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無人島パラダイス・その5
2008年08月24日 (日) | 編集 |
朝ごはんは順調に食べられた。
道具も調味料も、皿さえないけれど、枝を串代わりに使って焚き火にかざして焼いた魚はとても美味しかった。


何より監視カメラも無い場所で兄さんと二人っきりで笑いながら食べる幸福感は、他では味わうことなど出来ない。
もう、学園には戻らなくてもいいよっっ!!!。
ここで兄さんと二人っきりでずっと遭難しておきたい。

どんな不自由があってもかまわない。
いつかくる兄さんが兄さんでなくなる日におびえず、優しいこの人とずっとこうやって暮らしたい。


もっとも、実際にそれをやったら捜索隊が組まれ、あっという間に連れ戻されるんだろうけど。




「・・・どうした?ロロ?キツイのか? うちに帰りたくなったか?」

「え?ううん、全然。だって兄さんと一緒だから。兄さんといっしょなら僕はどこでもいいんだ。ずっと僕と一緒にいてね。」

「もちろんだ、ロロ。もう世界の中で俺とお前、たった二人の家族になってしまった。
俺とお前はずっと一緒だ。ずっと、ずっと。」

優しく髪を撫でてくれるこの人の本当の家族になりたい。
誰にも心許す事無く生きてきた僕が唯一甘えられ、心を開放できるこの場所を失うなんて耐えられない。
本当は監視者なんて嫌だ。
兄さんに嘘をつき続けるなんて、嫌だ。
でも、嘘をつき続けなければ僕はこの人を失ってしまうのだ。

兄さんは僕とずっと一緒にいてくれると言う。
何度聞いても、しつこいほど聞いても、当たり前のように笑って「ロロと一緒にいるよ。」と言ってくれる。

その言葉は真実でありながら、嘘でしかない。

もし、記憶を取り戻してしまったらこの人は僕の兄さんではなくなる。
その時から兄さんの顔をしているだけの、僕の敵になるだろう。


その事を考えるだけで胸が痛い。
僕は兄さんの弟だよ。たとえゼロとなったとしても、一緒に暮らして、何をするのも一緒で、一番そばに居させてくれた兄さんのたった一人の弟だよ。僕を嫌わないで。あの少女を妹と呼ばないで。

もちろん、そんな事を考えるのは筋違いだと知っている。
僕は偽者。嘘の弟。本当の本当の身内はナナリーだけだ。
記憶が戻ったとたん、兄さんは僕になど目もくれず、ナナリーにだけ優しいまなざしを向けるのだろう。

それを思うとますます僕の胸が痛んだ。 ギアスを使う時とは比べ物にならないぐらい鈍く、鋭くじくじくとうずく。

ナナリー。
今や兄さんの記憶の片隅にも残ってないはずの少女に恐怖する。
愛らしい姿をしたあの少女がいつかこの場所を取り戻しに来る恐ろしい化け物のように思えてならない。

でもそう思っていることを決して兄さんに悟られてはならない。
弟でい続けるために。






「ロロ、食べ終わったら移動するぞ。」

「え?どこに?」

「この林を突っ切れば海に出る。そっちまで行こう。ペットボトルには水を入れておけよ。もうここの水場は使えないから。」

「どうして?ここなら水も食料も困らないのに。」

「ここは会長たちのキャンプ地から比較的近い上に地図上確認できるただ一箇所の水場だ。
朝起きて俺たちがいないとなると、真っ先に探すのがここだろう。

もっとも会長の性格なら、ビックリしてすぐ探すようなことは無い。向こうも朝食をとり、俺たちがいないと遊びにならないと気づいてからの行動になるはずだ。」


なるほど、いちいちもっともだ。さすが僕の兄さん!!
会長の行動を読みきっている。

僕らはペットボトルに水を満たすと移動を開始した。


2時間ぐらい歩くと海風が強く吹いてきた。
目的地はもう近い。

「おかしいな・・・。」

兄さんが不審げにつぶやく。

「え!?道に迷ったの?」

「まさか。よく周りを見てみろ。おかしいと思わないか?」

言われて周りを見渡すが、特におかしい所は無い。
海が近いせいか岩肌が目立つようになってきたが、木々が生い茂り、かもめの群れが旋回している。

「岩をよく見ろ。色は似せているが、人造の岩だ。この辺りの地質ではありえない岩がごろごろ置かれている。何かのカモフラージュらしいな。面白い。退屈しのぎに謎を解いてやる。」

