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僕は湖面にうつった月に手を伸ばす・2部 1
2008年09月18日 (木) | 編集 |
「うえ・・・っ。」

ルルーシュを監視している機情メンバーのうちの何名かがモニターを見て小さくえずく。

その様子をビレッタはため息と共に見つめていた。



「ロロの奴・・・。」

ちょっとやりすぎなんじゃないか?


監視先を見れば、ロロがルルーシュの服のすそを逃すまいというようにつかんでいる。

ロロはリビングの正面の大画面モニターパネルを熱心に見ていて、逆にルルーシュは反対方向を向いて口元を押さえている。

「兄さん、ここからがいいところなのにどうして見ないの?」

機嫌良さそうに言うロロの言葉をマイクが拾い上げていた。


うつっているのは気持ちの悪いオカルト映画。
殺人鬼がひたすら人を殺していく映画。それも恐ろしく残忍な方法で。

「・・・っ。もうやめろ!!」

ルルーシュはロロの手を振り払うと立ち上がってパネルのスイッチをぱちんと消した。

「ちょっと兄さん、何するんだよ!!」

「俺にはこの映画のどこが楽しいかサッパリわからん!!第一お前の教育に悪い!!こんなのはお前には似合わない。以後オカルト映画は禁止だ!!!」

叫ぶとすたすた自室に帰ってしまった。

怒らしちゃったかなあ・・・。
まさか元ゼロだった兄さんがこの程度のオカルト映画ごときで血相変えるとは思わなかったからちょっとビックリした。

僕もだてに6歳の頃から暗殺者をやっているわけじゃないからあんな作り事の映画ぐらいでどうこう思うことはない。
むしろ幼い頃は殺人に対する抵抗を無くすため、毎日のように見さされて、そのうち全く動じることもなくなってしまった。

今日は気持ち悪い映画を使って機情をかく乱しようと思ったのに。
兄さんの方をかく乱してしまった。

映画は途中だったけど、兄さんがいなくなったのにこれ以上見てもしょうがないな。
だって監視の目はもうこのリビングではなく兄さんの部屋に移ってしまったろうから。


先日泣く泣く兄さんの写真にナイフをつきたて、機情メンバーの目の前でびりびりにやぶってやった。
ビレッタ先生が言うには作戦は大成功だったようだが、油断は出来ない。

監視者たちの目に僕は『愛するものでも笑って殺せる異常者』とうつってなければならない。

あいつらに化け物とののしられてもいい。悪魔といわれてもいい。
僕は兄さんのそばにいたい。

暗殺者失格の烙印を押されて内部告発されたら僕は機情の任務をとかれてしまう。
それだけは避けなければ。

僕のことはいい。任務が失敗した責を問われ処刑されたってそれ自体は諦められる。
諦められないのは兄さんのこと。

僕の任が解かれたら今度は違う奴が来て兄さんの隣で弟づらをするだろう。
そいつが兄さんの暖かいまなざしを受け、心づくしの料理を食べ、温かい腕に抱きしめられる。
考えただけで血が逆流する。

それに兄さんの記憶が戻ったなら、そいつが兄さんを殺すことになる。
用済みになった兄さんなんか、誰も気にかけやしない。
どんなむごい方法で殺したってどこからも文句など出ない。

そんなことはさせない。
本当は逃がしてあげたいけれど、それが不可能なら僕が殺してあげたい。
僕のギアスは体感時間を止める。

僕なら出来る。殺されたことも気づかないぐらい、恐怖を感じることもないぐらい優しく殺してあげられる。
その綺麗な顔にだって絶対傷はつけない。
体から血が滴り落ち、体温を失うまで僕が抱きしめていてあげる。
兄さんを殺すのは僕だ。

もちろん兄さん一人を逝かせたりはしない。
兄さんはあれで寂しがりだものね。僕も一緒に死んであげる。

兄さんがいなくなれば、どのみち僕の世界は崩壊する。
死は怖くない。
彼の妹が絶対に追って来れない場所で僕たちの血は混じりあい、本当の兄弟となるのだ。
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