FC2ブログ
スポンサーサイト
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
祈り
2008年10月01日 (水) | 編集 |
私はお兄様の写真一枚持っていなかった。



エリア11でのブラックリべりオンの最中、私は見知らぬ少年に連れ去られ、ブリタニア宮殿へ戻された。

民間人として身に着けていたものは、すべて取り上げられた。
そして、ナナリー・ランペルージという名前も。


ずっと恐れていた。いつか来るこんな日を。




名前を変え、経歴を変え、お兄様と隠れ住んでいた私。
でもそこにはとても穏やかな幸せがあった。

だから私は偽りであってもナナリー・ランペルージと言う名前を愛していた。

皇位継承権なんていらない。
皇女でなくていい。
綺麗なドレスも、豪奢な馬車もいらない。

私にはこの車椅子と、最低限の生活に必要なものがあればいい。

だって私の側には何より大切なお兄様がいる。



怖いものからはお兄様が守ってくれた。
優しくて、賢くて、強くて・・・。
でも皇族ではない、私だけのお兄様。
ルルーシュ・ランペルージ。


お兄様が外出がちになると私はいつも熱を出した。

そうすればお兄様は何を放り出しても私の元に帰ってきてくれると私の体が知っていた。

優しい、優しいお兄様。

ナナリーが一番大切だよ。ナナリーが・・・・・・。

いつもそう言って私を安心させてくれた。

目が見えなくても、お兄様の温かい手から伝わってくる限りない愛情に至福を感じた。

与えてもらうだけの愛。



幼い、小さな子供だけが受け取ることを許される、そんな愛を私は少女になってもずっと求め、与えられ続けてきた。





・・・・・・そして、お兄様は壊れていった。





開かぬはずの瞳が開き、兄の顔を8年ぶりに見た。
幼いときの面影が残るその顔。

いつもみたいな優しい声。

でも、もうあの時のお兄様とは違うのだ。
私だけの兄、ルルーシュ・ランペルージではなく、悪逆皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。

彼がいかに酷い事をしてきたのか、シュナイゼルお兄様はこんこんと私に説いた。
信じられなくて・・・目の前が真っ暗になって私はシュナイゼル兄様の手にそっと触れた。

私には幼い頃から不思議な力があった。
手に触れた人の心を一瞬だけ読み取る力が。

でも、シュナイゼル兄様は皇族の正装の一部である絹の手袋を外す事は一度もなかった。
私にはお兄様の心は読めなかった。

代わりに録音したお兄様の声を聞かされた。
スザクさんが命がけで聞きだしたのだという。


お兄様の声は・・・あの優しかった声は・・・信じられないことを語りだした。


お兄様があの優しかったユフィお姉さまを殺したのだ。

クロヴィスお兄様を殺したのだ。

そして自分の命を惜しんでスザクさんにもギアスをかけた。
他にも。他にも。多くの人の意思を捻じ曲げて、ギアスをかけたのだ。


何故?