兄さんの紫の瞳が妖しく光る。

ヤバイ!!こういう時の兄さんはいくら僕が止めたって聞かないんだ。
・・・そして大体ろくな事にならない。

さっさと見捨ててかかわらねばいいのだろうが、それも出来ない。心配で。
超頭が良いのに変なところで抜けてる兄さんはさっきの水死ギリギリ事件のように信じられないところでピンチな目に合う。
はいはい、僕もつきあうよ。
大事な兄さんに何かあったら大変だものね。


兄さんは丹念にその辺を調べていたが、ふいに僕を呼んだ。

「見ろこれを。」

一見普通の岩にしか見えないそれを押すと何と地下への扉が現れた。

扉にもロックが厳重そうにかかっていたけれど、兄さんはどこをどうやったのかあっという間に開けてしまった。すごい!!!

岩肌をくりぬいた道を降りていくと、そこは格納庫になっていた。
これはもしかして・・・。

「見ろ、ロロ。ブリタニアの隠し補給倉庫だ。存在は聞いた事があるが、まさかこんな所にあるなんてな。」

隠し補給倉庫はテロ等に利用されないよう普段は厳重に秘匿されている。
そのため物資は豊富だが人はいない。あくまで非常時のためにのみ存在するのだ。

「ナイトメアがある・・・。」

兄さんが指差す方向を見ると5台のナイトメアがあった。

「兄さん、駄目だよ、帰ろうよ。こんな所に入り込んだことがばれたらただじゃすまないよ。」

「まあ待て。学園にある旧式のガニメデではなく、一度こういうのに乗ってみたかったんだ。キーを捜して起動させてみよう。」

ちょ・・・兄さん。
何を言い出すの。



やっぱりろくな事にならなかった・・・そう思ってがっくりしているうちに兄さんはこれまたあっさりとキーの置き場を探し出した。
そして、かかっていたロックを当たり前のように外してそのうちの一つを手に取る。


「あの黒いナイトメアを動かしてみよう。」

視線の先を見るとブルー系のナイトメアに混じって一台だけ黒くカラーリングされたナイトメアがあった。

「兄さんは黒好きだもんね。」

止めても無駄そうなのでため息混じりに言うと、

「ああ。でもそれだけじゃない。このナイトメアにしか出来ない事があるんだ。」

そう言うとニヤリと笑う。

あ、何かヤな予感。

「今日の昼食はコレで作る。」

「えぇええ!? ナイトメアで!!どうやって?

というか、駄目だよ兄さん!!そんなもの持ち出したら危ないよ!!!」


「ふん。何が危ないものか。操縦はマニュアルを見たが簡単だった。何よりこんなチャンスはめったに無い。
さっきは魚が取れなくてすまなかったが、今度は美味しい昼食をたらふく食わせてやる!!
楽しみにしておけ!!!!」


た・・・・・楽しみになんか出来ないよ・・・・・・・。

どっちかって言うと迷惑極まりないよ。

何を考えてるんだ、兄さん。


「ま、まさかナイトメアの砲撃で調理しようって言うんじゃ・・・。」

青ざめる僕に兄さんは冷たい視線を送った。

「何をバカな事を言ってるんだ。流石に砲撃したらエネルギーの残量で侵入者に使われた事がばれてしまう。あとで厄介ごとに巻き込まれるのは俺だってごめんだ。
それに恐竜の食事を作るわけじゃないだろう?砲撃なんてするわけ無いさ。
純粋に調理に借りるだけだ。もちろんばれないようにな。」


調理に借りる・・・。
そう言えば去年の学園祭で兄さんを売って出世したKY上司・クルルギ卿がガニメデを操って巨大ピザを焼いていたはずだ。 (失敗したらしいけど)
そのマネをしたいの?(失敗したらしいのに)

