・・・・・同く死神と呼ばれる僕から一言ぐらいは心からの言葉を贈ろう。


「大丈夫ですよクルルギ卿。生きていればいつか良い事もあります。ここまできたら迷わず軍功を上げてナイトオブワンになって下さいね。遠い地よりあなたの成功を祈っています。」

そういうとクルルギはビックリしたように僕を見た。
そして今まで見た事も無いようなふわりとした心からの笑顔を見せた。

「ああ。ありがとう、ロロ。こちらの事は任せたよ。僕は明日また戦場に戻る。」





やったあああ♪♪♪

ついにクルルギ篭絡完了だ!!!





やっぱりウソより真心なのか。
気まぐれに吐いた心よりの言葉にクルルギはいたく感動してくれた。
エリア11に偽物のゼロでも現れない限り、当分ここには来ないだろう。


そうしてまた彼は任務に戻り、ランスロットに乗って戦場を駆け抜ける。
安らぎも、心のよりどころもなく。

暗い復讐心だけを抱いて命令のまま戦う血塗られた死神。
汚れた名声はいずれ彼の心を壊し、人としての最後の感情さえ砕くだろう。

そうなればもう、人間らしく笑う事も泣く事も怒る事もなくなる。

・・・彼には少しでも長く人間でいてほしい。
兄さんに会う前の自分のようになって欲しくない。

何故かそう思った。

それは兄さんに向けるのとはまた違う不思議な感情だった。



「・・・飲みましょうか、クルルギ卿。」

「え?」

今この時ぐらいは、世界の中で一人ぼっちだなんて悲しいことを考えなくてもいいようにつきあってあげるよ。そうして愚痴でも何でも聞いてあげるよ。

兄さんの事さえなければ、悲しいこの人の事を嫌いなわけではない。


「明日の早朝帰るんでしょう?味方はこの世に誰一人いないとおっしゃっていましたが、ここに一人いますよ。
どうぞ心に溜まったものを吐き出していってください。
ビールなら山ほどありますし、酒もありますよ?(機情メンバーとヴィレッタ先生の酒だけど。)」


「え、でもルルーシュにばれるんじゃ・・・。」

「大丈夫です。もう寝ると言っていましたし。」


「・・・じ、じゃあ、少しだけ。」

クルルギは司令室では断った酒に迷いながらも手を伸ばした。
なんだ、飲めるんじゃないか。

・・・はて。そういえば僕って飲めるんだろうか?
まぁいいか。
これも経験だ。
ヴィレッタ先生が16歳なら酒ぐらいはたしなんでおけと言っていたし。


「クルルギ卿の素晴らしい未来に乾杯!!」


その日は夜通し飲んでは語り明かした。
話してみればクルルギはそう悪い奴でもなく、同じ死神と呼ばれた者同士、共通する鬱憤を吐き出したり、上司の悪口を言ってみたり、いや~~な同僚についてぐちぐち言ってみたり、なかなか有意義で楽しい時間を過ごす事が出来た。

そのうち僕はウトウトしてしまって、気がついたら朝だった。
クルルギ卿はもう旅立った後らしく、「ありがとう。楽しかった。任務頑張ってね。」というメッセージが机の上に残してあった。


うん。クルルギ卿も頑張って。
兄さんの敵として現れたら容赦はしないけど、僕もちょっと楽しかったよ。
あの時あなたを殺さなくて良かった。




やっと嵐は過ぎ去った。
僕と兄さんの幸せな日常が戻ってくる。


本棚や机の片付けは昨日クルルギ卿が手伝ってくれたお陰ですっかり元通りだし、ビールの空き缶も気を使ってくれたのかクルルギ卿の姿と共に消えていた。
ごめんね。
空気読めない奴って思っていて。
兄さんにばれたら僕が困るだろうと思ってちゃんと持っていってくれたんだね。
ありがとう。



さ、兄さんが起きてこないうちに残った大量のビール箱を司令室の冷蔵庫に戻して、ベットの下に隠した有害雑誌もこっそり焼却炉に放り込まなきゃ。



まずは絶対に兄さんに見つかりたくない有害雑誌から処分するか。

ベットの下から紐でくくられた有害雑誌を捨てるために取り出す。



でも。


・・・でも。


・・・・・・捨てる前に、ちょっとだけ勉強してみようかな・・・・・・。

ヴィレッタ先生が勉強せよせよとうるさかったし、僕の年ならこういうのも少しは読んでおいた方がいいと言もっていた。

・・・決して読みたくて読むわけじゃないよ。

僕は清廉な兄さんの弟なんだから、こんな汚らわしいもの全く興味なんてない。
そう、勉強だから仕方なく、うん、本当に仕方なく、イヤだけど社会勉強のためにちょっとだけ見てみようかな・・・・・・。

ポケットからナイフを取り出してひもを切り、一番上の雑誌に手をかける。
こういうのを見るのは初めてなので心臓がドキドキする。
一つ深呼吸して目をつぶり、思い切ってページをめくる。

そのとたんドアのガチャっと開く音と、雑巾を引き裂くような悲鳴が聞こえた。

げっ。兄さん!?


 

                その12に続く


Web拍手お礼文1のビレッタ先生の日記をその2に入れ替えました♪
一回押しで出ます。




次で多分湖面最終話です。
気力があれば本編に続ける形で終わりたかったけど、SE6発売後はロロ燃料が切れそうなのでとりあえず区切りはつけます。
それに、本編に続けてもどうせルルもロロも死んでしまうと思うとやるせないのでパラレル幸せエンドにすると思いますがご了承下さい

番外編っぽいのは書きますのでまた遊びに来てくださると嬉しいです♪♪


遊びに来てくださった方、拍手、コメント下さった方、ありがとうございます♪
本編も終わり、「もう書けないかな~。」と思うことが何度もありながらも続けてこれたのは皆様のお陰です♪♪

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僕は湖面にうつった月に手を伸ばす/最終回
2008年10月08日 (水) | 編集 |
げっ。兄さん!?

ド素人の兄さんの気配や足音に気づかないなんて僕のバカバカ!
いくらピンチが去った後だとしても気を緩めすぎ!!

