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湖面3部 緊急事態発生 その11
2008年10月08日 (水) | 編集 |
クルルギ卿が悲しそうな顔でため息をつく。


「この世に僕の味方はもう一人もいないんだ。大切な女性も、大切な友達ももういなくなってしまった。血の繋がった親戚もこの手で処刑して残ったのは血にまみれて生きる僕の残骸だけ。」


そういうクルルギ卿の横顔からは人間らしい表情がストンと抜け落ちていた。
・・・あの表情を僕はよく知っている。
小さい頃の僕だ。

人を殺す毎日がつらくて、苦しくて、僕は自分で心を殺していった。

今クルルギは戦場の白き死神と異名を取る程毎日毎日人を殺し続けているはずだ。
・・・つらいのかな。かつての僕がそうだったように。

人を殺すという行為は慣れればそう苦でもない。
動物をさばくのと同じだ。
でも、慣れるまでは地獄だ。
こんなことをするぐらいなら死んでしまいたいと何度思ったことか。


「・・・クルルギ卿はもしかして死にたいんですか?」

「・・・そうだね。そうかもしれない。死んだらもうこれ以上人殺しを重ねなくてすむし、あの方にも会える。・・・僕の父さんにも会える。」


クルルギは懐かしむような瞳で宙を見た。


「僕には家族がいませんが・・・その・・・良いお父さんだったんでしょうね。」

「ううん、全然。だけど会いたいな。・・・会えないけど。僕には呪いがかかっているから。」

「呪い・・・ですか?そんなもの・・・。」

「あるんだよ。僕には死ぬ自由もないんだ。逃げ場は本当に・・・本当に何処にもないんだ。だから進むしかない。自分の信じた道を。」

「・・・信じた道・・・自分で選べるだけ幸せだと思いますよ?」

「そう?・・・そうかな。」

「そうですよ。僕なんか気がついたら響団にいて、6歳から暗殺者でした。
V.Vからは逃げられない身だし、僕には選ぶ道なんてありません。
あなたは、選ぼうと思えば選べる身なのではないんですか?」

そう、お前は志願して、兄さんを売ってまでラウンズになったんじゃないか。

僕に選択肢なんて無かった。
何も知らない子供のまま暗殺者としての道しか進めなかった。


でも、暗殺者を辞めて兄さんと暮らせるなら6畳一間のアパートで野菜しか食べられない生活だって幸せに思うだろう。

地位もお金もいらない。
僕をこんな体にしたV.Vの事も、こんな任務を与えた皇帝の事だって許す。
僕は兄さんといられればそれだけでいいんだ。



「・・・そうだな。呪いのせいだけじゃない。僕は僕の意思でこの道を選んだんだ。
ありがとう、ロロ。目が覚めたよ。」

クルルギがちょっと儚げに笑う。


信用してもらえたみたい?
だけど、少し心が痛む。

死神といわれ、うつろな日々を過ごしてきた僕.。だけど今の僕には光も拠り所もある。

・・・でも、もうこの人には拠り所も希望も心許せる人もいない。

それがどんなに悲しいことか僕は知っている。


・・・だから、そう、お前は兄さんの敵だけど・・・・・・同く死神と呼ばれる僕から一言ぐらいは心からの言葉を贈ろう。


「大丈夫ですよクルルギ卿。生きていればいつか良い事もあります。ここまできたら迷わず軍功を上げてナイトオブワンになって下さいね。遠い地よりあなたの成功を祈っています。」

そういうとクルルギはビックリしたように僕を見た。
そして今まで見た事も無いようなふわりとした心からの笑顔を見せた。

「ああ。ありがとう、ロロ。こちらの事は任せたよ。僕は明日また戦場に戻る。」





やったあああ♪♪♪

ついにクルルギ篭絡完了だ!!!





