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弟の苦労その5
2008年06月30日 (月) | 編集 |
「このままでは、世界を壊し、世界を創造することなど不可能だ。」

兄さんが苦々しげに言う。

「キューピットの日、今日のイベントで女たちとの関係を一気に清算する。」

いいぞ兄さん!!流石に懲りたんだね。昨日涙を呑んで見捨てたかいがあったよ♪

「そして、兄さんは晴れて自由の身となる。」

嬉しさを隠して真面目に言うと兄さんはうなずいてくれた。
やった!今日から家族水入らずでゆっくり食事したり、おしゃべりしたり出来る!
嬉しいなあ。
思わず頬が緩むのを感じるが、その間にも作戦は進められていく。


「幸いこのイベントは教師も参加できる。」

兄さんが言うとヴィレッタ先生がえ?と振り向いた。

「ヴィレッタに俺の帽子を奪ってもらう。」

「そ、それはおかしな誤解を招くだろ?この件は咲世子が責任を取るべきかと・・・。」

と、先生がかなり嫌そうにつぶやいた。

「申し訳ありません。私は途中から影武者としてルルーシュ様と交代を。」

咲世子が悪びれもせずに言うと先生は、えっ!?それはないだろ、という表情を浮かべる。
が、もちろん天然咲世子は微笑んだままだ。
ザマーミロ。
先生も他人事みたいな顔をせず、咲世子の恐ろしさを知るがいい。

でもまあ、拒否したい気持ちは分かる。女教師と男子生徒。確かに危ない。
それは一般知識の乏しい僕にでも分かる。

しかも以前やったお祭りの時の『とんでもない水着でウェイトレスをやったエロ教師』という噂がやっと消えようとしているのに、このタイミングではかなり痛そうだ。
でも使えるコマが少ないんだから仕方がない。
さっさと諦めてやるがいい。
咲世子には影武者の務めがあるし、そうでなくてもあんな危ない女を兄さんにこれ以上近づけたくない。この役は先生しかいないだろう。
僕が、うんうん、とうなずいていたら、ヴィレッタ先生が真面目な顔をして言った。


「咲世子が駄目なら、ロロが女装して帽子を奪えばいいじゃないか。結構似合いだぞ?」

「なるほどそれも選択肢のひと・・・・・・・つ・・・な、わけないじゃないですか!!」

キショイこと言うな!!

何で僕が女装なんか!!
しかも女装した実の弟が兄の帽子を奪うなんて、危ないどころの話じゃない!!
女たちは撃退できるだろうが、明日から二人して日なたを歩けない身になってしまう。
僕は兄さんが大好きで大好きで大好きだけど、それは輝くように美しくて、月の光のように清らかな兄弟愛としての感情だ。
学園のみんなに、僕が咲世子を見るような目でみられ、卒業まで後ろ指刺されるような生活はしたくない。

僕と兄さんはあくまでもほほえましい超仲良し兄弟として堂々と動物園に行ったり、水族館に行ったり、一緒にお弁当を食べたり、映画を見に行ったり、ショッピングに行ったり、綺麗な夜景を見に行ったりするんだ。
僕は咲世子みたいな変態じゃないから、任務といえど、周りから変な目で見られるのは兄さんと僕との美しい関係を汚されたようで屈辱だ。

おのれヴィレッタ先生め!自分が逃れるためなら手段を選ばないつもりだな。
こうなったら何が何でもあなたにやってもらいますからね!
そして、美形の男子生徒に手を出したエロ教師として再び笑いものになるがいい。
咲世子の件の恨みも、僕は忘れてないからね。


「絶対ヴィレッタ先生が適任です。おかしな女に捕まらないためにも必要です。」

キッと先生に目を向けて言い逃れできないよう兄さんの援護をする。

それに実際へんな女に捕まったら大変だ。
たとえば毎日毎日兄さんのことを考えて、詩を書いちゃったり早起きしちゃったりマフラー編んじゃったり滝に飛び込んで兄さんの名前叫んじゃったりするような、危険な女に兄さんが捕まったら僕はまたないがしろにされるのに違いない。
それなのに。


「・・・だったら、シャーリーでいいだろう。アレは相当お前にほれている。お前を守るために私を撃った事もある。」

せっぱつまったヴィレッタ先生はよりによって僕が一番邪魔だと思っているシャーリーさんの名前を出してくる。
兄さんを守るためにヴィレッタ先生を撃っただって!?
僕ならともかく、シャーリーさんは殺し屋でもない一般庶民のはずなのに、ナイトメアにも乗る軍人の先生を撃つなんて。

めちゃくちゃ危険な女じゃないか。信じられない!!

シャーリーさんが兄さんとくっついたら『兄さん、兄さん』とまとわり付く弟の僕なんて、彼女にとってはお邪魔虫か、ゴキブリぐらいにしか思えないだろう。
僕のギアスは物理現象には効かない。
遠距離から狙い撃ちされたら防ぎようがないじゃないか。
くっ・・・、咲世子ばかりかこの女まで・・・・。

僕が勝手な妄想を膨らませていると、不意に兄さんが苦しげに言った。

「だから・・・・・・、もう、巻き込みたくないんだ。」と。


その言葉に僕もはっとなる。


・・・うん。ごめんね兄さん。兄さんもシャーリーさんの事、凄く大事に思ってるんだよね。
勝手な事思ってごめんなさい。
兄さんが大切なあまり、シャーリーさんを逆恨みしかけたけれど、彼女はいつも兄さんの事を大切にしてくれる。
命をかけても兄さんを守るような、そんな強さを持っている人だ。

僕を戦いから遠ざけておきたいように、シャーリーさんの事も巻き込みたくないんだね。
わかったよ兄さん。




「・・・と、いうわけで帽子を奪うのはヴィレッタ先生で決定ですね♪」

にっこりと先生を見ると『貴様、根にもっているだろう、この裏切り者が。』と言うような目で睨まれたけれど、気がつかない振りをしておいた。





読みに来て下さった方、ありがとうございます♪♪
どうも毎日来てくださる方もいるようで、とっても嬉しいです。もちろんはじめて来て下さった方もかたも嬉しいです。どうかゆっくりしていってくださいね。

私は同人的な活動をひさ~~~し振りにしましたので、回りにロロについて語り合える人がおりません。でも、ロロの可愛さにやられ、このような二次小説を密かに書いたり、他のロロ好きさんのブログや小説、イラストサイトを回って楽しませていただいています。
それぞれ個性が出ていて素敵なサイトが多いですね♪
私の知らないロロサイトもまだまだあると思いますので、コレはすごい!!と言うところがあれば教えてくださると嬉しいです。
また、ロロサイトに限ってですが、このサイトで自己宣伝もOKです♪



拍手をいただきましたので、公約通り12話が終わる所までストーリーに沿って捏造していきますが、今回も終わりませんでした
続きの下書きもしていますが、おそらく後2回分かかるでしょう。
ちなみに昨日、下書き中のものを保存する際、間違って30分ぐらいネットに上げてしまいました。
それを見て混乱した方がいらっしゃったらこの場でお詫びしておきます。

次回は拍手コメントを下さったiさん(仮名)のためにロッカーで眠る事になったロロの詳細を織り込みつつストーリーを進めていきます。
早ければ明日も更新できると思います。
では、ロロ好きの皆様、ふつつかなUTですが、これからもよろしくお願いいたします。
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