いくら考えても、答えは一つだった。

私のためだ。

こうやって連れ戻されてしまった私。

私がお父様に見つかり、連れ戻され道具とされる事を何より恐れていたお兄様。
お前だけは必ず守ってやると、繰り返し繰り返し私に言った。

私も、お兄様と離れる事だけは嫌だった。

「どうか、お兄様と一緒にいさせてくださいね。ナナリーの側にずっといてくださいね。」

私はそう言い続けたのだ。

それがお兄様にとってどういう意味に変わるのか、考えもせずに。



二人一緒に静かに暮らせれば、それだけで本当に満足だった。

ささやかな願いだと思っていた。

贅沢な暮らしを望む事も無い。誰にも迷惑などかけない。
ただお兄様と二人で寄り添って穏やかに生きる。
たったそれだけの願い。

でもそのささやかな願いをかなえるためにどれ程の努力と犠牲がいるのか私は知ろうとしなかった。

私にとってはささやかな願い。
でも、お兄様にとってはそうではなかった。

私の安全な居場所を作るため・・・私の願いをかなえるために自分の命も他人の命も犠牲にして修羅の道を進んだのだ。


・・・願い。



そう、今から考えると、最初にギアスをかけたのはきっと私

お兄様は私の願いと言うギアスにかかってくださった。

自分の心を殺し、私の願いに縛られて生きてきたのだ



人殺しをさせてしまったのも、非道な行いも・・・元をただせば私がお兄様にかけた願いと言う名のギアスのせい。

目が見えない・・・足の不自由な事に甘えていた私はお兄様に自分の力では叶わない事を求めたのだ。



私は・・・私だけは・・・・・・・お兄様を責めてはいけなかったのに。

責められるべきは私。

私だったのに。


「目を開けてください。お兄様!!」


私の叫びは届くのだろうか。



「ずるいです。私はお兄様だけでよかったのに。お兄様がいない明日なんて…ああっ・・・そんなの…」



お兄様、愛しています。

ナナリーにはお兄様が全てでした。


お兄様に恥ずかしくない私になろうと思って努力してきた。
でも、最後の最後まで愛され、守られてきただけだった。



だからこれは罰。守られるだけだった私への。信じてあげる事すら出来なかった私への。


叫ぶように泣いた。

泣いて、泣いて、泣いて・・・・・・叫び続けた。


でもどんなに泣き叫んでもお兄様はもう帰って来ない。
もう、あの優しい声を聞くこともかなわない。

思い出となる写真一枚すら持っていない。

私の開いた目の代わりのように、今度はお兄様の目は永遠に閉じられてしまった。

悲しくて悲しくて、気が狂ってしまいそう。

いえ、いっそ狂ってしまえたらどんなに楽なことだろう。





・・・・・・・それでも。


・・・・・・・それでも。



私はそれでもお兄様がいないつらい明日を生きてゆかねばならない。


お兄様が、そう望んだから。

私にも明日を・・・そう望んでくださったから。





今度こそ。

お兄様に見られて恥ずかしくないように。



お兄様が安心して眠れるように。



そして・・・・・・。





・・・お兄様にギアスをかけた罪を償うために・・・・。




                                 End




ナナリーは3番目に好きなキャラでした。
世界の明日を望んだルルーシュでしたが、最初の動機となったナナリーの幸せだけはかないませんでした。
ナナリーだけを見つめていた目はいつのまにか友を見、もう一人の妹、弟を見最後には世界の人々を見ていたからです。
でも、ナナリーはきっと自分にこそ原因があると思うでしょうね。

ルルーシュは兄弟を殺し、両親の存在を抹消し、多くの人にギアスをかけ、最後は多くの自由意志を持たない兵にフレイヤと共に消えることまで命令したのですから、ナナリーと幸せに生きるというエンドは個人的にはありえないと思っています。

でも、誰でも持っていいはずの幸せを求める心をルルーシュは自分にだけは向けなかった。
それはやっぱり悲しいことでした。


スザクがそうだったように、誰かのために命を差し出すという罰をルルーシュも求めていたのかもしれませんね。親兄弟を殺し、大切な友を死に追いやったのですから、許されていいとは思っていないはずです。

毎日ルルーシュがどんな気持ちだったのか思いをはせてしまいます。

何回も何回も追悼作を書いて、自分でもちょっとくどい?と思っちゃうけれど、自分の心の整理にはこの方法が一番いいようです。
よろしかったらもうしばらくだけおつきあい下さいね。



拍手、コメントありがとうございました。
返信はこちらから





紅柳美咲様

スザク、最後の数話で本当にカッコよくなりましたね。
凄く痛々しいけれど、今の彼は大好きです。(元々嫌いではなかったのですが・・・。)
そういえばうちのブログでスザクをカッコよく書いたのって初めてだったかも・・・。(←いつもお笑い担当でした。)喜んで頂けて嬉しいです。

ルルのお墓は普通に建てると絶対に暴かれてめちゃくちゃにされるから墓地には埋葬されないと思います。
・・・となると、ロロの隣で景色もいいあそこになりそうだと個人的には思っています。
スザクがロロの墓所を知っているというのが前提になりそうだけれど、手回し良くスザクや咲世子の今後を考えていた彼だから、ロロの隣に葬ってほしいとあらかじめ言っていたかもしれませんね。
そうだと思いたいです。

リンク、こちらこそありがとうございました。
本当に紅柳さんの考察は深くて・・・。
実はこのお話も紅柳さんのブログで書かれていたルルからナナリーに向けられた想いと言うのは母親から向けられる類のものだという文を読み、色々考えていた時ふ・・と浮かんだお話です。
ルルの愛は確かに兄弟愛ではない気がします。