やっぱりウソより真心なのか。
気まぐれに吐いた心よりの言葉にクルルギはいたく感動してくれた。
エリア11に偽物のゼロでも現れない限り、当分ここには来ないだろう。


そうしてまた彼は任務に戻り、ランスロットに乗って戦場を駆け抜ける。
安らぎも、心のよりどころもなく。

暗い復讐心だけを抱いて命令のまま戦う血塗られた死神。
汚れた名声はいずれ彼の心を壊し、人としての最後の感情さえ砕くだろう。

そうなればもう、人間らしく笑う事も泣く事も怒る事もなくなる。

・・・彼には少しでも長く人間でいてほしい。
兄さんに会う前の自分のようになって欲しくない。

何故かそう思った。

それは兄さんに向けるのとはまた違う不思議な感情だった。



「・・・飲みましょうか、クルルギ卿。」

「え?」

今この時ぐらいは、世界の中で一人ぼっちだなんて悲しいことを考えなくてもいいようにつきあってあげるよ。そうして愚痴でも何でも聞いてあげるよ。

兄さんの事さえなければ、悲しいこの人の事を嫌いなわけではない。


「明日の早朝帰るんでしょう?味方はこの世に誰一人いないとおっしゃっていましたが、ここに一人いますよ。
どうぞ心に溜まったものを吐き出していってください。
ビールなら山ほどありますし、酒もありますよ?(機情メンバーとヴィレッタ先生の酒だけど。)」


「え、でもルルーシュにばれるんじゃ・・・。」

「大丈夫です。もう寝ると言っていましたし。」


「・・・じ、じゃあ、少しだけ。」

クルルギは司令室では断った酒に迷いながらも手を伸ばした。
なんだ、飲めるんじゃないか。

・・・はて。そういえば僕って飲めるんだろうか?
まぁいいか。
これも経験だ。
ヴィレッタ先生が16歳なら酒ぐらいはたしなんでおけと言っていたし。


「クルルギ卿の素晴らしい未来に乾杯!!」


その日は夜通し飲んでは語り明かした。
話してみればクルルギはそう悪い奴でもなく、同じ死神と呼ばれた者同士、共通する鬱憤を吐き出したり、上司の悪口を言ってみたり、いや~~な同僚についてぐちぐち言ってみたり、なかなか有意義で楽しい時間を過ごす事が出来た。

そのうち僕はウトウトしてしまって、気がついたら朝だった。
クルルギ卿はもう旅立った後らしく、「ありがとう。楽しかった。任務頑張ってね。」というメッセージが机の上に残してあった。


うん。クルルギ卿も頑張って。
兄さんの敵として現れたら容赦はしないけど、僕もちょっと楽しかったよ。
あの時あなたを殺さなくて良かった。




やっと嵐は過ぎ去った。
僕と兄さんの幸せな日常が戻ってくる。


本棚や机の片付けは昨日クルルギ卿が手伝ってくれたお陰ですっかり元通りだし、ビールの空き缶も気を使ってくれたのかクルルギ卿の姿と共に消えていた。
ごめんね。
空気読めない奴って思っていて。
兄さんにばれたら僕が困るだろうと思ってちゃんと持っていってくれたんだね。
ありがとう。



さ、兄さんが起きてこないうちに残った大量のビール箱を司令室の冷蔵庫に戻して、ベットの下に隠した有害雑誌もこっそり焼却炉に放り込まなきゃ。



まずは絶対に兄さんに見つかりたくない有害雑誌から処分するか。

ベットの下から紐でくくられた有害雑誌を捨てるために取り出す。



でも。


・・・でも。


・・・・・・捨てる前に、ちょっとだけ勉強してみようかな・・・・・・。

ヴィレッタ先生が勉強せよせよとうるさかったし、僕の年ならこういうのも少しは読んでおいた方がいいと言もっていた。

・・・決して読みたくて読むわけじゃないよ。

僕は清廉な兄さんの弟なんだから、こんな汚らわしいもの全く興味なんてない。
そう、勉強だから仕方なく、うん、本当に仕方なく、イヤだけど社会勉強のためにちょっとだけ見てみようかな・・・・・・。

ポケットからナイフを取り出してひもを切り、一番上の雑誌に手をかける。
こういうのを見るのは初めてなので心臓がドキドキする。
一つ深呼吸して目をつぶり、思い切ってページをめくる。

そのとたんドアのガチャっと開く音と、雑巾を引き裂くような悲鳴が聞こえた。

げっ。兄さん!?


 

                その12に続く


Web拍手お礼文1のビレッタ先生の日記をその2に入れ替えました♪
一回押しで出ます。




次で多分湖面最終話です。
気力があれば本編に続ける形で終わりたかったけど、SE6発売後はロロ燃料が切れそうなのでとりあえず区切りはつけます。
それに、本編に続けてもどうせルルもロロも死んでしまうと思うとやるせないのでパラレル幸せエンドにすると思いますがご了承下さい

番外編っぽいのは書きますのでまた遊びに来てくださると嬉しいです♪♪


遊びに来てくださった方、拍手、コメント下さった方、ありがとうございます♪
本編も終わり、「もう書けないかな~。」と思うことが何度もありながらも続けてこれたのは皆様のお陰です♪♪

