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僕は湖面にうつった月に手を伸ばす その7
2008年09月18日 (木) | 編集 |
僕は夜の闇の中を夢中で走った。

どうか、どうか、兄さんの記憶が戻っていませんように。
走ってたどり着いたのはヴィレッタ先生の住む職員寮だった。

他の同僚に相談は出来ない。気づかれてもいけない。
僕が頼りに出来るのはヴィレッタ先生だけ。
そんなすがるような気持ちで訪ねたのに、出てきたヴィレッタ先生は半分酔っ払って、しかも下着の上から申し訳程度にシャツを引っ掛けただけという女性としてありえない格好だった。

おまけに僕を見るなりドアを閉めようとした。

閉められてなるものかと足と肩を入れて叫んでみたところ、やっと部屋に上げてもらう事が出来た。
さすがに職員寮にまでは監視カメラは無いが、誰かに見られたらそれはそれで厄介だ。

僕はもう、兄さんの事を思うと胸が締め付けられて気が遠くなってしまいそうなぐらいあせっていたが、何故か気がついたらビレッタ先生の小汚い部屋のだらしない流しを片付ける羽目となっていた。

それでも何とか先生の協力を得て、まさに出発しようとした時、

「ロロ、トイレ。」

女性としてあるまじき先生が、またしても女性としてあるまじき発言をした。

「トイレなんか、我慢してください!!こうしている間にも兄さんが危ない目にあってるかも知れないんですよ!!」

「何だと、ロロ。私に病気になれと言うのか?
ビールをたくさん飲んだからな。トイレに行ってスッキリしておかないとまずいんだ。
それとも何か?
私が途中で漏らしたら責任を取って嫁にでももらってくれるのか?」

「・・・いえ、そんなのあり得ませんから。分かりました。3分で行ってきてください。待ってます。」

「待ってる!?女がトイレに行こうと言うのにその前で待ってる!!
外で待て。ばか者!!!」

気が焦ってしょうがないのに僕は外にポイっと放り出された。
ええい、先生め。
イライラして時計を見ながら待つとスッキリした顔の先生が4分後出てきた。

「私のバイクで行くぞ。後ろに乗れ。」

うながされ、女性用らしからぬ大型で無骨なバイクの後ろに乗る。

一応あんなのでも女性なので「僕が運転しましょうか?」と言ってみたが一蹴された。
こんな事で争っても仕方がないので僕は素直に乗せてもらう事にした。




夜の街は治安が良いとは言いがたい。
途上エリアであった頃でさえそれほど良くなかったのにブラックリべリオンで矯正エリアに落ちてしまった今となってはなおさらである。

長い髪をなびかせた見かけだけは美女の先生と小柄で中学生風の僕。

学園を出て人気の無い大通りを爆走していると数台の暴走族風の奴らが急接近してきた。

うざい。

急いでいるのに邪魔をするな。

殺意が芽生える。




「ロロ、これぐらいなら振り切れる。ギアスも銃も使うなよ。」

まさに、懐から銃を出そうとした時、ヴィレッタ先生からいさめられる。
後ろにも目があるのかこの人は。

「わかりました。お任せします。ただし振り切れなかったら全員僕が殺します。」

心の中では「こんなくず共、さっさと殺しておいた方が楽なのに。」と思っていた。

死人に口無し。
殺るなら全員。

でも兄さんの居場所を知っているヴィレッタ先生の機嫌を損なうのは得策ではない。
今は任せるしかない。

先生は追ってくるバイクをすり抜けるように加速し、振り切ろうとする。
ナイトメアの加速に慣れてる僕だけど、直接風を受け、視界も低いバイクとナイトメア機乗時の体感速度は全然違う。

早い。一体何キロ出ているんだろう。
とにかく公道ではありえないスピードで見る見るくず共を引き離していく。

ただ一台ぴったり付いてきたリーダー格のでかいバイクに乗ったガラの悪い大男を振り切れば何とかなりそうだ。
ただ、相手もプライドをかけて必死で追ってきているのでこの一台が中々振り切れない。

「殺しますか?」

再び銃に手をかけようとすると、またしても止められた。

「私があんな奴に負けると思うのか?しっかりしがみついてろよ!!」

言うや否や先生はスピードをわずかに緩めた。
え!?
振り切るんじゃないの?
追いつかれちゃうよ!!

