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明日は・・・
2008年09月29日 (月) | 編集 |
「最後に随分豪快な嘘をついたね、兄さん。」

「ロロ!」

そこには半分透けたロロが居た。
そして、自分の手を見ると、それも透けていた。

意識を戻すと周囲からは俺に向けられた怨嗟の声。声。声。

ざまぁみろ、悪魔め。

絶対許さない。

天罰が下ったんだ。

ユフィの時とは比べ物にならないほどの悪逆皇帝への呪いを吐きながら、人々はゼロを讃える。



・・・・・・ああ、俺は、やりきったんだ・・・。

スザクも。ジェレミアも。咲世子も。ロイドも。セシルも。
俺の意思を貫かせてくれた。

これで罪が許されたなんて思わない。でも、この命を世界に捧げる事でみんなの明日が掴めるなら、少しは贖罪になったのではないかと思う。



「嘘つきだね、兄さんは。」

呆れたようにロロが言う。

「ごめんロロ、お前からもらった命、皆の未来のために使ってしまった・・・。」

「それはいいよ。だってそれは兄さんの意思なんだから。生きている人間の意志は、誰にも止められないんだよ。僕だってそうだった。
でもね、僕は兄さんに絶望して死んで欲しくなかったんだ。だから守った。自分の命を使うことになっても。」

「ああ、それは・・・。」

「今は、満足・・・だよね。やりたかった事をやり遂げられて、兄さんらしい、いい顔しているよ。今までのうちでも一番いい顔だよ。気がついてる?」

「ロロ・・・。」

「お疲れ様、兄さん。頑張ったね。やっぱり僕の兄さんはカッコイイや。」

そう言って俺をギュッと抱きしめてくれるロロは温かかった。お互い死んでいるのに、生きていた時の感覚は残るようだ。


その間にも俺への怒声は絶える事は無い。
ロロに身を預け、じっとその恨みの声に耳を傾ける。




「頑張ったね。頑張った・・・。兄さんは頑張った。」

俺の背に回した手であやすようにぽんぽんと叩きながらロロは俺に「頑張った」と繰り返した。
それはまるで母親が小さな子供にするような優しいしぐさだった。


「こら、ロロっ。兄に向かって・・・子供のように扱うなんて・・・。」

「そう?嫌だった?ごめんね。でも、兄さんだってたまには甘えたいんじゃないかと思って。」

「・・・え?」

「頑張ったね、兄さん。小さい時にお母さんを失って、お父さんに捨てられて、本当はつらかったでしょう。寂しかったでしょう。
でも、ナナリーのために頑張ってきたんだよね。

日本とブリタニアが戦争を始めて、たった一人の友達の国を自分の親がめちゃくちゃにして、その友達とも離れ離れになって、つらかったね。
だけど、あなたはいつも涙一つ見せないで頑張ってきた。

ゼロとしての戦いも、ルルーシュ個人としての戦いも、きっとつらくて苦しかった。

なのに、兄さんは僕を甘えさせてくれるだけだったから、今度は僕が甘えさせてあげようと思って。

ね?兄さん。僕に甘えて。」



小さな子供を諭すような優しい優しい声が心に染みていく。

そうかもしれない。
俺も誰かに甘えてみたかったのかもしれない。

涙が一筋こぼれた。


絶え間ない群集たちの呪いの声。
それを聞いても涙など流れなかったのに。


「頑張ったね。兄さん、頑張ったね。」

小さな弟に背を撫でられながら、俺は泣いた。
本当はこうやって泣きたかった。いつだって。

でも、そうは出来なかった。
俺を受け止めてくれる腕なんて何処にも無いと思っていた。

「頑張ったね。・・・兄さんは、嘘つきだから、スザクさんも生かしてあげたかったんでしょ?」

「お、俺は・・・。」

「生きてさえいれば、今はつらくとも、スザクさんにだって明日は来ると思ったんでしょ?
でも、そのまま伝えたらスザクさんは兄さんだけを犠牲にしたと心に傷を持ってしまう。
だから・・・・・・。」