返信はこちらから




なぎーの。様

こんにちは!
またいらして下さって嬉しいです♪♪

>何とか(?)クルルギ卿が、イイカンジに戻ってくれて、ホッとしました★ 

スザクは元々優しい人だし、同じ死神同士、ロロと分かり合えるところもあるんじゃないかな~と思います。
ルルーシュ命のロロなので兄さんさえ守れれば・・・ですが

>でも、かなりのカンチガイ・・・さすがは、スザきゅですね♪ ロロも苦労しそうです(笑) 

苦労するロロが可愛いと思ってしまうUTはもう人間として終わってます
でも、かわいい子には苦労をさせろと言うし(あれ?違うか。)

なぎーの。さんも色々大変そうですが逆に考えればすごいチャンスです!!
冬コミ頑張って下さいね!!
うちはこういったイベントには全く行けないし家族に隠れてコソコソブログするのが精一杯なので逆に羨ましいです
同人誌通販も届いたその日に突然死にかけそのまま救急車に乗って緊急手術して以来怖くて中々手が出せません。
運ばれるのがあと3時間遅かったり、救急車がたらいまわしされてたら今こうして生きていないのでぞっとしますが、めったに出来ない瀕死体験、手術に入院が出来て得したと思っておきます。
SS書くときの参考にもなるし、お友達が入院した時何を手伝ってあげたら良いかしっかりわかったのも良かったです♪
今生きているからこそ言える事ですけどね。

実はそれ以前にも一度予期しない事態で死に掛けたことがあるので人生後悔ないように自分も楽しく、人には優しく、いつ死んでも後悔が少ないように毎日過ごして生きたいと思っています♪
あ、でも100歳まで元気に生きるのが目標ですョ♪

ではそちらの更新も楽しみにしています♪



めかりん様

こんにちわ♪
調子が悪そうですが、こんなうちのSSが少しでも役に立つなら嬉しいです!!

私も首はこりますね~
子供が大きくなって抱っこして歩かなくなってからは肩こりとも縁が切れていたのですが、やっぱりPC見てる時間が増えたのが原因なんでしょうね

>もうなんだか、スーパーで広口がロロに見えたり
男子高校生を見るだけで、嗚呼ルルーシュなんて思ったり。大丈夫か私。

わたしも体験旅行で一緒の班になった小6の男の子が身長168センチと聞いてロロはだいたいこのぐらいなのかぁ・・・と思ったり身長178センチの旦那とその子が並んでるのを見て、ルルとはだいたいこのぐらいの身長差なのかぁ・・・とか思ったりして病気もいいとこです。
仲間がいて心強いです!!!
SSSも形になるのを待ってます♪
私自身はもうネタが切れてきたので猛烈に人様のが読みたいです!!!

>ロロ、死体の解体ってそんなに早くできるの?
お前はお肉屋さんかw

先日魚屋さんを招いて(←主催者が)でっかい鮭の解体を習ったんですが、魚屋さんが丸一匹解体するのの早い事!!!
内臓を取って3枚に下ろして、切り身になるまで説明時間を省けば5分かかってないでしょうね。びっくりでした

スザクの場合は3枚にはおろさないし、ウロコ取りも無いし、ボストンバックに入るぐらいに解体するだけだから早いかな・・・って思って。←酷い想像してスミマセン。

ロロが死体を始末する話が小説版にあって、しかも「またやってしまった・・・。」とか書いてあったので多分解体もなれてそうです

>≧(´▽`)≦アハハハ。その通りですよね。きっと、シャワーが終わったら、
速攻お風呂掃除もやっちゃいますね。兄さんは。

残り水を洗濯にも使ってその残りを汲み置きして雑巾がけにも使ってそうです。

>しかし、本当に、ロロは初期の頃は嫌だったろうなあ。
っていうか、嫌だと言う感覚もあったのか?

常に人と接していなければいけないという事自体が苦痛だったかも?
親も友達もいないし同僚とも上手くいっていないし。
ギアスユーザーの子供達とは多少交流があったと思いますが、
兄さん>>>>>>>子供達で一撃で皆殺しでしたしね
不憫な子です。

>嚮団で生まれ育ったのではないようなので、3歳くらいまでは
ちゃんとしたお家で暮していれば、心のどこかにその記憶があったと思うし
ロロの風貌から、お母さんは可愛い人だったろうし。
まっさらな所にあの、お母さんとしか言いようがない兄さん。
胃袋を制してしまえば、逆らえませんよねw

その通りです。
多分記憶に無い所では可愛がられた事があるかも。
篭絡されたのは暮らし始めて直ぐだったとどこかで見たような気がしますし、元々あったお母さんが恋しい気持ちをルルによって引き出され兄への思慕に摩り替わったのかも?