でも兄さん・・・もしかして睡眠薬入りの水を全部飲まなかった?
いつもの習慣から考えても全部飲むだろうと思い確認を取らなかった僕のミスだ。

あの薬は無味無臭のはずだけど、兄さんは味覚が敏感だから何か違和感を感じてこそっと残りを捨てていたのかもしれない。



「ろっ・・・ろろがっ・・・。俺の天使がこんないかがわしい物を大量にっ・・・・・・・・!!」

兄さんは顔色を蒼白にしてつぶやいた。


「ち、ちがうんだ兄さん!!コレには海よりも深いわけが!!!!」

そう言ってあわてて立ち上がった僕のひじが、高く積み上げたアレの箱にあたり、どさどさと崩れてごろごろと転がった。


「ぎゃああああああああああああああああああ!!!!!」


兄さんはこの世のものとも思えないような凄絶な悲鳴を上げた。



「違うって、話を聞いて!!!」


僕は必死で叫んだが、その声は兄さんに届かなかった。

兄さんは白目をむいて血を吐いて気絶していた。
そしてそのまま夜になっても意識が戻らなかった。

さすがにヤバイ。
兄さんが死んじゃうよ!!

もし死んじゃったら僕が殺した事になるの?そうなの?
僕もこれまでたくさんの人間を殺してきたけど、こういう殺し方はした事が無いよ。
・・・いや、そんなことを言ってる場合じゃない。兄さんを助けなきゃ!!


あわててヴィレッタ先生の職員寮のドアを叩いて何とか中に入れてもらい、恥を忍んで事情を説明する。

最初ヴィレッタ先生は「エロ本とビールごときで失神するような奴がこの世にいるわけない。」とゲラゲラ大笑いしていたが、兄さんはそのまま何日も眠り続けて目覚める気配が全く無かった。

医療室に運んで電気ショックまで与えてみたが一瞬目を開けたかと思うと「ロロが・・・。」と呟いてまた眠りに落ちてしまう。

「仕方ない。」

難しい顔をして腕を組んでいたヴィレッタ先生が重々しく呟く。

「こちらの失態になるがクルルギ卿から皇帝陛下に記憶の再改変をお願いしていただこう。」

え・・・えぇ~~!!!
兄さんが最も憎んでいる皇帝のところにまた連れて行くの!?

ああ、でももうそうするしか手は無い。
あの記憶がある限り兄さんは夢の世界に逃避してこちらには戻ってこないだろう。
それに僕だって出来るならあの記憶を兄さんから抹消したい。
このままじゃ、恥ずかしくて顔を合わせられないよ。

・・・・・・いや、それ以前に,兄さんの弟として申し訳ない。
暗殺者として血塗られた道を歩んできた僕を天使のようだと思ってくれていたのに、僕はその信頼を裏切った。

そのせいで兄さんはこんなことに。

栄養点滴はし続けているが、元々細いからだがますます細くなっている。
綺麗な眉が時々苦悩にゆがむ。

・・・もう、手段は選んではいられない。

震える手で携帯を取り出した。

地の底まで落ち込んでクルルギに連絡を取ると


「でかした!!!!」


と褒められた。


ああそうだった。
この人は兄さんを恨んでいるんだった。
心配になって僕も陛下との会見に同行させてもらう事にした。



万が一のためにとまた拘束着を着せられた兄さんは痛々しくて見ていられないほどだった。
せめて僕が運ぼうと、そっと抱き上げて時を止め顔を摺り寄せる。

ごめんね兄さん。こんな目に合わせて本当にごめんなさい。

ぐっと涙をこらえクルルギの後について歩く。

玉座から立ち上がった皇帝がじろりと僕らを射抜いた。
・・・この人が兄さんのお父さん。
写真を見ても似てないが、実物を見ても全然似ていない。

外見だけじゃない.
兄さんを見る眼差しには温かみは全く感じられず、これが親が子供を見る瞳なのかと愕然とする。
兄さんが僕を見る目はとても優しいのに。



「ロロよ。ルルーシュの右目を閉じさせて顔をこちらに向けよ。」

僕は言われたまま指示に従う。

そして打ち合わせ通りクルルギが兄さんに電気ショックを与える。

ああ・・・。僕のせいでこんな目に。代われるものなら代わってあげたい。


兄さんがゆっくりと目を開く。

ぼんやりとした視線がゆるく焦点を結ぶ。
そして突如目の前に現れたブリタニア皇帝の姿を認めて驚愕に目を見開き、それから振り返って僕を見た。

兄さんごめんなさい。
許して・・・。
僕は精一杯目で訴えた。

その時クルルギの哄笑が響き渡った。

「お前はロロに売られたんだよ。ざまぁ~~~みろ!!!」


ななななんて事を!!!!!
そんなんじゃないよクルルギ!!!
僕は兄さんが心配で、仕方なくここへ来たんだ。
お願いだから空気を読んで~~!!!

「どうせ記憶は書き換えられるんだ。その前にロロも日頃の嫌な任務の鬱憤を晴らせばいい!」

クルルギが秋の青空のように爽やかに言う。

ああ!やっぱりあの時殺しておけばよかった・・・。
二人宴会なんてしてる場合じゃなかった・・・。

僕が凍りついているうちに兄さんの記憶は書き換えられてしまった。

どうしよう。

もし兄さんの記憶が戻ったら僕はどうなるんだろう。
兄さんを売った偽弟として憎まれて捨てられるのかな。

今までは記憶が戻ったとしても少しぐらいは僕の本当を信じてくれるんじゃないかと期待する部分があった。
でも、もう駄目だ。

・・・ずっと騙してきたのだからそれは仕方のないことだ。
自業自得と言えるだろう。

皇帝陛下がここまで周到な罠を学園に張っている事から考えてもいずれC.Cはやってくる。
そうしたら彼女の力により兄さんの記憶が戻ってしまう。
そのときが僕らの終わり。



いずれ・・・。

それはいったいいつなのだろうか。

明日なのだろうか。
それとも10年、20年後なのだろうか。


もっともっと後であればいい。
その間だけはずっと兄さんの弟でいられるから。


でも、もし明日だったら?
1週間後だったら?