だから言った。


『これは、お前にとっても罰だ。
お前は正義の味方として仮面を被り続ける。
枢木 スザクとして生きる事は もうない。
人並みの幸せをすべて世界に捧げてもらう…永遠に』





「本当に、お前は俺の事が何でも分かるんだな。」

「うん、だって、兄さんの弟だもの。」

「ちょっと、怖いな。」

「そう?じゃあ、時々は騙された振りをしてあげるよ。泣き顔も、見なかった振りしてあげる。」


ロロはそう言って、回した腕に力を込めた。
多分、泣き顔を見られることを俺が嫌がると思ったのだろう。
それとも見られたら、泣けなくなると思ったか。

うん、一応兄としてのプライドがあるから、泣き顔は見られたくないな。
ナナリーに『愛してる。』と言われて、泣くかと思ったけれど、俺は泣かなかった。

それに悪逆皇帝は涙なんか流してはいけない。

でも、こういうのはいいな。
温かい腕に抱き取られて心のままに涙を流す心地よさなんて、ずっと忘れていた。

母さんを失ってから、俺は涙など心の弱さの象徴としか思わなくなってしまった。

強くあらねば。

妹を守るために。

恐ろしい世界から守らねば。

そう思いずっと気を張って生きてきた。


だからこういう与えられるだけの優しさは知らない。
守る。守るだけ。

与えるだけ。

自分が磨り減っていくのがはっきりと分かっても、俺にはそういう生き方しか出来なかった。

・・・でも、もうそういう生き方にとらわれなくてもいいのだろうか。

ナナリーは、もう立派に自分の考えで生きている。
今は悲しいだろうが、側にはずっとスザクがいてくれる。

きっと、立ち直れる。優しい世界を作ってくれる。
愛しているよ。俺のナナリー。

大事な大事な可愛い妹。



そして、


「・・・・・・愛しているよ。ロロ、俺の大事な可愛い弟。」

死の間際、とうとう言ってやれなかった言葉。

間に合わなかった。多分それもある。

でも本当はあの時、自分の気持ちが分からなくて恐ろしく混乱していた。

自分の気持ちがはっきり分かったのはロロが事切れた後だった。



「・・・・・・うん。僕も愛しているよ。僕を人間にしてくれた世界で一番大切な、僕の兄さん。」


そう言ってロロは俺の肩にコトンと頭を乗せた。



生まれ変われるなら今度は本当の兄弟がいい。いつも一緒にいられるよう、たまには俺もロロにあまえらるよう、双子なんかがいいんじゃないか。

普通の親の元に生まれて、普通に泣いて、笑うんだ。








急に怨嗟の声がやんだ。

見渡しても何も聞こえない。

あれほどたくさんいた人々は何処にいったんだろう。

景色がぼやけていく。


体がふわりと浮いて、光に透ける。




「行こうか、兄さん。」

「・・・何処へ?天国ってやつか?それとも地獄か?」

「さぁ?僕も分からない。でも、声が聞こえるよ。・・・優しい、女の人の声。
僕らを呼んでいる。行かなきゃ。」



・・・・・・耳を澄ますと確かに聞こえる。
俺達を呼ぶ、優しい声。

お母さん?でも、マリアンヌの声じゃない。
心臓の響き。
囁くような声。たくさんの人の。


そうか、俺達は生まれ変わるのか。

またナナリーに、スザクに会えるだろうか・・・。






「・・・・・・・なぁ、扇・・・・。」

「なんだい、ヴィレッタ?」



「その・・・赤ちゃん、双子らしいんだが・・・。」

「そりゃめでたい!!よくやった!ヴィレッタ!!
俺は・・・俺は・・・ううっ・・・・。」

扇はルルーシュの本心を知って以来、めっきり涙もろくなっていた。

悔いていた。ゼロを。黒の騎士団が出来る以前からチームを組んできたあの男を信じてやれなかったことを。
カラレス総督に捕らえられ、処刑されようとした時、ただ一機で助けに来てくれた彼を死に追いやった事を。
何度も助けられた。潜水艇が見つかって攻撃を受けた時も。何度も。何度も。