髪を派手に染めたヤンキーのバイクが迫る。
そしてほとんど真横に並ばれてしまった。

・・・・・その瞬間、ヴィレッタ先生は併走するバイクを思いっきり蹴った。
蹴られたバイクは転倒してみる見る間に遠ざかっていく。

「な♪ 大丈夫だろ?
あの3倍の数で囲まれた事もあるが、屁でもなかったぞ?
おまえもギアスなんかに頼ってないでちゃんと腕を磨け♪♪」

楽しそうに言うビレッタ先生はきっと昔レディースの頭だったに違いない。
ギアス無しでは勝てないかも・・・・・・。
明日からはヴィレッタ姐さんと呼ぶか。



先生がバイクでぶっ飛ばしてくれたお陰で貴族のお屋敷には予想よりはるかに短時間で着いた。


兄さんのいるさる貴族のお屋敷がある場所は、いわゆる高級お屋敷街で町よりはずっと治安がいい。

だからと言って油断できるわけではない。
お貴族様を狙った強盗やテロ、そんなものが横行している。
それにお屋敷で雇われている警護の連中も賭博をやるような貴族を守っているのだから多分ろくでもない連中だ。

そんな場所に兄さんが・・・。

心配で心配でたまらない。
賭けチェスを学生とやろうとするような頭のイカレた貴族の所に行くなんて、兄さんもどうかしているよ。
それこそギアスの力でも借りないと、武術はからっきしの兄さんに身を守るすべなんか無いはずだ。


「記憶・・・戻ってませんよね。」

バイクから降りざまぽつりとつぶやく。

自分に言い聞かせるように。

「さあな。戻っていたら、どうするんだ?」

ヴィレッタ先生が不吉な質問をする。
僕はしばらく黙り込んだ。

流れる風が髪を揺らし、薄い月がほのかに僕らを照らす。



「・・・・・・殺します。僕が。だから急いでください。追跡部隊なんかに兄さんを殺させるわけにはいかないんです。」


「殺せるのか?」

「殺せます。どうせ逃げたってブリタニアからは逃げ切れません。他の奴らに殺させるぐらいなら僕が殺します。そして僕も後を追って死にます。」

「・・・まぁ、お前ならそう考えているだろうと思ったよ。
全く、分かりやすい奴だな。お前は。」

ヴィレッタ先生はまたため息をつく。


「先生、僕は兄さんを決して苦しませたりはしません。
だって、兄さんが大好きなんです。僕を人間にしてくれた人なんです。
・・・でも、血で汚れてしまうでしょうから、綺麗にして美しい棺に入れて弔ってあげてください。」

「・・・・・・。」

「必要なのはC.Cのみと聞いています。
死体の検証がすんだらどうか僕も兄さんと一緒に埋めてください。お願いします。」




ずっと考えていた事だった。
もし兄さんの記憶が戻ったなら僕が殺す。
そして僕も死ぬ。
それが一番幸せな道のように思えた。

後の事がどうなるのか、僕には分からない。
だからヴィレッタ先生を頼った。

功績は先生のものとすればいい。
こんな厄介事を頼むのだから。


でも先生の口から漏れたのは意外な言葉だった。


                       
                                    その8に続く


拍手お礼文に昔書いて本編のダメージに打ちのめされてUPできなかった『下僕兄さんと僕』その後のオマケ1をUPします。

浅田リンさんに教えていただいたのですが、拍手お礼文はどんどん入れていっていいものらしいのでそのままどんどん入れていくことにしました。
もう随分前のお話の番外編ですが、読んでみようかな?と言う方は大変お手数をおかけして恐縮なのですが、拍手を3回押してみてください。多分出ると思います♪