記憶が戻ったら兄さんはゼロになってしまう。
僕が兄さんに憎まれる事より、兄さんがゼロに戻る事が絶対に嫌だ。

ゼロとしての道は地獄道だ。

僕は兄さんに会うまで、ゼロは僕のように冷酷で心持たない人間だと思っていた。
でも違った。

心優しいがゆえに世界を壊そうと思ったんだね。
でもそんなことを続けていると、世界より先に兄さんの心が壊れてしまう。
僕みたいに死神になってしまうよ。

それは駄目だ。
誰も喜ばない。

シャーリーさんも、リヴァルさんもミレイさんも・・・ナナリーも。



・・・いや、兄さんの記憶はこれからも戻らない。
ゼロになんかならせない。

僕が戻させない。

兄さんはこれからもずっと平和に心穏やかに生きていくんだ。

兄さんから平穏を奪う奴はここで排除する。僕の命に代えても。



僕にはずっと以前から考えていたことがあった。
それには皇帝と直接会うことが不可欠だったが、まさか兄さんが生きているうちにこんな形でチャンスが巡ってくるなんて。
今こそ計画を実行する絶好の機会だ。

幸いこの部屋には僕と兄さんと皇帝、それにクルルギしかいない。

ギュッと目を閉じてポケットの携帯を握って心を落ち着ける。
きっと出来る・・・。僕には出来る・・・。


皇帝にギアスをかけられてまだぼんやりしている兄さんに寄り添いつつクルルギと皇帝の距離を測る。
半径2メートルほどのギアスで3人とも止められる。

・・・5秒で・・・いける。


ギアス発動。
まず兄さんの手足の拘束を外し、振り向きざまクルルギのみぞおちを殴って気絶させる。
ごめんねクルルギ。
でも僕は兄さんを助けなきゃいけないんだ。

クルルギが床に崩れるのを待たず、皇帝の後ろに回りこみ、首筋にナイフを突きつける。
そこでギアスが解ける。
ギリギリだが間に合った。

兄さんが冷たい瞳の暗殺者の僕を見て、言葉にならない言葉を発していたが、もうここまできたら引き返せない。
兄さんに何と思われようと、僕は兄さんを守りたい。


だから。

さよなら兄さん。
可愛がってくれてありがとう。
心をくれてありがとう。

本当はずっと兄さんの弟として暮らしていきたかったよ。
暗殺者ではなく、幸せなロロ・ランペルージとして暮らしていきたかったよ。


でも兄さんを守るためなら・・・兄さんに優しい明日を上げる事が出来るならもう僕の未来なんて要らない。
だって僕はもうたくさんの幸せを兄さんからもらったから。
次は僕が兄さんに幸せをあげる番。


「・・・ごめんね兄さん。僕は兄さんの本当の弟じゃない。
兄さんを見張るために派遣された心を持たない暗殺者なんだ。
・・・でも優しい兄さんと暮らしたあの一年のお陰で僕は人間になれた。

だから兄さんを裏切ることだけは・・・決してしない。
・・・・・・僕を信じて鏡のカケラを持ってきて!!!」


言いながらナイフとは逆の手でポケットを探り、携帯を取り出す。

僕の命より大切な四葉のクローバのストラップの付いた携帯。
誕生日の無かった僕がはじめてもらった大事な大事な宝物。
でも兄さんの命には替えられない。

だから・・・。

広間の大鏡に携帯を思いっきり投げつけて鏡面を砕く。
破片がキラキラと舞った。
ロケットがいびつに割れてゆっくりとしたハーモニーを奏でる。

兄さんはしばらくそれを呆然と見ていたが、手のひらに収まるぐらいの小さなカケラを拾って震える手で僕に差し出してくれた。

「・・・さぁ、皇帝よ。自分自身の記憶を書き換えるんだ。さもないと・・・。」

首の動脈ギリギリまでナイフを突き立てる。
人体の構造は響団で嫌というほど学ばされた。

首を掻き切って殺すぐらいわけないが、それだけでは兄さんを助ける事は出来ない。
脅して言う事を聞かせなければ。
兄さんの未来を作らなければ。


「わ、わかった・・・よせ・・・。」

皇帝が観念したように唸った。

しかしナイフを少し引いたとたん、その時を待っていたかのように皇帝は僕の手を引き瞳を捕らえようとした。

でも。

僕にギアスは効かないよ。

そういう化け物にお前達がした。


再び皇帝の時を止め、うつぶせに引き倒し、腕を背中でねじ上げる。
どうしてこの人はこうなんだろう。

皇帝である前に、親ではないのか。
僕が憧れた親と言う存在はここまで醜いものなのか。
子供は道具でしかないのか。


「兄さんはお前のために苦しみぬいた。お前は兄さんの親だろう。親らしいこと、一つぐらいしてあげたっていいじゃないか!!」

知らずに涙があふれた。

「・・・さぁ!自分の記憶を書き換えるんだ!!」

泣きながら叫んだ。
こいつが兄さんの人生をめちゃくちゃにしたのかと思うと許せなかった。
腕が折れる寸前までギリギリと締め上げ背中を踏みつけた。


「・・・・・・・わかった・・・。」

今度こそ皇帝は観念した。


「じゃあ、これから僕の言う事を復唱しながら鏡の自分に掛けていけ。

まずは・・・お前はルルーシュの親だ。だから『ルルーシュが幸せに暮らしていけるよう守ろうと思っている』とギアスをかけろ!」

「・・・・・・わしは・・・ルルーシュが幸せに暮らしていけるよう守ろうと思っている・・・。」



「そう・・・そして『、V.Vにもルルーシュが幸せになる邪魔は決してさせないと決意している・・・。』」

「・・・・・・・わしは、V.Vにもルルーシュが幸せになる邪魔は決してさせないと決意している・・・。」


「これからは僕と協力して優しい世界を作っていこうともう決めた・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・これからはお前と協力して優しい世界を作っていこうともう決めた・・・・・・・。」


言い終わった皇帝の顔から険が取れる。
そして兄さんに優しいまなざしを向けた。


「・・・ルルーシュ。わしはお前達を守りたかった。マリアンヌを殺したのはV.Vだ。
次はお前達の番だと思った。だから日本に逃がした。

戦争の時、アッシュフォードを日本にやったのもわしだ。あの混乱にまぎれて密かにお前達を保護し、表向きは死んだ事にして偽名を与えさせ、人並みの幸せを得られるよう見守っていくように命じた。