情報も色々ありがとうございました!!!
私もコレ大好きで保存しました♪
また何かありましたらぜひ教えて下さい!!!



りんさん、今回も楽しいコメント下さってありがとうございます♪
無理やり送りつけたアレを見てドキッとしましたか(笑)
違うので見ても似てるんですね~!!
転勤前なら大阪に住んでいたからイベントには行けなくても会いに行っちゃうのに

紅柳さん、朝顔ネタありがとうございました♪
UTが書くとカワユイ話にはなりませんが、仲の良い兄弟の話にはなったかも?
幽●の話も楽しかったです♪
目の付け所が似てるのも嬉しかったです♪

お二方にはコメント欄からお返事いたしました♪
コメント
この記事へのコメント
こんにちは
二人の心境も悲しい感じの今回でした。
ウザクとロロの孤独な死神対決。

結局二人で呑んでましたね。
あの酒・・・先生達のじゃ・・・
きっと先生達からは
「酒かえせー!!」
とか言われるんでしょう。
その上ルルにはあはんうふんなエロ本見つかるし。
ウザク問題解決しても踏んだり蹴ったりです。
しかしウザクはさすがですね。
律儀に片付けまでして帰ってくれるなんて、すごいラウンズです。
どこまで律儀なんだ。

ロロいくら兄さん兄さん言っててもやはりエロ本にはちょっと興味があるご様子。
そうですよねー。
健全?なオトコノコですものねー。
兄さんにしかきょうみなかったら本当にアレですよね。
なんと言ったらいいのでしょうかアレです。
しかしロロの事を健全と書いた↑の文字ですが書く時になにかものすごい抵抗感がありました。
だってどー考えても健全じゃないもの。
色々な意味で。
健全な常識がないし。

兄さんにみつかっちゃった!
さあ、どうなるのかしら♪
ロロが不良化して涙ながらに「何が不満なんだ」とでも言うのでしょうか?
健全な男子なら
「兄弟はこんなにベッタリしてねー!! 何もかもが不満だー!!」
と言う所でしょうがロロは違いますもんね。
2008/11/15(Sat) 11:58 | URL  | 浅田リン #-[ 編集]
浅田リン 様
こんにちは♪
お返事が遅くなりスミマセンv-356
いつも楽しいコメントありがとう!!

>二人の心境も悲しい感じの今回でした。
ウザクとロロの孤独な死神対決。

死神と言われたルルーシュの偽弟と元親友の対決や共感を書いて見ました。
二人とも「自分が不幸。」なんて口に出していわないタイプですが、二人にちょっとした憂さ晴らしをやってもらいました♪

>結局二人で呑んでましたね。
あの酒・・・先生達のじゃ・・・

そう言えばシリーズは違うけどよそでも勝手に飲んでヴィレッタ先生に苦情レポート?上げられていましたね~!!
・・・後が怖いよ、ロロ。

>しかしウザクはさすがですね。
律儀に片付けまでして帰ってくれるなんて、すごいラウンズです。

ユフィに出会うまでは苦労してるし、ロイドさん、セシルさんの世話とかも何気にしてそうです。
基本的に部下に威張る事はプライベートではなさそうな気がします。
R2小説版でもお水をひっくり返したナナリーの世話をメイドより早くやっていたから世話好きそう♪

>しかしロロの事を健全と書いた↑の文字ですが書く時になにかものすごい抵抗感がありました。


あはは。
とことん常識無いものね。
うちのSSでもないけど、本編でも「兄さんの家族は僕だけでいい。」と言ってこっそりナナリーを暗殺してしまおうというぐらいですものねv-356
SEもすごいし。どこまで兄さん好きなんだ~~!!って感じです。
でもお年頃なので兄さんの完璧な弟でいようと抑圧されている分、チャンスがあればエロ本もこっそり見ちゃいそうv-356

>健全な男子なら
「兄弟はこんなにベッタリしてねー!! 何もかもが不満だー!!」
と言う所でしょうがロロは違いますもんね。

ヴィレッタが見ていたら
「兄弟はこんなにベッタリしてねー!! 何もかもが不満だー!!」
と言え~~~~!!!!
・・・と叫んでそうです♪




2008/11/17(Mon) 05:45 | URL  | UT #L1ch7n1I[ 編集]
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