自分はずっと彼と行動を共にしてきた。
だけど結局ギアスは掛けられていなかった。

藤堂にも、玉城にも、カレンにも、誰にも。
仲間だったから、彼は俺達を信じてかけなかったのだ。

シンクーにも。天子様にも。カグヤ様にも。捕らえられた各国の代表にも。


「ほら、泣くなよ扇。はい。ハンカチ。
それでその・・・・・・・なんか知ってる奴が腹の中に入ってるような気がするんだ。」

「知ってる奴・・・?」

扇はハンカチで涙を拭きながらヴィレッタを見た。


「ああ、まあその・・・命を落とした元教え子とか・・・・・・。」

「へえ、千草・・・いや、ヴィレッタ、結構いい先生やってたんだな。」

「ああ、楽しかったぞ。・・・でも、生まれてきたらお前ビックリするかもな。」

「?」

「まあ、気のせいかも知れんが、夢で挨拶に来た奴らがいたんだ。」

「何だ、夢の話か。」

「生まれたら可愛がっていいか?」

「いいか・・・って、普通可愛がるだろう。」

「そうだな。」


そう言ってヴィレッタはふふふと笑った。

生まれてきたら私が鍛えてやろう。

ルルーシュの生まれ変わりだったら家事万端得意なはずだ。
まずは優しく育て、大きくなったらこき使ってやろう。

ロロの生まれ変わりだったら、からかうと面白いだろう。
ちょっと不真面目な事も教えてやらねばな。あいつは苦労性だから。

楽しみだな。

可愛がってやるよ。ちゃんと。


外では立派だが、家では死んでしまったルルーシュゼロの事を思って酒を飲みまくって泣く扇も赤ん坊でも生まれたら少しは救われるかもしれない。

よし、生んでやろうじゃないか。ドンとこいだ!!



ヴィレッタはまだ見ぬ赤ん坊に思いをはせた。



安心して生まれて来い。
きっと明日は今日より良くなる。例えどれだけ時間がかかろうと、人は幸せを求め続けるから・・・。



                                        End



終わっちゃいましたね・・・。
何か、勢いのママに書いちゃいました。
明日は次女の方の学年行事とママ友との約束が入ってるので書けそうにないし。

ちょっと寂しいのでこのタイミングで明日出かけられるのはかえっていいのかも?



読んでくださってありがとうございます。
書いてすぐのUPになるので後で少し修正を入れるかも・・・?
ヴィレッタの遺伝子は良いけど、扇の遺伝子はちょっとあれかなぁ・・・。
でも、また黒髪で生まれられるし、ロロは天パで生まれられるかなぁ・・・。


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タイトル決まらねぇ!( ←というタイトル)北条 洸騎様のロロ愛あふれる素敵なブログです♪こちらにも実はコソコソ通っていましたがある日遊びに行くとコソコソ通っていたにもかかわらず何故かバトンにUTの名があり、コソコソのはずがバレバレだったようです。両思い?らしかったのでリンクをお願いしました♪
もちろんコソコソかよわなければいけないサイトではありません☆

↑別サイトの創炎に置いてあるMy Lover's Black Heartは今でも定期的に読みに行くほど心を打たれました。ほかにも色々のバージョンのロケットの話があり、これも何度も読みました。もちろん他のSSも素敵です♪




拍手お返事はこちらです♪

めかりん様

ロロとスザク視点で総集編新カット付で映画化でもOVA化でもして欲しいものです。←全くです。
あれだけ売れてるんだから、作れば売れると思うし、需要はあると思うんだけど・・・。小説R2はロロ率0.1パーセントだし・・・。(次こそ!!)