わしが心から愛したのはマリアンヌだけ。その子供であるお前達がかわいかった。
V.Vを欺いてでも助けたいと思った。

しかしわしはV.Vを・・・兄さんをどうしても切捨てられなかった。
いつか優しかった兄さんに戻ってくれるのじゃないかと思い続けていた。
すまなかった。ルルーシュ。

・・・でも、これからはお前を守るために戦う。いくぞ、ロロ。」

「はい。陛下。共に参ります。」

締め上げていた腕を離し、僕は皇帝にひざまずいた。
ギアスによる記憶の改変の結果とは言え、この人は兄さんのお父さん。

親としての心を取り戻したこの人と僕は兄さんの幸せを守っていくのだ。
一生涯かけて。




「待てロロ!!俺にはもう何が何だか・・・!!」


混乱する兄さんに僕は一度だけ振り返った。


「本当は教えてあげたいけど、駄目なんだ兄さん。
・・・・・・ごめんね。

記憶を取り戻したら、あなたはまた修羅の道を歩む事になる。
そんなのは嫌だ。
兄さんの優しい手をこれからも血で汚さないで。

今までありがとう。
・・・今度は僕が守ってみせるから。
だから偽物の弟の事なんかもう忘れて幸せになってね。」


上手く笑えただろうか。
兄さんを欺きとおせただろうか。

必ずあげるから。兄さんが望んだ優しい世界を。

再び修羅の道を行く僕はもう、兄さんと一緒には暮らせないけれど、遠くからあなたの幸せを祈っているよ。


僕には十分な力が無かったから、皇帝に会えるのはあなたを任務に従って殺し、皇帝に差し出した時だと思っていた。

あなたに優しくない世界なんか要らないから、兄さんを殺した功績でもって皇帝に会見し、ラウンズもろとも皆殺しにしてやろうと思っていた。

あなたが憎んだブリタニア帝国をすべて壊してあなたの骸に捧げるつもりだった。

でも・・・。
あなたが生きて幸せでいられるならその方がいい。

僕があなたの側にいられなくても、あなたが幸せでありさえすればいい。

僕がずっと恐ろしいと思っていた妹だってなんとかして返してあげる。
あなたが一人ぼっちになってしまうのは僕も嫌だから。

僕があなたの一番でなくてももう平気だよ。
あなたが幸せである事だけが僕の望みなんだ。



「さよなら。僕の大事な兄さん。

・・・ずっと愛しているよ。」


もう思い残す事は無い。
僕は皇帝に従って歩を進めた。




その僕に兄さんが手を伸ばした。


「行くな・・・行くなロロ!!!
お前は偽物なんかじゃない。俺の大事な弟だ!!!!!」


え・・・?


叫ぶ兄さんの瞳が紅く染まっていく・・・。

・・・そんな。

皇帝のギアスを自力で破ったの?


兄さんのギアスから逃れるためにとっさに堅く目を閉じる。


行くなって言ってくれた。

大事な弟だって言ってくれた。

それだけでもう十分。

僕は皇帝と共に行かなきゃいけないんだ。


でも、目を閉じて動けないでいる僕を兄さんはぎゅっと抱きしめてくれた。

「記憶が戻った。俺は・・・。俺が、ゼロだったんだな・・・。」

「・・・うん。」


「お前がずっと俺のそばにいてくれったんだな・・・。」


「・・・うん。」



「・・・ではこれからも俺の弟としてそばに居ろ。」


「え・・・でも、僕は兄さんの優しい明日を作らなきゃ・・・。」


「・・・違うな。間違っているぞロロ。
お前がいなくては俺にとっての優しい明日は絶対に来ない。

遠回りでもいい。俺と共に・・・一緒に優しい明日を作るんだ。
それにお前は偽物なんかじゃない。
・・・身体を張ってここまでしてくれるのは、身内か親友だけだ。そうだろう・・・?」

「兄さん・・・。」

「ロロ、俺は記憶を失ったまま幸せに暮らす事が本当の幸せに繋がるとは思わない。
俺はもう一人の大事な妹・・・ユフィを殺してしまった。
あんなに優しく手を差し伸べてくれたのに。

・・・思い出すのは確かにつらい。でも、逃げたくないんだ。

おれはまだ彼女のために何もしてやっていない。
俺の手で償わなければならないんだ。」

「・・・でもそれはギアスが暴走して・・・。
兄さんにユーフェミア皇女を殺す気なんか全く無かったはずだ。]

「だとしても、俺は彼女を殺してしまったんだよ。お前やナナリーと同じぐらい愛していたのに。
・・・だから、俺は更なる血を流してでも平和な世界が欲しかった・・・。
でもそれは間違った考えだった。
彼女が望んだように、俺は世界を優しく変えていきたい。
でも、優しい世界にはどうしてもおまえが必要なんだ。
・・・お前を失いたくない。行くな、ロロ!!」

僕を抱きしめてくれる手は暖かくて、涙がこぼれそうだった。

僕は・・・僕はこの人の手を取っていいのだろうか。
弟として共に戦ってもいいのだろうか・・・。


おずおずと兄さんの背に手を回そうとしたその時、カーテンの陰から突如として現れたナイトオブワンが兄さんに銃を向けた。
まさか人払いをしているこの広間にナイトオブワンが潜んでいたなんて!!!
ああ、ギアスが間に合わない!