   
それとも会長の悪影響?
調子に乗りすぎるとろくなこと無いよ、兄さん。



そう思いつつも結局兄さんを止める事は出来ず、一人乗りのナイトメアに僕まで乗ってそのまま海を目指した。
うっ・・・せまい・・・・。
ナイトメアの手のひらに旅行バックと共に乗せてもらっても良かったのだが、兄さんの操縦が心配で一緒に乗り込んでしまった。
記録によると、ゼロはナイトメアの操縦がへたくそで乗った機体はことごとく潰しているそうだ。

ナイトメアの操縦は頭の良さより反射神経と戦闘センスがものをいうので、多分兄さんには向かない。
おまけに今はゼロとしての記憶も無いから、記録に載ってるよりもっとへたくそに違いない。

手のひらに乗せられてる状態でこけられたら、いくら僕でもあの世行きだ。
だから断固として断って無理やり一緒に乗りこんだ。

そして思った。

ああ、僕が代わりたい。何てへたくそなんだ。
見ちゃいられない。
切り替えが遅いし、バランスのとり方が微妙にずれてる。
ちゃんとマニュアル通りに出来てるにもかかわらず、不思議なほどに危なっかしい。

以前、複座式のナイトメアに新人のエリート騎士と共に乗り込んだときもこんなのだったのを思い出す。頭のいい人って、こういうタイプが多いのかな?


ちなみにそのエリート騎士はあまりにもイライラする操縦を続けるものだからついついスタンガンで気絶させてしまい、後でV.Vに怒られた。
なんでもそいつは僕にビビッて田舎に帰ってしまったようだ。
根性なしめ。その程度で田舎に帰るなんて。僕なんて毎日命の危機なのに。

だいたいへたくその分際で生意気に操縦桿なんて握ってるの自体が気に食わなかった。
お前なんか、いっそキーボード式のナイトメアにでも乗ってれば良いんだよと怒られた腹いせに心の中で毒づいた。
まあ、キーボード式のナイトメアなんて非効率なもの開発されるわけ無いし、あってもあのエリート糞騎士ごときに制御できる代物じゃあないと思うけど。。。

ああ駄目だ。素敵でカッコイイ兄さんを見てあんな糞騎士を思い出すなんて。僕は弟失格だ。


ため息をつきつつ兄さんを見る。
ああ・・・素敵でカッコイイ!!!・・・・・・・でも、やっぱりへたくそだ。
本当にへたくそだが、大切な大切な兄さんに「へたくそだから代われ。」と言うわけにもいかないし、スタンガンで気絶させるわけにもいかない。

第一、ガニメデで演習したことのある兄さんはいいとして、普通の高校生である僕がナイトメアの操縦が出来るというのはどう考えても不自然なので代わる事もできない。
コレはコレで大変ストレスがたまる。

いざとなったら兄さんにギアスをかけて横から手を出せるようじっと見守る事にしよう。



隠し倉庫の扉は閉じておいたのでまあ暫くはバレはしないだろう。

会長たちが水場にたどりついたとしても木々が邪魔をしてここにいる僕らを見つけることは出来ない。
音もこれだけ距離があればまず大丈夫。



兄さんの操縦に冷や冷やしながらもやっと海が見えてきた。すぐそばにはかもめの繁殖地がある。
さっきの隠し補給倉庫の上空を飛んでいたカモメたちはここから来ていたのか。


兄さんはナイトメアを操ってそのまま繁殖地である岩場に足を踏み入れる。
おお!危なっかしい割には転倒もせず意外と器用に操縦しているじゃないか!見直したよ兄さん!!!
やっぱり僕の兄さんは凄いなあ♪♪


ナイトメアにビックリしたカモメたちが次々飛び去ると兄さんはハッチを開けて僕と共に降り立った。

「よし、今のうちに卵を集めるぞ!!」

「うん!」


・・・・・・なるほど。こういう使い方があったか。

歩行だけなら距離も短い事だし、エネルギーの残量は目で見てはっきりわかるほどには減らない。
僕らは急いで卵を集めた。

小さい卵だから、一人30個はいけそうだ。
かもめの卵なんて食べたこと無いけれど、なんか美味しそうな気がする。
というか、兄さんととる食事だから、美味しいに決まっている。