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昨日のギアスはすごく胃に優しい回だったですね♪
こんな所でこんな良いキャラが死んでしまうのということはしょっちゅうでしたが、まさかコーネリアとギルフォードが生きていてくれたとは!!!
すごくいいシーンでした。

でも、シュナイゼルも何でコーネリアを生かしておいたのだろう。
あれだけ有能で、しかもシュナに賛同出来無そうなコー姐さんだもの、生きていたら邪魔になるのに、生かしておいたということは、それでも少しは愛情があったのでしょうか?(そうだったらいいな。ダモクレスと共に見捨てられそうではあったけど

ルルーシュとC.Cのシーンも前回に引き続き良かったです。
C.Cは今まで生きるという事は経験の積み重ねとしか捉えていなかったけれど、自分の人生を人として歩み始めたようです。
ロロもルルーシュに人間にしてもらったけれど、それはC.Cにも言える事なのかもしれません。

カレンは最後まで敵に回って欲しくなかったキャラだけど(ジノも)スザクでさえ大どんでん返しがあったので、ルルの味方についてくれないかと今でも願っています。

ただ、ルルーシュの嘘を見抜けたのはロロとスザクただ二人。
カレンはゼロを慕う期間は長かったけれど、ルルーシュ個人を知る機会が少なかったのでルルの悲しい嘘を見抜けなかったのかな?
その点、ロロやスザク(やシャーリー、ユフィ)はルルーシュ個人の本質を知っていたのでルルの本心を見抜けたような気がします。
カレンは1期の最後でもそういえばゼロの正体を見て去っていきました。
そこがシャーリーやロロとは決定的に違いそうです。
でも、カレンの事もまだ好きなんですけでどね

ルルとスザクも今回良く頑張ったしカッコよかった!!
そして兄さんがロロの事をしっかり思い出して心の礎としてくれていたのが嬉しかったです。
ロロは兄さんの幸せと未来を求め必死に頑張ってくれました!
シュナイゼルに勝てたのはロロのお陰でもあると思います。

そして、ルルの中にマオがいたのも嬉しかったです。
ロロは一つ間違えばマオのようになってしまうキャラでした。
マオも純粋すぎて求める気持ちが強すぎておかしくなってしまった可哀相な奴です。
ほかの事はどうでもよく、ただC.Cが自分を好きでいてくれる事と一緒にいてくれる事を望み、その他に野心も欲も無かったように感じました。
ルルはマオを冷たく笑いながらも何か感じるところがあったのかもしれません。

咲世子さんたちの裏切りは、あれは作戦の一部みたいだから来週が楽しみです。
もしかしたら咲世子さんを生き残らせるためのあの行動自体が作戦名でもう終了しているかもしれませんが、切羽詰ったあの時に、大事な人たちを生かす策を考えていたルルーシュが好きです♪

もしかしたらナナリーより、咲世子さんの方がルルーシュと言う人をよく知っているかもしれませんね。
そうでなければ命がけでブリタニアの皇子に仕えてくれるはずがありません。

とうとうナナリーの目が開きましたが、ナナリーはそこにゼロを見るのでしょうか?
それともルルーシュを見るのでしょうか?


拍手・コメントありがとうございました♪
とてもとても嬉しいです!!もうすぐギアスも終わりですが、皆様と共にこの寂しさを乗り切っていけたらと思います!!

返信はこちらから





めかりん様

ありがとうございました!!
そしてごめんなさい
どなたのかはっきりわからなかったのですっかり勘違いしてしまいました

「瀬戸の花嫁」、面白かったみたいですね♪
あの早口から想像するとロロとはだいぶ違うキャラでしょうが、声を聞けるだけでも幸せになれそうです☆
そのうえ面白いなら最高です!!
私は声優関係にもすごく疎いので助かります♪♪
昔ファンだった声優さんもほとんど見かけないし、ヤッターマンと鬼太郎ぐらいでしょうか・・・知ってる声優さんでてるのって?(そもそもあまりアニメ見ないからよくわからないけれど
でも、ルルーシュもロロも本当にいい声ですよね~♪♪うっとり・・・

