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2008年09月18日 (木) | 編集 |
僕が兄さんと暮らすようになって5ヶ月たった。

今日も兄さんの記憶は戻りそうにない。
機情メンバーは長引く任務に苛立っているようだが、僕は最高に気分が良かった。

最初の頃はいつC.Cが現れるか、兄さんが記憶を取り戻すかとはらはらしたが、そんな様子もなく毎日が平和に過ぎていく。

ああ今日も平和だな~。
それにいい洗濯日和だ。

僕は洗濯物のしわをパンパンと伸ばしながら空を仰いだ。

僕はここに来るまで家事というものをした事がなかった。
ここに来てからも家事全般は兄さんがやってくれてたのであえてやってはいなかった。

ところが先日のこと、カメラの死角に入ったとたん、

「おいこら愚弟!」

と声をかけられた。
こんな喋り方をするのはただ一人。ビレッタ先生だ。

「?・・・なんで僕が愚弟なんです?」

「お前、兄にばかり家事をさせて、恥ずかしいとは思わんのか?」

大体お前は・・・と説教が続く。

時々思う。
この人は本当に兄さんの監視者なんだろうか?
どっちかと言うと僕の監視者と言う気がしてならない。

悪意がないことは分かっているので別に正面から文句を言おうとまでは思わないけれど、この人も兄さんの次ぐらいに不思議な人だ。

「昨日は誕生日プレゼントもらえてよかったな♪
お前もルルーシュの誕生日にはなんかやれよ?もらったら相手にも返すのが常識だ。」

とか、

「お前、宿題教えてもらいすぎだ。辞書をきちんと引いて頭使って考えろ。それでなくとも馬鹿なのにますます馬鹿になるぞ。」

とか、

「ルルーシュがいない隙に床に寝そべってテレビ見ながらケーキを手づかみで食べてたろ。行儀が悪いにも程がある。」

とか、手厳しくあれこれ言ってくる。どれも任務には全くかかわらない事柄なのに。



そして最近のビレッタ先生のお気に入りのフレーズが「愚弟。」

最近は僕のことを「ロロ」と呼ばず、「おいこら、愚弟。」と呼びかけてくる。


「は~。先生。僕、先生に何かしましたか?たまには『愚弟』じゃなくて『ロロ』と呼んでくださいよ。」

ため息をつく僕にビレッタ先生は嬉しそうに言う。

「お前には世間の常識がかけているからな。私はそれを教えてやっているんだ。」

嘘だ。任務が長引いて暇だから、絶対僕で遊んでるんだ。

「常識なら僕だって知っています。もう5ヶ月も普通の人と変わらない生活を送っているんですからね。
兄さんとは問題なく過ごしているし、他人とだって任務の妨げにならないようほどほどに上手く付き合っています。成績だってほとんどAだし、兄さんは僕のこと『賢い』っていつもほめて・・・。」

「それがいかんと言うのだ!!ばか者!!!」

ビレッタ先生は腰に手をあて、胸をそらして僕を怒鳴りつける。

「お前の兄貴はお前に甘すぎる!!とんでもなく甘すぎる!
言っておくが世間一般の兄は、ああではない。弟なんて使いっぱしりぐらいにしか思ってない。」

「ビレッタ先生もそうなんですか?」
いやみのつもりで聞いてもこの人は全くこたえない。

「もちろんだ。弟はかわいい。でも、弟とは利用するものだ。アレをもってこい、コレをもってこいと散々使い倒し、ちょっと宿題を教えてやったらそれをいつまでも恩に着せたり、逆らったら『お漏らししたお前の世話をしてやったのは誰だったかな?』とささやいて黙らせる。これが弟に対する普通の態度だ。」


う・・・めまいがしてきた。
僕もたいがいゆがんでいるとは思うけれど、この人はそれ以上だ。

僕は兄弟ほど美しい関係は無いと思っているのに夢を壊すのはやめて欲しい。


「お前は幻想を見ているんだよ・・・。」
ビレッタ先生がつぶやく。

「ルルーシュは、あれは兄貴と言うよりママだ。私が姉貴となって本当の兄弟の厳しさを教えてやる!」

叫ぶビレッタ先生に本気で頭痛がする。
僕は優しい兄だけで十分なんだけど。

ああ、僕の任務がこの人の弟になることでなくて良かった。
もしそうだったら、さんざん使い倒された挙句、愚弟、愚弟とののしられる毎日となったろう。

それでもまあ、相手がこの人であればそんなに嫌な気はしないのかもしれない。

「こんな優しくないクソ姉貴いりません。」

と言ってあっかんべをしてやると、何故かビレッタ先生はふわりと笑った。
僕はそれを綺麗だと思った。
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