ひづき様

ルルーシュの選択は最良の方法ではなかったかもしれないけれど、世界に明日をもたらす事、自分が償う事、どちらも出来ると本人が信じた方法だったのだと思います。
残された人たちの方がもちろんつらいと思うけれど、他の償い方を思いつけなかったんじゃないかな?
後半ルルーシュは見ていられないぐらい痛々しくて、もう、開放してあげてもいいんじゃないか・・・という気持ちもあります。
それにドS監督だと聞いていたので覚悟していたのにルルーシュしか死ななかった事にもビックリでした。

扇は私ももちろん嫌いですよ。
しかもあれだけの事をしておいて扇だけは綺麗な奥さんをもらって子供もあんなタイミングで作り、幸せそうなんてちょっと許せなかったですね。
たった18歳のルルーシュがあれだけ自分の罪に苦しみ、自分より世界を優先して考えていたと言うのに。

24話、25話と、扇がいつ死ぬか♪いつ死ぬか♪・・・と楽しみにしていたぐらいです。
でも結局彼にだけはブーメランがかえってこなかった。
だから一生死ぬほど後悔して暮らして欲しいです。
出来たら罪滅ぼしもしてほしいです。

お絵かきはゆっくりでいいですよ。
最終回ショックが大きくて元々用意していたお笑い系拍手お礼文もUP出来ない有様です
毎日最終話を見ては涙で明るい話はきつくって
ショックを受けるたび、アレコレ書いて気持ちの整理をするのですが、やっぱり悲しくて・・・。
でもルルーシュは彼なりによく頑張ったのでただ「よく頑張ったね。」と言ってあげたいです。




浅田 リン様、コメントありがとうございました。コメント欄からお返事しますね。
うちの娘のオタ傾向については拍手で書かせていただきましたが、長女、次女の髪を巻いて(本人たちには内緒で)ナナリー、ちびユフィ風にしてみた写真があるのですが、もしよろしかったら見てみますか?
ブログには絶対載せられないのでメルアドを教えていただけたら・・・ですが
いつか某所で娘がお会いする事があったら声でもかけてやってください♪(秘密厳守で)
コメント
この記事へのコメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008/10/01(Wed) 22:28 |   |  #[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008/10/03(Fri) 16:27 |   |  #[ 編集]
こちらではお久しぶりです。
ナナリーのお話。とても切なかったです。
ナナリーは私は特に思い入れがあったキャラではないのですが
それでも、あの子の穏やかな、
ある意味ルルの気性と正反対の性格は
ルルのこの数年間の努力の結晶なんだろうなあと
一期の頃から思ってました。
ナナリーも皇族である事なんか
ホントにどうでもいい優しい子だったので
危険とか陰謀とかに縁のない普通の兄妹なら
微笑ましい兄妹だったんだろうなと思います。
そう考えるとすごい可哀想だなあと思います…。

私も、ルルは死にたかったのかなあとやっぱり思います。
ナナリーもシャーリーもロロも死んでしまって
スザクとは親友に戻れても
やっぱりスザクは、一緒にいて
ユフィの事を思い出させる存在だと思いますし・・・。
ユフィの存在はルルにとって
償わなければいけない事の筆頭でしたし…。
少なくともナナリー生存を知るまでは死にたくて、
でもただ死ぬ事はできなくて、
自分の命を意味のある終わり方にしたかったんじゃないかなって。
自分の命をこの世に残してくれたロロや、
優しい世界を望んでいたナナリーやユフィの為にも
意味がある命の使い方をしようとしての
ゼロレクイエムだったんじゃないかなと思ってます…。

ただ、ナナリーが生きてると知って
正直ルルは生きたかったんじゃないかって思ってます…。
ナナリーを守るためにやっぱり生きたかったんじゃないかって。
それでも、ナナリーが死んでいると思っていた時に
自分が何をしてきたのを真正面から向き合ってしまって
その責任から目を背ける事が出来なかった。
そんな気がしてならなかったりします。
元々ルルはナナリーへの深い愛情から
色々間違ってしまっただけで根は優しい人間でしたから。

…そう考えるとシュナイゼルの一番のトラップは
ナナリーをルルの敵にしたことではなく、
ナナリーが死んだと思いこませた空白の時間だった気がして
ならなかったりします…。