ヴィレッタ面白いー。私もヴィレッタか咲世子さんから、色々教えられるロロを想像している時がありました..・・・ということでしたが、やはり母親モードでロロを見ているので似た思考になるんでしょうね♪♪
ロロ・ヴィレッタコンビ。ロロ・咲世子コンビはかなり異端だと思うのでお仲間がいてこんな心強い事はありません♪♪♪
ただうちのヴィレッタと咲世子はかなりアクが強くてルルーシュみたいに優しくないからとんでもない話ばかりでございますが

ナナリーと話してる声は兄声で、ロロにもおんなじ感じで話していたなあと・・・私もそう感じました。ルルは弟妹と話す時はすっごい優しい声ですよね。
・・・でもナナリーの気持ちは揺るがないのかな・・・?

「僕は鳥になる」の歌詞、ロロそのままでしたか
ロロは愛されてるなあ・・・♪♪すごく嬉しいです!!!!!!

シュナイゼルが跪いてるなんて・・・あれは色んな意味で最高でした!!
これなら全員死亡エンドは回避できるのかなぁ・・・でもギアスだからなあ・・・。
でもちょっとだけ期待してしまいます。これまで鬼のようにむごい展開だったのだから最期ぐらい優しい終わり方でも良いような・・・。

めかりん様のSSぜひ読みたいです♪♪
あの半端じゃない洞察力と知識とロロに対する愛情を動員するわけですから期待せずにはいられません♪♪♪


浅田 リン様、RUI様、コメントありがとうございます♪♪
今日もロロのお話が出来て嬉しいです♪
コメント欄からお返事しますね☆
コメント
この記事へのコメント
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2008/09/22(Mon) 16:25 |   |  #[ 編集]
それは先生~♪
拍手最高です!
とある女教師(もどき)による改ざん報告書(爆笑)

今回の湖面月もやはり先生!
・・・過去が気になる所です。
すごいよ先生!
ただのおやじ(先生は女性です!)じゃなかったんだね、先生!(笑)
ロロのギアスなかったらロロより強い!?

拍手は、ええ、入替えられる所もありますが、そのまま後から後から入れていかれる所もありますよね。
半年位変えずに放置してたりするとか・・・・。
こればっかりは管理人様の性格次第ですね。
2008/09/22(Mon) 21:47 | URL  | 浅田 リン #-[ 編集]
浅田 リン 様
拍手、見てくださったんですね♪
わ~い♪♪
本文に続いてUP予定だったんですが、R2見て打ちひしがれてそのまま出すタイミングを完全に失ってしまっていたのでお礼文にUPできてすごく嬉しかったです♪♪

拍手を押してもらうのは励みになりますし、今連載しているものとは全く違う作品を無理なくUP出来るという意味で拍手文をつけられるのは私にとって画期的でした!!
ありがとうございます!!
リン様のお陰です♪♪♪

ヴィレッタ先生らしい修正文章になっていたら嬉しいです♪
ただ、連載していたのが随分昔なうえ、パラレル設定なので元作品を知らない人には楽しめないんじゃないかと心配でしたv-356
リンさんに楽しんで頂けて嬉しいです♪

先生は庶民上がりであのジェレミア卿の側近となったのだから、腕は相当なものだと思います♪

ロロは咲世子に腕相撲で負けるらしいですので(ラジオ番組より)かなり鍛えていても二階の窓からルルーシュめがけて飛び降りちゃう先生よりは弱そうです(ギアス無しなら)

拍手は時々順番を入れ替えてみますね♪
その7に対して今のところ63拍手はいったけれど、小心者なので押してくださった皆様にお手間をかけているのかと思うと心苦しくてv-356
慣れればもっと早く作業していけると思うので、なるべく少ない手間で読んでいただけるよう考えていきたいですv-356

また色々教えて下さいね☆
いつもありがとうございます♪
2008/09/22(Mon) 23:56 | URL  | UT #L1ch7n1I[ 編集]
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2008/09/23(Tue) 13:22 |   |  #[ 編集]
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