とっさに体が動いた。

「う・・くっ・・・・。」

心臓の近くを貫かれ、鮮血が滴る。

「陛下から離れるその隙を狙っていたんだ!残念だったな小僧!!
・・・でも、これで終わりだ!!!
ゼロ、覚悟!!」

剣を構え突進してくるナイトオブワンを止められない。
瞳を染めようとしても意識が朦朧として上手くギアスが使えない。

でも、まだ守れるよ、兄さんを・・・。
最後の気力を絞って両手を広げ、兄さんをかばう。



振り下ろされる剣に覚悟を決めた。

ああ・・・。幸せだったな。

酷い事を言われると思っていたのに、僕の事、本当の弟だって言ってくれた。
必要だと言ってくれた。

僕は弟のまま死ねるんだ・・・。


目を閉じて剣を受け入れるために力を抜く。
まぶたに浮かぶのは兄さんの笑顔。

初めて出合ったあの日。

『ロロ』と呼んでくれた優しい声。

僕を見つめる温かい眼差し。


深く深く刺さればいい。
そうしたら、次の攻撃までの間に兄さんがギアスをかけてこいつを仕留めるだろう。



・・・しかし、剣は僕に刺さらなかった。

目を開けると兄さんが・・・クルルギが・・・そして皇帝までもがナイトオブワンを止めていた。


「クルルギ卿・・・気がついて・・・。」

「ああ。やっと体が動くようになった。思いっきりやってくれたもんだ、ロロ。」


言葉のわりに優しい口調のクルルギが今度は兄さんを見る。

「ルルーシュ。お前はユフィのために戦っていたんだな・・・・・・。
それに僕は思い出したよ。君は身体を張って何度も僕を助けてくれた。

『・・・身体を張ってここまでしてくれるのは、身内か親友だけだ。』君はさっきそう言ったね。今度は僕が君を助ける番だ。」

クルルギ卿がナイトオブワンと睨み合う。
体術に優れた二人の間に青い火花すら見えるような緊迫感。
どちらも剣を構えたまま一歩も動けないでいる。


その間にわって入ったのは皇帝だった。


「・・・もういいのだ。ナイトオブワンよ。
その少年達を傷つけてはいけない。

わしはギアスにかかってはいない。
かかったフリをしただけだ。

・・・だが、思い出したのだ。
わしにとって何が一番大切なものなのかを。

親であるワシこそが身体を張って子供達を守ってやらなければいけなかったのに。

・・・ルルーシュ。
お前やナナリーにはすまないことをした。
そしてユフィのこと、わしは知っていたのにクルルギに何も言わなかった。すまなかった。」


皇帝のその声を最後に僕の意識は途絶えた。

目を覚ますとたくさんの人たちが僕の顔を覗き込んでいた。

兄さん・・・スザクさん・・・シャーリーさんにミレイさん。
少し離れた扉に寄りかかるようにして腕を組んでいるヴィレッタ先生、それに教師役だった数人の機情メンバーも。

「ここは・・・?」

「ここはアッシュフォード学院の隣にある専属病院だ。帰ってきたんだ俺達は・・・帰ってきたんだ、ロロ!」

兄さんが涙声で言いながら両手で僕の手を包んでくれた。

「アッシューフォード・・・。僕はまだここにいていいの?」

「ああ、もちろんだ。
・・・あれから皇帝は植民地の自治権を認める法律を制定して世界に発信した。
黒の騎士団は日本の正式な軍となり、日本の復興のために活動している。
ゼロは目的を達成し、日本軍の生き残りである藤堂に全権を任せて姿を消した。
中華とも和平を結び、今は世界の全てで戦争が終了した。」

今度はミレイさんが兄さんを押しのけるようにして前に出る。

「・・・ロロははテロに巻き込まれたの。ルルーシュに連れられて最高の医療を受けられる本国に帰っていたの。
1ヶ月の間生死をさまよっていたらしいけど目が覚めて良かった・・・本当に良かった・・・。」

生徒会の皆が涙ぐんで『良かった』と繰り返す。


今度はスザクさんが穏やかに語りかける。

「『生きていればきっといい事がある。』君はそう言ってくれたね。
僕が最も望んでいた『ユフィの願い』は叶ったよ。
日本は・・・世界は圧政から開放された。これからもどんどん変わっていくだろう。

今日僕は、ユフィのもう一つの願いをかなえるためにここに来たんだ。」

「もう一つの願い?」

「・・・『学校に行ってね』って彼女は僕に言ったんだ。

彼女は最後の一息まで誰も恨まなかったよ。
僕は中々彼女の真意に気づけなかった。
・・・でも、彼女はとっくに許していたんだ。
自分を撃ったゼロさえもね。

だから死神と言われていた頃の僕を見てもユフィはちっとも嬉しくなかったと思う。
でももう平和になってランスロットの出番もなくなったから学校に通える事になったんだ。

・・・今はね、ユフィが僕を見て明るく笑ってるような気がするんだ。」


スザクさんは目を細めて嬉しそうに笑った。

ああ、スザクさんはもう死神じゃないんだね。
良かったね。




その後見舞い客は僕を疲れささないようにとの配慮からすべて帰り、兄さんだけが僕の傍らに残った。

「・・・ねえ兄さん。ナナリーはどうなったの?」

僕はずっと聞きたくて聞けなかった事をとうとう口にした。

「ナナリーは皇女として来日し、この国の復興を手伝うそうだ。
・・・でも、学生としての籍は戻したから、時々はアッシュフォードに帰ってくるさ。
それで悪いんだけど、お前の部屋はナナリーに返してやってくれるか?」

「え・・・うん・・・。いい・・よ。」

ああ、やっぱり兄さんにはナナリーが一番なんだね。分かっていたけど寂しいよ。
僕はこれからどこに行けばいいんだろう。

「ちょっと狭くなるがお前は俺と共同で部屋を使って欲しいんだ。それでいいか?
ナナリーも年頃だし、俺と一緒って訳にはいかないだろ。悪いな、ロロ。」

「え・・・いいよ!! 悪くなんか無いよ!!嬉しい、兄さん・・・。」

気がつくと涙があふれていた。

「あと、親父がギアスで細工して、お前をブリタニア皇族籍に正式に入れた。俺の実弟・ナナリーの本当の双子の兄妹ということにしてるから、そのつもりでな。
ナナリーももう一人兄が出来てとても喜んでいた。

・・・といっても、その後直ぐ俺とお前の皇位継承権を返上して臣下の籍に下り、ランペルージ姓に戻ったんだけどな。俺にはもう野心はないし、ランペルージは母さんの旧姓だ。それでいいだろ?

それから、学園のメンバーはお前とナナリーは俺の弟妹でずっと一緒にいたと思っているからボロは出すなよ。」

「うん、・・・うん。上手くやるよ、兄さん。」


「親父はもうすぐ退位する。次の皇帝はオデッセウス兄上に決まった。
全てが終わったらC.Cからコードを受けついで響団でV.Vと暮らすそうだ。
シュナイゼル兄上もそれで納得したし、いざと言うときの保険にギアスもかけておいた。」

「・・・兄さん。ちょっとそれ酷くない?」

「酷くないさ。シュナイゼル兄上はギアスをかける前に親父の前で『オデッセウス兄上の右腕として平和のために心を尽くす。』とみずから誓ったんだ。
俺は、兄上が言った一言一句間違えずにそのままギアスをかけただけさ。」

ニヤリと笑って言うその表情は兄さんと言うよりやっぱりゼロだなぁ・・・。黒い。
それでもやっぱり好きだけど。

これから俺はナナリー、そしてオデッセウス兄上がうまくやっていけるようプランを練って学園内から支援していく。
元気になったらお前も手伝ってくれ。」

「うん、わかった。」



更に一月たち、僕はやっと退院し、懐かしい家に帰ることが出来た。

兄さんは毎日お見舞いに来てくれるものの、色々な打ち合わせがあるらしくて司令室にこもる事が多かったし、ずっと病室に一人でいるのは落ち着かない。
やっぱり家はいいな。
僕の部屋はナナリーにあげて無くなっちゃったけど、これからはずっと兄さんの部屋で一緒に過ごせる。

僕の机もちゃんともう兄さんの部屋に運び込んであった。
ミカン箱で十分とも思っていたけれど、こうやって兄さんの机と並べて置いてくれたんだね。
嬉しいなぁ。

ベットはいつの間にか二段ベットに替えられていたけれど、今までみたいに時々は兄さんのベットにもぐり込んでもいいよね?