墓所>ルルなら、スザクにそういってるかもしれないですね。
元々ロロはスザクの部下だったので
和解してる間に話題にならなかったとは思えないですし…。
いつの間にかいなくなったロロにスザクが気がつかない訳ないですしね。
いつかナナリーがスザクと一緒にお墓参りにきて
ナナリーがいなかった間のルルやロロの事を
墓所の前でお話してくれるといいですね…。
実は、R2初期は、きっとR2の最後は
ナナリーを殺そうとしたロロの気持ちをナナリーが理解してくれて、
ロロがナナリーと恋をして、ルルも自分のした事を反省してくれる。
そんな展開を期待してました。
…当時の自分が幸せすぎてある意味泣けてきます(苦笑)。
でもナナリーには、いつかロロの事を知ってほしいです。
なんとなく、そんな気がします…。

サイトとBLOGから、UT様のサイトにリンクを貼らせていただきました。
紹介文を書きたかったのでサイトにも張らせて頂きましたが
ギアス関係がBLOGにしかないので
BLOGからも念のため貼らせていただいちゃいました。
お暇な時にでもご確認を頂けると嬉しいです。ぺこり。
2008/10/05(Sun) 16:56 | URL  | 紅柳美咲 #1TMwEJSY[ 編集]
紅柳美咲様
コメントありがとうございます!

ナナリーの穏やかな、ある意味ルルの気性と正反対の性格は ルルのこの数年間の努力の結晶なんだろうなあと ・・・←本当にそう思います。
小説版に、マリアンヌが死んでから、ナナリーの精神がおかしくなってルルが外出すると本人も知らないうちに部屋や物をめちゃくちゃにしてしまう・・・という症状が出ていたようです。

やり場の無い怒りや不安が無意識に破壊衝動を起こさせていたんでしょうね。
当時十歳のルルがそれをすべて受け止め世話していたなんて、本当に辛かったと思います。
あの時こそジェレミアが見つけ出して二人を全力で保護してくれたらな~・・・なんて思っちゃいます。アッシュフォードも良かったけど、おじいさんは気ままな人みたいだし、ルルも内心は不安だったろうな。
普通の暮らしが保障されて、子供ではなく真剣に守ってくれる大人がたった一人でもいたらルルとナナリーは人を傷つけるような人生は歩まなかったと思います。

ルルは死にたかったんでしょうね。
元々繊細なタイプなうえ、悲しみや不安を素直に人に表せず抱え込んでしまうタイプだから、もういっぱいいっぱいだったと思う。
死という罰を望んでいたスザクと同じ状態。
でも、意味のある使い方をして死にたかったというのは全くその通りだと思います。
いろいろ計算して、あれが彼にとってベストな方法だったのですね、きっと。

ナナリーが生きてると知って
正直ルルは生きたかったんじゃないかって思ってます←そうかも。自分が全力で守るべき対象があればルルーシュは辛くとも生きる道を探したかったと思います。
ナナリーの生存がわかっていれば、黒の騎士団が裏切らなければ、せめてロロが死ななければ遠回りでも違う策を取ったような気がします。


シュナイゼル・・・あれは確かに策の可能性がありますね。
策士としての腕が同等なら、相手をいかに精神的に追い詰めてミスを誘うかが決め手になりそうです。
そして最後の最後で切り札を出す。
黒シュナイゼル・・・凄腕過ぎる・・・。
そしてあざとい・・・・・・。

ロロがナナリーと恋をして、ルルも自分のした事を反省してくれる。
そんな展開を期待してました。 ←私もすっごく期待しました。雑誌でそんな対談があったそうなのでますます期待しちゃいました。

「人はやり直せる」の精神でロロを救ってやって欲しかったです。
人としての原型はルルママが作ってくれましたが、ロロのあのゆがみを正せるのはナナリーしかいないと思います。
結局顔を合わせることも口を利くことも無かった二人ですが、本当に残念な事です。

リンクありがとうございました♪♪
これからはリンクを通して遊びに行かせていただきます!
実は最後に同人活動をしていたのは幽遊白書でした。(心の準備無くいきなり終わったショックで同人自体やめちゃいました)
あの作者はいきなり何をやるかわからないのでちょっと怖いのですが、ハンターハンターもまた読んでみたいです♪






2008/10/06(Mon) 10:17 | URL  | UT #L1ch7n1I[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。