あれ?でも兄さんはナイトメアで調理するって言ってなかったっけ?
こんなちっちゃい卵をどうやってナイトメアで調理するのだろう。

疑問に思いながらも両手いっぱいに卵を抱えて戻ってくると兄さんも両手いっぱいに卵を持って嬉しそうに立っていた。

「さ、次は砂浜に行くぞ。」

わけがわからなかったけれど、とりあえず兄さんの言うとおりにしておこう。
僕らは再びナイトメアに乗ると砂浜を目指した。



砂浜に着くと兄さんはナイトメアを体育座りのような形で座らせ、旅行バックをもつその巨大な手を砂浜の上で開かせる形で下ろした。


それから僕らはナイトメアから飛び降りて荷物を木陰に移し、遠浅の海を眺めた。

「ロロ、穴を掘るぞ。」

「え?」

唐突な言葉に驚くが、兄さんに従って波のとどかないあたりの砂浜に直径80センチ深さ3センチぐらいの底が平らな穴を作った。

そこに海水で綺麗に洗ったレジャーシートを引き、手ごろな石を置いて飛ばないようにする。
そして更にゴミ袋用として持ってきた小さなビニールに海水をいれ、水深1・5センチ程度に満たす。

「これでいい。」

兄さんが満足そうにうなずいた。

???

これで何が出来るのだろう?

聞いてみても教えてくれない。見た感じは小人が入るプールのようだ。
捕った魚を入れておくのかな???
それにしては水深が浅いような・・・。


「さ、次は貝を掘るぞ。」

「う、うん。」

なんだ、貝を入れておくためだったのか。たくさん捕れるといいな♪
僕らは日焼け止めを塗りなおし、真昼の強すぎる日光をさえぎるために水着の上から薄いパーカーを来て浅瀬に入った。


砂浜は柔らかく、素手でも簡単にほれる。
潮干狩りなんてやったことないけれど、兄さんとなら楽しいなぁ♪♪
魚と違ってギアスを使う必要も無いから体の負担もないし、気温が高いので足元の海水が本当に気持ちいい。

でも、こんなにキレイな海なのに、意外と貝って見つからないものだ。
一生懸命手探りで探してみるが、掘っても掘っても砂ばかりだ。

そう思って振り返ると兄さんはさっきのごみ用の小さなビニール袋にいっぱい貝をとっていた。

「え!?兄さん凄い!!僕なんてちっとも取れないのに!!!」

ビックリして叫ぶと兄さんはきょとんとして言った。

「あれ?お前も貝を採るの得意だったろう?ほら、小さい頃母さんがよく連れて行ってくれたじゃないか。たくさんとらなきゃ夕飯は無いって脅されて必死でとったよなぁ。」

うっ・・・!!
そういう事になっているのか。
でも、その記憶にある兄さんと一緒に貝をとった子供は僕じゃない。ナナリーだ。

兄さんの口からそういう言葉が出ると、本当に、本当に悲しくなる。
僕は所詮偽者なのだと思い知る。

「そっか・・・。お前まだ小さかったし、母さんが死んだショックで記憶がところどころ飛んでるんだったよな。ごめん!」

悲しそうな僕を見て勘違いした兄が謝ってくれる言葉さえ今の僕には鋭く突き刺さる。
ごめんね、兄さん。本当は兄さんに心配してもらったり謝ってもらう資格は僕には無いんだ。