ニコニコしていると、

「これ、退院祝いだ。あれは壊れてしまったから。」

と言って兄さんは壊れてしまったロケットと同じものを僕の携帯にそっとつけてくれた。
わざわざ同じものを探し出してきてくれたんだね。
凄く嬉しい。
そして、そのほかにも僕に綺麗にラッピングしたプレゼントをもう一つくれた。

その時呼び鈴が鳴り、兄さんが開けると共に生徒会メンバーがどやどやと訪れ、退院祝いの大輪の花束と共にたくさんのプレゼントを置いていってくれた。

生徒会メンバーが帰った後には機情メンバーが揃って現れ僕らに跪いた。

「今後我らは皇帝陛下の実子であるルルーシュ様、ロロ様、ナナリー様を密かにおまもりするために、特殊部隊としてこのまま学園に留まる事になりました。どうぞよろしくお願いします。」

え、えぇ~っ!!
跪かれたりしたら困るよ、本当は実子でも何でもないのに。

慌てておろおろしているとヴィレッタ先生がスッと立ち上がり歩み寄ってきた。


「ロロ、良かったな。もうお前は暗殺者でもなんでもない。
ただのロロ・ランペルージだ。」

ヴィレッタ先生が僕の心を読んだかのようにいつもの調子で話しかけてくる。
嬉しいなぁ。

「・・・はい。これからもよろしくお願いします。」

今度は普通の先生と生徒として。
そして共に兄さんを守る仲間としてね。

「・・・これはつまらん物だが、私達の気持ちだ。退院おめでとうロロ!!」

先生がそう言うと、機情の他のメンバーが一斉にクラッカーを鳴らし、口々に『ロロおめでとう』と言いながらプレゼントを僕にくれた。

そして最後に先生がそっと僕の手に四葉のクローバーをあしらった小さなメッセージカードを握らせる。

「・・・じゃあ私達は任務に戻る。早く全快しろよ。」

まぶしいほどの笑顔を残し、彼女は機情メンバーを率いて帰っていった。

ああ、もう何も心配しなくていいんだ。

兄さんの記憶が戻るんじゃないかと眠れぬ夜を過ごす事もないし、黒の騎士団が兄さんを取り戻しに来るんじゃないかと、ちょっとした事にも神経を尖らせる日々は終わった。


「ロロ・・・俺はちょっと用事があって夕方まで帰れない。その間に俺からのプレゼントを開けて見てくれ♪」

兄さんが片目をつぶって笑いながら出て行く。

はて。そういう兄さんは珍しいなぁ。一体何をくれたんだろう。

ロケットと一緒にもらった紙包みを大量のプレゼントの中から探し出す。

兄さんが僕のために心をこめて用意してくれたプレゼントだと思うと開けるのさえもったいなくて、ギュッと胸に抱いてから綺麗にラッピングをはがしていく。
え・・・と、何かな?本・・・・詩集かな?




げっ。



中から出てきたのはエロ本だった。


一緒に入っていたメッセージカードに

「天使じゃなくても愛しているよ。」

と書かれていた。


・・・違うシチュエーション だったらメッセージカードを見て喜びに涙しただろう。
でも、こんなのあんまりだよ。
全然喜べないよ兄さん・・・。
僕が入院していた2ヶ月の間に一体何があったんだ・・・・・・・・・・・。

がっくりと肩を落としながらも何とか浮上しようと他の人達のプレゼントを開けてみるが、開けても開けてもエロ本ばっかり出てくる。

ちなみにリヴァルさんのプレゼントはお湯を注ぐとエッチな絵が出てくるマグカップだった。
コレを清廉な僕に使えと・・・?暗殺してやろうか。

・・・おのれビレッタ先生。
僕の一生の秘密を皆に尾ひれをつけて喋ったな!!!!
あれは不幸な事故だったって何度も言ったじゃないか。

ひどい・・・もう学園内を歩けないよ。


スザクさんのプレゼントはプレミアムビール(ケースで)だった。
・・・これも微妙なプレゼントだな~・・・。

でも今度また兄さんに内緒で楽しいお酒を飲もうね。


シャーリーさんだけがまともで柔らかな色調の日記帳をくれた。
ありがとう!シャーリーさん!!!!
なんて素敵な人なんだ!!
僕はこの日記帳を心の支えに生きていくよ・・・。


日記帳のName欄にロロ・ランペルージと書き込み、しげしげと眺める。
これが・・・これからずっと使うことになる僕の本当の名前。

1ページ目に今日の日付を書き、目を閉じる。
一年経ったら、この日記帳は楽しい事できっといっぱいになるだろう。

次の日記帳にもロロ・ランペルージときっと書けるだろう。

もうつらい任務に従う日々は終わったのだ。
僕は幸せを噛み締めながら日記帳を抱きしめた。

さよなら。死神の僕。

今まで僕は、兄さんを愛すると言うことは、湖面に映る月に手を伸ばすようなものだと思っていた。
どんなに大好きでも、どんなに慕っても僕は死神。

そして兄さんは湖面に映る美しい月。
死神の手に触れられた瞬間、揺らいで壊れてしまう嘘で固めたはかない湖面の月の影。

でも僕はもう、本物の月に手を伸ばす事が出来るんだね。
触れても壊れて無くなってしまわないんだね。

これから僕は兄さんと共に歩んでいくよ。

だからまた僕を抱きしめて。


                  Fin



読んで下さった皆様、ありがとうございます。
下書きはある程度していたのですが、ちょこちょこ書き足すうちにどんどん伸びてしまい、読むほうも大変だったと思います

何度か連載物を書きましたが、一番長く、一番思い入れが深かったので終わらせるのはちょっと寂しくもありますが、無事?終われてホッともしています。

この後ロロは常識はあるけど良識は無いヴィレッタ先生や良識も常識もあるけど空気を読めないスザクや常識も良識もあって空気も読めるけど最も重要な所だけピンポイントで大失敗する兄さんと苦労しながらも幸せに暮らしていきます。