アラベスク、カラオケで歌えるんですか!!どんな画像がでるのかな~?口の軽い娘らを恐る恐る連れて行くのが良いのか、一人寂しくこっそり行くのが良いのか悩むところです。
いっそ子供が早く大きくなって同人女になってくれないかな~?・・・とよからぬ事を考えてしまう母でした
かなりの確立で長女はなりそう。次女はありえ無そう・・・。


嘘バレで、ロロのお墓の隣にお墓、そこにC.C.が来て「ロロの隣だ寂しくないだろ」ってゼロの仮面を掛ける。っていうのがありました・・・←当たらなかったけど、こういう話書いてみたいです。ルルーシュの墓、普通に建てても暴かれそうだし、ロロの隣がいいです。

野球は子供の頃はよく見ましたが、関西を離れてからはさっぱりです
うちは私が阪神ファン。主人が巨人ファンなので結婚式でもネタにされてました
コメント
この記事へのコメント
最終回、ほんとさみしいかったです。そうですね、早く生まれ変わってほしいですね。明日は・・・の続きぜひ読みたいです。^-^
2008/09/29(Mon) 21:07 | URL  | saori #-[ 編集]
こんばんは
ギアス終わりましたね!(涙)
小説読みました!生れ変わったら、本当の兄弟
で生まれて幸せしてほしいです。^^
最終話的には、幸せな世界でよかったです。
ルルは死んでしまったけど、ロロが待ってるしと思うと(笑)満足しました。^^

2008/09/29(Mon) 21:13 | URL  | RUI #JalddpaA[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008/09/29(Mon) 21:53 |   |  #[ 編集]
読みました
是非肝っ玉母さんのもので生まれ変わって欲しいです。
でも扇の遺伝子はちょっと・・・・
そこのところは先生のDNAでカバーという事で。
なんか子供が出てきて育った時の扇の反応が気になります。
2008/09/29(Mon) 23:08 | URL  | 浅田 リン #-[ 編集]
saori様
見た時も凄く悲しくて寂しかったけど、終わった後もまたじわじわと寂しさがこみ上げてきますね。
一期で大好きなユフィ、二期のシャーリー、ロロを失った時もそうでしたが、作品自体が終わり、上の3人が思い続けたルルーシュの死は本当に寂しいです。
ただ、苦しみながらもあがらい、それが正しかったのか、裁量の選択だったのかはともかくとして、失敗しては考え、傷ついても歩み、その果てになした結果に満足して死んでいけたのでそれはすごく良かったです。
生まれ変わりバージョン・・・、書いてみたい気もしますね。
2008/09/30(Tue) 09:05 | URL  | UT #L1ch7n1I[ 編集]
浅田 リン 様
ルルもロロも親の正常な愛や庇護が薄かったのでヴィレッタ辺りに豪快に育ててもらえれば・・・という願望で書いてしまいました。

扇は私としては嫌いな人ですが、いいパパにはなりそうです。
でも、自分が殺そうとしたルル、ロロそっくりの子供を育てるのは複雑な気持ちでしょう。
でも、唯一、あれだけの事をしてハッピーになっちゃった人なので、出来たらそれなりの贖罪をしてほしいです。
遺伝子はもちろん、髪の毛以外は総ヴィレッタで!!
2008/09/30(Tue) 09:10 | URL  | UT #L1ch7n1I[ 編集]
ルルは死んでしまったけど、ロロが待ってるしと思うと(笑)満足しました。←私もです。
絶対絶対迎えにきてくれてるとルルも信じていたと思います。
シャーリーも来てたと思うけど、今回は兄弟水入らずって事で・・・。
ユフィはスザクのところにかけてけてそう。実際、スザクのほうがこれから大変そう。
平和の維持は歴史的に見てもかなり難しいけれど、きっと残された人たちがルルの体を張った遺言をかなえてくれますよねv-356
2008/09/30(Tue) 09:15 | URL  | UT #L1ch7n1I[ 編集]
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