「ロロ・・・。」

無言になってしまった僕の肩を優しく抱き寄せてくれる優しい兄さん。
そのまま僕をぎゅっと抱きしめて「ロロごめん。」と繰り返す。

この人を騙していかねばいけない嘘だらけの僕。 偽者の僕。謝らなければいけないのは僕の方。
ごめんね兄さん。ごめんね。 騙してごめんね。

それでもこの手を伸ばさずにいられない。
兄さんの背中に回した手に力をこめて、しがみつく。

怖くて・・・。この人を失うのが怖くて、怖くて。震えるほどに怖い。



「ロロ・・・。俺たち二人で家族ごっこしようか・・・・・・。」

そんな僕に気づいた兄さんがふわりと笑う。

「え・・・・・・?家族ごっこ?僕と兄さんは家族なのに?」

この人はいつも唐突だ。



「俺は7歳。ロロは5歳。その頃よく一緒に潮干狩りに行った。忘れてしまった記憶、俺と一緒にもう一度やり直そう。」

「そんな事・・・・・・。うん。でもやりたい。教えて。僕が兄さんとどんな風に過ごしたのか。」

これはきっと他愛ない遊び。
でも、ナナリーとの記憶を僕に塗り替えられるような気がして嬉しかった。


「よし。じゃあ、まず貝の採り方からだな。よく聞け5歳ロロ。」

兄さんは僕を抱きしめていた腕を緩めると人差し指を立てて先生のように言った。

僕は小さい子のようにコクコクうなずく。


「まずやみくもに探しても貝は見つからない。
貝は呼吸するからな、まずは目でしっかりと見てぶつぶつとした空気穴が砂にたくさん空いている所を探すんだ。」

言われたとおり波越しに透けて見える細かい砂を見て歩く。その後を兄さんもついてきてくれる。

あった!砂の中に小さいつぶつぶの穴がたくさん開いている。

「えっと・・・。ここかな、兄さん?」

「そう、ちゃんと見つけたじゃないか。えらいぞロロ。じゃあ、掘ってみろ。」

「うん!」

砂をそっと掘ると小さな硬い手ごたえがあり、それは捜し求めた貝だった。

「やった!!見つけたよ兄さん!!!」

「良かったな。貝は一箇所に固まる習性がある。その辺りをもっと探してごらん。」

「うん!・・・わぁ!!一つ、二つ、まだまだあるよ!!兄さんの言うとおりだ!!!」




ずっと冷めた心で生きてきた僕。
自分の命を切り売りして響団に居場所を求めるしかなかった僕。

それなのに、こんな事が凄く嬉しい。
すごく、すごく、すごく嬉しい。それはきっとこの人と一緒だから。

今僕は5歳で7歳の兄さんと一緒にいるんだ。
教団も任務も関係ない。優しい世界でこの人とただ二人。

楽しい。嬉しい。涙が出そうなほど。
幸せと言う心を教えてくれたこの人のことが好きでたまらない。
きっと僕はこの人のためなら何でも出来る。命すら捧げることが出来るだろう。

でもどうか・・・どうか記憶が戻りませんように。
ずっと僕の、僕だけの優しい兄さんのままでいてくれますように。
一日でも長くこの人と一緒にいられますように・・・・・・・。



一緒に仲良く貝捕りをした後は、服に着替えて調理にかかる事になった。

黒いナイトメアに僕と兄さんの水着が干してあり、パタパタとはためくのが何とも言いようのない違和感をかもし出すが、兄さんがそうしろと言うのだから仕方ない。

「ところで調理ってどうするの?火は起こさないの?貝は?」


「貝は明日の朝食に使う。一晩砂抜きしないと食べられたもんじゃない。これは重要事項だから覚えておけよ。あ、でもロロは5歳だから無理か。」

「ううん。賢い5歳だからもう覚えたよ♪」

そう言うと兄さんはふきだした。何かおかしかったかな?僕。



「今日の昼食は目玉焼きだけだ。でも、他では食べられない最高の目玉焼きを食べさせてやる。」

兄さんは、貝捕りの前に作った小人のプールのような海水を貯めていたレジャーシートの所に行った。
でもこの暑さで海水はすっかり乾いて無くなって、白い粒が残るのみだ。

「あ!そうか!!兄さんこうやって塩を作っていたんだね?」

「正解だ、ロロはえらいな。本当はソイソースが欲しい所だが、天然塩というのもなかなかいけるぞ。」

「うんうん。楽しみ!!!・・・・・・だけど目玉焼きはどうするの?僕、たきぎを集めてこようか?」

「いや、いい。火は使わない。火を炊くのはもっと夜になってからだ。卵を持ってついてこい。」


言われるままに大量の卵を持ってついていくと、そこはさっきのナイトメアの前だった。

ナイトメアで調理する。兄さんは確かそういっていた。


「ふっ・・・。思ったとおりだ。計算は完璧だ!ふはははは!ついにこのときがやってきたのだ!!!」

は?一体何事?