C.Cはコードを皇帝に渡しただけで死んでいません。
そのうちルルたちの家に押しかけてきます。
多分ルルとロロ二人でC.Cの世話をする事になるでしょう。

ナナリーとも本当の兄妹のようにほんわりと暮らしていきます。
今まで身近にいた女性はミレイさんとか、ヴィレッタ先生とか扱いに困る人ばかりでしたから、ナナリーと過ごして「女の子ってこんなに可愛くて素直で優しいんだ・・・。」と感動するかも?


本編のルルとロロ。
当人達はけっこう満足して幸せに死んでいったように思いますが、やっぱり未来を掴むためにあれだけ努力した彼らが生きて幸せになれないのはとても悲しかったです。
パラレルでもいいから幸せでいてほしいな・・・と思います。

番外編っぽいのや全く違うSSは12月20日ごろ(←このへんから子供らの冬休みが始まる)までチョコチョコ書いていきますのでまた遊びに来てくださると嬉しいです♪


お付き合い下さった皆様、拍手、コメント下さった皆様ありがとうございます♪♪
皆様のお陰でロロ不足にもかかわらず書き続けていく事が出来ました!!

返信はこちらから↓












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Sound Episode4
2008年10月03日 (金) | 編集 |
Sound Episode4 を聞いてみました。
・・・が、今回はちょっと微妙でした

ルルーシュのアルバイトはロロが出ていない寂しさはあるものの、文句無く面白くって、ああ、こういう人生も彼にはあったかも・・・と思いました。(ちょっと切なくなりますが)

基本的に力仕事以外何でもできそうだし、ロロやナナリーを養って静かに生きるぐらいの甲斐性は十分ありそうです。(C.Cが邪魔しなければ)

特にアパレルはカリスマ店長になって年収数千万も夢ではなさそう!!
衣服を目にも留まらぬ早業で美し~~~~くたたんだり、補正ミシンの腕が店一番とかそれだけでも凄いけど、ネットを駆使したリサーチ、宣伝、販売戦略。どれをとってもルルーシュ向きです♪

ロロとナナリーの美形弟妹をモデルに使えば売上げも更に倍増です!!!
咲世子さんモデルのメイド服も売れそうだし、セシルさんモデルの色っぽいドレスもいいですね♪
ロイドさんも口を開かなければすごく美形だし、もちろんジェレミアもカッコよくてスタイルもいい。モデルとして使えそうです。

ただ、弱点はルルーシュが服のデザインすると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・かな?
というところですが、団服はカッコよかったし、着てる私服も素敵だと思うのでまぁ思ったよりはいいかも?


ルルーシュが店員としてハンバーガーショップにいたら、間違いなく毎日通います。
夕食のご飯をダイエット食にしても通います。
ポテトも必ず買います。Lを買います。
吹き出物が出ないよう、一切肉をやめて夕食はサラダのみにしても買います。

店内には兄を心配するロロがこっそりどこかに変装しているはずです。
頑張って毎日探すのを楽しみとします。

色々アホな事を考えると楽しいお話でした♪♪♪
こういうお話はなんか癒されますね。
一人になるとどんよりしてしまいますがこれをきいてちょっと嬉しくなりました。。
私はルルーシュの日常が大好きだったから。



ナイトメアさんいらっしゃいの方は正直どうかな~~~?
色々意見があると思いますが、私はあれなら登場人物がちゃんと喋ってくれた方が面白かったと思います。
折角大宙さんもいるのにロロボイスが全然聞けなくて本当に本当に残念でした。
他の方々の声も、キャラの声で聞きたかったので私個人としては全体としても残念でした(あくまでも個人的意見です。)

もうR2のキャラたちの声を聞く機会は(既出分を除き)ほとんど無いので次回は是非それぞれのキャラでやって欲しいです




体調もかなり戻ってバイトにお茶に、だんだん忙しくなってきました
さすがに10月から増やす予定だったバイトは先送りしましたが・・・。
土日も出かけるので更新はありませんが、旦那の長いトイレの間とか、うたた寝している隙とかを縫ってよそ様サイトを廻れるといいな♪

来週からまた湖面の続きもUP始めます。
ゆっくりペースになると思いますが、細々とでも気がすむまで書ければいいなと思っています♪

金曜日にはいつも来ていたコードギアスのメルマガがもう届かないんだな・・・と思うと寂しいですけどね。
だいぶ落ち着いたけど、日曜日の5時になるとああ終わったんだなと改めて思いそう。ガンダムは一番昔の話の映画版をテレビで昔一回見たっけかな?って程度で話が分からないから多分見ないと思うし。

とりあえず立て込んでるお茶やランチの予定が落ち着いたらまず、例の漫画をTUTAYAで一気借りしてみようかな?


読んで下さっている方、ありがとうございます♪
コメントのお返事はこちらから☆







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祈り
2008年10月01日 (水) | 編集 |
私はお兄様の写真一枚持っていなかった。