首をかしげていると、兄さんは砂浜に開いたままの形で置かれていたナイトメアの手のひらに卵をポトンと割り落とした。

その瞬間、じゅ・・という音がして、黄身だけ半熟の小さな目玉焼きが出来上がった。

「え・・・・・・。黒のナイトメアが良いって言ってたのはもしかして・・・。」

「その通り。黒は最も日光を吸収する色!!この炎天下にさらして置けば、温度が上がり続け、小さなかもめの卵ぐらい簡単に焼ける。
ふふ・・・。やれる!やれるじゃないか、あーはっはっは!!」

・・・兄さんが壊れた・・・・・・。どうしよう。溺れた時の後遺症かな?

でもどうしようもなさそうなので、僕も兄さんにしたがって小さな卵をナイトメアの手のひらにポトン、ポトンと落としていった。そのたびに小さくじゅ・・・という音がして目玉焼きが出来上がる。

あれ、どうしよう。楽しいかも。結局僕も笑い転げながら30個の卵を目玉焼きにして天然塩で食べた。(ちなみにナイトメアの手のひらはあらかじめ兄さんが 拭いていたみたい。)
普段手の込んだ料理ばかり作る兄さんがこんなワイルドな料理をするなんてビックリだけど、なんか兄さんの新しい一面をかいまみたようで、それもとても嬉しい。

兄さんと食べる目玉焼きはすごくすごくおいしくて、楽しくて、きっと僕はこの日を一生忘れないだろう。



            その6へ続く




今日は旦那が出張なので伸び伸び書けるぞー!!と思っていたら、娘が突然起きてきてビックリしました

対旦那ようにはいつもダミー画面の中に小さく窓を開いて何かあればワンクリックで全て消せるようにしているけど、画面もギアス関係のものをいっぱい開いていたので慌てました~

寝かしつけてまた作業再開しましたけど、ちょっとドキドキです!!
小4のくせに分厚いハリーポッターや中高向けの文庫本も軽く読む長女は私がなんかしてると興味しんしんでよってくるので油断なりません


車の上で目玉焼き、皆様はあこがれた事ありませんか?
私はあります。なので、黒いナイトメアを見るたびあれで目玉焼きを焼いてみたいなぁと妄想しておりました。
SSの中で夢がかなって幸せです♪♪(←アホですみません。)

ちなみに本当にそんなことが出来るのか調べてみましたが、出来るようです。
ただ、ちょっと暑い日ぐらいでは出来ないようです。
九州、沖縄などでは成功しているよですが、関西程度の暑さでは難しいようです。
なので、この無人島はわりと南の島だと思っておいて下さいね

気がつけばなが~~い文になってしまいました。
読みにくくなければいいけど・・・。

半分に切って載せようかと思ったけれど、まとめた方が良さそうなのでこのまま載せちゃいました。
下書きを使い切ったので、明日更新できるかは微妙ですが、書けたら書きたいです。

木曜日夜からまた主人の実家に帰らねばならないので金曜から日曜日まで、更新はありません。
もしかしたら何となくわかるかもしれませんが、主人の実家の方はちょっと今大変です。ちゃんと手伝わなくっちゃ。
ばててたら月曜日も更新して無いと思います


遊びに来てくださった方、ありがとうございます!!
拍手コメント・管理人宛コメント下さった方、お返事はこちらです♪








浅田 りん様

『なんだか一人の女としてより、ルルを見守る母親に見えてなりません。CCはマリー様よりもよほど・・・。』全くです。
ルルがつらいときはいつも一緒にいてくれて、ユフィをギアスにかけてしまったときも抱きしめてくれましたよね(泣)
あの時の優しさは嬉しかったですっ!!!
でも、マリアンヌはC.Cから色々聞いていたはずなのに無神経にユフィの名を出したりしているし、ルルやナナリーの悲しみや絶望が全然わかってないよ。

でもまあ、C.Cとスザクがルルの側に残ってくれてよかったです。
ロロも居なくなってC.Cは記憶喪失だったから。
でも、ルルの隣にはロロも居て欲しかったなあ・・・とまだしつこく思っています

めかりん様

『カレンがC.C.を奪わなければ、不老不死の研究などせずすぐに父上に緑の髪の魔女を連れて行けば、物語は始まらなかった・・・。』
おお!確かに!!
もしも・・・ってつい考えちゃいますね

めかりん様も探しているSSがあるんですね。
そのSS多分読んだことないけれど、ストーリーを聞いて読んでみたくなりました!!
もし見つかったら教えてください~!!
私も頑張って見つけます!!
みなさんそうでしょうけれど、ロロを求めて100を軽く超えるサイトをさまよったので、『アレをもう一度読みたい!!』と思っても埋もれてわからなくなっちゃうんです。しくしく。
わかりやすいサイト様はいいんですが、どうやって探したのかも思い出せないところも多くあります。
それなのにすべてのリンクサイトを回った後、暇さえあればまだ新しいロロサイトを探してます♪


RUY様

無人島感想ありがとうございました♪♪ぷち家出、前途多難ですが、ラブラブで楽しい家出になるといいと思っています♪♪
おぼれちゃうのがルルらしいですか。やった!だってDSのルルを見ても超泳ぐの遅いし、ロロがいっぱい魚をとってるのを見たら実力も無いのに負けず嫌いパワーを発揮して溺れちゃうんじゃないかな~なんて考えちゃいました
『盤上ニコ動のロロバージョンのセリフが、最後黒くて素敵ですね』でしょ!でしょ!!
あれを見て素敵と思ってくださる仲間がここにもいらっしゃって嬉しいです♪♪
苦手な水泳勝負を持ちかけて賭けに勝ち、兄さんとの約束の手料理を食べることが出来る事になって超喜んでるロロも黒可愛かったです♪
兄さんの手料理のために手段を選ばず!!ってところが可愛すぎ!!!

本と例の物楽しみにしています!!!
木曜日に出かけて月曜の朝帰って来ますので到着・お礼のコメントが遅れるかもしれませんがお許し下さい
同人誌を買うのはもう10年ぶりぐらいになるのですっご~~~~~く楽しみです♪♪
コメント
この記事へのコメント
こんばんは、小説読みました!
無人島0円生活は楽しそうですねーー!!二人!ルルが途中より、壊れるのがおもしろかったです^^ロロひやひやですね。(笑)ロロにとってこんな極上の目玉焼きはなかったでしょうね^^幸せな卵焼きですね。兄さんの記憶が戻らなければずっと一緒だったかなーーーと思ったりも^^
何もなくても一緒にいれば、幸せな二人っていいなーと思いました。^^かわいい。
ところで、本他、3日に発送できました。
到着・お礼のコメントが遅れるかもしれませんが、、、は、気にしないので気を使わないでくださねー^^10年振なのに、、、こんな本ですみません!(先にあやまっておきます。)笑。
2008/09/04(Thu) 00:34 | URL  | RUI #JalddpaA[ 編集]
RUI様
おはようございます!
感想ありがとうございました♪
無人島ゼロ円生活、ルルとロロが力を合わせたら意外と生き延びれるかもしれないですね☆(力仕事担当ロロ・頭脳労働担当ルルーシュ)

記憶が戻らなかったらささやかな幸せを維持したままずっと過ごせたと思うと私も残念です。
ロロもギアスを使う機会がほとんどないから長生きできたのに・・・。
本、十年ぶりなんですか?
それであの画力・・・!!
凄いの一言です!!!
2008/09/09(Tue) 09:44 | URL  | UT #L1ch7n1I[ 編集]
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