エリア11でのブラックリべりオンの最中、私は見知らぬ少年に連れ去られ、ブリタニア宮殿へ戻された。

民間人として身に着けていたものは、すべて取り上げられた。
そして、ナナリー・ランペルージという名前も。


ずっと恐れていた。いつか来るこんな日を。




名前を変え、経歴を変え、お兄様と隠れ住んでいた私。
でもそこにはとても穏やかな幸せがあった。

だから私は偽りであってもナナリー・ランペルージと言う名前を愛していた。

皇位継承権なんていらない。
皇女でなくていい。
綺麗なドレスも、豪奢な馬車もいらない。

私にはこの車椅子と、最低限の生活に必要なものがあればいい。

だって私の側には何より大切なお兄様がいる。



怖いものからはお兄様が守ってくれた。
優しくて、賢くて、強くて・・・。
でも皇族ではない、私だけのお兄様。
ルルーシュ・ランペルージ。


お兄様が外出がちになると私はいつも熱を出した。

そうすればお兄様は何を放り出しても私の元に帰ってきてくれると私の体が知っていた。

優しい、優しいお兄様。

ナナリーが一番大切だよ。ナナリーが・・・・・・。

いつもそう言って私を安心させてくれた。

目が見えなくても、お兄様の温かい手から伝わってくる限りない愛情に至福を感じた。

与えてもらうだけの愛。



幼い、小さな子供だけが受け取ることを許される、そんな愛を私は少女になってもずっと求め、与えられ続けてきた。





・・・・・・そして、お兄様は壊れていった。





開かぬはずの瞳が開き、兄の顔を8年ぶりに見た。
幼いときの面影が残るその顔。

いつもみたいな優しい声。

でも、もうあの時のお兄様とは違うのだ。
私だけの兄、ルルーシュ・ランペルージではなく、悪逆皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。

彼がいかに酷い事をしてきたのか、シュナイゼルお兄様はこんこんと私に説いた。
信じられなくて・・・目の前が真っ暗になって私はシュナイゼル兄様の手にそっと触れた。

私には幼い頃から不思議な力があった。
手に触れた人の心を一瞬だけ読み取る力が。

でも、シュナイゼル兄様は皇族の正装の一部である絹の手袋を外す事は一度もなかった。
私にはお兄様の心は読めなかった。

代わりに録音したお兄様の声を聞かされた。
スザクさんが命がけで聞きだしたのだという。


お兄様の声は・・・あの優しかった声は・・・信じられないことを語りだした。


お兄様があの優しかったユフィお姉さまを殺したのだ。

クロヴィスお兄様を殺したのだ。

そして自分の命を惜しんでスザクさんにもギアスをかけた。
他にも。他にも。多くの人の意思を捻じ曲げて、ギアスをかけたのだ。


何故?


いくら考えても、答えは一つだった。

私のためだ。

こうやって連れ戻されてしまった私。

私がお父様に見つかり、連れ戻され道具とされる事を何より恐れていたお兄様。
お前だけは必ず守ってやると、繰り返し繰り返し私に言った。

私も、お兄様と離れる事だけは嫌だった。

「どうか、お兄様と一緒にいさせてくださいね。ナナリーの側にずっといてくださいね。」

私はそう言い続けたのだ。

それがお兄様にとってどういう意味に変わるのか、考えもせずに。



二人一緒に静かに暮らせれば、それだけで本当に満足だった。

ささやかな願いだと思っていた。

贅沢な暮らしを望む事も無い。誰にも迷惑などかけない。
ただお兄様と二人で寄り添って穏やかに生きる。
たったそれだけの願い。

でもそのささやかな願いをかなえるためにどれ程の努力と犠牲がいるのか私は知ろうとしなかった。

私にとってはささやかな願い。
でも、お兄様にとってはそうではなかった。

私の安全な居場所を作るため・・・私の願いをかなえるために自分の命も他人の命も犠牲にして修羅の道を進んだのだ。


・・・願い。



そう、今から考えると、最初にギアスをかけたのはきっと私

お兄様は私の願いと言うギアスにかかってくださった。

自分の心を殺し、私の願いに縛られて生きてきたのだ



人殺しをさせてしまったのも、非道な行いも・・・元をただせば私がお兄様にかけた願いと言う名のギアスのせい。

目が見えない・・・足の不自由な事に甘えていた私はお兄様に自分の力では叶わない事を求めたのだ。



私は・・・私だけは・・・・・・・お兄様を責めてはいけなかったのに。

責められるべきは私。

私だったのに。


「目を開けてください。お兄様!!」


私の叫びは届くのだろうか。



「ずるいです。私はお兄様だけでよかったのに。お兄様がいない明日なんて…ああっ・・・そんなの…」



お兄様、愛しています。

ナナリーにはお兄様が全てでした。


お兄様に恥ずかしくない私になろうと思って努力してきた。
でも、最後の最後まで愛され、守られてきただけだった。



だからこれは罰。守られるだけだった私への。信じてあげる事すら出来なかった私への。


叫ぶように泣いた。

泣いて、泣いて、泣いて・・・・・・叫び続けた。


でもどんなに泣き叫んでもお兄様はもう帰って来ない。
もう、あの優しい声を聞くこともかなわない。

思い出となる写真一枚すら持っていない。

私の開いた目の代わりのように、今度はお兄様の目は永遠に閉じられてしまった。

悲しくて悲しくて、気が狂ってしまいそう。

いえ、いっそ狂ってしまえたらどんなに楽なことだろう。





・・・・・・・それでも。


・・・・・・・それでも。



私はそれでもお兄様がいないつらい明日を生きてゆかねばならない。


お兄様が、そう望んだから。

私にも明日を・・・そう望んでくださったから。





今度こそ。

お兄様に見られて恥ずかしくないように。



お兄様が安心して眠れるように。



そして・・・・・・。





・・・お兄様にギアスをかけた罪を償うために・・・・。




                                 End




ナナリーは3番目に好きなキャラでした。
世界の明日を望んだルルーシュでしたが、最初の動機となったナナリーの幸せだけはかないませんでした。
ナナリーだけを見つめていた目はいつのまにか友を見、もう一人の妹、弟を見最後には世界の人々を見ていたからです。
でも、ナナリーはきっと自分にこそ原因があると思うでしょうね。

ルルーシュは兄弟を殺し、両親の存在を抹消し、多くの人にギアスをかけ、最後は多くの自由意志を持たない兵にフレイヤと共に消えることまで命令したのですから、ナナリーと幸せに生きるというエンドは個人的にはありえないと思っています。

でも、誰でも持っていいはずの幸せを求める心をルルーシュは自分にだけは向けなかった。
それはやっぱり悲しいことでした。


スザクがそうだったように、誰かのために命を差し出すという罰をルルーシュも求めていたのかもしれませんね。親兄弟を殺し、大切な友を死に追いやったのですから、許されていいとは思っていないはずです。

毎日ルルーシュがどんな気持ちだったのか思いをはせてしまいます。

何回も何回も追悼作を書いて、自分でもちょっとくどい?と思っちゃうけれど、自分の心の整理にはこの方法が一番いいようです。
よろしかったらもうしばらくだけおつきあい下さいね。



拍手、コメントありがとうございました。
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